「歯医者に通いたいけど、家や病院から出れない。」
そのようなお悩みを抱えていらっしゃる方のために、当院では訪問歯科診療を行っています。
訪問歯科診療って何ができるの?
歯科医院以外での治療内容について、当院で行っている訪問歯科診療の例を挙げてご説明いたします。
本日午後から、訪問診療のご依頼をいただいた病院に伺いました。治療内容としてはCR充填(虫歯の部分を削った後にコンポジットレジンという歯科用プラスチックを詰める治療法)と、左下6番歯肉掻爬(歯周ポケットの内側の炎症をおこしている歯肉をキュレットと呼ばれるスケーラーを使って取り除き、歯周組織の炎症を改善し歯周ポケットを浅くする処置)です。
訪問歯科診療・ケース①
一人目は、治療中に痛みが伴わないように浸麻(浸潤麻酔法の略。手術をする場所へ注射し麻酔薬を浸み込ませる、体への負担が軽い局所麻酔の一つ)を行い、カリエスを除去しCR充填を行いました。すごく怖がりの方で、浸麻をしている時も緊張されているのが伝わりました。CR充填をした後、1週間後にまた訪問診療を行い、しっかりと清掃してプラークコントロールを行っていきたいと思っています。また、カリエスは少なかったですがあまり清掃状態が良くない方でした。
訪問歯科診療・ケース②
二人目は、左の歯肉が腫れていたので歯間掻爬を行い、不良肉芽を除去しました。また、義歯をはめていらっしゃいましたが義歯の裏側には食べ物のカスが詰まっていました。付き添いの方に聞くとあまり義歯を手入れすることがなく一日中付けられていると言っておられました。義歯の使用方法、手入れ方法によって口臭の原因や義歯が変形することもあります。その他にも残存歯も歯周病や虫歯になりやすくなりますので気を付けていただきたいとお伝えしました。特に入れ歯を清潔にしていないと義歯性口内炎を繰り返し起こすことになりますので一日一回はしっかりと入れ歯洗浄剤を使って清掃することや、義歯清掃用歯ブラシの使い方の説明を行いました。義歯清掃用歯ブラシは、普通の歯ブラシと違って義歯の汚れを効率よく落とすために硬軟2つの植毛部分がありますのでとても使いやすく、しっかりと清掃することができます。
上記2名の方の治療は、医院で通常行っている治療なのですが、訪問診療となると削合する機械はもちろん、いろいろな道具を持ち運び治療をしなければならないので大変です。そのため当院では、訪問歯科診療専用ユニットを購入し、歯石除去から抜髄処置まで歯科医院で行うのと同じくらいの歯科治療ができるようになりました。
訪問診療を希望される方は高齢者の方が多く、口が開けにくい方、口腔清掃状態が悪くプラークコントロールができていない方が多いです。その他にブラッシングを含めたプラークコントロールをしっかりと説明し、月に一度は定期的にメンテナンスに伺いたいと思っております。
身近に訪問歯科診療を希望される方がいらっしゃいましたら、いつでもご相談ください。