こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。

食事や会話をしているときに入れ歯がすぐ外れると悩んではいませんか。食事中や会話中に突然外れて、恥ずかしい思いをされた経験がある方もいるでしょう。
入れ歯が頻繁に外れると、日常生活に大きな支障をきたすだけでなく、精神的なストレスもかかります。入れ歯が外れる原因はひとつではなく、複数の要因が複雑に絡み合っている可能性が高いです。
本記事では、入れ歯が外れる原因や対処方法を詳しくご紹介します。
目次
入れ歯が外れる原因

入れ歯が使用中に外れると、食事や会話に支障をきたすだけでなく、日常生活の質にも影響します。このようなトラブルは、いくつかの原因によって引き起こされます。
ここでは、入れ歯が外れる主な原因について詳しく見ていきましょう。
口腔内の変化
入れ歯が外れる原因のひとつとして、口腔内の経年変化があります。歯を失うと、歯を支えていた歯槽骨は徐々に吸収されて痩せていきます。骨吸収と呼ばれる現象で、歯槽骨が減少と入れ歯と歯茎の適合性が悪くなるのです。
抜歯直後は骨吸収が急激に進むため、新しく作った入れ歯でも数ヶ月で合わなくなることが少なくありません。また、加齢により口腔周囲筋の筋力が低下すると、入れ歯を支える力が弱くなり外れやすくなります。
入れ歯の設計・製作上の問題
入れ歯の設計や製作過程での問題も、外れる原因として挙げられます。適切な型取りができていない場合、入れ歯と口腔内の適合が悪くなる可能性が高いです。
また、入れ歯の調整が不適切だと、噛んだ時に入れ歯に不均等な力がかかり、外れやすくなります。
部分入れ歯の場合、歯にかけるバネの設計や調整が不適切だと、残存歯にうまく固定されず外れやすくなるでしょう。総入れ歯では、入れ歯の床の範囲や厚さなどの設計が不適切だと、安定性が著しく低下します。
誤った使用法
正しい使用方法を理解していないことも、入れ歯が外れる原因になります。入れ歯安定剤の過度な使用は、かえって適合を悪化させる場合があります。また、硬すぎる食べ物を無理に噛んだり、入れ歯を装着したまま激しい運動をしたりすると、外れるリスクが高まるでしょう。
入れ歯の手入れ不足により入れ歯や口腔内に汚れが蓄積すると、細菌繁殖によって歯茎に炎症が起こり、腫れや変形を引き起こします。結果として、入れ歯の適合性が悪くなり外れやすくなる方もいます。
全身疾患による影響
糖尿病や骨粗鬆症などの全身疾患は、口腔内環境に大きな影響を与えます。糖尿病の方は、血糖値のコントロールが不良だと歯茎の炎症が起こりやすく入れ歯の安定性に影響します。
また、服薬の副作用による口腔乾燥も、入れ歯の吸着力を低下させるため外れる要因となります。
保険診療の入れ歯を使用している
保険診療で作製した入れ歯は、材料や技術的な制約により、どうしても適合精度に限界があります。自費診療では高精度な材料や技術を使用できるため、より良い適合性を得られることが期待できます。
口内に合った適切な治療を受けられない場合、外れやすい入れ歯を使い続けることになるでしょう。
外れやすい入れ歯を使い続けると

