朝起きたときに熟睡した感じがしなかったり、顎が痛かったり…ということはありませんか?また、家族から「就寝中にギリギリと音がして気になる」など言われたことはないでしょうか?このような症状がある人は、寝ている間に食いしばりや歯ぎしりをしているかもしれません。睡眠時だけでなく、仕事や勉強など何かに集中している時、イライラしている時、身体に力が入る時など、無意識のうちに歯ぎしりや食いしばりをしていることもあります。本日は、歯ぎしりや食いしばりなど不自然な力がかかり続けていることで起こる障害や改善方法についてお話ししたいと思います。
歯ぎしりや食いしばりは、無意識に行われているため自覚しにくいのが特徴です。歯ぎしりは大きく3つに分けられます。
目次
【歯ぎしりの種類】
グラインディング
上下の歯をギシギシと擦り合わせる一般的なタイプ
クレンチング
無意識に歯を強く嚙みしめたり、食いしばるタイプ
タッピング
歯をカチカチと素早く合わせるタイプ
この中で多く見られるのがグラインディング(歯ぎしり)です。上下の歯を強く咬んだ状態で横に滑らせ、擦り合わせる動きをいいます。主に就寝中に起こりますが、起きている時にもしている人がいています。また多くの場合ギリギリという音がしますが、音のない歯ぎしりをする場合もあるため気づかない方もいらっしゃるようです。
クレンチング(歯を食いしばる)ですが、クレンチングは無意識に歯を食いしばったり、咬みしめていることをいいます。通常、歯が咬みあっている時間は大体20分程度と言われており、上下の歯は接触せず少し隙間が空いている状態です。しかし、クレンチング(歯を食いしばる)をしている人は20分以上歯を食いしばっており、強い力が歯に加え続けられることになります。
タッピングは、上下の歯をカチカチと咬み合わせる(歯を鳴らす)もので比較的頻度の少ないものです。
歯ぎしりや食いしばりの際の咬む力は、自分の体重の2~5倍とされています。女性でも100㎏以上の力が毎日歯や顎にかかり、大きな負担をかけています。歯が擦り減ってきたり、歯ぎしりや食いしばりで頬に歯が押し付けられることによって一時的に頬や舌に歯の跡が残ります。また、歯ぎしりも食いしばりも持続的に大きな力が歯や歯周組織に加わるため、放置していると歯を失うことに繋がる場合があります。そして、歯周病の歯に歯ぎしりなどの大きな力がかかると、歯周病がより急速に進行してしまう結果となります。そのため早期発見と対応が重要です。
歯ぎしりや食いしばりが原因で起こることにはどのようなものがあるのでしょうか?
【障害が起きる部位と具体的な症状】
歯や歯茎:歯の摩耗、破折、しみる、咬合痛など
歯周組織:歯肉炎、歯周疾患(歯周炎)など
顎関節:顎関節痛、開口障害、カックン音など
全身:顔面痛・頭痛・肩こり、腕のしびれ、腰痛など
その他:舌痛症(下に痛みがでる病気)・むちうち症・倦怠感など
歯ぎしりや食いしばりによる影響の負担を減らすためには…
歯ぎしりを治すことは難しいですが、スプリント療法(保険適用)の歯ぎしり用マウスピース「ナイトガード」を就寝中に使用することで歯や顎の負担を軽減することができます。
合わせて噛み合わせの調整、生活習慣の改善等も行います。マウスピースを使用することで得ることができる効果は以下のとおりです。
・歯ぎしりや食いしばりの状態が確認できる
・歯ぎしりや食いしばりによる歯の摩耗や破折、詰め物の脱落防止になる
・歯ぎしりや食いしばりの力を弱めることができ、負担を分散させることができる
・噛み合わせの調整を正しく行うことができる
・歯ぎしりの音がしなくなる
・歯のセラミック修復を歯ぎしりから守り破折を防ぐことができる
就寝時に「ナイトガード」を使用することで多くの障害が緩和されることがわかります。口腔内のバランスを保ち健康に過ごすためにも、歯ぎしりや食いしばりでお悩みの方がいらっしゃいましたら、一度検討されてみられてはいかがでしょうか。
歯ぎしりや食いしばりで何か気になることがあればお気軽にご相談ください。