こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。

マウスピース矯正中に「装置が浮いて少しすき間ができている」「部分的に浮いてしっかりとフィットしていない」と感じている方もいるのではないでしょうか。装置がしっかりと歯列にフィットしていない状態では、治療効果を十分に得ることはできません。
場合によっては、治療のやり直しや延長が発生することも考えられます。
本記事では、マウスピースが浮いてしまう原因や放置するリスク、対処法、予防法について解説します。「マウスピースが浮いて困っている」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
マウスピース矯正でマウスピースが浮く状態とは

マウスピースは、歯列にぴったりとフィットするように作られています。
しかし、歯と装置との間にすき間ができることがあります。このような状態を、マウスピースが浮くといいます。
前歯や奥歯の一部分のみ浮くこともあれば、全体的に根元から浮くケースもあります。初めて装置を装着したときや新しいものに交換して間もないタイミングでは、しっかりと密着せず、すき間ができることも少なくありません。
基本的には、1ミリ未満のわずかな浮きであれば問題ありません。1ミリ以上浮いている場合には、何らかのトラブルが生じている可能性が考えられますので、早めに歯科医院を受診しましょう。
マウスピースが浮いてしまう原因

マウスピースが浮いてしまう主な原因は、以下のとおりです。
マウスピースが馴染んでいない
マウスピース矯正を始めて間もない時期や新しいものに交換したばかりのタイミングでは、わずかに浮くことがあります。これは、装置が歯に馴染んでいないことによって引き起こされます。
マウスピース矯正では、装着された装置の形状に合うように1~2週間程度かけて歯が徐々に移動していきます。そのため、装着して2~3日程度は、フィット性が悪く感じたり痛みや違和感を覚えたりすることがあります。
装着時間が不足している
マウスピース矯正では、装置を1日に20~22時間程度装着しなければなりません。装着時間が不足すると、治療計画通りに歯が動かなかったり歯列が変化したりして浮くことがあります。
装置を自由に取り外しできることはマウスピース矯正の大きなメリットですが、装着時間を守るための自己管理が非常に重要となります。
取り外しの回数が多い
1日のうちに何度も装置を取り外していると、装置の変形や破損によって数ミリ程度浮くことがあります。例えば、装着時の痛みが気になって何度も取り外しを行ったり、こまめな飲食によって何度も取り外しをしたりする機会が多い場合には、注意が必要です。
取り外す機会が多いと装着時間の不足につながることもありますので、間食が多い方は回数を減らしましょう。痛みが気になって何度も装置を外したくなる場合には、鎮痛剤の処方も可能です。
ただし、装置が合っていない可能性も考えられますので、まずは歯科医師へご相談ください。
治療計画通りに歯が動いていない
マウスピース矯正では、治療計画に基づいて治療に必要なすべての装置が作られます。
しかし、歯の動き方には個人差があるため、治療計画にずれが生じることもあります。その結果、装置が浮くケースも考えられます。
マウスピースのフィット性が悪くなることはトラブルのサインといえますので、放置せずに早めに対処しましょう。
装着の順番を間違えている
マウスピース矯正では、治療開始時にすべての装置を患者さまに持ち帰っていただきます。装置を交換する順番を間違えたり、治療を早く終わらせるために1つ先のものを装着したりすると、マウスピースが浮く原因となります。
なお、1つ先のものを装着しても治療期間の短縮にはつながりません。不適切な力がかかることにより歯列が乱れて治療のやり直しが必要になるケースもあるため、正しい順番で装着するようにしてください。
チューイーを使用していない
チューイーとは、装置を正しく装着するために使用するアイテムのことです。シリコン製で筒のような形状をしており、装置をつける際に歯全体で噛んで使用します。チューイーを使用していない場合、歯列にぴったりとフィットせず、浮いた状態になることがあります。
変形・破損している
マウスピースは柔らかいシリコン素材でできているため、強い力がかかることによって変形や破損が起こることがあります。装置を無理やり引っ張るように外したり、ティッシュやハンカチに包んでカバンの中に入れたりすると、形が歪んだりひび割れたりする可能性が高いです。
変形・破損したものをそのまま使用していると、歯に不適切な力がかかったり口の中を傷つけたりする恐れがあるため注意が必要です。
マウスピースが浮いた状態で放置するリスク

装置が浮いた状態で放置すると、治療計画通りに歯が動かないだけでなく、歯並びが乱れる可能性があります。また、変形したり破損したりしたものを使い続けることによって、口の中を傷つける恐れもあるため早めに対処することが重要です。
マウスピースが浮いてしまった場合の対処法

ここからは、装置が浮いてしまった場合の対処法について解説します。
チューイーを使用する
指だけで装着するとすき間ができる可能性が高くなりますので、チューイーを使用しましょう。装置が浮くときには、チューイーを使用することによって歯とのフィット性を高められます。特に、新しいものに交換してから2~3日は、必ず使用するようにしてください。
なお、チューイーは歯科医院だけでなく、市販でも多く販売されています。フレーバー付きタイプなどもありますので、ご自身が使いやすいものを選んでみてください。
1つ前のものに戻す
治療計画通りに歯が動いていない場合、装置が浮く可能性が高くなります。1つ前のマウスピースの装着時間を延ばすことによって、歯が適切な位置に動き、新しい装置がぴったりと装着できる可能性があります。
かかりつけの歯科医院へ相談する
チューイーを使用したり1つ前のものを装着したりしても改善がみられない場合には、できるだけ早めに歯科医師へご相談ください。
マウスピースが浮くのを防ぐには

最後に、装置が浮くのを防ぐ方法についてご紹介します。
装着時間を守る
マウスピースは、1日に20~22時間装着する必要があります。装着時間が不足すれば、本来動くはずの位置に歯が動かず、装置が浮くようになる可能性があります。理想の歯並びを手に入れるためにも、装着時間を守ることが大切です。
正しい方法で着脱する
日頃から正しい方法で着脱することが大切です。チューイーを使用せず歯で噛むように装着したり、片側だけを引っ張り上げるように外したりしていると、装置が歪んだりひび割れたりする可能性が高くなります。
変形や破損を起こすと、浮く原因となりますので、正しい着脱方法を守るようにしましょう。
定期的に歯科医院でチェックを受ける
治療に必要なマウスピースは治療開始時にすべて渡されますが、定期的な歯科医院でのチェックは必ず受けるようにしてください。定期受診は、治療計画通りに歯が動いているか・虫歯や歯周病ができていないか・装置が破損していないかなどをチェックする重要な場です。
医師の指示通りに受診することで、トラブルを防げるでしょう。
まとめ

本記事では、マウスピースが浮いてしまう原因や放置するリスク、対処法、予防法について解説しました。1ミリ未満のわずかな浮きであれば基本的には問題ありません。
1mm以上の浮きがみられ、対処法を試しても改善しない場合には、治療計画の立て直しが必要になるケースもあります。忙しくてすぐには歯医者を受診できないという方もいるかもしれませんが、浮きを放置すると歯列が乱れたり口内が傷ついたりする恐れもあります。
「マウスピースがぴったりと密着しない」とお悩みの方は、早めに歯科医院へご相談ください。
マウスピース矯正を検討されている方は、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、痛みに配慮した優しい治療を心がけて診療を行っています。むし歯・歯周病治療だけでなく、矯正治療や小児歯科、インプラント治療など、幅広い診療に力を入れています。