外れやすい入れ歯をそのまま使い続けると、見た目や使い心地の問題だけでなく、口腔内の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。次に、具体的にどのようなリスクがあるのかを詳しくご紹介します。
口腔機能の低下
外れやすい入れ歯を使い続けると、咀嚼機能が低下します。食べ物を十分に噛み砕けないため、消化器官に負担をかけ、栄養の吸収効率が悪化する可能性も高くなるでしょう。なかでも高齢者の場合、影響が低栄養状態なりやすいため注意が必要です。
また、外れやすい入れ歯は、発音機能にも大きな影響が出ます。入れ歯が安定しないと、舌の動きが制限され、明瞭な発音が困難になります。コミュニケーション能力の低下につながるため精神的なストレスにもなるでしょう。
顎関節症のリスク増大
不安定な入れ歯では、あごの位置を正常に保てません。不安定な噛み合わせは、顎関節に過度な負担がかかり、顎関節症を発症するリスクが高まります。
顎関節症の症状には、口を開ける時の痛みや音・頭痛・肩こりなどが挙げられ、日常生活の質を大幅に低下させるでしょう。また、正しい噛み合わせが保てないことで、咀嚼筋に不均等な負荷がかかります。
筋肉の疲労や痛みを引き起こし、さらに入れ歯の安定性を悪化させる悪循環を生み出すリスクがあるため注意が必要です。
心理的・社会的影響
人前で入れ歯が外れる不安は、強い心理的ストレスになります。人前で食事をすることを避けるようになったり、会話を控えたり、社会活動への参加が消極的になる方も少なくありません。
社会的孤立を招き、うつ病などのリスクを増大させる可能性もあります。笑顔を見せることに恥ずかしさ感じたり、人との距離を置くようになったり、人間関係にも悪影響を与えるでしょう。
口腔疾患の発症リスク
不適合な入れ歯は、口腔内にさまざまな疾患を引き起こします。入れ歯が動くことで歯茎に摩擦が生じ、潰瘍や炎症を起こしやすくなります。義歯性口内炎と呼ばれ、痛みや出血を伴う場合があるため注意が必要です。
また、入れ歯と歯茎の隙間に食べ物が詰まりやすくなると、細菌繁殖の温床となります。口臭が発生したり、残存歯がある場合は虫歯や歯周病のリスクが高まるでしょう。
骨吸収の加速
不安定な入れ歯は、あごの骨に不均等な圧力をかけます。一部分にかかる過度な力は、骨吸収を加速させ入れ歯を支える土台を弱くする原因になります。一度吸収された骨は元に戻らないため、入れ歯を新製する場合も適合性の良い入れ歯の作製が困難になるでしょう。
なかでも下顎は、骨吸収が進むと入れ歯を支える面積が著しく減少するため、安定した入れ歯の製作が難しくなるといわれています。
入れ歯が外れるときの対処方法

入れ歯が外れる突然のトラブルにも慌てず対応するためには、適切な対処法を理解しておくことが大切です。以下に、入れ歯が外れるときの対処法を紹介します。
一時的に入れ歯安定剤を使用する
入れ歯が外れた場合の応急処置として、まず入れ歯を清潔な水で洗浄します。汚れや食べカスが付着している場合は、柔らかいブラシで除去しましょう。痛みがある場合は使用を中止し、速やかに歯科医院を受診することが大切です。
市販の入れ歯安定剤を使用する場合は、一時的な対処法として適量を使用してください。安定剤は根本的な解決策ではないため、できるだけ早めに歯科医院を受診して調整を受けるようにしましょう。
生活習慣の改善
入れ歯の安定性を向上させるには、日常の生活習慣改善も重要です。口腔周囲筋を鍛える体操を継続することで、入れ歯を支える筋力を向上させられます。食事の際は、両側で均等に噛むよう心がけ、硬すぎる食べ物は避けるか小さく切って食べるようにしましょう。
また、口腔内を清潔に保つことや、入れ歯の手入れをしっかりとおこなうことも大切です。
歯科医院での調整
入れ歯が外れてくる場合、歯科医院を受診して調整をしてもらうことが確実な対処法です。入れ歯が外れる原因として、咬合の不調和は見過ごせない要因です。歯科医師による咬合調整により、上下の入れ歯が均等に接触するよう調整します。
適切な調整がおこなわれることで、噛んだ時の横揺れを防ぎ、安定性を向上させられるでしょう。入れ歯が安定するまで数回の調整が必要なケースも少なくありませんが、軽微な調整で済む場合は、その日のうちに改善が可能です。
定期的なメンテナンス
入れ歯を長期間に渡って安定して使用するためには、定期的なメンテナンスが必要です。一般的に半年に1回ほどの定期検診が推奨されています。定期メンテナンスでは、入れ歯の適合状態や摩耗状況・口腔内の変化などを総合的にチェックします。
早期発見・早期対応により、大掛かりな修理や作り直しを避けることが可能で結果的に治療費の節約にもつながります。
入れ歯を新製する
調整や修理では限界がある場合、新しい入れ歯の製作を検討する必要があります。現在の口腔内状態に合わせた精密な型取りをおこなって製作することで、外れやすさの改善が期待できます。
保険診療の入れ歯では満足いく結果が得られない場合でも、自費診療の入れ歯を選択すると解消されることもあるでしょう。新製する際には、歯科医師とよく相談してみましょう。
まとめ

入れ歯が外れる原因は、複数の要因が関与している場合が多く複雑な問題です。口腔内の経年変化や入れ歯の不適合・使用方法の誤りなどさまざまな原因があります。
外れやすい入れ歯を放置すると、口腔機能の低下や口腔疾患の発症などの問題を引き起こす可能性があるため早めの対処が必要です。入れ歯が外れてお悩みの方は、歯科医師と相談してみましょう。
入れ歯治療を検討されている方は、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、痛みに配慮した優しい治療を心がけて診療を行っています。むし歯・歯周病治療だけでなく、矯正治療や小児歯科、インプラント治療など、幅広い診療に力を入れています。