こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。
矯正治療は、大きく分けて歯全体に矯正器具をつける全体矯正と、治したい一部分の歯にのみ矯正器具をつけて治療する部分矯正の2種類があります。部分矯正は、歯を動かす範囲が限定されているため、治療にかかる期間や費用を抑えられます。
本記事では、ワイヤーを使用した部分矯正について詳しく解説します。治療できる歯並びやメリット・デメリットについても解説するため、部分矯正の知識を得たいという方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
目次
ワイヤーを使用した部分矯正とは
ワイヤーを使った部分矯正とは、治したい数本の歯と周囲の歯のみにワイヤーをかけて矯正をする方法です。2〜6本程度までの範囲であれば、部分矯正で治療できます。
狭い範囲の歯がガタガタしていたり、前に出ていたりするなどの状態を改善する際に行われることが多いでしょう。
全体矯正との違い
部分矯正と全体矯正の大きな違いは、噛み合わせの調整ができるかどうかにあります。部分矯正は見た目の改善に焦点を当てているので、噛み合わせの調整は行われません。
全体矯正は、歯並びだけでなく噛み合わせを整えることにも焦点を当てている治療です。そのため、歯全体を動かして噛み合わせも改善したい方は、全体矯正を選ぶと良いでしょう。
マウスピース矯正との違い
部分矯正は、ワイヤーだけでなくマウスピース矯正でも行えます。
マウスピース矯正では、部分矯正の場合でも矯正器具を歯全体につけなければなりません。また、マウスピース矯正は奥歯の部分矯正ができません。
ワイヤー矯正の場合は、歯並びを治したい部分の歯と周辺の歯に装置をつけられるため、奥歯の部分矯正も可能です。
ワイヤーを使用した部分矯正で治療できる歯並び
ワイヤーを使用した部分矯正は、すべての歯並びに適応できるわけではありません。ワイヤーを使用した部分矯正で治療できる歯並びは、次の通りです。
前歯のすきっ歯
前歯の軽度なすきっ歯は、ワイヤーを使用した部分矯正で改善が可能です。あくまで前歯の軽度なすきっ歯に対してなので、奥歯から全体的に隙間が開いている場合には全体矯正を行う必要があるでしょう。
また、隙間が広い場合にも、治療ができないことがあるので注意が必要です。
数本のみ乱れている歯並び
数本のみ歯がガタガタしている状態なども、ワイヤーを使用した部分矯正で改善できます。ワイヤーを使用した部分矯正の治療対象となる歯は2~6本程度のため、数本の歯だけが乱れている場合には治療が可能です。また、軽度の八重歯の治療も可能です。
しかし、重度の歯並びの乱れや、噛み合わせ自体もずれている場合には、全体矯正を行わなくてはならないでしょう。
治療後の歯の後戻り
矯正治療後に歯が後戻りした場合にも、ワイヤーを使用した部分矯正で改善できます。あくまで後戻りが軽度なケースに限りますが、最初に行った矯正治療よりも短期間で治療ができるため、治療費用も大幅に抑えられるでしょう。
ワイヤーを使用した部分矯正のメリット・デメリット
ワイヤーを使用した部分矯正にはメリットとデメリットがあるため、両者をよく知ったうえで治療を検討することが望ましいです。ワイヤーを使用した部分矯正によるメリットとデメリットについて解説します。
ワイヤーを使用した部分矯正のメリット
ワイヤーを使用した部分矯正の最大のメリットには、治療にかかる費用や治療期間が抑えられることが挙げられます。
部分矯正は、全体矯正と比較して治療費用が安い傾向にあり、全体矯正の半額程度で治療が行えます。歯科医院やお口の状態によって異なりますが、相場は50~60万円程度です。
治療期間も、全体矯正が1~3年かかるのに対し、部分矯正は長くて1年、短くて3か月程度です。ワイヤー矯正の場合、強い力で歯を動かすため、マウスピース矯正よりも早く治療が終わることが多いでしょう。
