こんにちは。鳥取市東町にある山根歯科医院です。
歯は、私たちが食事をする時や会話をする時にとても大切な役割をしています。
歯が失われた場合、食事や発音がしにくくなり、人との会話に支障が出るケースがあります。その他にも、全身の健康にも大きな影響を及ぼすことは言うまでもありません。歯は、全身の健康を維持していくための大切な臓器と言えるのではないでしょうか。今日は、歯を失った時の影響と治療法についてお話しします。
目次
歯が失った場合どのようなことが起こるか
噛む力が弱くなる
歯が失われると当然に、噛む力が低下してきます。そうなると食事の時、食物を十分に噛めなくなります。 そして肉やフランスパンやピーナッツなど硬いものが食べられなくなり、柔らかい食べ物を好むようになります。これにより栄養バランスが崩れてしまいます。 また、よく噛んで食べることが困難になり、胃に負担がかかり消化不良を起こすリスクが高まります。特に高齢者の場合は、栄養不良や身体機能の低下につながりやすくなります。
審美的にストレス
歯を失うことにより見た目が悪くなります。特に前歯を失うと、人と会話をする時や笑顔の時に目立つため、人と会話をしたり笑ったりすることに自信が持てなくなります。場合によっては、ストレスに変わったりしてきます。
発音が困難
歯を失うことによって人と会話をする時、発音に大きな影響を及ぼすことがあります。 特に前歯を失った場合、「さ行」や「た行」などの発音がしにくくなり、話し方に影響が出ることがあります。これにより人とのコミュニケーションが不自由になり、社会的な活動が困難になるケースが出てきます。
歯並びや顎の変化
歯を失うと、失った隣在歯 が徐々に動き始めてきます。 例えば、 失った歯の隣在歯が傾いてきます。これにより、歯並びが悪くなり噛み合わせが悪くなったりします。歯並びが悪くなることで、虫歯や歯周病になるリスクも高くなります。また噛み合わせが悪くなることで、顎に負担がかかり、顎関節症が起こる可能性があります。噛み合わせが悪くなることで、さらに咀嚼機能の低下が起こり固い食べ物が食べられなくなります。
顎骨の減少
歯が抜けると、その場合、その部分の顎の骨は刺激がなくなるため 少しずつ 吸収されていきます。これを骨吸収と呼びます。この骨吸収が進行すると、歯が抜けた部分の骨がだんだん痩せていき、最終的に 顎全体が小さくなり、顎の変形が起こることがあります。
健康への悪影響
皆さんは、歯の働きは食事の時に必要なものと考えている方が多くいらっしゃると思います。 もちろん 歯は、食事の時に大切な役割をしていることは間違いありませんが、ただそれだけではありません。 歯を失ってしまうと咀嚼機能が低下し消化機能に影響を及ぼしてしまいます。歯でよく噛むことができないと、食べ物を大きなまま飲み込んでしまい、胃に大きな負担がかかり消化不良を起こすリスクが高まります。また、硬いものを避けて食事をするようになり、栄養バランスが崩れ全身の健康に悪影響を及ぼすことになります。口腔内においては、残った歯に負担が大きくなるため、他の歯の寿命も短くなります。そうなると、悪循環になり徐々に咀嚼機能が衰えていきます。
精神的な影響
歯を失うことで、精神的に負担がかかりストレスが生じることがあります。例えば、前歯が抜けた場合 笑顔に自信がなくなったり、会話をする時も 発音がしにくくなります。
誤嚥性肺炎になるリスク
特に高齢者においては、歯を失うことは、健康障害を招く恐れが高いです。代表的なことといえば、誤嚥性肺炎があげられます。誤嚥性肺炎とは、主に食べ物や唾液が軌道に入ることで引き起こされる肺炎で、口の中の細菌が原因になることが多いです。高齢者においては、この誤嚥性肺炎が原因で死亡するケースもあります。高齢者の方においては歯をできるだけ失うことなく、しっかりと噛んで食事をし、口の中を清潔にしておくことがとても重要です。
歯を失った後の治療法
義歯
入れ歯には、部分入れ歯と総入れ歯の2種類があります。部分入れ歯は、歯が残っている方で歯を失った部分に装着する入れ歯のことを言います。全ての歯を失った場合に、装着する入れ歯を総入れ歯と言います。
部分入れ歯
