Part.2では、インプラント治療の進め方の概要についておはなしします。
「そもそもインプラント治療とはいったいどういうもの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。インプラント治療とは、虫歯や歯周病、歯の破折などの原因で歯が失われたところに人工歯根(インプラント)を埋め込み、それを土台として冠を作る治療です。インプラント治療は自分の歯と同じように噛むことができ審美的な面でも満足できる治療法です。
インプラント治療の進め方
1回目
①問診
お口の中の悩みをしっかりと聞きます。良く患者さんから聞かれることは「インプラントって痛いでしょ?」「入れ歯にしたけど、違和感があるからインプラントにしようかな」という言葉です。そのような質問にもできるだけお答えしていきます。
②検査
パノラマ・CTなどレントゲン検査、口の中の検査(虫歯、歯周病の有無、噛み合わせのチェック、口の中の清掃状態)などを調べていきます。特にCTは、3Dによる立体画像で顎の骨の状態、神経や血管の位置を正確に確認するためインプラント治療に不可欠な検査です。これは、万が一顎骨のなかにある神経、血管を傷つけるといった大きなトラブルを防止するための検査です。
2回目
インプラント治療の計画と骨の状態を確認
骨量が足りない場合GBR、サイナスリフト法、ソケットリフト法などの術式を使用するか、またどの位置にインプラント体を埋め込むかシミュレーションを行い患者さんに説明します。
3回目
インプラント埋入
局所麻酔をしてインプラント手術を行います。ただインプラント埋入を行う前に、当院では口の中の歯垢、歯石を除去してできるだけ口の中を清潔にしてから行うようにしています。手術時間はインプラント埋入の本数や術式にも変わりますが、通常のインプラント手術ですと2本埋め込んで20~30分くらいです。インプラント埋入後、再度レントゲン撮影を行います。正しい位置にインプラント体が埋入できたかどうかの確認の為、撮影します。
最後に術後の注意事項を患者さんに説明します。注意事項の内容としては以下の通りです。
①強くうがいしない
②食事は2週間くらい柔らかい食べ物を食べるようにして、できるだけインプラント治療を行った場所は使わないようにする。
➂飲酒や激しい運動を避ける
④お風呂は長時間避け、シャワー程度にする
➄インプラント体を埋入した部位が2~3日程度で腫れが引いてきているか
4回目
インプラント埋入部位の消毒・経過観察
GBR、サイナスリフト法、ソケットリフト法の術式を使用した場合は腫れることが多いので、患者さんにはしっかりと説明する必要があります。
5回目
経過観察
3か月後に経過が良好であれば歯を作る作業に入ります。当院では精密な型取りをするためシリコン印象材を使用しています。多数歯にわたり、インプラント治療を行なった場合は、噛み合わせが不安定になりやすく、咬合異常を起こすことがあります。その為最終補綴物を入れる前に仮歯を装着します。(プロビジョナルレストレショーン)仮歯を装置して経過観察を行い問題ないことを確認してから、最終補綴物を制作します。
6回目以降
冠セット後のメンテナンス
当院では年3回程度の定期的なメンテナンスをお勧めしています。
【メンテナンスのチェックポイント】
◦お口の状態(清掃状態)
◦レントゲンでの骨状態
◦咬み合わせ
以上のことをチェックし、異常が無いかを確認します。
何か異常が出た場合でも早期発見・早期治療を行えば長くインプラントを使い続けることができます。ですので、メンテナンスがとても重要だと言えます。
インプラント治療について何か気になることがございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。