こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。
今年も、学校での歯科検診が行われる時期になりました。
学校から検診用紙を持参して虫歯や歯肉炎の治療を希望される患者様が増えています。そんな中で保護者様から、質問されることがあります。その内容として、兄弟あるいは姉妹のいらっしゃる保護者様から、「同じように歯磨きをしているのにどうして兄弟で虫歯のなり方が違うのか」という質問です。本日は、虫歯になりやすい人・歯周病になりやすい人について、また、その予防方法についてお話します。
虫歯になりやすい人
★唾液量と質
口腔内の唾液は虫歯のリスクに大きな関係があります。唾液の役割として、まず酸を中和する緩衝能力があります。この緩衝能力が低い場合は、口腔内のPHが酸性になりやすい人です。口の中が酸性になると虫歯の原因菌が多くなり、歯の表面のエナメル質が溶解し虫歯になってしまします。唾液は、酸と中和することによって、虫歯の原因菌の増殖を防ぎ虫歯のリスクを軽減する役割をしています。もう一つの役割として、口腔内を洗浄する働きをしています。唾液の質や量は、虫歯のリスクに大きな影響を及ぼしています。例えば、口が乾く口腔内乾燥症の方は、唾液量が少ないため虫歯になりやすいと言えます。
★食生活
糖分の多い食べ物、飲料水を多く摂取される方は虫歯リスクは高くなります。糖分は、虫歯の原因菌のエネルギー源です。糖分が多い食べものを多く摂取することにより、口の中で細菌が繫殖しやすくなり、細菌が多くなります。そうなると、虫歯リスクが高まることになります。間食の回数が多い方は口の中が長い時間、食べ物によってPH酸性度の環境になってしまいます。そうなると、虫歯になりやすくなります。
★口腔衛生状況
正しい歯磨きの方法で歯磨きが出来ていない人、あるいは歯磨きの回数が少ない人、1日一回ぐらいしかしていない人は、虫歯になりやすいです。このような方は、口の中に歯垢が溜まりやすく、虫歯菌が繁殖して多くなり虫歯のリスクが高くなります。食べたら歯を磨くという習慣を続けましょう。
1日、最低でも3回は歯磨きをしましょう。特に必要なのは、寝る前の歯磨きです。なぜなら、寝ている間は、唾液の分泌量が減少し、虫歯菌が繁殖しやすい環境になるからです。
★歯並びや咬み合わせ
歯並びや咬み合わせが悪い人は、歯磨きをしても歯ブラシの毛先が細部まで届きにくく、汚れがたまりやすいため、磨き残しが多くなりがちです。ある一定の部位に汚れが残りやすい方が多くいらっしゃいます。
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★歯の歯質
歯の歯質とは、この場合、歯の表面のエナメル質のことを言いますが、このエナメル質が弱い方は、虫歯になりやすくなります 。エナメル質が脆弱な場合、酸に対する抵抗力が弱くなり、 虫歯の進行も速いことが多いです。
このような方は、 フッ素含有量の多い歯磨き粉を使用することをおすすめします。
![歯磨きのイメージ](https://yamane-shika.jp/wp-content/uploads/2024/04/implant-hamigaki-2.jpg)
予防法
★ブラッシング
まずは 正しい歯磨きを行うことです。 歯磨きは食後に必ず行うことが重要です。 なぜなら食後は口腔内に プラークが溜まりやすく、口の中が酸性になることが多いからです。 そのため 虫歯になるリスクが高くなるので 食後に歯磨きを行う習慣をつけておくことをおすすめします。
また.寝る前の歯磨きは忘れずに行いましょう。
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★食生活の改善
糖分が高い食品や飲料水は、控えるようにしましょう。 キャラメルや糖分の高いソフトドリンクは、摂取する量を減らす方が良いと思います。 特にキャラメルなどは 、歯にくっつきやすく 長時間、 口の中に残っていることがあります。
食後は、歯磨きをするか、もしくは、口をゆすぐことをお勧めします。 水で口をゆすぐことで、食後の食べかすや酸を洗い流すことができます。 また、 間食の量ではなく回数を減らしてください。
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★唾液の分泌の促進
