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歯周病と全身疾患の関連性

2024年3月7日

皆さんは、『歯周病になっているのでは?』と不安になるとかかりつけの歯科医院に受診されると思います。実は、この歯周病は全身疾患と大きな関係があります。「歯周病は糖尿病の合併症の一つ」とよく言われます。歯周病は、糖尿病だけでなく、心疾患・肝臓疾患・認知症・早産や低体重児出産など、多くの病気に関係していることが、分かってきました。本日は、歯周病と全身疾患の関係についてお話します。

 

~歯周病とはどんな病気でしょうか~

歯周病という言葉を耳にすることがあると思いますが、私たちが、「歯周病はどんな病気ですか」と質問すると、多くの方は、「歯茎が腫れる病気」とお答えされると思います。確かに、歯周病は、歯茎が腫れることがありますが、それだけではありません。歯周病は、歯周病菌によって、歯の周りの歯肉や歯を支えている骨(歯槽骨)が、吸収していく感染症の一つです。この歯周病が進行してしまうと、食事の時に嚙めなくなったり、歯がグラグラと動揺してきます。最終的には、抜歯しなくてはならなくなります。このように抜歯しなければならない歯が、歯周病の進行によって増えてくると、食べ物をしっかりと咬むことができなくなり、胃や腸に負担がかかり、これが全身疾患の原因や悪化につながります。歯周病は、初期段階では無症状のことが多く、静かに進行していく病気(サイレントディジーズ)とも言われています。歯周病の予防には、しっかりとしたメンテナンスが必要です。

 

~糖尿病とはどんな病気でしょうか~

私たちは、日常生活をする上で、必要なエネルギー源を食事をすることによって得ています。この得たエネルギー源(ブドウ糖)は腸で吸収されて、血液中に入てきます。この時、血液に入った糖をエネルギーに変える役目を果たすのは、インスリンです。 インスリンは膵臓で分泌されます。 このインスリンの機能の低下によって、血糖中の低濃度が高い状態が長く続くと糖尿病になってしまいます。

 

〜歯周病と糖尿病の関連性〜

糖尿病になると血液中の血糖値が上昇、 白血球の機能や免疫反応が低下し 歯周病の原因となる 歯周病菌への抵抗力が弱まります。 歯周病の原因、あるいは進行して悪化しやすくなります。 また 、糖尿病の方は、正常な人と比べて 唾液の分泌が低下してきます。 さらに 歯周病の進行によって歯を失うことになると、しっかりと噛むことができず 唾液の分泌量がさらに低下してきます 。このことによって 口腔内のプラークの付着が多くなり、歯周病菌の増殖 、歯周病の悪化につながります。逆に 歯周病になると糖尿病になることがあります。 歯周病になると歯周病菌が歯肉に入り込んで炎症物質が分泌され 、この炎症物質がインスリンの働きを低下させることがあります。 つまり 、糖尿病と歯周病は密接な関係があると言えます。糖尿病の方は、しっかりとしたセルフケアやメンテナンスは、特に重要となってきます。

 

〜歯周病と心疾患の関連性〜

歯周病が進行すると、歯周病菌が増加してきます。 そうなると 歯肉の血管から歯周病菌が入っていき、 心臓へ到達することが起きてきます。 そこで、歯周病菌が心臓の血管壁に炎症を起こすことがあります。 血管壁に炎症が起こると、動脈硬化や狭心症、 心筋梗塞を引き起こす原因となります。 歯周病患者が心疾患 (狭心症 ・動脈硬化) などを起こすリスクは、正常な人に比べて15倍くらいあると言われています。 さらに 歯周病菌は、血小板を凝集させることもあるので、血栓が作られる可能性があり、 これが心筋梗塞が起こる原因となります。

 

