最近では、たくさんの歯磨き粉の種類が販売されていますが、どんな歯磨き粉を選んだら良いですか?とよく相談を受けます。
本日は、当院お薦めの歯磨き粉の選択基準についてお話しします。
〜歯磨き粉の選択〜
歯磨き粉は、いろいろな種類の物が販売されていますが、自分の悩みに合った物を選択することが重要です。
✿虫歯予防
虫歯予防には、フッ素含有しているものがお勧めです。フッ素には、虫歯菌の働きを弱め、酸の産生を減らす作用や歯の表面を再石灰化し歯を強化する作用があるため、虫歯予防に適しています。
フッ素は、子供の時に塗るもので大人ではあまり効果がないと思われている方もいるかもしれません。 大人でもフッ素は虫歯予防にとても重要です。 また、フッ素を長く 口の中に留めておくことも 虫歯予防には重要なことです 。フッ素配合の歯磨き粉を使用し、ブラッシングし その後は何度もブクブクうがいをせず1回程度にすることをおすすめします。何度もうがいをすると、口の中にフッ素を留めることが困難になり、せっかく フッ素含有の歯磨き粉を使用しても無駄になってしまいます。 フッ素を口の中に長い間 留めるには、うがい を1回にしましょう。 また もう一つのポイントがあります。 歯磨きをした後は、1時間ぐらいは飲食は控えることが重要なポイントになります。 そうすれば フッ素の効果がさらにアップし 虫歯予防に大いに役立ちます。
※当院お勧め 虫歯予防歯の磨き剤
チェックアップ
✿知覚過敏
冷たいものに歯がしみる 。といった 知覚過敏症に悩んでいる方には 、知覚過敏症用の歯磨き粉 もたくさん販売されています。 色々と試し使用し、ご自分に合ったものを見つけてもらうのも良い方法だと思いますが 、選ぶ基準のポイントがあります 。歯磨き粉を選ぶ時に考えて欲しいことは 、歯磨き粉の成分です。
硝酸カリウム、 乳酸アルミニウム、 フッ素含有 、研磨剤無配合 かどうかということです。
①硝酸カリウム
硝酸カリウムは、カリウムイオンの働きで外部からの刺激を歯の神経に伝わる強さを軽減する役目があります。 これによって冷たいものにしみる痛みを軽減することができます。
②乳酸アルミニウム
乳酸アルミニウムは、象牙細管を塞ぐ働きをします 。これにより 外部から刺激が歯の神経に伝わりにくくなり 知覚過敏症の防止に大いに役立つことになります。
③フッ素
フッ素には、 再石灰化 作用があり 歯面強化の働きがあります。知覚過敏症の原因である エナメル質の摩耗防止になり 知覚過敏症の予防に効果的です。
④研磨剤無配合
研磨剤は、歯の表面にあるプラーク や汚れ 着色を落とすには効果的です。 しかし 歯の表面のエナメル質をすり減らすこともあります 。知覚過敏症の症状がある場合 、研磨剤 配合の歯磨き粉を使用すると逆に知覚過敏症がひどくなるケースがあるので、気をつけましょう。
※当院お勧め 研磨剤無配合の歯磨き剤
オーラループ4+ と コンクールジェルコートF
オーラループ4+
✿歯周病
歯周病予防の歯磨き粉も市販で多く販売されています。 選択としては 高い 殺菌作用 成分が配合されている歯磨き粉を使用することをお勧めします。 殺菌成分でよく使用されている代表的なものは、
イソプロピル メチルフェノール 塩化セチルビリジニウム(CPC)などです。その他に歯茎の炎症を抑える成分が配合されている歯磨き粉 もあります。 歯茎が、時々腫れたり 出血をすることがある場合は、 抗炎症成分が配合されている歯磨き粉を使用すると良いと思います。 また 歯周病の予防には、歯茎の活性化も重要な要素です。
歯茎が下がり気味な方は、歯茎の中の血流を良くし 歯茎を活性化し 予防していかなければなりません。このような場合は、ビタミン E 配合の歯磨き粉を使用すると良いと思います。
※当院お勧め 歯周病予防の歯磨き剤
(左から) コンクールジェルコートF バトラーCHXペースト システマデンタルペーストアルファ コンクールリペリオ
※当院お勧め 知覚過敏症の歯磨き剤
システマセンシティ
✿ホワイトニング
先日 、ホワイトニング歯磨き粉を使用すると歯が白くなりますか ?という質問がありました 。実は、ホワイトニング歯磨き粉を使用しても歯の表面のプラークやステインなどの着色は綺麗にすることはできますが 、本来の歯の色を白くすることはできません 。歯を白くするには 、歯科医院でホワイトニングをしなければなりません。ホワイトニング歯磨き粉を使用する目的は、 歯の表面に付着した 着色の除去、 また再着色の予防です 。これによって 歯を白くさせることができます 。
※当院お勧め ホワイトニング歯磨き剤
ブリリアントモア (左) ルシェロホワイト(右)
ホワイトニングの歯磨き粉には、強い 研磨剤が含有していることがあります。 歯の表面はとても綺麗になり 虫歯予防には最適ですが 、逆に 歯面や 歯茎を傷つけてしまうことがあります 。強い 研磨剤を配合されている歯磨き粉を使用する場合は 、週に1回程度の使用にとどめておくことをお勧めします 。またホワイトニング歯磨き粉には 、フッ素が配合されていないものがあります。 歯磨き粉を使用する場合は 、虫歯予防 歯周病予防という観点では、通常の歯磨き粉よりも劣ることが考えられます。場合によっては、1日3回 歯磨きをする中で、 朝と夜は通常の歯磨き粉 、昼はホワイトニング用の歯磨き粉を使用する。などの工夫も必要かもしれません。
✿洗口液
洗口液は プラーク など 除去する目的ではありますが歯磨きをする方が、より効果的です 。当院では 歯磨き粉の仕上げとして補助的な使用として、 フッ素入りの洗口液をお勧めしています。
※当院お勧め 洗口液
コンクールF マウスウオッシュ
ポイックウオーター
✿小児用
乳歯は、 大人の歯よりも弱いので虫歯になりやすいです。 歯磨き粉を嫌がるお子様もいらっしゃいますが、 お子様の好む味がついた 歯磨き粉がいいかもしれません 。またフッ素配合歯磨き粉を使用することによって 、歯の表面のエナメル質が強化され 虫歯予防に大いに役立ちます。
※当院お勧め 小児用歯磨き剤
チェックアップ kodomo
❢❢注意点〜子供用の歯磨き粉においては、 研磨剤無配合のものを使用してください 。研磨剤は 、プラークや歯の着色を除去することには 効果的ですが、子供の歯の場合 、歯が柔らかいので歯の表面が傷ついてしまうことがあります。ご注意ください。
〜まとめ〜
歯磨き粉は、市販でたくさんの種類のものが販売されています。その中で自分に合った 歯磨き粉を選択しなければなりません 。虫歯、歯周病、 知覚過敏症の予防 、あるいは歯を白くするためのもの 、小児用、といったことを考えて どの歯磨き粉を使用するかを考えていただきたいと思います。
自分に適した歯磨き粉、どの歯磨き粉を使用したら良いか、迷った時は、歯医者さんに相談してみるのも良いと思います。
何か気になること等ございましたら、お気軽にご相談ください。