こんにちは!鳥取市東町にある「山根歯科医院」です。
今月は11月8日、いい歯(118)のある月です!
突然ですが、みなさんの歯は何本ありますか?
今回は、歯を失う(歯が抜ける)ことになる原因をお伝えします。
目次
歯の交換の時期(生え替わりの時期)
乳歯から永久歯への生え替わり時期は6歳頃から始まり、15歳頃には完了します。
大人の歯(永久歯)の本数は、上下左右に7本ずつ、合わせて28本です。さらに最大4本ある親知らずが、すべて生えると32本となります。
1人平均現在歯数とは?
以下に示すのは、男女別にみた「1人平均現在歯数」の表です。
年齢を重ねるにつれ、特に70歳以上になると、歯が20本を下回ってしまっています。
《1人平均現在歯数》
8020(ハチマルニイマル)運動って知っていますか?
1989年(平成元年)より始まった8020運動は、「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動で、35年目を迎えます。
20本以上の歯があれば、食生活にほぼ満足することができると言われています。
そのため、「生涯、自分の歯で食べる楽しみを味わえるように」との願いを込めてこの運動が始まったそうです。
この運動が始まったころは、10%にも満たなかった8020達成者が、口腔ケアの重要性が普及してきたことにより、今では50% (2人に1人)になりました。
現在では達成者を60%にする新たな歯科保健目標が設けられています。
そもそもなぜ、年齢を重ねると歯は、失われていくのでしょうか?
《歯を失う理由》
歯磨きをしないと虫歯になる、とよくいいますが
歯を失う原因の1位としてあげられるのは、実は歯周病なんです!!
2位は虫歯(う蝕)、3位は破折となっています。
歯を失う原因1位:歯周病
🌼歯周病ってどんな病気?
歯周病は、歯の表面に付く細菌のかたまり(プラーク)が炎症を起こし、歯を支えている歯肉や歯槽骨が破壊されることで、歯を支えることができなくなる=歯が抜けてしまう病気です。
痛みなどの自覚症状がほとんどなく、静かに進行するため「サイレントディジーズ(静かなる病気)」とも呼ばれています。
気付いた時には手遅れになっていることもある。
🌼歯周病のチェックポイント
・歯肉の腫れ
・歯肉からの出血
・口臭
・歯がグラグラする
・硬いものが噛みにくい
・歯肉が下がって、歯と歯の間の隙間が広がった
🌼歯周病はこんな病気
歯周病は年齢が上がるとともに、患者数が増えていきます。
生活習慣病の一種であり、プラークだけが原因なのではなく、糖尿病・喫煙などが、歯周病を悪化させることがわかっています。
また、歯周病を引き起こした細菌が、歯肉の血管から全身に侵入し広がることで様々な別の病気を引き起こし、悪化さたりする原因にもなります。例えばこのような病気が挙げられます。
・糖尿病
・早産
・低体重出産
・妊娠性歯肉炎
・肥満
・誤嚥性肺炎
・血管の動脈硬化(心筋梗塞・脳梗塞)
🌼歯周病と全身の健康
このように歯周病の影響は身体全体に及びます。
歯周病を予防する事は、生活習慣病の予防に、そして健康な生活にもつながるのです。
歯周病の予防や治療
🌼歯周病の予防
・ブラッシング
プラークを取り除く方法としてもっとも効果的なのは、歯ブラシや補助的清掃器具(歯間ブラシ・デンタルフロス)を使うことです。
毎日の規則正しいケアがとても重要です。
・健康な食生活
プラークを作りやすくする食べ物(やわらかく糖分の多い食べ物)は控えて、硬いものや繊維質な野菜・果物などを多く食べましょう。
抵抗力を高めるために栄養のバランスのとれた食生活をおくりましょう。
また不足しがちなビタミンの摂取、特にビタミンCの多い食物を食べることがおすすめです。
・喫煙
喫煙は、歯を支えている歯肉や歯槽骨の機能を低下させ、歯肉の治りが悪く歯周病の進行を促します。
喫煙者の方は禁煙や節煙をおすすめします。
・定期検診
歯科医院での定期検診は歯周病予防、早期発見、早期治療につながります。
🌼歯周病治療とは?
・ブラッシング指導
・プラークの除去
・歯石の除去
・ぐらぐらする歯の治療
歯周病治療は一度行って終わりではありません。治ってからも、定期的な検診(メンテナンス)が必要です。定期検診を行うことで、歯周病の再発を予防できます。
歯を失わないためにも定期検診(メンテナンス)をおすすめします。
歯を失う原因2位:虫歯(う蝕)
🌼虫歯はどうしてなるの?
虫歯は、口の中にいる細菌が食べ物や飲み物に含まれる糖分を栄養源として作り出した酸によって口腔内が酸性になり、歯のカルシウムが溶け出した状態のことをいいます。
《虫歯の原因(ニューブランの輪)》
虫歯になるには、原因となる歯質・時間・細菌・糖分の4つがそろった時に発生します。
4つの輪の大きさは一人ひとり違います。
虫歯予防にはこの4つの要因の重なりをなくすことが大切です。
🌼歯の質を向上させる方法
・フッ素入りの歯磨剤(歯磨き粉)の使用
・歯科医院でのフッ素塗布
・シーラント(虫歯予防の詰め物)
・栄養素の摂取(カルシウム、リン、ビタミンD)
・よく噛んで唾液の分泌促進
🌼糖分の取り方
糖分は虫歯のリスクを高める直接な原因となりますが、体にとっては大切なエネルギーです。
糖分の量を控えるだけではなく、ダラダラ食べたり飲んだりせず、摂取する頻度を少なくすることが大切です。
栄養素として大切な糖分を摂取しながら、虫歯にならないお口の環境を作りましょう。
🌼細菌を減らす
お口の中の細菌を減らすには、よく噛んで食事をすることが大切です。唾液の分泌量を増やすことで自浄作用を促します。毎日の丁寧なブラッシングと歯科医院での定期的なクリーニングも重要です。
🌼時間
口腔内が酸性になる時間をコントロールするため、規則的な食事を心がけましょう。間食をする場合は時間を決めて食べましょう。
🌼虫歯が進むとどうなるの?
