こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。
セレック治療とは、コンピュータでセラミックの詰め物や被せ物を設計・製作する治療です。従来のセラミック治療にはないメリットが多くあります。
しかし「セレック治療とセラミック治療は何が違うの?」と疑問に感じる人もいるでしょう。
今回は、セレック治療について解説します。セレック治療のメリットやデメリットのほか、具体的な治療な流れや費用についても詳しく解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
セレック治療とは?
セレック治療とは、コンピュータ技術によってオールセラミックの詰め物や被せ物を設計・製作し、患者さまに提供する治療法のことです。具体的には、セレックシステムを使用します。
セレックシステムでは、従来では手作業で行っていた設計などを、コンピュータを使って効率的に支援します。3D画面上で、歯の形状や噛み合わせの調整などを行って修復物を設計するのです。設計されたデータをもとにセラミックブロックを削り出し、修復物を整えます。
セレックシステムが登場したことで、設計から製作までを一貫して機械化することができました。セレック治療はすでに世界各国の歯科医院で採用されており、信頼性の高い治療法といえるでしょう。
セラミック治療との違い
セレック治療では、セラミックの詰め物・被せ物を設計して製作します。「通常のセラミック治療と何が違うの?」と感じる人も多いでしょう。
セレック治療とセラミック治療には明確な違いがあります。詳しく確認しましょう。
設計・製作方法
セラミック治療の場合、歯の型取りは歯科医院で行うものの、修復物の製作は歯科技工士に依頼します。セラミック治療では、製作を外部に依頼するのです。
一方、セレック治療では、歯科医師自らがセレックシステムを使用して、修復物を設計・製作します。
治療期間
セラミック治療で修復物を設計・製作する場合、7~10日ほどの期間がかかります。歯科技工士に依頼して製作してもらうので、ある程度の期間が必要なのです。修復物が完成するまでの間は、仮歯を装着して生活します。
セレック治療は修復物の設計・製作が機械化されているため、最短1日で完成します。
セレック治療のメリット・デメリット
セレック治療のメリット・デメリットを詳しく確認しましょう。
セレック治療のメリット
セレック治療のメリットは、以下のとおりです。
治療期間が短い
セレック治療は、比較的治療期間が短いです。セラミック治療では1か月程度の治療期間を要することも珍しくありませんが、セレック治療は最短1日で白く美しい歯を手に入れられます。
仕事が忙しく歯科医院に通えない人でも、気軽に治療を受けられるのです。
費用が安い
セレック治療では、コンピュータが修復物の設計・製作を行います。歯科技工所へ製作を依頼するなど、外注する費用が発生しません。
製作にかかる工程を大幅に減らせるので、費用を抑えられるのです。
歯型取りが必要ない
セレック治療では、歯型取りは基本的に行いません。口内を3D光学カメラで撮影するため、歯型取りのストレスを感じることはないのです。
審美性・耐久性に優れている
セレック治療では、規格生産された品質の高いセラミックブロックを使用します。強度が高いため、快適な噛み心地が得られるのです。
また、セラミックには変色しにくいという特徴があります。メンテナンスを怠らなければ、長期にわたって美しい状態をキープできるでしょう。
二次虫歯のリスクが低い
銀歯は歯と接着する性質がないため、時間が経過すると歯と補綴物の間にすき間ができ、二次虫歯につながる可能性があります。
セレック治療で用いるセラミックは歯との適合性が高いので、二次虫歯のリスクを抑えられるのです。
セレック治療のデメリット
セレック治療のデメリットは、以下のとおりです。
破損するリスクがある
セラミックは、強い衝撃を受けると破損するリスクがあります。セレックシステムに患者さまのデータが保存されているため、破損した場合はすぐに修復できるでしょう。
適応できない場合がある
セレック治療はすべての患者に適応できるものではありません。例えば、ブリッジに使用するのは難しいとされています。
口内の状態によってはセレック治療が適応にならないことを理解しましょう。
色調の調整が必要になるケースがある
セレック治療で使用するセラミックブロックとの色がご自身の歯の色と合わない場合、色調の調整が必要になります。色調の調整は既製のセラミックブロックを削るだけでは対応できないため、治療期間が1日を超えることがあるでしょう。
セレック治療はどのような人におすすめ?
