Monthly Archives: 9月 2019

訪問歯科診療って何ができるの?

2019年9月28日

「歯医者に通いたいけど、家や病院から出れない。」

そのようなお悩みを抱えていらっしゃる方のために、当院では訪問歯科診療を行っています。

 

訪問歯科診療って何ができるの?

歯科医院以外での治療内容について、当院で行っている訪問歯科診療の例を挙げてご説明いたします。

 


 

本日午後から、訪問診療のご依頼をいただいた病院に伺いました。治療内容としてはCR充填(虫歯の部分を削った後にコンポジットレジンという歯科用プラスチックを詰める治療法)と、左下6番歯肉掻爬(歯周ポケットの内側の炎症をおこしている歯肉をキュレットと呼ばれるスケーラーを使って取り除き、歯周組織の炎症を改善し歯周ポケットを浅くする処置)です。

 

訪問歯科診療・ケース①

一人目は、治療中に痛みが伴わないように浸麻(浸潤麻酔法の略。手術をする場所へ注射し麻酔薬を浸み込ませる、体への負担が軽い局所麻酔の一つ)を行い、カリエスを除去しCR充填を行いました。すごく怖がりの方で、浸麻をしている時も緊張されているのが伝わりました。CR充填をした後、1週間後にまた訪問診療を行い、しっかりと清掃してプラークコントロールを行っていきたいと思っています。また、カリエスは少なかったですがあまり清掃状態が良くない方でした。

 

訪問歯科診療・ケース②

二人目は、左の歯肉が腫れていたので歯間掻爬を行い、不良肉芽を除去しました。また、義歯をはめていらっしゃいましたが義歯の裏側には食べ物のカスが詰まっていました。付き添いの方に聞くとあまり義歯を手入れすることがなく一日中付けられていると言っておられました。義歯の使用方法、手入れ方法によって口臭の原因や義歯が変形することもあります。その他にも残存歯も歯周病や虫歯になりやすくなりますので気を付けていただきたいとお伝えしました。特に入れ歯を清潔にしていないと義歯性口内炎を繰り返し起こすことになりますので一日一回はしっかりと入れ歯洗浄剤を使って清掃することや、義歯清掃用歯ブラシの使い方の説明を行いました。義歯清掃用歯ブラシは、普通の歯ブラシと違って義歯の汚れを効率よく落とすために硬軟2つの植毛部分がありますのでとても使いやすく、しっかりと清掃することができます。

 


 

上記2名の方の治療は、医院で通常行っている治療なのですが、訪問診療となると削合する機械はもちろん、いろいろな道具を持ち運び治療をしなければならないので大変です。そのため当院では、訪問歯科診療専用ユニットを購入し、歯石除去から抜髄処置まで歯科医院で行うのと同じくらいの歯科治療ができるようになりました。

 

訪問診療を希望される方は高齢者の方が多く、口が開けにくい方、口腔清掃状態が悪くプラークコントロールができていない方が多いです。その他にブラッシングを含めたプラークコントロールをしっかりと説明し、月に一度は定期的にメンテナンスに伺いたいと思っております。

 

身近に訪問歯科診療を希望される方がいらっしゃいましたら、いつでもご相談ください。

楔状欠損の治療

2019年9月25日

昨日は、久しぶりにイオンへ出かけたのですが、連休のためかたくさんのお客さんで混雑しておりました。

今日は、右上6番の歯がしみると言って、当院へ急患で来院されました。
早速口腔内を見ると、多数の歯牙が楔状欠損(WSD)になっていました。
エアーをかけただけでかなり痛そうです。
軽い痛みの場合は楔状欠損の部位にCR充填するのですが、今日来院された患者さんの場合、かなり自発痛があったため浸麻をして抜髄を行うことにしました。
治療計画としては、最終的にはCRにする予定です。
今回の痛みの原因は、ブラッシングの仕方にあると思われます。
強く磨きすぎ(横磨き)などが考えられます。
今後は、痛んだ歯の治療も大切ですが、正しいブラッシング指導を行っていきたいと考えております。

