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離乳期のお口の中の状態(一歳6ヶ月ぐらい迄)

2024年7月31日
こんにちは。
鳥取市東町にある歯医者『山根歯科医院』です。
本日は、離乳期のお口の中の状態(一歳6ヶ月ぐらい迄)についてお話します。

 

💠赤ちゃんのお口の中の役割

産まれてから暫くの間赤ちゃんの口の中には歯がありません。顎も小さく、歯茎も平らで低いので、舌が口の中に収まりきらず、上下の唇の間から見えていたりします。

また、上顎の真ん中辺りが丸く凹んでいて、その周りには膨らみがあります。頬っぺたの内側にも脂肪床と呼ばれる膨らみが見られます。

この様な赤ちゃんの口の中の形は、母乳を吸うためには最適な形と言えます。

産まれてすぐの赤ちゃんでも、通常は胎児期に身につけた反射行動によって、母乳を吸う事が出来ます。

赤ちゃんは哺乳時に、舌で乳首を上顎の凹みのところまで引き込んできてお乳を吸います。平らな下の歯茎の上に舌をのせ、唇を乳首のまわりに押し付けて舌の波動様の動きでお乳を吸う赤ちゃんには、歯はあってもまだ邪魔なだけです。上顎や頬っぺたのふくらみは、乳首を上顎と舌の間に密着しやすくしていて、効率よくお乳が吸える助けとなっています。

この様に赤ちゃんのお口の中のは自分の力で栄養を取り入れる為に最適な形となっているのです。

💠赤ちゃんの顎の成長と変化

赤ちゃんの口の形も、乳歯が生えるまでの間に成長し変化していきます。

乳時期は顎の成長が盛んで、特に産まれてから半年の間ぐらいは下顎の前方への成長が著しく、歯茎のアーチも大きくなって、高さも増していきます。この為、産まれて間もなくは上顎に対して下顎がかなり後ろに位置していますが、乳歯が生え始める頃までには、上顎と下顎の歯茎がちょうどあわさるような位置関係になってきます。

💠乳歯の生えはじめ

乳歯の生えはじめは、7ヶ月頃に下の前歯から生えてくる事が多いです。

一般的に歯の生える時期は個人差が大きいものですが、乳歯でも、3、4ヶ月で生えはじめる赤ちゃんから、1歳頃になってやっと生えはじめる赤ちゃんやそれぞれかなりの差が観られます。

生える順序も、上の前歯が先に生えることもあれば、真ん中の前歯より隣の前歯が先にはえてくる事もあり、かなり個人差がある様にうかがえます。

 

💠赤ちゃんのよだれ

生後半年ごろには、赤ちゃんのよだれが増えてきますが、この時期には乳歯が生え始めるばかり以外にも離乳食も始まり、指しゃぶりやおもちゃで遊ぶなど、口への色々刺激が増えてきて、唾液の分泌量が盛んになります。この頃の赤ちゃんは、まだ上唇を使って離乳食を取り込むことも始めたばかりで、唇を閉じていることも少ない為、溜まった唾液がよだれとして外に流れ出やすくなっています。

離乳の時期が進んでいって唇を閉じることや、溜まった唾液を飲み込む動きが上手になると、よだれは徐々に減っていきます。

💠前歯が生えてくると

生後1年を過ぎる頃には、前歯が4本ずつ、合計で8本の乳歯が生えている赤ちゃんが多くなります。上と下の前歯が生えてくると、それまでは舐めていたオモチャなどを前歯で噛んで遊ぶ様な行為が見られる様になります。それは舐めただけでは分からなかった硬さや弾力性などを確かめているようです。

また、前歯での歯ぎしりもしばしば見られますが、これは上と下の前歯の位置の関係や噛み合う感触を、確かめている行為だそうです。

まだ、癖などのようなものではなく心配はいらないでしょう。この様に赤ちゃんは前歯を使う事を練習しながら、前歯で食べ物を噛みとったり、噛み切ったりする事を覚えていきます。

💠奥歯が生えてくると

1歳の前半頃には、第一乳臼歯と呼ばれる最初の奥歯も生え始めます。この歯が上下生えてくることによって、初めて奥歯の噛み合わせが出来てきて、食べ物を噛み潰す事などが出来るようになります。また、噛み合わせの高さが増す事によって口の中がさらに広がってきて、下の動きも様々になることにより、食べる機能も、言葉を発音する機能も発達がうながされます。

💠赤ちゃんと指しゃぶり

新生児期を過ぎると手の動きも次第に活発になってきて、自分の手が口まで持ってこられる様になると、口に触れたてを吸うという行為が見られるようになります。

生後2、3ヶ月頃には、指しゃぶりをする赤ちゃんが多く見られますが、この時期の指しゃぶりは哺乳反射と手の動きが結びついた発達の自然な流れと言えます。また、自分の手を見てそれを口に持っていって、指しゃぶりをすることで口と指の感覚を結びつけて、赤ちゃんは自分の手が自分の体の一部である事を徐々に認識していき、同時に目と手、手と口の協応していく動きの発達も促されるとされています。

はじめは手や指しゃぶりなどの行為も4、5ヶ月になって物が握れたり、掴めたりするようになると、手に触れた物をなんでも口にもっていくようになります。目で見たり、手で触っただけではまだ、物を認知する能力が発達していない赤ちゃんにとってはお口が最も感覚が発達していて敏感なセンサーとなっており、物を認知する為の行為とも言えるでしょう。

このように指しゃぶりなどにより刺激を口から取り入れていくことで哺乳反射が徐々に消失していき離乳への準備となっていきます。

9、10ヶ月ごろになると、視覚、手の感覚も発達し認識できる物も増えてくるため、口を使っての認知行動は減ってくるようです。

💠乳時期のお口のケア

歯が生えるまでの赤ちゃんは唾液の量が多く、それだけでも自浄作用が高いので何もしなくても良いと思います。

歯磨きをし始めるまでの練習としてまた、歯が生えてくるまでのケアとしては綿100%のガーゼをぬるま湯でしめらせて人差し指に巻き付けて、歯ぐきの表側と裏側を優しく拭ってあげるのもいいでしょう。授乳後、離乳食後、就寝前などが良いでしょう。

赤ちゃんの歯ぐきはとてもやわらかいので優しく力加減に注意しましょう。

お口の中を清潔にするということも目的ですが、一番の目的は、赤ちゃんにお口のまわりやお口の中を触られることに慣れてもらう事です。終わったらたくさん褒めてあげましょう。

歯磨きは歯が生えてからのスタートで大丈夫です。

歯が生えてきたら、少しずつ歯みがきを習慣にしていきましょう。そして睡眠中は唾液の分泌量が減少するためお口の中の細菌が繁殖しやすくなります。夜寝る前の歯磨きは出来るだけしっかりやりましょう。

とはいえ、最初のうちは、嫌がったり口の中に歯ブラシを入れさせてくれない事もあるかと思います。遊びの延長線で歯ブラシを持たせて口に運んでみる練習をしてみたり、機嫌のいい時にチャレンジしていきましょう。

 

また、何か気になることがございましたらお気軽にご相談ください。

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