こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。
様々な悩みやご事情のある方が、日々、山根歯科を受診されます。
- 日常生活に支障が出るようになったので、いよいよ受診しなければと思った
- 小さい頃のトラウマで、病院嫌いになった
- ここまでひどくなった状態だと、診てもらえないんじゃないか
- 先生に怒られるのではないか(以前に似たような経験をしている)
初診時に伺うと、このような経験をお話ししてくださることがあります。
また、お話の中には、
- 口の中がどんどん悪くなるにつれ、人と会話することが億劫になり、現在では最低限での外出しかしていない
- コロナの影響で病院受診や外出も減り、今では、マスクを欠かすことはできず、性格も以前よりふさぎがちになり、鏡を見るのが嫌になった
というように、本当につらい経験をされておられる方もおられました。では、上記のようにひどい状態から、どのように治療が進んでいくか、お伝えできたらと思います。
2024年4月3日には、「歯が抜けたままの放置にご注意を!!」という題材で、抜いたまま放置しいると起こってくるトラブルについて記載しておりますので、まずは、そちらをご参照ください。
口の中は、歯や舌や、食べ物の入る空間(口腔:こうくう)などがあり、のどへつながっています。
図に示しているこの空間は、建物の柱のような役割を奥歯(大臼歯:だいきゅうし)が担っているからです。
- 抜けた歯がある
- 治療していないむし歯で、歯がかけている、根っこだけになっている
このようなところが、お口の中全体に複数ある状況は、建物に例えると、誰も住んでいない廃墟や古い建物で、ガラスが割れ、柱が朽ち、崩壊し始めている状況と言えます。
この状況が長い間続いた建物は、崩壊がさらに進み、ゆくゆくは倒壊します。建物は、解体・撤去、整地した後、新たに建て直すことができますが、「口の中を整地する」ことは、容易なことではありません。
「口の中を整地する」治療は、様々な治療を組み合わせて行うこととなり、複雑で長期間となる傾向があります。
治療内容を説明する場面は多々ありますが、内容が複雑になるにつれ情報量も多く、また、予想していなかった事実の告知に困惑しておられる姿を見ることもあります。
初診時には、まず現在の状況を把握するところから始まります。今残っている歯をむし歯治療で残すことができるのかどうかによって、治療の規模が大きく左右されます。むし歯治療で残すことができないくらい、明らかに状態の悪い歯は、残念ながら、抜歯となります。
歯のない部分には、ほとんどのケースにおいて、歯をつくる治療(入れ歯づくりやインプラント治療)となりますが、整地が必要とされる状況では、歯を作ろうにも、入れる歯の幅や高さ(空間)が足りないケースが目立ちます。
空間を作り出すため、上下左右に隣接している歯を削ることがあります。むし歯治療を行う必要もないきれいな状態であっても、空間を作り出すために削らねばならないのです。削る量によっては、神経を残したままで行うことができないため、神経をとり、必要となる分だけ削り、空間を確保します。神経を取った場合、削って終わることができないため、治療の回数もおのずと増えてしまいます。
削る方法で空間を確保できない場合は、車のタイヤ交換時に行うジャッキアップのように、「かみ合わせの高さをあげる(増やす)」方法に切り替えます。入っているかぶせを外し、取り外しや形を調整できる仮のかぶせに入替え、少しずつ高さを整えるケースもあれば、奥に歯がないため、入れ歯を希望されない場合でも、治療の一環として、一定期間、入れ歯を利用しなければならないこともあります。入れ歯の人工歯に材料を付け足しながら、高さをあげ、整えていきます。高さが増すということは、顎関節へ少なからず影響します。1度にたくさんの高さをあげると、顎関節の痛みや、口の開け閉めの際に動きが悪くなる(運動障害)が発生します。
このため、1度では目標の空間の高さにすることはできません。バランスを調整しながら少しずつ整えるしかなく、結果、「口の中を整地する」治療に、半年以上費やすこともあります。地道に回数を重ね、目標の高さまで到達し、空間が確保できて、ようやく歯をつくる治療がスタートします。
希望する治療がインプラントとなった場合、インプラントを含む全ての治療が完了するまでに、歯をつくる治療が始まってから、さらに1年以上かかることもあります。
入れ歯で歯をつくる場合は、インプラント治療に比べ短期間になりますが、それでも、数カ月の通院が必要となります。
整地が必要な状況で受診された方の中に、治療開始より2年目に突入した方がおられます。元々明るい方でしたが、治療がすすむにつれ、表情がますます豊かに、姿勢もシャキッと良くなり、周りの方から、最近若々しくなった、いきいきとしている、なにか健康の秘訣でもあるのかと声をかけられることが増えた、と、うれしいエピソードを教えていただきました。奥できちんとかむことができることで、食生活の見直しもでき、体重や体型の変化もあらわれたそうです。たかが歯の治療ですが、実は、全身の健康管理にもつながるのです。
痛みがないから・・・
なかなか時間を作ることができないから・・・
と後回しにしすぎたことで、口の中の健康、全身の健康を損ねすぎないよう、
何かお困りごとがありましたら、山根歯科医院までお越しください。
お待ちしております。