〜歯周病と認知症の関連性〜

皆さんは 認知症とは、どのようなイメージがありますか。高齢になった時、 多くの人がなる病気です。また、一番なりたくない病気ではないでしょうか。 認知症の7割がアルツハイマー型認知症です。 このアルツハイマー型認知症の予防は、歯周病治療や予防が重要であると言われています。 ほとんどの人は、歯周病は口の中の病気で、 脳の病気に関係はないのでは?と思われるかもしれません。 しかし、それは間違いです。 アルツハイマー型認知症の原因は、脳にアミロイドβというタンパク質が蓄積されることによって引き起こされる病気です。 このアミロイドβ というタンパク質は生成されても通常は分解され排出されるのですが、歯周病菌がこのアミロイドβを生成 促進し、 分解抑制すると言われています。 つまり 歯周病菌が歯肉の血管から血流によって脳内の血管に入り、 そこで認知症の発症因子である アミロイドβ というタンパク質を脳内に蓄積してしまう原因になります。最近では、認知症の方は定期的な歯周病の治療や予防が特に重要だと言われています 。歯周病で、たかが歯の1本ぐらい抜けてしまっても他の歯で噛めるから大丈夫。と思っていると大変なことになります。 気をつけましょう。 その他、 歯周病は認知症だけでなく、 脳卒中を引き起こすリスクが高くなります 。歯周病菌が脳内の血管に到達すると、脳の血管壁に炎症が起こり 脳の血管が詰まったり切れたりすることがあります。 脳卒中をを起こす方は、歯周病が重度になっている人が多いと言われています。

 

〜歯周病と早産 ・低体重児出産の関連性〜

妊婦中は、つわりによって セルフケアが困難となり 、女性ホルモンの影響で唾液の分泌量が低下します。 妊娠中に歯茎の一部が、コブのように膨らむ 妊娠性エプ一リスなどによって 歯周病が正常な人より発症するリスクが高くなります。  歯周病が早産 、低体重児出産を引き起こす原因だと聞くと、不安になると思います 。しかし、これは事実ですので 頑張って 歯周病の治療・ 予防をしっかりしていかなければなりません。 歯周病が進行すると歯周病菌が歯肉の血管から血液によって子宮に到達します。 そこで 子宮内に炎症が起き、子宮が収縮する刺激を受け、出産予定日前より早くなったり 、また 、低体重児出産になることになります。 重度歯周病の妊婦さんは、正常な場合に比べて 早産になるリスクは、7.5倍になると言われています。 歯周病の他にアルコール やタバコ 、高齢出産 なども 早産の原因として挙げられます。 お腹の中の赤ちゃんのためにも 妊娠中は、歯周病にならないように気をつけていかなければなりません。

 

〜妊娠中の歯周病予防について〜

歯周病を予防するにはプラークコントロールが重要です。 しかし 妊娠中は、つわりなどによって歯磨きをすることが困難なことがあるかと思います。 当院では、そのような妊婦さんにおすすめしていることをいくつかご紹介します。

水分をしっかり取る

妊婦さんはホルモンバランスの影響で、唾液の分泌量が減少してしまいます。  口の中が乾燥状態になると、歯周病になるリスクが高くなりますので、こまめに水分を取ってください。 ただし、ジュースなどの糖分を含むものは避けて お水やお茶を飲むようにしてください。

ガムを噛む

キシリトール含有のガムを噛むことによって唾液の分泌量が多くなります。 歯周病の予防につながります。

唾液腺のマッサージをする

口の中の主な 唾液腺には耳下腺 、顎下腺 、舌下腺があります。この 唾液腺を指で軽く押してマッサージしてください 。唾液の分泌量が促進されます。

歯石除去や予防処置を行う

歯科医院で定期的に歯石除去やクリーニングをして、口腔内をきれいに保ちましょう。

 

〜歯周病と肝臓疾患の関連性〜

肝臓疾患といえば、 脂肪肝炎、肝硬変、 肝臓がんなどが挙げられます。 成人の4人に1人は脂肪肝があると言われています。 この脂肪肝は、肝機能が多少低下することはありますが、それほど心配するような病気ではありません。 ただ、この脂肪肝が長い年月をかけて脂肪肝炎、肝硬変 、肝臓癌へと進行する可能性があります。 その進行する過程において 歯周病菌が関係していると言われようになりました。歯肉の血液から歯周病菌が肝臓に到達すると、脂肪肝炎になる可能性が高くなります 。歯周病菌の中で病原性の高い菌といえば GP菌 (ポリフィロモナス ・ジンジ バリス)です。 この PG 菌に感染してしまうと脂肪肝炎になる可能性が高くなります。 歯周病治療 、歯磨き指導、 歯石除去を数ヶ月行った結果、 肝機能が改善したという報告もあります。

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〜まとめ〜

歯周病は、口の中の病気ですが、進行すると糖尿病 心疾患、 認知症、早産や 低体重児出産 、肝臓病など様々な全身疾患に悪影響をもたらします 。逆に 全身疾患になっても、歯周病治療をしっかり行って改善が見られるケースもあります。 口の中の健康はもちろんのこと、 身体全体の健康を保つためにも 歯周病の予防治療は不可欠です。 頑張って歯周病予防を行ってください。

また、何か気になる点がございましたら、お気軽にご相談ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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