みなさんは、どのような時に歯医者さんに行かれますか行かれますか?
患者様によって、いろいろなケースがあると思いますが、「虫歯になって歯が痛いから行く」「歯茎が痛い。歯周病になっているかな?と思った時に行く」など、それぞれ理由があるかと思います。
本日は、歯科医院に行かれる場合どのような治療の流れになるのかをお話ししたいと思います。
目次
1. カウンセリング・問診
患者様の来院理由の主訴や、状況、どのような治療を希望されているか、その他 既往症 基礎疾患があるかどうか など しっかりと 患者様の状況を伺わせていただきます。
2 . 審査・ 診断
口腔内を視診し、 レントゲン撮影、 パノラマレントゲン写真 (X線写真、 場合によっては 歯科用 CT を撮影することもあります) 口腔写真 (5枚法 )アイテロの口腔内スキャンなどを行います。 これらのことで、虫歯の進行度や、 症状が出ている原因の歯を特定することができます 。
まれに、多数歯が虫歯になっているケースがあります。 この場合、 原因歯を特定することが困難なケースがあります。 この場合は、 歯髄検査を行う場合があります 。この歯髄検査とは、歯の表面に直接刺激を与えて反応を見る検査です。 この刺激は、冷たい刺激と電気刺激です。 患者様も左下の一番奥が痛いと訴えておられても実は、手前の歯が原因だったということもあります。当院では、 患者様の訴えを参考にして治療を行うようにしていますが、100%当たっているかと言うとそうでは限りません。 稀に 下の歯が痛いと言われていても実は、上の歯が原因だったということもあります。 そこは、しっかりと 検査して行うことが大切です。
3 . 治療計画の説明と再度のカウンセリング (セカンド カウンセリング)
審査と診断に基づき、治療計画を立てていきます。 この時に大切なのは、患者さんの要望にしっかりと耳を傾けて聞かなければなりません。 患者様によっては、「痛いところだけを治す」 だけのつもりで来院されましたが、たくさんの虫歯があります。と言われてびっくりする人、 がっかりされる人、 いろいろだと思います。患者様には、しっかりと丁寧にご説明しなければなりません。
当院では、検査を行った時 レントゲン写真、 口腔内写真、アイテロの口腔内スキャン画像、などを見ていただき 丁寧にご説明するようにしています。 以前は 、手鏡を使用して、口腔内を見ていただき これが虫歯の原因です。というご説明をしてすぐに 虫歯治療を行うことが多かったように思います。それで、患者様がご納得、ご安心して治療が出来れば良いのですが、何が何だか分からないまま治療されたと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
そのようなことが無いように、患者様の口腔内をしっかり写真で見ていただき、ご納得していただいてから治療を開始しなければならないと思っております。
4 . 麻酔
虫歯の進行度によっては、麻酔を使用しないケースもあります。虫歯治療で麻酔を使用しなくても大丈夫なケースは、軽度な虫歯(C1)の治療の場合です。
患者様が痛みを感じる時は、虫歯の進行度で言うと(C3〜C4)の場合です。この場合は、麻酔をして、治療を行うようにしています。
麻酔において、当院で気をつけている事をお話しします。
麻酔と言えば、イメージとして、「不安、痛い、こわい」といったことだと思います。当院では、できるだけ、患者様の負担を軽減するため、麻酔方法にも気を配っています。
まず、 麻酔をする部位にあらかじめ 表面麻酔を塗布します。 その後、できるだけ 注射針の細いものを使用し、麻酔をしていきます。
麻酔液を注入する時は、電動注射器を使用して ゆっくりと注入するようにしています。このことで麻酔を行う際 、患者様の痛みが軽減することになります。
また、当院では、さらに痛みを軽減させるために、麻酔液を温める CARTRIDGEウォーマーを使用しています。
5 . 虫歯の部分を除去
麻酔が聞いたかどうかを確認して、虫歯になっている部分を除去していきます。 虫歯の部分を除去する際に頭に入れておかなければならないことがあります。 それは、できるだけ 歯の健康な部分を残すことです。 虫歯の部分だけを慎重に取り除くことが大切です。 余分な部分まで除去してしまうと小さな虫歯であっても、場合によっては 歯髄炎を起こし 根管治療が必要となってくることがあります。
虫歯の除去は、慎重に行わなければなりません。 また、虫歯が進行して 根管治療が必要な場合、 虫歯が C 3以上で歯髄に炎症を起こしている場合は、 根管治療が必要となってきます。
