こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。

虫歯になりやすい方の場合、矯正治療中に虫歯になったらどうしたらいいのか知りたい方が多いはずです。では、インビザライン矯正中に虫歯になったときにはどうするのでしょうか。また、インビザライン矯正中に虫歯になるのを予防するためにはどうしたらいいのでしょうか。
この記事では、インビザライン矯正中に虫歯になる原因や対処法、予防法について解説します。
目次
虫歯があるとインビザラインで治療できない?

虫歯は自然に治ることはなく、放置すると重症化します。そのため、虫歯がある場合は、治したあとにインビザライン矯正を始めるのが一般的です。
虫歯治療とインビザライン矯正を並行して行える場合もありますが、大きな虫歯の場合には矯正治療を中断せざるを得ないこともあるでしょう。これにより、治療が長期化し、費用がかさむ場合もあります。
また、多くの場合、インビザライン治療は1〜3年と長い期間を要します。この長い期間、虫歯治療ができなければ、虫歯が重症化し、歯を残せなくなる可能性もあるのです。
そのため、治療前には必ず検査を行い、虫歯が見つかった場合には、虫歯を治したあとでインビザライン治療を始めるのが基本なのです。
インビザライン矯正中に虫歯になる原因

インビザラインで使用するマウスピースは取り外しが可能です。マウスピースを取り外して歯磨きができるため、虫歯になるリスクが低いといわれています。
しかし、矯正治療中にケアを怠ると虫歯になるリスクが高まります。ここでは、インビザライン矯正中に虫歯になる原因について解説します。
口内が乾燥しやすいから
インビザライン矯正中、食事や歯磨き以外の時間はマウスピースを装着しなければいけません。マウスピースを長時間装着すると、お口の中で唾液が行き渡りにくくなり、口内が乾燥することがあります。口内が乾燥すると、細菌が繁殖して虫歯になるリスクが高くなるのです。
歯に唾液の作用が届きにくいから
唾液には、虫歯菌の働きを弱める効果や口内の汚れを洗い流す効果があります。そのため、通常であれば口内が唾液に触れていることで、自然と虫歯になるリスクを抑えられるのです。
しかし、マウスピースを装着していると歯が唾液に触れにくくなります。そのため、虫歯になるリスクが高まるのです。
アタッチメントの周りは歯磨きしづらいから
アタッチメントとは、歯に接着するボタンのようなものです。アタッチメントにはマウスピースと歯の密着度を高める役割があり、装着することで歯の移動をスムーズに行えるようになります。
しかし、マウスピースは取り外すことができても、アタッチメントは取り外せません。そのため、アタッチメント周辺には磨き残しが生じやすく、しっかり歯磨きをしないと虫歯になることがあるのです。
歯磨きやマウスピースのお手入れ不足
インビザライン矯正中、お口の中を清潔に保てなければ虫歯になることがあります。主な原因は、以下の通りです。
- マウスピースを装着したままの飲食
- 歯磨き不足
- マウスピースのお手入れ不足
インビザライン矯正中、飲食する際はマウスピースを取り外す必要があります。マウスピースを装着したまま食事をすると歯との間に食べ物が挟まって虫歯になるリスクが高まります。マウスピースが破損する可能性もあるでしょう。
また、歯の表面に汚れが付いていたり、マウスピースが汚れていたりすると、より虫歯になるリスクが高まります。お口の中を清潔に保つためには、飲食後しっかり歯磨きをすることと、マウスピースのお手入れを行うことが大切です。
インビザライン矯正中に虫歯になったらどうする?

インビザライン矯正中に虫歯になった場合の対処法は、以下の通りです。
小さな虫歯の場合
小さな虫歯を治療する場合であれば歯の形が大きく変わることはありません。また、1~2回の治療で終わることも多いため、矯正治療と併行することもあります。
ただし、虫歯を治療するために通院が必要になったり、虫歯治療のために費用がかかったりする可能性があることは理解しておきましょう。
大きな虫歯の場合
歯の大部分が虫歯になると、虫歯部分を削って詰め物や被せ物で歯を補うことがあります。これによって、歯の形が変わると、マウスピースが合わなくなることがあるのです。また、症状によっては長期間の治療が必要になったり、抜歯が必要になったりすることもあります。
そのため、大きな虫歯の場合には、インビザライン矯正を中断し、虫歯治療を優先するのが一般的です。虫歯治療中、マウスピースを装着しない期間が長期間続くと、後戻りを起こす可能性があります。
また、歯の形が変わってこれまで使用していたマウスピースが合わなくなると、作り直しが必要になることもあります。これにより、さらに治療が長期化し、費用がかさむ場合もあるでしょう。
応急処置をする場合
インビザライン矯正の最終段階に入っている場合には、応急処置に留める場合もあります。あくまでも応急的な処置であるため、虫歯が治ったわけではありません。治療の開始が遅くなると虫歯が進行することもあるため、矯正治療が終わったら早急に虫歯治療を受けましょう。
インビザライン矯正中に虫歯になるのを予防する方法

