こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。
子どもの歯に穴があいていたり色が変わっていたりしたとき「すぐに虫歯治療を始めなければ」と焦る方も少なくないでしょう。子どもの虫歯治療は、何歳頃からできるのでしょうか。
今回は、子どもの虫歯治療について詳しく解説します。虫歯治療を始める年齢の目安や子どもの虫歯の特徴、具体的な治療法についてもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
子どもの虫歯の特徴
子どもの虫歯の特徴を確認しましょう。
虫歯になりやすく進行が早い
子供の乳歯は大人の永久歯とは異なり、エナメル質が薄いです。エナメル質は歯の一番外側の硬い組織で、歯を保護する重要な役割を果たしています。
乳歯のエナメル質が薄いということは、酸や細菌に対する抵抗力が弱いということです。そのため、子供の歯は虫歯になりやすく、一度虫歯になると急速に進行する傾向があります。
また、乳歯は永久歯に比べ、歯髄が歯の表面に近い位置にあります。虫歯が進行した際に歯髄に達するまでの時間が短く重度になりやすいので、注意が必要でしょう。
見た目で判断しにくい
大人の虫歯は黒や茶色に変色しますが、子供の乳歯の虫歯は白いことが多いです。健康な乳歯は透明感があり、艶のある白色をしています。
しかし、虫歯になると、歯が透明感を失い、艶のない白色に変化します。歯が白くても表面がザラザラしている場合は、虫歯になっている可能性が高いと考えて良いでしょう。
子どもの虫歯は大人より気づきにくく進行もはやいため、歯の変色や艶の消失といった初期症状を見逃さないことが大切です。
永久歯に影響を与える
乳歯の虫歯は乳歯期の問題にとどまらず、将来生えてくる永久歯にも影響を及ぼす可能性が高いです。乳歯の虫歯を放置すると、口腔内の虫歯菌の数が増加します。この状態で永久歯が生えてくると、生えたての永久歯が虫歯菌にさらされ虫歯になるリスクが高まるのです。
また、虫歯によって乳歯を失うと、顎の発育不全や歯列不正につながります。歯を失うと残った歯の位置や傾きが変化して永久歯が生えるスペースがなくなり、歯並びが悪くなるでしょう。
乳歯の虫歯を治療せずに放置すると歯の根に膿がたまり、永久歯の変色や形成不全を引き起こす恐れもあります。
子どもの虫歯治療は何歳から?
子供の虫歯治療は、一般的に3歳頃から始めることが多いです。虫歯の治療を行う場合、大前提としてお口を開けてある程度じっとしていなければなりません。そのため、3歳未満の子どもにとっては難しいとされているのです。
3歳ごろになると、歯科医院の椅子に座って治療をしている間、口を開けたままにすることができるようになります。虫歯の治療の必要性を理解し、歯科医師やスタッフとコミュニケーションを取れるようにもなるでしょう。
また、将来の虫歯予防のために赤ちゃんの頃から歯科医院に通っていれば、歯科医院にも慣れるので予防や治療を早期に開始できます。一般的には、下の前歯の乳歯が生えたタイミングで歯医者に通い始めます。
子どもの虫歯を治療する方法
子どもの虫歯を治療する方法を確認しましょう。
初期の虫歯
初期の虫歯では、まだ削るなどの処置はせずフッ素を使用した治療を行います。フッ素は歯の再石灰化を促進し、虫歯の進行を防ぐ働きがあります。
歯科医院でのフッ素塗布に加え、ご家庭でもフッ素入りの歯磨き粉を使用するとより効果的でしょう。
また、食生活の見直しも重要です。糖分の多い食品や飲料の過剰摂取は控えてください。
エナメル質の虫歯
進行がエナメル質にとどまっている軽度の虫歯に対しては、虫歯部分を少し削り、レジンと呼ばれる歯科用プラスチックで詰め物を行います。治療は1回で終わることが多いでしょう。
治療後は定期的な歯科検診を受け、虫歯の再発を防ぐことが大切です。
象牙質に達した虫歯