「セレック治療を受けるべきか悩んでいる」という人は多いでしょう。セレック治療はどんな人におすすめできるか解説します。
白い歯を手に入れたい人
セレック治療で使用するセラミックは、天然歯に近い自然な色調が特徴です。審美性を考慮し、銀歯から白い歯に入れ替えたいという人に適しています。
すぐに治療を終えたい人
一般的なセラミック治療では、1か月程度の期間がかかることも珍しくありません。セレック治療の場合は最短1日で完了します。
仕事が忙しく、すぐに治療を終えたいという人に適した治療法です。
費用をなるべく抑えたい人
一般的なセラミック治療では、修復物の製作がオーダーメイドになるため、費用が高額になります。セレック治療では修復物の設計から製作まで機械が行うので、比較的費用を抑えられるのです。
金属アレルギーを持っている人
銀歯を入れる治療は保険適用になりますが、金属アレルギーを持っているとアレルギー反応が出る可能性があります。歯茎が炎症を起こすだけでなく、肩こりや頭痛などの症状が出るなど、全身に影響を与えるかもしれません。
金属アレルギーが心配な人には、金属を使用していないセレック治療が適しています。
型取りが苦手な人
一般的なセラミック治療では、型取りをする必要があります。型取りの際に不快感を覚える人や、気持ち悪くなる人は多いです。
セレック治療では3D光学カメラで口腔内を撮影するだけで、歯列データがコンピュータに取り込まれます。違和感を覚える処置は基本的に行いません。
型取りが苦手という人は、セレック治療を選択するとよいでしょう。
セレック治療の流れ
セレック治療の一般的な流れを詳しく解説します。
口腔内の撮影
歯を削ったあと、3D光学カメラを使って患部を撮影します。数秒の作業で、患部の歯列がモニター上に再現されるのです。
修復物の設計
コンピュータのモニター上に表示された画像を確認しながら、歯の形や噛み合わせの調整を行います。さまざまな角度から確認して進めるため、理想的な形に設計可能です。
設計が終わったあとは、好みの色のセラミックブロックを選択します。
加工・製作
設計が完了したら、設計されたデータをもとに修復物を製作します。セラミックブロックを削って修復物の形を整えることが特徴です。
患部への装着
完成した修復物を、特殊な接着技術を用いて患部に装着します。
セレック治療の費用
セレックインレー(詰め物)は1本あたり40,000~60,000円、セレッククラウン(被せ物)は50,000~80,000円が相場です。セレック治療には保険が適用されないため、銀歯などの保険適用の治療と比較すると高いです。
しかし、一般的なセラミック治療と比較すると非常に安価な治療といえます。一般的なセラミック治療の場合、セレック治療よりも数万円程度高くなるケースが多いです。
セレック治療を受けるときの注意点
セレック治療を受けるときに注意すべき点は、費用でしょう。セレック治療は保険が適用されない自費診療になるため、ある程度の費用がかかります。
また、セレック治療によって完璧な歯が手に入るとは限りません。強度や見た目に差が出ることがある点を理解しましょう。
まとめ
今回は、セレック治療について解説しました。セレック治療は信頼性の高い確立された治療法であり、多くの歯科医院で採用されています。
白く美しい歯が短期間で手に入るなどメリットが多いため「審美性や安全性に優れている歯を手に入れたい」という人は検討するとよいでしょう。
ただし、セレック治療には保険が適用されません。1本治療するだけでも高額な費用がかかります。
そのため、セレック治療を受ける前は歯科医師としっかり相談し、よく検討してください。
セレック治療を検討されている方は、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。