インビザライン矯正中に虫歯になるのを予防するためには、口腔内を清潔に保つことが大切です。以下のポイントに注意して、トラブルなく治療をすすめましょう。
歯間ブラシ・フロス・タフトブラシを使用する
歯と歯の間やアタッチメントの周りに付着した汚れを、歯ブラシだけで除去することは困難です。そのため、歯間ブラシやフロス、タフトブラシなどの補助用具を使用しましょう。
歯と歯の間の隙間が狭い場合にはフロス、隙間が大きい場合には歯間ブラシを使用します。使用する際は、歯の側面に擦り付けるようにして汚れをかき出します。これにより、歯ブラシだけでは落とせない細かな汚れも取り除けるでしょう。
ただし、使い方によっては歯茎を傷つけることがあります。正しい使用方法がわからないという方は歯科医師や歯科衛生士にお尋ねください。
また、奥歯や歯の裏側、アタッチメントの周りなどの細かな部分は、タフトブラシという1つの毛束の歯ブラシを使用するとよいでしょう。タフトブラシを使用することで歯ブラシでは届かない部分に付着した汚れも取り除くことができます。
フッ素を活用する
毎日歯磨きをするときにフッ素を含んだ歯磨き粉や洗口液を使用するのも虫歯予防に効果的です。フッ素には、歯の質を強くする効果や虫歯菌の働きを弱める効果があります。毎日使用することで、虫歯の予防につながるでしょう。
また、フッ素には再石灰化を促す効果もあります。フッ素が配合された歯磨き粉やうがい薬は、ドラッグストアなどでも購入可能です。6歳以下のお子様の場合は、1,000ppm以下の低濃度のものを選択しましょう。
こまめに水分補給をする
お口の中が乾燥すると細菌が繁殖して虫歯になるリスクが高まります。そのため、インビザライン矯正中はこまめに水分補給をしてください。水であれば、マウスピースを装着したまま飲んでもかまいません。
マウスピースを装着したまま糖分を含むジュースやスポーツ飲料などを飲むと虫歯になるリスクが高まるため避けましょう。
飲食する際は必ずマウスピースを外す
インビザライン矯正中、飲食する際は必ずマウスピースを外してください。食事のたびにマウスピースを取り外すことを面倒に感じる方もいるかもしれません。
しかし、マウスピースを装着したまま飲食をすると歯との間に食べ物が入り込んで虫歯になるリスクが高まるのです。また、食後は歯磨きしてからマウスピースを装着することも徹底しましょう。
マウスピースを清潔に保つ
基本的には、マウスピースのお手入れは水洗いのみでかまいません。
ただし、1〜2週間使い続けるものですので、においや汚れ、着色が気になる場合もあるかと思います。このような場合は、マウスピース専用の洗浄剤を使用して洗浄を行いましょう。定期的にお手入れを行うことで、虫歯や歯周病だけでなく口臭の予防にもつながります。
まとめ

インビザライン矯正前に虫歯が見つかった場合は、基本的に先に虫歯の治療を行います。なぜなら、虫歯は自然には治らないからです。虫歯がある状態でインビザライン矯正をはじめると虫歯が進行する可能性があります。
インビザライン矯正中に虫歯になった場合、虫歯の大きさによっては、インビザライン矯正を中断せざるを得ないこともあるので注意が必要です。虫歯治療によって歯の形が変わるとマウスピースの作り直しが必要になる場合もあります。
そのため、インビザライン矯正中はしっかり歯磨きをしてお口の中を清潔な状態に保つことが欠かせません。また、食後にはしっかりとマウスピースを洗浄してから装着しましょう。
インビザラインを検討されている方は、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、痛みに配慮した優しい治療を心がけて診療を行っています。むし歯・歯周病治療だけでなく、矯正治療や小児歯科、インプラント治療など、幅広い診療に力を入れています。