《虫歯の進行の仕組み》
・CO(虫歯の前兆)
歯のエナメル質が溶け出した状態
↓
自覚症状:なし
治療:経過観察・予防処置
・C 1(軽度の虫歯)
エナメル質あるいはセメント質までの虫歯
↓
自覚症状:なし
治療:経過観察・詰め物
・C 2(中度の虫歯)
象牙質まで進んだ虫歯
↓
自覚症状:ほぼなし、冷たい物がしみる
治療:詰める・被せる
・C 3(重度の虫歯)
歯髄(神経)まで進んだ虫歯
↓
自覚症状:大きな穴があいている、暖かい物がしみる、噛むと痛い
なにもしなくても痛い
治療:根の治療を行い被せる
抜歯(抜歯後は義歯作成などの治療が必要)
・C 4(最重度の虫歯)
歯の根および周りの組織まで進んだ虫歯
↓
自覚症状:歯の根だけ残っている状態、
急性症状の場合は、激しい痛み・発熱・顔まで腫れる
慢性の場合は、骨の中に膿がたまる
治療:抜歯(抜歯後は義歯作成などの治療が必要)
🌼虫歯セルフチェック
・歯の変色
・痛みがある
・歯に穴があいている
・歯と歯の間にものがつまる
・熱いものや冷たいものがしみる
・噛むと痛い
・詰めている歯が痛い
・デンタルフロスがひっかかるようになった
✨虫歯は予防できる✨
虫歯になる理由やタイミングを知ることで、効果的に虫歯予防ができます。出来るだけ虫歯になるリスクを減らして、生涯大切な歯を守っていきましょう。
また定期検診により、早期発見・早期治療することで、手遅れで抜歯になるリスクを大幅に軽減することができます。
定期的なメンテナンスで、お口の健康を守りましょう。。
歯を失う原因3位:破折
破折って…なに?(歯牙破折・しがはせつ)
歯牙破折という言葉は、あまり聞いたことがない方もおられるでしょう。
歯牙破折とは、歯が折れてしまうことをいいます。歯の見える白い部分が割れることを歯冠破折(しかんはせつ)、根の部分が割れることを歯根破折(しこんはせつ)といいます。
歯冠破折の場合、詰め物や被せ物で治療することができます。
歯根破折の場合、多くの場合が抜歯になり、虫歯や歯周病の次に歯を失う原因の第3位に挙げられています。
🌼歯根破折の原因とは?
・歯髄(神経)の喪失
歯根破折の多くは、根管治療で歯髄(神経)を取り除いた歯に起こります。歯髄を取り除いた歯はもろくなり、歯を削る治療をくり返されていることも多く、破折を起こしやすくなります。
・過度な力
噛み合わせ、歯ぎしり、くいしばり、硬い物を噛む習慣により、一部分の歯に過度な負担がかかることにより、歯根破折が起こりやすくなります。
・金属の土台
根管治療後に被せ物を装着する際、まず歯根の上に土台を構築します。その土台が金属製の場合、天然歯より硬いため、歯根に負担がかかり、破折が起こりやすくなります。
そのため当院では歯根に負担がかかりにくい、ファイバーコアをおすすめしています。
・外傷
転んだり、ぶつかったりするなど、過度な衝撃が加わった場合、外傷により歯根破折する場合があります。
スポーツする場合は、スポーツ用のマウスピースを装着することで、歯を守ることも大切です。
🌼歯根破折の症状
・歯肉が腫れる
・被せ物が外れる
・噛むときに違和感がある
・根管治療した歯が急に痛む
🌼歯根破折の治療はないの?
歯根破折が放置されると、破折した隙間から細菌が入り込んで炎症を起こし、さらに歯肉や顎の骨にも炎症が広がる場合があります。
破折の状態によっては、抜歯せず歯を保存できる場合もありますので、急に歯や歯肉に違和感が出たら、出来るだけ早く歯科医院にご相談ください。
まとめ
このように、歯を失う原因には、さまざまな要因があります。
「人生100年時代」いつまでも健康にすごすため、歯の健康は欠かせません。
永久歯は一度失うと、もう二度と新しく生えてきません。年歳を重ねていく中、一本でも多く健康な歯を残すために、適切なブラッシング、そして歯科医院での定期的な検診(メンテナンス)を受け、早期発見・早期治療を行って行きましょう。
大切な歯を守りたい、最近歯医者に行けていない、歯や歯肉に不安がある、そんな時は一度当院へご相談ください。
当院は、痛みに配慮した優しい治療を心がけて診療を行っています。むし歯・歯周病治療だけでなく、矯正治療や小児歯科、インプラント治療など、幅広い診療に力を入れています。
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