虫歯を放置すると、徐々に進行して象牙質に達します。象牙質に虫歯が達すると、冷たいものを摂取すると痛みを伴うことが多いです。
象牙質に達している場合、虫歯部分を削り取って詰め物をします。場合によっては、型を取って後日被せ物をすることもあります。
歯髄に達した虫歯
虫歯が歯髄に達すると、強い痛みが生じます。歯髄にまで達した虫歯を改善するには、根管治療が必要です。
根管治療では、虫歯部分を削って神経を除去してから歯の内部を無菌化します。その後、薬剤を詰めて補綴物を被せます。
歯冠が崩壊した虫歯
虫歯によって歯冠が大きく崩壊した場合、抜歯が必要になります。
しかし、乳歯を失うと永久歯の歯並びにも影響が出るので、虫歯の歯を補強して残すこともあります。抜いた後の場所に生えてくる、永久歯のスペースを確保する治療を行うケースも多いでしょう。
子どもの虫歯を予防するためには
子どもの虫歯を予防するためのポイントを確認しましょう。
間食の適切な管理
子供の虫歯のリスクを減らすためには、飲食物の選び方と与え方が重要です。甘いおやつを好むお子さまは多いですが、糖分が多く含まれているため虫歯の原因になります。
特に、スナック菓子や飴、ジュースなどの甘い食品や飲み物は、虫歯リスクを高めるため注意が必要です。
また、おやつの時間を決めることで、だらだらと食べ続けるのを防ぎましょう。おやつを食べた後は必ず歯磨きをする習慣をつけると、糖分が歯に付着しにくくなります。
外出先などで歯磨きが難しい場合は、水でうがいをするだけでも効果的です。
歯磨きを習慣にする
歯磨きは虫歯予防の基本です。子供に早いうちから歯磨きの習慣をつけさせることが重要です。子供が自分で歯を磨くようになるまでは、保護者がしっかりと仕上げ磨きを行うようにしましょう。
特に、夜寝る前の歯磨きは1日の中でも最も重要です。寝ている間は細菌が増殖しやすくなるため、寝る前に歯をしっかり磨くことで虫歯予防につながります。
フッ素塗布を行う
フッ素は歯のエナメル質を強化し、虫歯になりにくい歯を作るのに効果的です。特に、虫歯ができやすい子供にはフッ素塗布が非常に有効です。
年に2〜3回のフッ素塗布を歯科医院で受けることで、虫歯予防の効果を期待できます。また、ご自宅でのケアとして、フッ素入りの歯磨き粉も有効です。
歯科医師と相談しながら子供の年齢に応じたフッ素ケアを行うことで、虫歯を予防しましょう。
シーラントを活用する
シーラントは、歯の溝やくぼみを樹脂で埋めて虫歯を予防する処置です。特に、奥歯の表面は複雑な形状をしており、歯磨きだけでは食べかすや汚れが取りきれないことが多いためシーラントが有効です。
シーラントは一度すると数年間効果が続きます。シーラントが剥がれた場合でも再処置が可能なので、定期的に歯科医院でチェックしてもらいましょう。
定期的な歯科検診
歯科検診では、虫歯の有無や歯の成長具合、噛み合わせの状態などをチェックできます。また、必要に応じて、フッ素塗布やシーラントの処置も受けられます。そのため、虫歯の適切な予防策を取ることが可能です。
定期的に歯科医院を受診して虫歯予防に取り組むことは、子供の歯の健康を守るのに役立つでしょう。
まとめ
子どもは虫歯になりやすく、虫歯の進行が早いのが特徴です。また、乳歯の虫歯は永久歯にも影響を与えるので、適切に治療を進めることが大切です。定期的に歯科検診を受け、予防をしっかり行いましょう。
子どもの歯科治療の開始時期は、治療中に口を開けていられるようになる3歳頃が目安と言われています。さらに早い時期から歯科検診をスタートすれば、歯科治療に対する恐怖心などが低減し、早期からの予防に取り組むことができる可能性が高まるでしょう。
子どもの虫歯治療を検討されている方は、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、痛みに配慮した優しい治療を心がけて診療を行っています。むし歯・歯周病治療だけでなく、矯正治療や小児歯科、インプラント治療など、幅広い診療に力を入れています。