最近、世の中はAIを使用する取り組みが何かと話題になっているように思います。歯科治療においても、最新の機械が開発され、歯科治療の世界も日々進化しております。何年も歯医者に行かれていない方だと、歯科治療の変化に驚くこともあるかと思います。
本日は、当院で使用している機器(装置)についてと、どのように歯科治療が変化しているかをお話します。
当院で使用している最新機器は、CT ・マイクロスコープ・口腔内スキャナー・セレック(ミリングマシン)・レーザーです。
目次
CT
当院では、5年前に導入しました。以前は、デジタル・パノラマ撮影エックス線写真だけでしたが、CTも加わり、コンピューターによるデータ処理と画像の再構成で、断層写真を撮影することができるようになりました。
CTはインプラントや親知らずの抜歯などに主に使用していますが、その他に、パノラマ写真、エックス線写真では判別しにくいケースにも使用しています。例えば、歯根嚢胞の大きさ、上顎洞炎の疑い、歯根亀裂の疑いがある場合には、CTを撮影するようにしています。その結果、痛みや腫れの症状の原因究明に役立てています。また、インプラント治療、親知らずの抜歯などにおいては、下顎管やオトガイ孔などの位置をしっかりと把握できるため、安全に治療ができることも、重要なポイントです。インプラント治療、親知らずの抜歯には、今では必要不可欠な機器と考えております。
マイクロスコープ
マイクロスコープは、人間の視野の8から80倍の拡大によって、治療を可能にするものです。当院では、マイクロスコープによって、根管壁に穴が開いているかどうか、亀裂があるかどうかと調べることにも使用しています。歯周病治療では、歯と歯の間における歯周ポケットにおいてプラークや歯石を除去していくことが重要ですが、肉眼ではしっかり見えずに、完全に取り除くことができないケースがあります。そのような場合マイクロスコープを使用すると、視野が広がりしっかりとプラークや歯石を除去することができます。これは、歯周病再発防止に大いに役立ちます。また、当院では、治療の説明にも使用することがあります。「虫歯がありますよ。だから治療しますね」と言われたり、レントゲン写真を見ても、患者さんはピンとこられない場合があります。そのような時、マイクロスコープ画像を見てご説明させていただくと、納得していただけることがよくあります。このようにさまざまな事にマイクロスコープを使用しています。
口腔内スキャナー
口腔内スキャナーとは、小型カメラで口腔内の状態を読み取ることができます。補綴物を製作するときに使用します。今まで、「型取り」と言ったら、粘土のような柔らかい物を口に入れて、固まるまで待ち、その型取りしたものを石膏に置き換え歯の模型を作製し、補綴物をつくっていたのですが、口腔内スキャナーを使用すると、口の中を小型カメラで撮影スキャンし、デジタル化します。そして、それをもとに、補綴物を作製していきます。口腔内スキャナーでの印象は、レーザーの光を使用した型取りという意味で、光学印象とも言われています。
*口腔内スキャナーを使用するメリット
・患者様の負担を減らすことができる(型取りのために粘土のようなもの(印象材)を口に入れ る必要がない)
・高精度な補綴物(詰め物、被せ物)を作ることができる
・自分の口の中を360度の角度で見ることができる、納得して安心できる治療を受けることができる
・予防ケアにおいて納得できる 手鏡では見えなかったり、見えにくい場所でも口腔内スキャナーを使用しすることによって、口の中をはっきり見ることができる。また、予防ケア(メンテナンス)を分かりやすく説明できる。
ミリングマシン(セレック)
セレックとはセラミック治療や、CAD/CAMによって、詰め物や被せ物を設計製作する機器です。コンピューターの3D画面上で修復物の設計を行い、セラミックブロックを掘り出すことで、精密に詰め物や被せ物を短時間で作製していきます。
★セレック治療の流れ
①口腔内スキャナーでの読み取り・・・歯を削合した後、口腔内スキャナーで、口腔内を撮影します。口腔内を撮影したものが、モニター上に再現されます。
②補綴物の設計・・・コンピューターの3D画面上で補綴物の設計を行います。歯の形態や嚙み合わせの状態を色々な角度から確認し、調整し理想的な形態に整えていきます。色調に関しては、いろいろな種類の色のセラミックブロックから最適な色を選択し使用します。
➂ミリングマシンによる加工・・・コンピューターの3D画面上で、設計したデータのもとでミリングで加工していきます。
➃研磨・・・ミリングマシンで製作した補綴物の表面を研磨し、ツヤを出し完成させていきます。
⑤口腔内にセット・・・出来上がった補綴物を口腔内に接着剤を使用し装着します。
~セレック治療における自費治療と保険治療について~
セレック治療には、オールセラミック材料を使用した自費治療と、CAD/CAMを使用した保険治療があります。オールセラミック材料を使用する補綴物は、強度もあり、白く自然な美しさを再現できます。また、補綴物に汚れが付着しにくいため、むし歯や歯周病のリスクがかなり減少します。対してCAD/CAMを使用した場合は、強度、耐久性が弱いため破折することがあります。その辺りを考えて補綴物を決めるようにしてください。
~セラミック治療をすすめる人~
・銀歯を白くしたいと思っている人
・むし歯や歯周病リスクが高い人
・金属アレルギーがある人
など、当院では、多くの方にセレック治療をお勧めしています。
~レーザー治療~
レーザー治療とは、歯科用レーザーの光を当てることによって、むし歯や歯周病を引き起こす原因菌に反応し、殺菌や消毒効果を発揮します。また、レーザーの光は組織の活性化や、細胞の再生能力を高める働きがあり、傷口の治癒の促進にも大いに役立ちます。副作用は、ほとんどなく、妊娠中や基礎疾患のある方、ペースメーカーを使用している方にも安心して使用できます。その他に、口内炎、口角炎、メラニン色素の除去、象牙質知覚過敏症などで、幅広く使用しています。レーザー治療は、むし歯や歯周病の治療にはもちろんのこと、さまざまな治療後の痛みの軽減に役立っています。
まとめ
歯は健康を維持していくために大切な身体の一部です。それだけ歯の治療は重要です。歯の治療は日進月歩、日々進化しています。そして、質の高い安全な歯科治療を目指していくためには、最新機器の導入も考えていかなくてはならないことだと思います。安心安全で、患者様に喜んでいただける歯科医院にしていこうと考えています。
何か気になる点がございましたら、お気軽にご相談ください。