こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。
以前と比べて、このような症状はございませんか?
✔硬いものが食べにくくなった
✔口の中が乾くようになった
✔薬を飲み込みにくくなった
✔滑舌が悪くなった
✔汁物を飲む時にむせるようになった
✔食事にかかる時間が長くなった
✔食べこぼしをするようになった
✔食後、口の中に食べ物が残るようになった
上記の3つ以上当てはまる場合は、 口腔機能低下症の可能性があります。
口腔機能低下症は、その名の通り、口腔内の機能(咀嚼、嚥下、唾液分泌、感覚なのど)が少しずつ低下していく 症状です。原因は、主に加齢によるものですが、 その他にも 疾患や障害など様々な要因があります。口腔機能低下自分は、いくつかの口腔機能の低下による複合要因によって現れます。この症状を早期に自覚することで、食事や会話を楽しむこと、そして笑顔が続く健康長寿をサポートできます 。口腔機能低下症を放置すると咀嚼障害や摂食嚥下障害などの口腔の機能障害に陥り、または低栄養やフレイル、サルコペニアを進展させるなど全身の健康を損なうことがあります。食事をすることが難しくなり、お口だけでなく全身の筋肉が衰え 特に高齢の方は、要介護状態に繋がります。
《口腔機能低下症を診断する7つの検査項目》
口腔機能低下症の検査は、以下の7つの項目を行います。
①口腔内の衛生状態不良
② 咀嚼機能の低下
③口腔内の乾燥
④舌口唇の運動機能の低下
⑤嚥下機能の低下
⑥ 咬合力の低下
⑦ 低舌圧
診断基準は、口腔機能低下症の7つの下位症状(口腔衛生状態不良、口腔乾燥、咬合力低下、舌口唇運動機能低下、低舌圧、咀嚼機能低下、嚥下機能低下)のうち、3項目以上該当する場合に口腔機能低下症と診断されます。
口腔機能低下症の早期発見と適切な管理が重要です。生活環境や全身状態を考慮して、口腔機能を適切にサポートしましょう 。
《口腔機能低下症の特徴》
口腔内の微生物の増加、口腔乾燥、咬合力の低下、舌や口唇の運動機能の低下、舌の筋力低下、咀嚼や嚥下機能の低下など、複数の口腔機能が低下しています。
《口腔機能低下症の治療方法》
歯の欠損が原因であれば、インプラントや入れ歯などの補綴治療が考慮される場合もあります。 歯周病や口内炎などの疾患による場合は、適切な治療を行うことが重要です。 さらに、言語機能の低下に対しては、言語療法などのリハビリテーションが行われることもあります。
口腔機能低下症の治療法はいくつかありますが、いくつかご紹介いたします。
★専用器具による舌圧トレーニング
「ペコぱんだ」と呼ばれる専用器具を使用して、舌圧を鍛えることができます。これは嚥下(飲み込み)に必要な舌と口蓋の接触力(舌圧)を強化するために開発された自主訓練用トレーニング用具です。異なる硬度のものがあり、筋力上昇に合わせて徐々に調整できます。
★舌の体操(舌圧訓練)
舌を左のほほの内側に強く押しつける。 自分の指で、口の中の舌の先を、ほほの上から押さえる。 それに抵抗するように、舌をほほの内側に、ゆっくり10回押しつける。 右のほほでも同じこと繰り返す。
★あいうべ体操
この体操は、福岡の内科医である今井一彰先生が考案したものです。舌圧を鍛え、口呼吸を抑制することができます。大きく「あ~」「い~」「う~」「べ~」と口を動かすことで行います。
★咬合の回復
歯がなくなると咬む能力が低下し、硬いものが食べられなくなります。歯がなくなった部分は補綴物で補って、物を食べられるようにします。ブリッジ治療や入れ歯、インプラントなどの治療法があります。
《口腔機能低下症の予防と管理》
・口腔衛生の改善
歯磨き、舌の清掃、義歯のケアなどを適切に行うことで、口腔内の健康を維持しましょう。
・咀嚼と飲み込みの訓練
咀嚼や飲み込みの機能を向上させるために、シャキア訓練や頸部等尺性収縮手技を試してみてください。
・唾液腺のマッサージと口腔内乾燥症の治療
口腔が乾燥するドライマウスの対策として、唾液腺マッサージをお勧めします。
・栄養状態の評価と適切な食事
体重の変化やBMIをモニタリングし、適切な栄養状態を維持しましょう。口腔機能に適した食事の形態を選択し、栄養指導を受けることも重要です。
・口腔機能精密検査の実施
口腔機能低下症の診断には、口腔機能精密検査を行います。異常が認められた項目に対する訓練を行い、機能を改善しましょう。
《口腔機能低下症にならないために心がけるべきこと》
◆口腔衛生状態を保つために
1日2回以上 歯を磨き、歯間ブラシやフロスを使いましょう。 義歯やマウスピースを使用している場合は、こまめに洗浄して清 潔に保つことが重要です。舌ブラシを用いて舌も綺麗にしましょう。
◆咀嚼機能の低下を防ぐために
食事の際は、1口に20~30回咬んで食べることが理想です。
◆口腔乾燥にならないために
日常的に、口をしっかり動かしましょう。唾液腺のマッサージを行い ジェルなどの保湿剤を併用しましょう。ロがポカンとあいてしまった り、口呼吸にならないよう、MFT訓練(口腔筋機能療法)を受けることも効果的です。
◆舌口唇運動の機能低下を防ぐために
舌の筋力を鍛える運動をしましょう。舌のトレーニングは、誤嚥性肺炎のリスクが減少したという報告もあります。早口言葉など口をよく使う運動をしましょう。
◆嚥下機能の低下を防ぐために
飲み込みの力を鍛えましょう。 呼吸訓練などを行い、呼吸する筋肉を鍛えましょう。
◆咬合力の低下を防ぐために
虫歯や歯周病で歯を失うことにより、歯全体でかみ合う力が不足し ます。定期的に、歯科医院で検診を受けましょう。
歯ごたえのあるものを食べ噛む力を鍛えましょう。
◆低舌圧にならないために
舌をよく動かすようにしましょう。
舌を口の中で弾いて音を鳴らしてみましょう。
いつまでも健康の実現のためには、お口の中を清潔に保ち、口腔衛生管理とお口の機能を維持する口腔機能訓練の両方を実践することが大切です。
毎日のケアでは、どんなにしっかり歯磨きをしていているつもりでも落としきれない汚れや歯石があります 。そのため 歯科医院で必要な治療や予防処置を定期的に行うことが必要です。 定期的な歯科医院でのケアでお口の中を清潔に保っていきましょう。
いつまでも、健康で食べる楽しみをもっていたいですよね!
口腔機能低下症を予防していくことは摂食・嚥下の障害や低栄 養・廃用・要介護状態への移行を防ぐことに繋がります。
わからないことがあれば、当院のスタッフまでお気軽にご相談下さい。