唾液は、歯科予防にとても重要な役割を果たしています。 この唾液の分泌量が減少すると虫歯のリスクが高まります。 そのためには、こまめに水分補給を行ってください 。
口の中が乾燥していると虫歯になるリスクが高くなります。
また、 アルコール ( 酒類)は、控えるようにしてください。 アルコールは、唾液の分泌量の低下を起こすことがあります。 また、食事をする時には、よく噛んで食べるようにしてください。 よく噛んで食べることで 唾液の分泌量が多くなります。
歯周病になりやすい人
★口腔衛生が十分でない
正しいブラッシングができていない人、 あるいは、1日に1回ぐらいしか 歯磨きをしていない人は、歯周病のリスクが高くなります。
![インプラントのぐらつきを放置してはいけないイメージ](https://yamane-shika.jp/wp-content/uploads/2024/01/NG_114076520.jpeg)
★喫煙
喫煙をすると口の血流が悪くなり 歯周病になりやすく また進行速度が速くなります。
感染に対する抵抗力が低下することも 歯周病になりやすい原因の一つと考えられます。
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★ストレスや 基礎疾患による免疫力の低下
ストレスや基礎疾患などによる病気で免疫力が低下すると、歯周病になりやすくなります。 特に 基礎疾患のある方は、歯周病になり 、そして悪化するリスクが高くなります。
重度な 歯周病になると 、それが原因で他の病気が悪化することもあります 。
代表的な病気としてあげられるのが 糖尿病です。 糖尿病の方は、口腔ケアには特に注意が必要になります。
ストレスなどで免疫力が低下した場合も 歯周病のリスクが高まります。 私生活においては 、ストレスを解消するためしっかりと休息 、睡眠をとり適度に体を動かしましょう。 散歩するなどをしてみるのもいいかもしれません。
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予防法
★正しいブラッシング法で歯磨きを行うことが重要です。
これは、虫歯の予防法にも同じことが言えるのですが、 口腔衛生が十分にできていないと虫歯や歯周病になるリスクが高くなります。 1日3回は歯磨きを行うことや、必ず寝る前に歯磨きを行うことは、生活の習慣として行ってください。時には、 歯間ブラシやデンタルフロスを使用し、歯と歯の間の汚れを除去してください。
磨いたつもりでも歯と歯の間には、汚れが残っていることがあります。 そして 定期的に歯科検診を受けてましょう。歯石除去 や PMTC を行ってもらうようにしてください。
検診を受けることで、虫歯や歯周病予防にもなりますが、早期発見 早期治療にもなります 。虫歯や歯周病でも進行すれば 歯を失ってしまうことがあります。
いつまでも 口の中の健康を維持するには定期的な歯科検診 プロフェッショナルケアはとても重要です。
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まとめ
ここまで虫歯になりやすい人 歯周病になりやすい人 その予防方法についてお話ししてきました。 極稀に歯磨きをあまりしないのに虫歯になりにくい人がいらっしゃいます。 家族の中で同じように 食生活を送っているのにどうしてこんなに差があるのだろうと言われる 保護者さんがいらっしゃいます。 これは口の中の環境が違うことが原因と考えられます。 まず、 唾液の分泌や歯質が異なっている場合が考えられます。 また、 歯の表面のエナメル質の状態 、食生活においては好む食べ物の種類、 生活環境においては規則正しい生活を行っているかどうか。 などが考えられます。 ただ、 虫歯になりやすい人、 歯周病になりやすい人においては 、特に口腔内の予防をしっかりと行っていかなければなりません。
口腔内の衛生をしっかり良くして、規則正しい食生活 、定期的なプロフェッショナルケアを受けるということは重要ですので 気をつけてください 。
食生活、 口腔衛生の向上、 私生活においてのストレスの軽減などを気をつけていけば、 虫歯や歯周病のリスクが低下し いつまでも 口の中の健康が維持できると思います。
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