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口腔内乾燥症状(ドライマウス)の原因と予防法

2024年2月6日

「口の中が乾いたり 乾燥するのが気になる」 と 当院に 来院される方がいらっしゃいます 。そのような方においては 、どのように対処すべきか 、また 日常生活でできる予防法についてお話ししたいと思います。

まず 口腔内乾燥症とは 別名 ドライマウスとも言われていて、唾液の分泌が減少し、口の中が乾燥している状態が続いていることを言います。

 

《口腔内乾燥症の症状》

・口の中が乾く

・口の中がネバネバする

・味覚障害を起こす

・虫歯や歯周病にかかりやすい

・口臭が強くなる

・舌の表面がひび割れて痛みが出てくる ・会話がしにくい

・食物が飲み込みにくい

以上のような症状が起こってきます。

 

《口腔内乾燥症の原因》

口腔内感染症の原因には大きく分けて3つあると思います 。

1つ目は、服用している薬物の副作用や疾患によるものです。

代表的な薬物としては、抗うつ剤 、鎮痛剤 、抗ヒスタミン剤などです。 このような薬物の副作用として 唾液の分泌量の低下が起きると言われています。 また代表的な疾患としては、 唾石症 、シェーグレン症候群( 自己免疫疾患)などです。このような疾患があると唾液の分泌量が著しく低下し 口腔内感染症を起こしてしまいます。

2つ目は、 身体的な変化が原因で口腔内乾燥症が起こってきます。

代表的なこととして加齢によるもの、 ストレスによるものが当たります。加齢によると口の周りの筋肉が衰えて噛む力が弱くなります。 そのため 唾液の分泌量が減少し 口腔内乾燥症を引き起こしてしまいます。 ストレスが多いと自律神経の作用により 唾液の分泌量が低下してきます。

3つ目は生活習慣によるものです。

口呼吸、 飲酒 、喫煙 が代表的なものです。 お酒を飲みすぎると 二日酔いになって喉が渇いたり、口の中がネバネバすると言った経験はありませんか?実は、アルコールには利尿作用があり 体全体の水分量が減少するため 口の中が乾燥状態になりやすいのです。 飲酒 も適度な量では問題ありませんが、 飲み過ぎると口腔内乾燥症になりやすくなります。 アルコール依存症の方が、虫歯や歯周病などで歯科疾患になりやすいのはこのような理由があるからです。

喫煙 においても 交感神経に影響を与えることにより 口腔内の唾液の分泌量の低下につながります。 そのことによって口腔内感染症の原因となります。つまり 喫煙をする人や飲酒を好む人は唾液の分泌量の低下によって口腔内感染症を引き起こしやすくなり それによって虫歯や歯周病になりやすいと考えられます。

口呼吸においても口腔内乾燥症になる大きな原因の一つです。 皆さんは普段何気なくしている呼吸ですが 自分自身で 鼻で呼吸をしているか、口で呼吸をしているか 意識したことはありますか?口呼吸は乾燥した空気を直接口の中に取り込むため口の中が乾いて乾燥状態になります。 また 、たとえ 唾液が出てもすぐに乾いてしまいます。 これが口腔内感染症に繋がっていきます。

口呼吸の原因としてあげられるのは、

・アレルギー性鼻炎

・風邪による鼻づまり

・鼻水によって鼻呼吸が困難な場合

・蓋膿症

・歯列不正による更新の筋力低下

  

などがあげられます 。

鼻疾患のある方は、早く治して口呼吸を止めて鼻呼吸をするように心がけましょう。

 

《口腔内乾燥症(ドライマウス)の治療法》

・口腔内乾燥症 (ドライマウス)の治療法は、基本的には原因が何なのかをしっかりと把握することが大切です。 アレルギー性鼻炎、 風邪、 膿蓋症が原因として考えられる場合は、内科や耳鼻咽喉科を受診して治療していくのが大切です。 そして鼻呼吸ができる環境にすることが重要です。

・歯列不正によって口呼吸をしている場合 、矯正治療によって解決していかなければなりません 。特に、出っ歯や開口の歯列不正によって口が閉鎖しにくい場合、治療期間は長いかもしれませんが、早めに 矯正治療をし改善していかなければなりません。

