こんにちは。鳥取市東町にある山根歯科医院です。
皆さんは、自分自身で口臭が気になることはありませんか。
あるいは、周りの人から口臭があると言われたことはありませんか。
口臭は、大なり小なり 誰にでもあるものですが、口臭が強い人には何らかの原因がある可能性があります。
口臭と言っても、一時的なものもあれば、持続的なものもあります 。また、原因も様々で、食生活や健康状態 あるいは、口の中の疾患などにも左右されます。 本日は、口臭の原因と予防法についてお話しします。
目次
~口臭の原因~
口臭の原因は多岐に渡りますが、以下の3つの原因が考えられます。
①口腔内の疾患(虫歯や歯周病)
②健康状態に原因がある場合 (消化不良 や胃の調子が悪い など )
③食生活に問題がある場合
~口腔内の疾患が原因~
口腔内に原因がある場合 、虫歯や歯周病 、トライ マウス、 舌苔の汚れなどが考えられます。 口臭の原因の約8割は、口腔内に原因があります。
●歯周病
口腔内に原因がある場合、 約9割が歯周病由来と言われています。 歯周病になると歯肉が炎症を起こし歯と歯肉の間にプラークや歯石が溜まりやすくなります。
また、ある程度まで歯周病が進行すると、歯の周りの歯周組織を吸収し、深い歯周ポケットを形成します。そうなると、普段、行なっている歯磨きだけでは歯周ポケット内の汚れを完全に除去することが難しく、歯周病菌が増殖してしまいます。そして、歯周病菌がメチルメルカプタンを発生させ、口臭の原因となってしまいます。
●ドライマウス
ドライマウスは、別名 口臭乾燥症 とも呼ばれており、通常は唾液の分泌量が減少した時に起こります。 唾液は口腔内の細菌や汚れ、プラークを洗い流す働きがあります。 唾液の分泌量が低下すると口腔内に細菌が増殖しやすくなります。 そして 口臭リスクが高まることになります。口が乾くと唾液の分泌量が減少し 口臭の原因となります 。トライ マウスの原因としては、口呼吸やストレス 、加齢による唾液腺の分泌低下、 薬剤の副作用などが挙げられます。
●虫歯
初期の虫歯では、口臭は起こりにくいと考えられますが 、虫歯が進行し 歯髄まで到達すると、歯髄炎を起こし 歯の神経が腐敗すると強い口臭が起きてきます。 また 、歯髄炎になっていなくても 口臭が起こることがあります。
例えば、虫歯によって歯に穴が開いてしまい、そのまま放置していると、食べ物が入り込み 普段行っている歯磨きでは、食べ物が除去できないことがあります。 このような場合でも口臭が起こることがあります。
●舌苔が原因
舌苔とは、舌の表面にある 凹凸の部分に、口の中の細菌が蓄積し苔状になったものです。 舌の組織は、凹凸になっていることが多く 食べかすがたまりやすい部分です 。汚れがたまるとそこに細菌が増殖し、ガスを発生させ口臭が起こります。 通常は唾液の自浄作用によって舌苔がないことが多いです。 口呼吸などにより、ドライマウスになっている人は、舌苔が多くなり 口臭も強くなります。
~健康状態が原因~
●胃腸が原因
胃の調子が悪い場合は 、消化不良を起こし胃の中で発生したガスが逆流して口臭が発生します。 胃の調子が悪くなる原因として、ストレス や加齢によるもの ピロリ菌によるものなどさまざまです。胃の働きが低下してしまうことが原因と考えられます。
●糖尿病が原因
糖尿病と歯周病はとても深い関係にあります 。糖尿病の患者さんは、高血糖によって唾液の分泌量が低下し ドライマウスになりやすいです 。唾液の分泌量が低下しますので、歯周病菌を増殖し歯周病が進行してしまいます。 このことによって口臭が強くなります。