部分入れ歯は、レジンというプラスチックの素材からできている入れ歯です。また、部分入れ歯が動いたり外れたりしないように、残っている歯に留め金をつけて入れる入れ歯のことです。
総入れ歯
総入れ歯は、人工歯という歯にあたる部分と人工歯を支える床という歯茎に当たる部分の2つで構成された入れ歯です。この床は、保険適用の入れ歯の場合、レジンとプラスチックの材料を使用されています。
ブリッジ
ブリッジは、失った歯の両隣在歯を削って支えにし、橋をかけるように真ん中の歯を支える治療法です。ブリッジは、固定式であるため入れ歯のように取り外す必要はありません。入れ歯よりも、自分の歯に近い感覚で使用できるのが特徴です。ただ、支えとなる両隣在歯を削ることになり、支えの歯に大きな負担がかかるため歯の寿命が短くなるリスクが高まります。
インプラント
インプラントは、顎骨に人工根を埋め込み、それを土台としてセラミック やジルコニアなどの人工歯を装着する治療法です 。ンプラントは、健康の歯とほとんど同じような感覚で使用できます。入れ歯のように取り外す必要がなく固定式であるため、違和感がありません。 また、ブリッジのように歯を失った 両隣在歯を削る必要がないので、周囲の歯に悪影響を及ぼすことはありません 。これがインプラントの治療の最大のメリットと言えます。また、インプラントの寿命は、入れ歯やブリッジよりも長いのもメリットです。入れ歯では3~4年 、ブリッジでは7年ぐらいが平均寿命です。それに比べインプラントは、10年で95%ぐらいは維持していると言われています。インプラントは、入れ歯やブリッジに比べて優れた治療法と言えます。
歯を失った時の治療方法のメリットデメリット
《入れ歯》
メリット
・多数の歯失った場合でも治療が可能
・保険適用される入れ歯もあるため治療費が安い
・インプラント治療のように手術の必要がない
・治療期間が短い
デメリット
・歯を失った部位の隣在歯に固定するため、留め金をかけるので審美的に悪い
・両隣在歯に大きな負担がかかり、むし歯や歯周病になるリスクが高くなる
・発音がしにくい場合がある
・ 装着した時に違和感が強い
《ブリッジ》
メリット
・保険適用される治療なので治療費が安い
・ 治療期間が短い
・ 固定式なので入れ歯のように違和感がない
・外科手術を行う必要がない
デメリット
・歯を失った部位の両隣在歯を支台歯として使うので歯を削る必要があるり、そのことによって歯の寿命が短くなってしまう
・両隣在歯を固定源とするため、大きな負担がかかり歯周病になるリスクが高くなる
インプラント
《メリット》
・インプラント周囲の歯を削ることがない
・定期的にメンテナンスを行っていれば 20年以上 長く使い続けることができ、入れ歯やブリッジに比べ 寿命が長い
・自分の歯と同じような感覚で噛むことができる
・発音障害はほとんどない
《デメリット》
・外科的手術が必要である
・治療期間が長い
・全身疾患がある場合は治療できない場合がある
・保険適用外 なので治療費が高い
まとめ
歯を失うことは、食事に困るというイメージがあると思いますが、ただそれだけではなく全身の健康に様々な悪影響を及ぼしています。歯を失った時は、「今でも噛めるので大丈夫。」と思うのではなく、早めに入れ歯やブリッジ、インプラントなどの治療法を行う必要があります。この3つの治療法には、それぞれメリット・デメリットがあります。 一度、歯医者さんでご相談され、ご自身にあった最適な治療を行ってください 。また、どの治療法を行うにしても、歯を失わないようにするため定期的な歯科検診を受け、適切な 口腔ケアを行いましょう。歯の健康を維持することは、全身の健康を維持することにつながります。これからも歯を失うことがないよう、口腔ケアを頑張って行きましょう。
当院は、痛みに配慮した優しい治療を心がけて診療を行っています。むし歯・歯周病治療だけでなく、矯正治療や小児歯科、インプラント治療など、幅広い診療に力を入れています。歯科治療についてもお気軽にご相談ください。
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