・舌や 口輪筋の筋力の低下によって、口呼吸をしている場合は 口腔筋機能療法を行う必要があります。 口腔筋機能療法( MFT)とは 口腔周囲筋を正しく機能させる訓練のことです。では,どのようなことをするのかお話しします。

普段何もしていない時に、飲み込みをする時の舌の先が触れる位置を覚えます。 この位置をスポットと呼びます。 このスポットをアイス棒のようなものを使って確認します。 そして口を開けた状態で舌先をスポットに触れるようにします 。これを何回か繰り返します。

スポットの確認

スポット位置に当てる

舌先でスポットに触れるようにする

これは舌の筋力をつけるトレーニングです。

・物を飲み込む 動作 嚥下の訓練

舌先をスポットに当て、上の犬歯の後ろにストローを置いてそのまま噛み込みます。 そしてスプレーで口の横から水を吹き入れその水を吸い込みます 。これを何回か繰り返します。

舌先をスポットに当てる

上の犬歯の後ろにストローを置いて、そのまま咬みこむ

スプレーで口の横から水を吹き入れ、その水を吸い込む

 

・舌を正しく動かす練習

このような 口腔筋機能療法( MFT) は、口呼吸の防止にもつながりますが 矯正治療にも併用します。場合によっては、 この口腔筋機能療法 (MFT )をすることによって 歯列不正が治ることもあります。口呼吸の改善 だけでなく 小児の矯正治療において必要なケースが多いので覚えておきましょう。

《生活習慣の中で行える ドライマウスの予防法》

・水分補給

口腔内乾燥症 (ドライマウス)は多くの場合、 口腔内の唾液の分泌量の低下が原因で起こることが多いです。体全体において水分が不足している場合は 唾液が生成されません。こまめな水分補給をするようにしてください。

 

・よく噛んで食べる

よく噛んで食べることは 唾液分泌の促進につながります。 当院では キシリトール配合のガムを噛むことをおすすめしています。 キシリトールは、フッ化物が配合されているので虫歯の予防にもつながります。

 

・唾液腺マッサージを行う

唾液の分泌量を向上させるため 唾液腺マッサージを行うことを おすすめしています。 唾液腺マッサージには、耳下腺マッサージ 顎下腺 、マッサージ 舌下腺マッサージがあります。 色々と試してみるといいと思います。

 

・あいうべ体操を行う

あいうべ体操も唾液腺の活動を向上するための運動です。

あーいーうーべーと発音するだけです 。これを毎日30回程度行ってください。 唾液の分泌量の向上につながります。

あいうべ体操は、口腔内乾燥症 の予防にもなりますが、口の周りの筋肉を鍛えることにより脳の活性化、 顎関節症の予防にもつながります。 是非お試しください。

 

・口腔保湿剤の使用

口腔保湿剤を使用することによって、口腔内の水分を保持する効果 、唾液分泌促進をする効果があります。 ブラッシング後に使用するのが効果的です。 お口の中の乾燥が気になる方、疾患等で唾液の分泌量が減少している方は おすすめです。 口腔保湿剤には 、スプレー タイプ、ジェルタイプ、リキッドタイプなどいろいろあります 。 メリット・デメリットをあげるとすれば、スプレータイプは広範囲に保湿効果を与えることができますが 持続時間が短いです。ジェルタイプは、保湿効果は長時間持続しますが 粘着性があるため 口腔内に溜まりやすくなり不快感を感じることがあります。リキッドタイプは 操作性が良く液状であるため 歯と歯の間や血肉にも 浸透しやすい メリットがあります。 ただし 飲み込んだりすることもあり 持続時間が 比較的短いです。 口腔保湿剤には、色々な形状のものがありますが 用途に応じて自分に合ったものを使用してください。 使用する時は、 製品の使用方法を確認してからご使用ください 。正しく使用すればドライマウスにはとても有効な予防法です。

《まとめ》

口腔内乾燥症は(ドライマウス)は、お口の中が乾燥するだけでなく、その原因によって虫歯、歯周病、強い口臭、舌表面のひび割れなどが起こり、普段の食事や会話がに支障をきたします。日常生活において「口が乾くなあ」と感じたら予防をしっかりとしましょう。そして、できるだけ鼻呼吸を行うことを心掛けてください。

口腔内乾燥症(ドライマウス)について気になる方は、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。

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