こんにちは。鳥取市東町にある『山根歯科医院』です。
以前は「歯医者さんに行く時は、どんな時?」と聞かれると、多くの方が「歯が痛くなった時」と答えることが多かったと思います。ほとんどの方が歯科治療の為に行くというような感じでした。
最近では、虫歯や歯周病などの歯の病気を未然に防ぐことを目的とした歯科医療へと少しづつではありますが、シフトチェンジしているように思います。つまり、「歯が痛くなってから歯医者に行く」のではなく、「痛くなる前に口腔ケアをして口の中の健康を維持する」という考え方が増えているのではないでしょうか。これが予防歯科の考え方です。
予防歯科の基本的な考え方は、虫歯や歯周病などの口腔疾患が発生する前に予防し、口腔内の健康を維持していく歯科医療です。日本では、まだまだ馴染みの少ない予防歯科ですが、スウェーデンやフィンランドなどでは、高齢になっても健康な歯を保っている方が多く、予防歯科がすでに一般的になっています。

予防歯科のメリット
①虫歯や歯周病を防ぐ 予防歯科の最大の目的は、虫歯や歯周病などの口腔疾患のリスクを減少させることです。そうすることで、口の中の健康を維持することができます。また、定期的に歯科検診を受けることで早期発見・早期治療ができ、歯のダメージを最小限にすることができます。
②全身の健康状態の改善 口腔内の健康状態は、全身の健康状態にも密接な関係があります。例えば、歯周病は糖尿病・心臓病のリスクが高くなります。口腔内の健康を維持するということは、全身の健康を維持することにも大いに役立っていると考えられます。
③治療の負担が減る 歯が痛くなってから歯医者に行くと、すでに虫歯や歯周病が進行しているケースが多く、通院期間・回数・治療費が高くなります。また、治療が終わっても、また痛くなってから歯医者に行くということを繰り返していくと、だんだんと悪化していくばかりで、何度も新しい被せ物を作らなければなりません。予防歯科で定期的に通う場合、定期的治療費がかかるので治療費が多くなる思われがちですが、虫歯や歯周病が進行してからの治療費に比べると、とても安価です。また、虫歯や歯周病が重度になり、歯を抜歯して失うケースもあります。歯を失った場合は、義歯・ブリッジ・インプラント治療などを選択しなければなりません。予防歯科の治療費に比べて考えると高価です。予防歯科は、長期的に考えた場合、治療費は、かなり抑えることができると言えます。

予防歯科の内容
①定期健診
予防歯科では、定期的な検診は重要です。定期健診ではまず、口腔内の検査を行います。虫歯があるかどうか、歯茎に炎症が起きていないかどうか、場合によってはレントゲン撮影を行い、より正確に検査することがあります。これらの検査を行うことで、虫歯や歯周病の早期発見、噛み合わせや被せ物のチェックができます。

②プロフェッショナルクリーニング(PMTC)
PMTCは、普段の歯磨きでは取りきれない汚れや歯垢を取り除いていきます。また、虫歯や歯周病の原因となる細菌やバイオフィルムまで徹底的に除去することができるので、虫歯や歯周病の予防に大いに役立ちます。またPMTCでは、フッ素含有の研磨剤を使用し、歯の汚れやバイオフィルムを除去した後、歯をフッ素でコーティングしていくため、歯質強化にもつながります。また、しっかり汚れを除去することで、口臭の改善にもつながります。

③ブラッシング指導
歯医者で定期的に口腔衛生指導を受けることは、とても重要なことです。しかし、普段の生活の中で適切な歯磨きを行っていないと、虫歯や歯周病に対しての予防には、つながりません。ほとんどの方は、毎日歯磨きをされていると思いますが、しっかりと適切なブラッシング法をマスターして頂きたいと思います。お口の中の状態は、個人個人で異なります。1人1人、お口の状態に合った歯磨きの方法をマスターする必要があります。ぜひ、自己流で磨くのではなく、1度は歯科でブラッシング指導を受けて頂きたいと思います。

