こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。
プレオルソは、現役の歯科医師が開発した子どものための矯正装置です。取り外しできる、装着時間が短いなどのメリットが多数あるため、気になっている保護者の方も多いでしょう。子どもの歯並びを整えるためには、装置の特徴を把握しお子様と共有することが大切です。
この記事では、プレオルソの特徴や使用可能な年齢、矯正できる症例や費用などについて解説します。使い方やメリット・デメリットも紹介するので、お子様の歯科矯正を検討中の方やプレオルソの特徴が気になる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
小児矯正で用いるプレオルソとは
プレオルソとは、小児矯正で使用される取り外し可能なマウスピース型の矯正装置です。3歳から10歳頃の子どもが対象で、歯を直接動かさずに口周りの筋肉を整えて、間接的に歯並びを改善します。
プレオルソは、歯並びや噛み合わせの改善はもちろん、ポカン口や口呼吸の改善、正しい飲み込み方や発音の習得に効果的な治療法です。マウスピースは柔らかい素材でできており痛みを感じにくいため、小さいお子様でも続けやすいのが魅力です。
プレオルソが使える年齢
プレオルソの対象は、3〜10歳の歯の生え変わりが完了する前のお子様です。顎の成長に合わせて使用するため、成長が止まる12歳以降では効果を得られないケースがあります。
ただし、永久歯への生え変わりの速度や顎の成長には個人差があるため、お子様の状態によっては10歳を超えても治療できる場合もあります。お子様が10歳以上の場合は、一度歯科医院で相談すると良いでしょう。
プレオルソで矯正できる症例
プレオルソで矯正が可能な症例は、以下の5つです。
- 上顎前突
- 下顎前突
- 叢生
- 開咬
- 過蓋咬合
それぞれの症状の特徴を解説します。
上顎前突
上顎前突は、上の前歯や上顎が前方に突出している状態のことで、出っ歯とも呼ばれます。幼児期の指しゃぶりや舌で前歯を押す癖、下唇を噛む癖や、口呼吸などの習慣がある場合に生じやすいです。
プレオルソでは、上顎の前方への成長を抑制し下顎の成長を促進させることで、上顎前突を矯正します。
下顎前突
下顎前突は一般的に受け口と呼ばれており、下の歯や下顎が上の歯や上顎よりも前に出ている状態です。噛み合わせが上下で逆(反対咬合)になっていたり、口を閉じたときに下の歯が上の歯を覆ったりするのが特徴です。
下顎前突をそのままにしておくと、発音障害につながったり噛む力が低下したりするリスクがあります。さらに、大人になってから治療すると外科的手術が必要になることもあります。そのため、子どものうちにプレオルソで矯正しておくことが大切です。
叢生
叢生とは、歯の生えるスペースと歯の大きさのバランスが取れておらず、乱れた歯並びの状態です。歯がデコボコに生えていたり歯と歯が重なり合っていたりします。永久歯が大きすぎる場合や顎の骨が小さすぎる場合などに生じやすいです。
プレオルソで顎を広げたり歯の位置を調整したりすることで、改善できる可能性があります。
開咬
開咬は、上下の前歯が噛み合わない状態です。奥歯を噛むと上下の前歯の間に大きな隙間ができ、口を閉じても前歯同士が噛み合わないのが特徴です。
開咬の状態では前歯で食べ物を噛み切ることが難しく、食事中に口から食べ物をこぼしたり、カ行やタ行、サ行などの音を出しにくかったりします。指しゃぶりや舌癖などの口腔習癖を正しくすることで症状が改善されるので、プレオルソによる矯正も効果的です。
過蓋咬合
過蓋咬合とは、上下の前歯の噛み合わせが合っていない状態を指します。正常な噛み合わせでは、上の前歯が下の前歯を1/3〜1/4程度覆いますが、過蓋咬合ではそれ以上に深く覆います。重度の場合は、下の前歯がほとんど見えなくなることもあります。
原因は、遺伝的要因や強い力で歯を噛みしめる、下唇を噛む・吸うなどの癖だと考えられています。また、過蓋咬合は放置すると年齢とともに悪化することが多いです。骨格の成長を利用して顎を広げられるプレオルソを使って、早めに矯正しておくことが大切です。
プレオルソのメリット
プレオルソのメリットは、以下のとおりです。
- 取り外しできる
- 将来の矯正期間を短縮できることがある
- 装着時間が短い
- 痛みが少ない
- 歯並びが悪化する原因を解消できる
プレオルソのメリットを把握し、納得して治療できるようにしましょう。
取り外しできる