院長 山根

高齢者の歯科治療

2019年9月22日

本日は台風が近づいていることもあって、かなり肌寒く感じました。
また、日が暮れるのも早く、秋の気配を感じさせる一日でした。

本日は高齢者の方で初めて来院された患者さんです。始める前から緊張されている様子です。以前、歯科治療した際にすごく痛い思いをしたため恐怖心を抱いてる患者さんです。そんな不安を和らげるため、やさしい口調で説明をし、患者さんの考えを聞きました。
治療は、詰め物が取れたということなのでCR充填を行い、歯牙の周りには歯石がついていたのでスケーリングを同時に行いました。幸い、痛みもなく治療が終わりました。
最後に労いの言葉「お疲れ様でした。よく頑張りました。」と声をかけると笑って帰られました。

院長 山根

抜髄治療

2019年9月18日

本日急患で来院された患者さんは、右上が痛く、頭まで痛むと言われました。
早速、口腔内を見ると右上6番に大きく穴が空いています。
レントゲンを撮ってみると、完全に歯髄までカリエスが進行していました。
エアーをかけても痛がります。これは、抜髄処置と判断し、いつものようにゆっくり麻酔を行い、処置に取りかかりました。患者さんもある程度覚悟していたようです。
麻酔を行った段階でずいぶん楽になったようでした。
もちろん、抜髄を行う前に口腔内の状況をていねいに説明し、治療後は今後の治療方針を説明しました。
ただその他の歯はほとんどカリエス・歯周病もなく大丈夫のようです。今まで歯科にかかったことがほとんどなく、今回こんなに痛みがあったのは初めてですと言っておられました。
ということで、無事に治療が終わりました。

院長 山根

歯周病

2019年9月15日

本日は城まつりで久松公園はいつになく大勢の人で賑わっていました。屋台も多く、いろんな催しがあり、多くの人々がとても楽しんでおられました。

今日、口腔内全体が歯周病になっている患者さんが来院されました。
左上2番から右上2番の部位が、動揺度3でほとんど抜歯症例です。
ですが、患者さんは抜歯はしないでほしいと強い要望がありましたので、いろいろ考えた末に左上2番から右上2番を暫間固定することにしました。
すると、1本1本かなり動揺していた歯が動揺度が少なくなりました。でも、厳密にみると少しは動揺しています。ただ患者さんは納得した様子でした。

私の考えとしては、いずれ抜歯することになると思い、そのことは患者さんには説明しておきました。次回来院されるときは、口腔内のスケーリング・ブラッシング指導など行う予定です。

院長 山根

怖くない歯医者(小児歯科)

2019年9月10日

今日は外に出てみると、近く中学校の運動会が先週土曜日にあったせいか今日はその代休日とあって、中学生の姿が多くみられました。

今日は恐怖心の強い子どもが来院されました。口腔内はむし歯が多く、プラークもたくさんあり清掃状態が良くない状態でした。
実は、先日から当院に来院されていたのですが、最初から治療は無理と判断しブラッシング指導をお母さんと一緒にしながら(Tell Show Do)を前々からしていました。その甲斐あって、今日やっとむし歯の治療ができました。だいぶん慣れてきたのだと思います。お母さんもホッとしておられました。子供にはご褒美としてガチャポンを差し上げました。
ただ、私たちはいつも大人でも小児でも無痛的に恐怖心を抱かせない歯科治療を心掛けておかなければなりませんね。

院長 山根

ていねいな説明と治療

2019年9月9日

9月に入っても鳥取ではとても暑い日が続いていますが、だいぶん日が暮れるのが早くなってきたように感じます。

今日右上が腫れている患者さんが来院されました。レントゲンを撮ってみると、右上5番が歯牙破折していました。すぐにEXT(抜歯)をしました。抜歯自体はそんなに時間がかからなかったのですが、むしろその後の治療方針の説明に時間がかかりました。
欠損補綴では3つの方法があります。
それは、インプラント・ブリッジ・義歯のことです。この3つの方法を丁寧に説明しました。どの方法をとるのかなかなか決断が出来なかった様子でした。結局次回来院されるときまで考えるということになりました。ただ(インプラント・ブリッジ・義歯)において、ひとつひとつの治療方針のメリット・デメリットを丁寧に説明しましたので、その部分を考慮して治療方法を決めるでしょう。確かに、自分が患者さんの立場ならすぐに決めることは出来ないかもしれませんね。