④歯間清掃
人によっては、歯ブラシだけでは歯と歯の汚れを取り除くことが困難なことがあります。その場合は、歯ブラシと併用して、デンタルフロスや歯間ブラシを使用することをお勧めします。歯と歯の間は、虫歯や歯周病になりやすい部位ですので、日頃からのケアは欠かすことはできません。

⑤フッ素塗布
フッ素は、歯の再硬化を促進し、歯の表面のエナメル質を強化する効果があります。また、フッ素には、抗菌作用もありますので、虫歯が酸を産生する働きを弱める効果があります。このような効果がフッ素にはあるため、虫歯になりやすいお子様にとっては非常に効果的です。

⑥食生活の指導と生活習慣
虫歯や歯周病などの口腔疾患を防ぐためには、歯科医院での予防歯科処置はとても大切です。ただ、予防歯科の効果を高めるためには、食生活の管理はとても重要です。食事で糖分や炭水化物を過剰に摂取すると、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。予防歯科において効果的な食生活のポイントは3つあります。

🦷だらだらと間食をしない 間食をだらだらと長時間取っていると、虫歯になりやすい口内環境になってしまいます。多くの人は「虫歯は甘いものを多く食べるからなる」といったイメージをもっているのではないでしょうか。もちろん糖分の摂りすぎは、良くありません。ただ、糖分の量だけでなく、お口の中に食べ物がくっついている時間も大きく関係しています。間食をだらだらとしていると、お口の中が長時間、酸性状態になり、虫歯になるリスクが高まります。間食は、できるだけ少なくするのが望ましいと言えます。
🦷よく噛んで食べる 虫歯の予防には、唾液が重要な役割を果たしています。唾液の分泌量を増やす方法として、よく噛んで食べることがお勧めです。
🦷健康な歯を作るためにおすすめな食事 健康な歯を作るための栄養素として、カルシウム・ビタミンA・ビタミンCなどが挙げられます。
🥛カルシウムを多く含む食品・・・牛乳・ヨーグルト・チーズ・小松菜・納豆など
🍓ビタミンCを多く含む食品・・・ピーマン・パセリ・いちご・ブロッコリーなど
🥕ビタミンAを多く含む食品・・・にんじん・かぼちゃ・ほうれん草・バターなど
以上の栄養素を考えて、バランスの取れた食事をして頂きたいと思います。
予防歯科のメリット
①歯の寿命を延ばし、口腔内の健康を長期的に維持できる
予防歯科を行うことで、虫歯や歯周病を防ぎ、お口の中の健康を長く維持することができます。
②全身の健康を維持できる
予防歯科は、口の中の健康を維持することだけでなく、全身の健康にも大きな影響を与えることになります。例えば、歯周病菌が血管に侵入すると心臓病や脳梗塞などを引き起こすことがあります。歯周病は、糖尿病と密接な関係があることが分かってきています。予防歯科で虫歯や歯周病を予防できれば、全身疾患を防ぐことにも大いに役立ちます。

まとめ
予防歯科では、虫歯や歯周病を治すという考え方から、虫歯や歯周病になることを未然に防ぐという考え方へのシフトチェンジと思っています。スケーリングやPMTCといったプロフェッショナルケアやフッ素塗布などを行い虫歯や歯周病を予防します。それによって口腔内の健康を長期的に維持できることが可能になります。また、定期的に歯科医院に通って、歯科医師や歯科衛生士に適切なセルフケア指導をを受けることや、虫歯や歯周病を早期に発見できることで重症化する前に、治療を受けることができます。歯の健康を維持するためには、予防歯科に通うことは、とても重要なことと言えます。定期的な歯科検診を習慣化し、いつまでも、歯の健康を維持していただきたいと思っています。

当院は、痛みに配慮した優しい治療を心がけて診療を行っています。むし歯・歯周病治療だけでなく、矯正治療や小児歯科、インプラント治療、ホワイトニングなど、幅広い診療に力を入れています。