みなさんは、虫歯についてどうお考えでしょうか。最近では、多くの方が虫歯に対して関心が高く、少し冷たいものがしみる。といった症状が出ると、「虫歯になっているかも知れない!」あるいは鏡を見て歯の表面が黒ずんでいると、「虫歯かな?」と不安になる方もいらっしゃします。
本日は、虫歯の見分け方・予防法・初期段階の虫歯の対処方法などをお話しします。
✿虫歯の見分け方
虫歯の進行度は、 CO → C₁ → C₂ → C₃ → C₄ の5段階に分けられます。
CO
歯の表面のエナメル質が脱灰して、白くなっている状態です。この状態では 症状はほとんどありません。 虫歯の状態として、よく 「穴が開いている。」ということを言われる人がいます。 ただ CO の状態では虫歯で穴が開いているということはありません。COの状態では、自覚症状はほとんどありません。 しかし 鏡でよく見てみると 歯の表面に筋状の白濁が見られることがあります。 この場合、 虫歯の初期段階の可能性が高いです 。
しっかりと ブラッシングを行うとともに フッ素入りの歯磨き粉を使用することによって虫歯の進行を防ぐことができます。放置しておくと虫歯が進行し 茶色の色素を付着し さらに 歯の表面に穴が開いたようになってしまいます。 このような状態になると虫歯の進行度は、 C 1 〜C 2 程度まで進行してしまっています。 そうなると歯医者さんで虫歯治療をしなければならなくなります 。虫歯進行度 CO状態では、歯を削って治療する必要はほとんどありません 。正しいブラッシングや セルフケアをしっかりと行っていれば、虫歯の進行を食い止めることができるからです。
特にフッ素入りの歯磨き粉を使用したブラッシングが おすすめです 。フッ素は脱灰した歯を再石灰化をして、元通りにする働きがあります。ぜひ使用してみてください。
また 歯医者さんで直接 フッ素塗布を行うことも有効な手段です。 その時に正しいブラッシング指導を受けるのもいいと思います。 歯と歯の間などは ブラッシングでは、プラークを除去することが困難な場合があります。 時々は 糸ようじや歯間ブラシなどを使用してみるのも大切だと思います。 自分ではブラッシングをしっかりとしていたつもりでも歯垢や汚れが 除去 しきれてないケースもありますので注意が必要です。
C₁
COから少し 虫歯が進行した状態です 。歯に穴が開き始めている状態で歯の表面に黒い点のようなものが見えてきます 。時々冷たいもの 甘いものがしみる という症状が出てきます。 こうなるとブラッシングや ホームケアでは治りません。 歯医者さんで治療を受けることになります。治療法としては虫歯になっている部分を除去してプラスチック(レジン)を詰めるという 治療法を行います。
C₂
虫歯の進行が C ₁からさらに進行して歯の組織の象牙質まで進行した状態です。C ₁ の時は軽い症状でも C ₂まで進行すると症状が出やすくなります。 歯科治療方法としては C ₁ の同様にプラスチック(レジン)を詰めるか 虫歯の範囲が広い場合は、金属(インレー)で詰める ケースもあります。
C₃
虫歯が神経まで進行した状態です。 C ₂からさらに虫歯が進行し、歯の神経まで到達した場合です。 症状としては、熱いものにしみる、 何もしなくてもズキズキ痛む。 といった症状が出てきます。 こうなると 根管治療(抜髄)が必要となってきます 。歯医者さんに数回は通わなくてはなりません。
C₄
歯の表面がほとんど 崩壊し 神経が感根している状態で す。C ₃からさらに虫歯が進行して神経が感染している状態です 。歯科治療としては 感染根管治療、場合によっては 抜歯しなければなりません。
虫歯を放置すると CO→ C 1→ C 2 →C 3→ C 4 と どんどん進行してしまい、最後には歯を失うこともあります 。できれば CO の状態で対処することが大切です。
