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歯を失った後の治療法

2024年6月19日

こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。

みなさんは、歯が痛くなった時、歯医者さんへ行かれると思います。その時に歯医者さんから 「この歯は、もう保存することが難しいので、抜歯をお勧めします。」と、言われたら、その時どう思われますか?痛みがなくなるのであれば、抜歯はしかたないなあと思われるのではないでしょうか。もちろん抜歯はしないで歯を残していきたいと思われる方はいると思います。次に何を思いますか。ほとんどの方は抜歯した後、どのような治療をされるのかと不安と疑問を先生に質問されると思います。本日は『歯を失った後の治療法』についてお話します。

抜歯後の治療について

抜歯後の治療は、4つあります。それぞれの方法についてメリット・デメリットがあります。当院では、患者様の希望をしっかりとお聞きし、最適な治療法を一緒に考えていくようにしています。

インプラント治療

インプラント治療とは、失った歯の代わりに、インプラントという人工歯根を顎骨肉に埋め込んで、その人工歯根の上に冠をかぶせる方法です。

メリット

●審美的に優れている

インプラントは、見た目がとても美しく自分の歯のような美しさがあります。例えば、入れ歯の場合などは笑った時に入れ歯を維持するための金具(クラスプ)が見えてしまったり、保険適用の差し歯の場合は、長期間使用していると、冠の表面が変色して不自然になったりします。それに比べて、インプラントの人工歯根の場合は、冠がジルコニアやセラミックが使用されることが多いため、天然の歯と同様に自然な仕上がりになり、審美的に優れています。

●他の歯に対して悪影響がない

インプラントは、人工歯根を1本単独で埋め込むため、それぞれが独立した歯になる為、他の歯に対して悪影響がありません。しかし、ブリッジや入れ歯の場合は悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、ブリッジの場合、両隣在歯を削って被せるため、他の歯に大きな負担がかかり、歯の寿命が短くなります。その点、インプラント治療は最適な治療と言えます。

●寿命が長い

インプラントの多くは、チタン金属で作られていますが、この金属は生体親和性に優れていて、顎骨としっかりと結合するため、強度があります。強く噛みしめて硬い食べ物を食べたとしても壊れることはありません。しっかりとメインテナンスを行っていれば、10年以上は長持ちさせることができます。                                            ちなみに、平均寿命を他の治療法と比べてみると、ブリッジは7年、入れ歯は3~4年です。インプラントは約90%以上が10年以上長持ちすると言われています。

●自分の歯の感覚で、噛んで食事ができる

自分の歯を抜歯などで失った場合、抜歯した部位ではなかなか上手に食べ物を噛むことができません。インプラント治療は、自分の歯と同じような感覚で食事をすることができます。         例えば、入れ歯にした場合は、違和感が出て、しっかり食事ができないケースがよくあります。しっかり噛めるようになるということは、食事が楽しくなるということだけではなく、体全体の健康や精神的なストレスの軽減にもつながります。                            当院ではこのことがインプラント治療における最大のメリットと考えています。

デメリット

●費用が高額である

インプラント治療は、保険適用外になる為、入れ歯、ブリッジに比べて治療費が高額になります。

●手術が必要である

インプラント治療は、顎骨にインプラントを埋め込むため、手術が必要になります。また、治療後は歯茎がはれたり、痛みを伴うことがあります。基礎疾患がある人は注意が必要です。また、症例によっては、インプラント治療ができないケースもあります。レントゲン写真・CTを撮影して、しっかりと治療計画を考えていかなければなりません。

ブリッジ

歯を失った両隣在歯の歯を削合し、それを支台として橋渡しのように被せる方法です。

メリット

●治療期間が比較的短い

●比較的自分の歯の感覚で食事ができる

●保険適用になる為治療費が安い

●手術の必要がない

デメリット

●隣在歯に悪影響を及ぼす

失った歯の両隣在歯を削合することになるので、両隣在歯に悪影響を及ぼす可能性が高くなります。場合によっては、ブリッジを作成するため、歯の神経処置しなければいけないケースもあります。

●寿命が短い

ブリッジの寿命は、7年と言われています。欠損部の負担を両隣在歯に振り分けることになるので、支台歯にしている歯の負担が大きくなり、寿命が短くなります。また、支台歯となった歯が痛み出して、再治療になることも少なくありません。

ブリッジの治療を選択したことによって、支台歯が虫歯になったり、過剰な負担によって歯周病になったりすることがあります。患者さんの中には、『ブリッジがダメになったら、また再治療して、ブリッジを装着したらよい』と思っている方もいますが、ブリッジの再治療は何回もできるものではありません。再治療することによって、支台歯となった歯が破折して抜歯になるケースも少なくありません。その場合、次の治療法は、保険治療だと入れ歯になります。

入れ歯

入れ歯は、歯を失った部分を人工歯を用いた義歯床で補い、残っている歯に留め金をつけて安定させる装置です。

メリット

●手術が必要ない

●保険が適用となるので治療費が安い

●治療期間が比較的短い

●取り外しが可能なので口腔清掃がしやすい

デメリット

●入れ歯を安定させるための留め金が見えるため、審美的に良くない

●留め金をかけた歯に負担がかかってしまい、ダメになってしまうことがある

●違和感がある

●発音しにくいことがある

●咬む力がインプラントやブリッジに比べると弱く食事がしにくい

●寿命が短い。入れ歯の寿命は3~4年

インプラント治療と入れ歯の併用(オーバーデンチャー)

オーバーデンチャーとは、数本のインプラントを顎骨に埋め込み、その上に入れ歯を装着する方法です。

メリット

●安定感がある

通常の入れ歯と違って、インプラントが入れ歯の固定源となるため、安定感があり、食事中に外れたりすることが少なくなります。

●咬む力の向上

ブリッジやインプラントに比べると噛む力は劣りますが、通常の入れ歯よりは安定しているため噛む力は向上しています。

●違和感が少ない

●取り外しが可能

インプラントオーバーデンチャーは、通常の入れ歯と同様に取り外しが可能な為、口腔清掃がしやすくなります。

デメリット

●治療費が高い

インプラントオーバーデンチャーは、保険外治療の為、治療費が高くなります。ただ、インプラントに比べるとかなり安くなります。

●手術が必要

インプラント治療を行うことになるので、施術が必要になり、治療後歯茎の腫れ、痛みが出ることがあります。

まとめ

今回は歯を失った後の治療法についてお話してきました。患者様によっては、治療方法を決めるのが難しい場合もあると思います。当院では治療法の選択ポイントとして、患者さんの年齢、健康状態(基礎疾患の有無)、口腔内の状態、治療費、患者さんの希望など考慮して、患者さんにとって一番ベストな治療法を選択することが大切だと考えております。

また何か気になる点やご質問があればお気軽にご相談ください。

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