時間や費用を抑えながら矯正治療ができる点は、ワイヤーによる部分矯正の最大のメリットと言えます。
また、部分矯正は矯正力をかける歯の本数が少ないです。本数が少ない分、ワイヤー矯正のデメリットとされる、目立つ・痛みがあるという点も全体矯正より気にならないでしょう。
痛みや目立つことを理由に躊躇される傾向にあるワイヤー矯正を始めやすいのも、メリットと言えます。治療範囲が狭い分、全体矯正よりお手入れも楽で、日常生活への負担も最小限に抑えられます。
ワイヤーを使用した部分矯正のデメリット
ワイヤー矯正を使用した部分矯正では、歯並びは改善できても噛み合わせが改善できません。そのため、機能面の改善が見込めないという点はデメリットになるでしょう。
また、ワイヤーが常に装着されているため、違和感が生じるかもしれません。特に、ワイヤーによる部分矯正を始めた頃などは、装置による痛みや不快感が日常生活に影響を及ぼす可能性が高いでしょう。
ワイヤーに食べ物が挟まったり、口内の清掃がしにくかったりする点も、デメリットと言えます。
ワイヤーを使用した部分矯正で治療できないケース
ワイヤーを使用した部分矯正には、治療ができないケースもあります。
骨格が問題のケース
歯並びが悪い原因が骨格によるものである場合には、部分矯正での改善はできません。顎の骨が原因となっている受け口や出っ歯の場合には、全体矯正や外科的治療も考慮しなければならないでしょう。
また、噛み合わせが深くなる過蓋咬合も、部分矯正では改善できないため注意しましょう。
抜歯が必要なケース
歯の重なりが大きい場合には、抜歯をして歯が移動するためのスペースを作らなければなりません。抜歯を必要とするケースでは、歯を大きく移動させる必要があるため全体矯正をしなければならないでしょう。
また、歯並びの乱れが大きい場合や重なりが強い八重歯の場合にも、部分矯正による治療を断られるかもしれません。
噛み合わせが悪いケース
部分矯正では機能面の改善は見込めないため、ワイヤーによる部分矯正の対象外です。開咬・過蓋咬合といった噛み合わせが深い場合も、全体矯正でないと改善できないでしょう。
奥歯から矯正する必要があるケース
自分では前歯の数本の歯並びが悪いだけと思っていても、検査をしたら奥歯全体を動かさないと歯並びの改善が見込めないというケースもあります。
部分矯正では、一部の歯しか動かせません。そのため、歯全体を動かさないと歯並びの改善が見込めない場合には、部分矯正の対象にはなりません。
歯の移動距離が大きいケース
前歯のすきっ歯はワイヤーによる部分矯正で改善できますが、隙間が広い場合には移動距離が長くなるため部分矯正のみでは改善できません。
歯の移動距離は、ご自身で判断することが難しいです。歯科医院でチェックを受け、部分矯正が適応かどうかを判断してもらいましょう。
まとめ
ワイヤーを使用した部分矯正は、全体矯正と比べると手軽にできる矯正治療です。マウスピース矯正と比べても、矯正器具をつける範囲が狭く負担が軽いうえに、かかる費用も少なく治療期間も短いので一部の歯並びの改善をしたい方に選ばれています。
ただし、適応になる症例が限られるなどのデメリットも存在します。そのため、事前に歯科医師にデメリットについてもしっかり確認し、納得して治療を受けるようにすることが大切です。
「マウスピース矯正とどちらのほうが良いのか分からない」「全体矯正をしなくても歯並びが改善できるか知りたい」という方は、一度歯科医院に相談し、ご自身の歯並びが部分矯正の対象かどうかを確認してみましょう。
ワイヤーを使用した部分矯正を検討されている方は、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、痛みに配慮した優しい治療を心がけて診療を行っています。むし歯・歯周病治療だけでなく、矯正治療や小児歯科、インプラント治療など、幅広い診療に力を入れています。