歯周病の予防には歯肉をマッサージすることがとても大切です。そのためには、歯と歯の間を磨く「つまようじ法」が効果的です。あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、つまようじ法とは実際につまようじを使うわけではなく、歯ブラシの毛先をつまようじのように歯と歯の間に出し入れして歯を磨く方法です。つまようじ法のマッサージ効果で、歯と歯の間の歯茎が強くなり、歯周病予防におすすめです。
歯医者さんでの定期検診で聞くブラッシング法は、スクラビング法・ローリング法・バス法の三つかと思います。
ブラッシング法の種類
スクラビング法
歯ブラシを歯面に対し直角に当て、歯面に当てた毛先のみ左右に小刻みに動かします。磨き残しも少なく、歯茎を傷付けにくい方法です。主に健康な歯茎の方に適応しています。
ローリング法
歯ブラシの毛先、脇腹を歯と歯茎に当てて、歯ブラシを回転させながら磨く方法です。歯茎のマッサージ効果に優れており、歯面清掃も同時に行えます。歯と歯の間の清掃効果はスクラビング法等に比べると劣ります。
バス法
斜め45度の角度で歯ブラシの毛先を歯茎に入れるように当てて、小刻みに振動させて磨く方法です。歯周ポケット内の清掃性に優れており、主に歯周病の方に適しています。注意すべき点としては、柔らかい歯ブラシを用いないと歯茎を傷付けてしまう恐れがあります。
ここで四つ目のブラッシング法の登場です。
つまようじ法
冒頭でもお話ししましたが、歯ブラシの毛先をつまようじのように歯と歯の間に出し入れして歯を磨く方法です。毛先を歯間部に出し入れすることにより、歯間部の歯肉のマッサージと合わせてプラーク(歯垢)除去を同時に行うことができます。
◆どんな歯ブラシ使うの?
つまようじ法には、専用の歯ブラシ「V7(ブイセブン)」を使います。V7は毛先が歯間に入りやすいような設計になっているので、通常の歯ブラシでは届かない歯間部に毛先がしっかりと入り込み、歯肉を傷つけることなく磨けます。
◆つまようじ法の磨き方
7分を目安にお口全体を磨くようにしてください。
上の歯の場合・・・
毛先を下に向け、歯と歯茎の境目に当てて毛先が歯間に入れるようにし、毛先を歯の先端に向かって滑るように動かします。その後、元の位置まで戻します。この動きを7~10回程繰り返します。
下の歯の場合・・・
上の歯の場合とは逆に、毛先を上に向けて毛先を歯間に入れるようにし、毛先を歯の先端に向かって滑るように動かします。入れたら元の位置まで戻します。この動きを7~10回程度行います。
奥歯の場合・・・
まず歯面に対しほぼ直角に毛先を当てていきます。そして歯間に毛先を入れてまた元に戻す操作を繰り返します。
歯の裏側・・・
毛先を歯間に通して磨くようにします。ブラッシング圧は100~150g程度で磨くようにします。強いブラッシング圧だと歯肉を傷つけてしまいますので気をつけてください。1か所につき10~15秒くらい、どのあたりを磨いているかを確認しながら磨くようにしてください。
つまようじ法を始めてすぐは歯茎からかなり出血することがありびっくりされるかもしれません。続けているうちにブラッシングのマッサージ効果で歯茎が強くなるため、出血は通常1〜2週間で止まります。また、歯茎が下がったように感じる場合がありますが、歯周病で腫れていた歯茎がひきしまってきた結果ですのでご安心ください。1日に1回以上、つまようじ法で丁寧に磨くことを続けてみてください。
つまようじ法は、歯周病予防、口臭予防、虫歯予防、歯肉のマッサージにかなり効果的ですが、磨き方が特殊な分、慣れるまでは難しかったり大変だったりするかもしれません。しかし続けることで確かな効果を得ることができると思います。セルフケアのひとつとして、「つまようじ法」をぜひ始めてみてください。
歯周病予防について気になることがございましたらお気軽にお問い合わせください。