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抜歯すべき時期と抜歯後の治療方法

2023年9月7日

皆さんは歯を抜くことに対してどう思っていらっしゃいますか 。

多くの方は、歯を抜かないでほしいと思っていると思います。 また 歯医者さんの立場からもできるだけ 歯を残すことを第一に考えていますので 抜歯することは気持ちのいいものではありません 。できるだけ 抜歯は避けてたい 歯科治療方法です 。では 、どんな場合に抜歯をするのでしょうか。

①重度な歯周病

②重度な虫歯

③ 外傷による歯根 破折

④矯正治療において スペースを確保するための抜歯 (便宜抜歯)

以上の場合が考えられます。 少し詳しく説明します。

重度な歯周病

抜歯の原因で一番多いのは 歯周病によるものです 。歯周病は歯を支えている骨(歯槽骨)が吸収していく 口腔内疾患です 。歯周病がどんどん進行していくこと、歯を支えている 骨が吸収して歯を上手に支えることができなくなり、歯そのものが、グラグラと動揺してきます。

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歯グラグラするようになると、食事をしている時など、 物を噛む力に耐えられなくなり強く痛むようになり 上手に食事ができなくなります。 このような状態になるとやむなく 抜歯をすることになります。 歯周病 も軽度な状態であれば 歯石除去 、ブラークコントロール 、ルートプレーニングなどの歯周病治療で対応できますが、 重度な歯周病になると 保存不可能になり 抜歯しなければなりません 。また、歯を抜歯したくないからといって、我慢してそのまま放置していると 両隣の歯に歯周病が波及し 悪影響を及ぼしてしまいます。そのようなことからも、重度な歯周病になった場合は、早めに抜歯しなければなりません 。抜歯することによって 両隣の歯における歯周病の広がりを最小限に防ぐことができます。

 

 

重度な虫歯

抜歯の原因で2番目に多いのは虫歯によるものです。 虫歯が重度になると歯冠 が崩壊し 残根状態になり 被せ物を製作したくても作ることができないケースが出てきます。 このようなケースは、抜歯しなければなりません 。また虫歯になっていても 歯冠が完全に崩壊していなくても 抜歯しなければならないケースがあります 。

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それは、虫歯によって歯髄炎になっていても、我慢して放置しているケースです。 歯髄炎になっていてもそのまま放置していると 今度は 根尖性 歯周組織炎になって、根尖部に膿が溜まってきます。

膿の大きさが小さいケースは、 根管治療で治ることもありますが、 混根尖病巣が大きくなると 抜歯しなければなりません 。混根尖病巣が大きい 根尖性歯周組織炎を放置していると、時に顎骨にまで感染して顎骨骨髄炎など引き起こすことがあります 。このようなケースは早めに抜歯しなければなりません。

外傷による歯根破折

歯根部分が 破折した場合は 、保存不可能なので早めに抜歯しなければなりません。 歯根破折が起こると亀裂が入った部分から細菌感染 が起こり 歯の周りの歯槽骨が吸収されてきます。 当然、咬合痛 や自発痛 を伴い うまく噛むことができなくなります。 放置すると他の歯に悪影響を及ぼしてしまいます。 ただ、歯冠破折の場合は 、保存治療も可能なケースは多いです 。破折した部分が 歯冠なのか、歯根なのか、はっきりと診断した上で、歯科治療を行わなければなりません。

矯正治療における 抜歯 (便宜抜歯)

顎骨が小さく 全ての歯が放出 スペースがない場合、 叢生と言って歯と歯が重なったり、前後の歯が互い違いに萌出して、並びがガタガタな状態を言います。 このようなケースは、 便宜 抜歯と言って 小臼歯を抜歯することで、全ての歯の萌出 スペースを作ることができます。抜歯する歯は主に 第一小臼歯です。

 

親知らずの抜歯

よく親知らずは抜いた方がいいですか?と患者さんから質問されることがあります。 親知らずは 必ずしも 抜く必要はありません。 親知らずが綺麗に萌出していて、上下の歯 しっかりと噛み合った状態で全く症状がない場合は 抜歯する必要はありません 。

親知らずと 抜歯した方がいい ケース

親知らずに歯茎がかぶっている状態

親知らずに歯茎がかぶっている状態

 

親知らずが斜めに生えてきているケース

親知らずと手前の歯との間が不潔域となり、汚れがたまりやすくなります。そうなると、両方の歯が、虫歯や歯周病になってしまします。早目に抜歯した方が良いと思います。この状態を放置していると、歯周炎を起し歯肉の腫れや痛みを伴います。仮に、症状が治まったとしても、汚れが溜まりやすいため、再度、細菌感染を起し、歯肉の腫れを繰り返すようになります。智歯歯周炎が起こった場合は、早目に抜歯した方がいいと思います。その他に親知らずが虫歯になった場合も抜歯した方がいいと思います。ただ、親知らずがきれいに萌出していて、ブラッシングが出来るようなケースは、抜歯しなくてもいい場合もあります。その場合は、他の歯と同様の虫歯治療になります。かかりつけの歯医者さんとよく相談していただきたいと思います。

歯科治療の中で抜歯はできるだけ避けたい治療です。本来、歯科治療の原点は保存診療です。できるだけ、歯を残すことが、まず第一だと考えています。どうしても抜歯をしなければならない時は、抜歯後の治療法を考えていかなければなりません。抜歯後の治療法は3つあります。インプラント、ブリッジ、入れ歯です。

〜インプラント〜抜歯して失った部分に人工歯根を埋め入れて、人工歯を入れる方法です。

*利点

・寿命が長く長期間自分の歯と同じ感覚でしっかりと嚙むことができる。

・審美的に優れている

・周辺の歯に悪影響を及ぼさない

*欠点

・外科的手術が必要で患者さんの負担が大きい

・治療期間が長い(3ヶ月〜6ヶ月)

・保険外治療になるので、治療費が高価

〜ブリッジ〜抜歯した両隣の歯を削合し、固定式の連結した被せ物を入れる方法です。

 

*利点

・保険内治療で治療費が安価である

・治療期間が短い (1ヶ月~2ヶ月)

・違和感がない

・自分の歯のような感覚で噛むことができる

*欠点

・両隣の歯を削ることになる

・両隣の歯に負担がかかり 悪影響を及ぼす

・歯の寿命が短くなる(約6~7年)

~入れ歯~歯を失った部位に着脱が可能な人工歯を入れる 治療です。

 

*利点

・保険内の治療で治療費が安価である

・治療期間が短い(1~2ヶ月)

・外科的手術を必要としない

*欠点

・違和感がある

・硬いものは噛みにくい

・部分入れ歯の場合は、 金具をつけるため 審美的に劣る

・義歯の寿命が短い

・発音がしいくいことがある

・金具をつけた歯に負担がかかる

以上のように、抜歯後の治療は3つありますが、利点、欠点があります。抜歯する前には、抜歯後の治療を考えておく必要があります。今回は抜歯すべき時期と抜歯後の治療法についてお話しました。

何か気になる点がございましたらお気軽にご相談ください。

 

 

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