こんにちは。鳥取市東町にある山根歯科医院です。
冷たい水や飲み物、甘い食べ物などを口にすると、しみる、あるいはブラッシング時に接触などの刺激で歯に一時的に痛みを感じる方は、少なくないと思います。この原因として考えられるのが、知覚過敏症です。知覚過敏症は、主に歯の表面のエナメル質が薄くなったり、歯ぐきが下がすることがげいすることが原因で起こります。本日は、知覚過敏症の原因と対処法についてお話します。


目次
知覚過敏症の原因
強すぎるブラッシングによるもの
知覚過敏症の原因として、一番多いのが強い力での歯磨きによるものです。むし歯や歯周病の予防には日頃からのブラッシングはとても大切です。しかし、過度な力でブラッシングをしてしまうと歯ぐきが退縮し、歯の根元がくびれて、楔状欠損になってしまいます。力の加減をコントロールしながら、歯と歯ぐきの間、歯と歯の間を丁寧に磨くことが重要です。力加減がコントロールできない場合は、電動歯ブラシを使用することもお勧めです。

歯ぎしりや食いしばりによるもの
歯ぎしりとは歯を無意識にすり合わせたり、強く嚙みしめたりすることを指します。主に睡眠中に起こることが多いですが、歯ぎしりには2つの種類があります。それは、グラインディングとクレンチングです。

・グラインディング(歯をすり合わせる)
上下の歯を強く擦り合わせる状態を言います。自覚症状がない方いらっしゃいます。一緒に寝ている家族の方だと分かると思いますが、ギリギリと音がします。

・クレンチング
クレンチングとは、上下の歯を強く嚙みしめる習癖のことです。グラインディングのような音は、あまりしませんが、顎や顔の筋肉に圧力がかかることがあります。

グライディングやクレンチングの歯ぎしりの原因には、ストレスや嚙み合わせが悪い場合などが、考えられます。この歯ぎしりや食いしばりをしていると、歯の表面に過度な強い力が加わることで、歯の表面のエナメル質がすり減ってしまいます。象牙質がむき出しになり、冷たい物や熱いものにしみるといった症状が出てきます。また、歯ぎしりは、歯や歯茎に強い力が加わるため歯肉が下がり、歯根が出てて、しみる症状が出る原因となります。

歯周病によるもの
歯周病は、歯を支える歯を支える歯茎や歯槽骨が吸収されていきます。歯周病が進行すると歯槽骨が吸収し、歯の根の部分が露出してきます。歯の根の部分が露出してくると、歯の神経に刺激が伝わりやすく、なり、症状が出てきます。歯周病が進行すると、根管治療を行わなければならなくなることもあります。

ホワイトニングによるもの
医院で行われるホワイトニングで使用される薬剤は、歯の表面の汚れや色素を除去する効果もありますが、その過程で歯の神経に刺激がかかりやすくなることがあります。ほとんどの場合、一時的なもので、ほぼ症状は消失していきます。症状が続く場合は、早めに歯科医師に相談してください。

治療法
知覚過敏症の治療法は、基本的に原因に応じた治療です。
歯磨きの仕方に注意
知覚過敏症は、過度な力で歯磨きををしていることが原因のことが多いです。患者様の中には、ゴシゴシと力を入れて磨くことで、歯の表面の汚れが落ちるイメージがあるのではないでしょうか。意外と力を入れても磨けていないケースも多く歯や歯茎を傷つけていることが多いです。正しい歯磨きの仕方をマスターすることが大切です。歯磨きをするときは歯ブラシを小刻みに動かし、ソフトタッチで歯面に当てて磨くことを心掛けてください。知覚過敏が気になる方は、知覚過敏用の歯磨き剤の使用をお勧めします。知覚過敏用歯磨き剤には、硝酸カリウムが含まれています。カリウムイオンが象牙細管内でバリアとなり、歯の神経に届く刺激を緩和します。また、研磨剤が含まれていない歯磨き剤をお勧めします。

薬の塗布・コーティング剤の使用
歯科医院で知覚過敏症と診断された場合、まずはじめに選択される治療法としては、薬物の塗布です。知覚過敏は、エナメル質が摩耗し エナメル質の内側にある象牙質が、表面に露出し、象牙質に刺激が加わることで、歯がしみる症状が出てきます。露出した象牙質に薬の塗布、あるいはコーティング剤で象牙質を覆うことでら外部からの刺激を遮断し、症状を抑制していきます。
マウスピースの使用
知覚過敏症の大きな原因として、歯ぎしりがあげられます。歯ぎしりが原因と考えられる場合は、歯ぎしりを治さないと知覚過敏症は治りません。しかし 歯ぎしりの原因は、ストレスや不安、習癖など様々なことが考えられ、治すことは困難です。歯ぎしりを直接治すことはできなくてもマウスピースを使用することにより、歯ぎしりによるエナメル質の摩耗や歯周組織の損傷を防止することができます。そして長期間 マウスピースを使用することによって、歯ぎしりそのものが治ることがあります。歯ぎしりの治療法としては、まず選択されるものとしては、マウスピース作製です。

歯周病治療
歯周病が原因で知覚過敏が起こっている場合は、歯周病を治さなければ、知覚過敏症は治りません。よくあるケースですが、歯周病になり歯茎が下がり象牙質が露出したため、歯がしみる という症状が出てくることがあります。このように 歯周病が原因で知覚過敏症を併発している場合のプラークコントロールや、歯石除去を徹底的に行わなければなりません。 その上で必要であれば、薬の塗布や コーティング剤で充填 など、知覚過敏の治療もあわせて行わなければなりません。

レーザー治療
最近では、様々な医療においてレーザー治療が使用されています。歯科治療において、虫歯や歯周病などの疾患にもレーザー治療が行われています。知覚過敏の場合、露出した象牙質にレーザー照射することによって、象牙質に加わる刺激を 象牙質細管に伝わらないようにし、歯がしみる症状を軽減させることができます。 その他の使用法として、レーザー治療は、口内炎の治療にも使用されることが多いです。
根管治療 (抜髄)
知覚過敏症が上記の治療を行っても治らない場合があります。このような場合は、根管治療(抜髄)を行うことがあります。根管治療を行うことにより、歯のしみる痛みを消失することができます。 ただ、根管治療を行うとことにより、歯の変色や歯が脆くなるといったマイナス面もあります。知覚過敏において、根管治療を行う時は、様々な治療を行っても症状が改善しない場合に行います。

まとめ
知覚過敏症は、主にエナメル質が摩耗して象牙質が露出して起こる痛みです。軽い症状の場合は、生活習慣の改善、適切なブラッシング法を行うことによって治ってきますが、症状がなかなか改善しない場合は、早めに歯科医師にご相談ください。早期治療がとても重要です。

当院は、痛みに配慮した優しい治療を心がけて診療を行っています。むし歯・歯周病治療だけでなく、矯正治療や小児歯科、インプラント治療、ホワイトニングなど、幅広い診療に力を入れています。