プレオルソは、取り外しが可能な矯正装置です。食事の際も取り外せるため、これまでと同様に食べられ、食事を楽しめるでしょう。また、歯磨きの際も取り外せるため、磨き残しが生じにくいです。
これにより、虫歯や歯周病のリスクを低減させられます。
将来の矯正期間を短縮できることがある
プレオルソで子どものうちから矯正しておけば、将来的な矯正にかかる期間を短縮できる可能性があります。矯正期間が短くなれば、費用の負担も抑えられるでしょう。
また、歯並びが悪くなる原因を根本から改善するため、プレオルソ治療後や将来の矯正治療後に後戻りするリスクを抑えられます。再治療の必要性が減少するので、長期的な費用削減につながります。
装着時間が短い
装着時間が短い点も、プレオルソのメリットです。日中1時間程度と睡眠中のみ装着するので、学校などにつけていく必要がありません。周囲を気にすることなく歯並びを整えられる点は、お子様にとって大きなメリットといえるでしょう。
痛みが少ない
プレオルソは、従来の矯正装置のように金属製のブラケットを使用しません。柔らかい素材でできたマウスピースを使用するため、違和感が少なく痛みを軽減できるメリットがあります。
歯並びが悪化する原因を解消できる
プレオルソは歯を移動させる矯正装置ではなく、歯並びが悪い原因にアプローチして間接的に歯並びを整えていく治療法です。指しゃぶりや口呼吸などの悪い習慣をなくすことで、歯並びや噛み合わせの悪化を防ぎます。
プレオルソのデメリット
プレオルソのデメリットは、以下の2つです。
- 装着時間により治療結果が変わる
- 歯並びを完全に整えることは難しい
後悔しないよう、デメリットも把握しておきましょう。
装着時間により治療結果が変わる
プレオルソは、取り外し可能な矯正装置です。取り外せることはメリットにもなりますが、お子様が嫌がった際に自分で外してしまうと十分な装着時間が確保できなくなり、効果も得られない可能性があります。
歯並びを完全に整えることは難しい
プレオルソは歯を移動させる治療法ではないため、歯の位置を細かく調整したり歯並びを完全に整えたりすることは難しいでしょう。プレオルソは、顎の成長をサポートし、舌の位置や口周りの筋肉を整えることで歯並びを改善する治療です。
そのため、歯並びを完全に整えたい方は、他の矯正方法を検討する必要があります。また、重度の歯列不正や顎の問題にも対応できない場合があるため、一度、歯科医院に相談すると良いでしょう。
子どもでもできるプレオルソ以外の矯正方法
プレオルソ以外で子どもが可能な矯正方法は、以下のとおりです。
- 拡大床
- 急速拡大装置
- ムーシールド
- GMD
- ペンデュラム
顎の骨を拡大するための装置には、取り外し可能な拡大床や固定式の急速拡大装置などがあります。また、受け口の場合は、3歳頃から使用可能なムーシールドと呼ばれる装置が使用されるケースが多いです。
他にも、6歳臼歯(第一大臼歯)を後方に移動させるためにペンデュラムやGMDなどの装置が使われる場合があります。装置によって特徴が異なるため、歯科医師と相談して決めましょう。
プレオルソの費用
プレオルソには、基本的に保険は適用されません。一般的な費用相場は3万円〜20万円程度ですが、歯科医院やお子様の口の状況によっても異なるため注意しましょう。
また、提示金額には、治療前の検査代やメンテナンス代が含まれていないことがあります。合計でいくらかかるのか、事前に確認しておきましょう。
プレオルソの使い方
プレオルソは、日中1時間と睡眠時に歯列に装着して使います。装着前には歯磨きをし、口内を清潔にしておきましょう。装着時は、プレオルソのくぼみに舌を置いて鼻呼吸をし、口を閉じて使用しましょう。
もし就寝中に口が開く場合は、口にテープを貼るとよいでしょう。使用方法、装着時間をしっかりと守り、適切な効果が得られるようにしましょう。
まとめ
この記事では、プレオルソの特徴や使い方、適応できる症例やメリット・デメリットなどについて解説しました。プレオルソは痛みが少なく、装着時間も短いため、お子様にとってストレスの少ない矯正方法です。
しかし、治療できる期間が限られている、適応できない症例があるなど、デメリットがあることも把握しておきましょう。お子様の歯並びが気になる方は歯科医院に早めに相談してください。
プレオルソを検討されている方は、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、痛みに配慮した優しい治療を心がけて診療を行っています。むし歯・歯周病治療だけでなく、矯正治療や小児歯科、インプラント治療など、幅広い診療に力を入れています。