また血糖のコントロールが、不安定であるとケトン体 という物質が、体内で生成され 甘酸っぱい匂いが口から発生することがあります。 このケトン体が、口臭の原因になることがあります 。また 糖尿病の患者さんは、体内の免疫力低下が起こりやすくなります。 このことによって、口の中の細菌が増殖し口臭の原因につながります。
●肝臓病が原因
肝臓は、体内に取り込んだ 食べ物を消化する際に発生するアンモニアを尿素に変え 体外へ排出する働きがあります。 この肝臓の機能が低下すると、体内に発生したアンモニアを体外に排出することができず口臭につながります。
~食生活に問題~
●口腔ケアが不十分
正しいブラッシングができていない場合は、口の中にプラークが残り 口臭の原因となります 。
●匂いが強い食べ物や飲み物を頻発に摂取
一時的に口臭が発生することがあります。 代表的な食べ物としては 、にんにくや お酒などが 揚げられます 。
●ストレス
ストレスがたまると唾液の分泌量が低下し ドライマウスになり口臭が起こりやすくなります。
〜日常の口腔ケア〜
◎日頃の口腔ケア
正しい歯磨きや 歯ブラシの毛先が届きにくい歯と歯の間は、 デンタルフロス ・歯間ブラシを適切に使用することが大切です。 舌苔が多くできやすい人は、舌ブラシを使用し 口の中を清潔にすることが大切です。
◎十分な水分補給
口臭の原因は、ドライマウスによるものが多いです 。口の中が乾燥しないように十分な水分補給をする必要があります。 また 、唾液の分泌量を促進させるために、よく噛んで食事するようにしてください。 よく噛むことによって唾液の分泌量が増加します。
◎定期検診
口臭の原因として 、虫歯や歯周病が考えられる場合は、早期発見・ 早期治療が必要となります。 定期的な歯科検診を受け口腔内の予防をしっかりと行ってください 。虫歯や歯周病が軽度な場合は、 口臭は起こりにくいです。
◎食生活の改善
バランスの良い食事を心がけるようにしましょう。 口臭が気になる方は 、口臭の原因となる にんにくや、お酒などの摂取を控えることをおすすめします。
◎ストレスの解消
ストレスを溜めることは、口臭の原因になります 。しっかりとした睡眠 、適度な運動、 時として 趣味に没頭することも ストレス軽減になると思います。一度試してみられてはどうでしょうか。
◎口腔内の治療
虫歯や歯周病が原因と考えられる場合は、 しっかりとした歯科治療を受けなければなりません。 例えば、 歯周病が原因の場合 、歯石除去 ・プロフェッショナルケア (PMTC)の治療が必要となってきます。 口臭が気になる方は、早めに歯医者さんに受診してください。
◎全身の健康状態をチェック
胃腸の調子が悪い人、肝臓病や糖尿病などの基礎疾患がある人は、医師に相談してください 。特に糖尿病は、歯周病と深い関係がある疾患です。
糖尿病の患者さんは、糖尿病の治療に加えて、特に口腔ケアをしっかり行う必要があります。
◎口臭チェック方法
口臭は自分では分かりにくいことがあります。 当院では、 唾液検査(サリバテスト)で口臭があるかどうかをチェックします。 唾液検査は、一般的には虫歯や歯周病になりやすい環境かどうかもチェックします。 唾液中に含まれるアンモニアの量でも判断し口臭リスクをチェックさせていただきます。 口臭が気になる方は、唾液検査をおすすめします。
〜まとめ〜
口臭は、誰にでも起こる可能性がある問題ですが 多くの場合、 口腔ケアをしっかりと行い 生活習慣の改善を行うことで治ることが多いです。 なかなか 口臭が治らない場合は、 歯科医にご相談されることをお勧めします。 また全身疾患がある方の場合は、医師ともご相談の上、専門的なアドバイスを受けることをお勧めします。
また、何か気になることがございましたら、鳥取市東町にある山根歯科医院に、お気軽にご相談ください。