根管治療とは、 虫歯が歯髄 ( 神経)まで到達している場合などで、虫歯に感染した歯の歯髄 及び 虫歯の原因菌をしっかりと 除去し、歯の痛みや腫れを取り除くことを目的とした治療です。
虫歯によって 歯髄炎になった場合は、 歯が何もしなくてもズキズキ 痛んだり 歯茎が腫れたりしてきます。 このような場合は、自然治癒することはありません。 必ず根管治療が必要となってきます。 しっかりと 根管治療を行い 歯の根管内をきれいに消毒することになります。
根管治療で歯の根管がきれいに消毒された後は、根管内にお薬を詰めなければなりません。 このことを 根充と言います。
根管治療を行って、痛みや腫れが喪失したのでこれで大丈夫!と思われる方がいらっしゃいます。 そして治療を中断してしまわれる方がいらっしゃいますが、 これはいけません。
根充を行わないと、また細菌も繁殖して根管内が感染することになります。 それを防止するのが 根充という治療です。 しっかりと治療が完了するまでは、頑張ってください。
6 . 詰め物や充填 ・被せ物
ここからは、虫歯の進行度によって治療法が異なってきます。
虫歯の進行度( C 1 〜C 2 )の場合、 虫歯を除去した後その部分をしっかり 消毒・ 乾燥した後、 コンポジットレジン あるいは インレー などで詰めていきます。虫歯の大きさによっては 、適切な材料を選択して詰めていきます。 次に虫歯の進行度がかなり進んでいる場合 (C 3 〜C 4)は、 根管治療後、土台を入れてから被せ物を作製していきます。 根管治療を行った歯は、中が空洞になっているため 、そのままかぶせたり 詰め物 ( コンポジットレジン)をしても歯が破折したりします 。そのため 、歯の空洞になっているところに土台を作ります。 この土台を当院では、2種類から患者様に選んでいただいております。 メタルコア とファイバーコアです。 ファイバーコアのメリットとしては、
・適度な強度さがある
・金属を使用していないので金属アレルギーの心配がない
・クッション性があるので歯が破折しにくい
・白色なので被せ物を装着しても色が透けてこないので神秘的に良い
などが挙げられます。
逆に メタルコアの場合は 、強度は強いですが 、金属アレルギーのリスクやクッション性がないので歯に負担がかかり 歯牙が破折する可能性があります。
このような理由で当院では、ファイバーコアを推奨しております。
ただ、 ファイバーコアは自由診療 なので コストがかかりますのでその点は考慮下さい。
土台を装着して被せ物を作製していきます。
詰め物、被せ物を装着する前に、咬み合わせの調整をおこないます。
詰め物をした場合も、被せ物を装着する場合も左右が元通りに 噛めるように細かな調整を行わなければなりません。
例えば 、被せ物が高い場合は、普通に噛んでいても新しく作製した被せ物の部分しか噛み合わないことがあります。
例あげると、右下奥歯に被せ物を装着したとします。 被せ物が高いと左下が噛み合わなくなります。 被せ物を装着する場合は、噛み合わせが正しいかどうか、きめ細やかに チェックする必要があります。 詰め物 (コンポジットレジン)を充填する場合も、同様に行います。
被せ物を装着する場合に、もう一つ 重要なことがあります。
隣接歯間関係 ( コンタクト)の調整です。
隣接歯間関係 ( コンタクト)とは、歯と歯の間の隙間のことを言います。
このコンタクトが、きつすぎると噛み合わせた時に違和感が出たり 歯が移動することがあります。 また 、コンタクトがゆるすぎると歯と歯の間に物が詰まりやすくなり食片圧入 が起こり 、歯肉に傷がついてしまいます 。さらに放置しておくと歯周病が進み 歯槽骨の吸収が起こってしまいます。 コンタクトの調整は、とても重要です。
当院では、被せ物を装着する前にコンタクトゲージを使用してチェックし 適切なコンタクト 調整を行っています。 コンタクト 調整と噛み合わせの調整をしっかりと行ってから被せ物の装着を行います。
コンタクトゲージ
7. 定期検診
当院では、3ヶ月に一度、 定期検診を受けることをお勧めしています。噛み合わせや 虫歯 、歯周病の有無などをチェックします。 そして 予防歯科として 歯石除去 、PMTC、ブラッシング指導など 併用して行うようにしています。
今回は 、虫歯治療の流れについてお話ししました。
当院では、虫歯治療 だけではなく全ての歯科治療において患者様とコミュニケーションを取り 患者様お一人お一人に最適な治療法を提案していきたいと思っております。
何か気になる点や疑問に思う点がございましたらお気軽にご相談ください。