当院にも、歯が黒くなっているので虫歯ですか?と言って来院される患者さんがいらっしゃいます。よく観察してみると歯についた着色(ステイン)でした。患者さんから見ると『歯が黒い=虫歯』という概念があるかもしれませんね。
歯に着く黒いものの原因の対処法についてお話しします。その原因とは、3つあります 。
①ステイン ②初期の虫歯で黒く固まったもの ③ 虫歯によるもの
①ステイン・・・ステインとは 一般に着色と言われており 、コーヒーや お茶を摂取した場合やタバコのヤニなどのによって 歯の表面に付着して黒い点のようなものがついている状態です。 ステインの場合は 歯科治療を受ける必要はありません。 ただ、なかなか 歯磨きでは除去することは困難なことが多いです。 歯医者さんに行って クリーニングを行ってください。 とても綺麗になります。
②初期の虫歯で黒く固まったもの・・・ 初期の虫歯の場合は、 再石灰化が進むと 初めは白濁状態だったのが部分的に黒くなることがあります。 このような虫歯の場合、 再石 灰化して虫歯が部分的に黒くなることがあります。 このような虫歯の場合 虫歯が治癒している状態です 。放置しておいても虫歯が進行する可能性は低いです。 当院では歯を削ったりしないで 経過観察をするようにしています。 ただ 虫歯の予防という概念からしっかりと ブラッシング やホームケアは必要です。
③虫歯によるもの・・・これはもちろん 歯科治療を行わなければなりません。 歯を削って虫歯の部分を除去しなければなりません 。そのまま放置していると虫歯が進行して場合によっては、歯を失うことになります。 虫歯による場合、 歯科治療を行う前にはレントゲンを撮影をして検査をしなければなりません。 見た目では小さな黒い点のように見えても中で大きな虫歯になっていることもあります。 虫歯がどこまで進行しているか確認する必要があります。 歯の表面についた黒いものは全て虫歯ではありません 。ただ 虫歯であった場合は早期発見 ・早期治療が大切です。 早めに歯医者さんに行ってみてもらってください 。
その他に、「 冷たいものがしみるのは、 虫歯かなあ」と思われる患者さんもいらっしゃいます 。虫歯は初期の虫歯初期の虫歯は痛みを感じることは少ないですが、 虫歯が進行するにつれて痛みを感じやすくなります 。痛みを感じるのであれば虫歯を疑う必要はありますが、 その他にも 痛みを感じるがあります 。その代表的なものが 象牙質過敏症です。
✿知覚過敏症の原因
・過度な力で歯磨きをすることによって、 歯の表面のエナメル質がすり減って痛みを感じるようになります。
・歯ぎしりや 食いしばりをすることによって、 歯の表面がすり減ってしまい それが原因で痛みを感じるようになります。
痛みの原因が虫歯なのか 、象牙質知覚過敏症なのか判断は難しい場合もあります。 口の中を検査し、歯の表面がすり減っているかどうか判断することになります。 冷たいものにしみる 症状が出る場合は、一度 歯医者さんを受診されることをおすすめします。
✿まとめ
虫歯になっているかどうかは、 虫歯初期段階では症状がない ケース も少なくありません。 また歯の表面が黒くなっていても 、「これは 虫歯だ」と断定することも難しいと思います。 虫歯かもしれないと思った時は、 歯医者さんに受診することをおすすめします。 当然 、虫歯ではない ケースもありますが 、虫歯だった場合 そのまま放置すると虫歯が進行してしまいます 。
当院では虫歯治療はもちろん、 定期検診 ・歯のクリーニング(歯石除去)など行っております。このような 予防処置を行うことによって、虫歯になることを未然に防ぐようにしています。 患者様の声を耳に傾け 受診して良かったと思ってもらえるよう、日々努力していきたいと思います。
また 気になる点 疑問に思う点がありましたらお気軽にご相談ください。