院長 山根

歯肉の腫れ

2019年9月8日

最近、かなり暑くなってきましたね。鳥取では日中35℃あり、とても暑い一日でした。

今日は、歯肉が腫れた患者さんが来院されました。いつものように、確実な診断を行うためパノラマ・CTを撮影し感染根幹由来からか、もしくは、歯周炎からきているものか調べてみると歯周炎からと確信しました。
歯の周りの歯槽骨が吸収していたので、そこは患者さんに丁寧に説明し、歯の周りをしっかり掻爬し、またスケーリングを行いプラークも一緒に除去しました。
かなり出血していたのでうがいをしたときに患者さんは最初不安そうでしたが、時間が経つにつれて出血はなくなり安心した様子でした。

院長 山根

インプラントの豆知識(つめもの・かぶせもの)

2019年9月6日

インプラント治療とは、部分的もしくはすべての歯を失った場合に受けられる治療法で、「インプラント補綴(ほてつ)」とも呼ばれることがあります。歯を失った部分に外科手術で人工歯根(チタン製)を埋め込み、上部構造と呼ばれるクラウンやブジッジのような補綴装置を接続させます。

 

インプラントのかぶせものの種類

当院では、インプラントの最終補綴物を、ハイブリッド・パラジウム・メタルボンド・ジルコニア・ゴールドの5種類の中からお選びいただけます。
ハイブリッド、メタルボンド・ジルコニアは審美性に優れています。強度の面から見るとこの3つの中ではジルコニアが一番優れており、順にメタルボンド、ハイブリッドとなっています。また、強度的には金属のゴールドパラジウム合金が優れていますが、精密にできるのはゴールドです。ただ白い歯ではないため審美的な観点から前歯には使用できません。以前はメタルボンド・ハイブリッド冠を多く使用していました。しかし長期間の使用になると欠けたり摩耗したり、ハイブリッド冠においては破折したりすることが稀にありました。特にハイブリッド冠は、咬合力が強い方にその傾向が多く見られました。そのような理由からも、当院では審美的に良く、強度が強い観点から考えてジルコニア冠をお勧めしています。

 


 

本日、インプラント冠(ジルコニア)をセットしました。ジルコニアは硬いため削合しにくく調整が難しいのですが、ほとんど無調整でいれることができました。そのため治療時間も短く終えることができました。インプラント冠(ジルコニア)をセットする際に患者さんの口腔内を見ると、清掃状態があまり良くなく歯石やプラークが結構ついていました。機械的清掃及び補助清掃器具(歯間ブラシ・デンタルフロス)などの使用、あるいは使い方の説明(ブラッシング指導)をしっかりと行いました。

 

かぶせもの・つめものを長く持たせるには…

インプラント冠(ジルコニア)に限らず、どのような補綴物を入れても清掃状態が良くないとすぐにインプラント周囲炎、歯周病、カリエスになってしまいます。最善の状態で長く冠を持たせていくためには定期的なメンテナンスが大切です。一旦治療が終了しても、良好な状態を保つためメンテナンスのために定期的に歯科医院に来院いただくことをおすすめします。メンテナンスの頻度は3カ月〜半年というのが一般的です。患者さんご自身では気づきにくい変化がないかチェックし、問題があれば早期に治療することで良好な状態を保つことができます。

 

インプラント治療に関することをはじめ、口腔内のことで何か気になることがございましたらお気軽にお問い合わせください。

インレー形成

2019年9月4日

こんにちわ 山根です。

今日、インレーが脱離した患者さんが来院されました。

口腔内をよく見ると、インレー脱離した部位にカリエスなっています。
患者さんに口腔内を見てもらい、さっそく本日から治療を進めていくことにしました。
いつものように、ゆっくりと麻酔を行い、軟化象牙質(カリエス)を除去しました。
除去していくと、側壁が薄くなり、もしかすると、インレーを入れても歯牙が破折するかもしれないなあと思いました。ただ、FCK(Cr)にすると削合する量が多くなるため、やはり、今まで通り裏装して、インレーを入れるための印象(型取り)をすることにしました。
歯牙が破折する可能性があることを、しっかり説明し患者さんには納得していただきました。

次回はセットです。ありふれた治療でした。おだやかな雰囲気で治療が終わりました。

院長 山根