こんにちは。鳥取市東町にある「山根歯科医院」です。
歯科治療は、1回で終わるものもありますが、症状が進行するほど治療期間が長くなってしまうため治療を中断される方がいらっしゃいます。

歯科治療中断のきっかけは、どのようなものがあるでしょうか?
治療中断のきっかけ
1. 痛みがなくなった
虫歯や歯周病などの痛みや腫れが一時的に治ったことで、治療を中断してしまうことがあります。しかし、痛みや腫れが一時的に改善したとしても、虫歯や歯周病は進行している可能性があり、そのまま放置すると、より深刻な状態になる可能性があります。

2. 時間が取れなくなった
仕事や育児、学業などが忙しくなり、通院の時間を確保できなくなることがあります。特に、根管治療は通院回数が多いことから、中断してしまう人もいます。

3. 経済的な理由
治療費が高額になると、経済的な負担から治療を中断してしまうことがあります。特に、高額な保険外診療や自費診療は、治療費が大きくかかるため、中断の理由になりやすいです。

4. 予約をキャンセルしてしまった
予約の約束を忘れてしまったり、都合が悪くなってキャンセルしてしまうことがあります。一度予約をキャンセルすると、再度予約を取りづらくなるため、そのまま治療を中断してしまうこともあります。
5. 引っ越し
転居先の歯医者を探すのが面倒で、今まで通っていた歯医者で治療を中断してしまうことがあります。

6. 精神的な理由
歯医者に行くのが不安だったり、治療に対する不満や不信感などが、治療中断のきっかけになることがあります。

7. 仮歯の装着
仮歯が入ったことで、ある程度咬めるようになったからと、治療を中断してしまうことがあります。しかし、仮歯はあくまで一時的なものであり、そのまま放置すると、歯や顎の構造に悪影響を及ぼす可能性があります。
8. 治療が一段落した(と思う)
虫歯の治療で詰め物がされたり、歯周病の治療で歯茎が改善されたりすると、治療が完了したと思い込んで中断してしまうことがあります。しかし、これはあくまで表面的な改善であり、根治には至っていない可能性があります。
これらのきっかけで治療を中断した場合、以下のリスクが生じる可能性があります。
🦷虫歯や歯周病の進行
🦷歯の喪失
🦷歯の神経を失う
🦷治療費の増大
🦷治療期間の延長
🦷歯並びの乱れ
🦷口腔内の細菌感染など
【症例】
歯の型を取ったまま放置!!
歯の型を取ったあと1~3か月経過すると、かぶせ物と歯の形がずれてしまうことがあります。 そのため、再び調整に時間がかかったり、最悪の場合は作り直しになってしまいます。仮歯は時間が経過すると、次第に磨り減り、被せ物をするために削ったスペースもどんどん失われます。 そのため、時間が経過してから改めて治療再開しても、被せスペース不足のため、追加で元の歯を削ることになってしまいます。 特に歯の神経をギリギリまで削り保存した場合は、神経を残せなくなってしまうこともあります。
歯の神経を取ったまま放置!!
歯の神経を取り除いたり、歯の神経が腐ってしまい歯の根の治療(根管治療/こんかんちりょう)を行っている場合の中断は、非常に危険です。歯の根の治療は、むし歯などの影響によって細菌に汚染されて根管(神経があった管)を消毒し薬で封鎖する処置のことを指します。この治療を途中で中断してしまうと、再び根管に細菌が入ってしまい放置しておくと根の周囲に膿ができたり、むし歯が根の方まで侵入し、最悪の場合に歯を抜かないといけなくなってしまいます。歯の内部は外側のエナメル質や象牙質に比べて弱く、長く放置されると虫歯が進行したり根の内部が汚れたりします。歯の根に関わる治療は、痛みの有無に関わらず、治療に回数を要します。歯の状態を悪化させたり、寿命を縮めてしまわないよう、最後まで治療しましょう。
応急処置のみで放置!!
親知らずなどが腫れた際、歯の周囲を洗浄したり、膿を出すため歯茎の一部を切開するなどの応急処置を行う場合があります。 処置により病状が改善すると、つい完治したかのように感じてしまいますが、それはとても危険です。応急処置は症状を軽減させることが目的で、根本的な原因を治す治療ではありません。そのままにしていると病気が進行し、さらにひどい痛みや腫れを引き起こします。症状が落ち着いたら根本的な治療を受ける事が必要です。
仮歯が入ったので放置!!
仮歯が入ると、見た目も機能も回復するため、そのまま治療を中断している方もいらっしゃると思います。仮歯はあくまで一時的なもので、長期間の使用には適していません。放置すると、虫歯の再発、噛み合わせの乱れ、仮歯の破損などが起こり、最終的な治療に支障をきたす可能性があります。その結果、治療がやり直しになることもあります。
抜歯をしたまま放置!!
抜歯した後、痛みがなくなり目立った不安もないからと歯を失った部分を放置する方がいらっしゃいます。そのままにしておくと、隣の歯が空いたスペースに倒れてきたり、咬み合う歯が伸びてきて歯列を乱す可能性があります。抜歯をしたら、失った歯を補う治療まで必ず完了させましょう。

歯科治療中断が歯周病に及ぼす影響
歯科治療中断は、歯周病の進行を招き、歯の寿命を縮める可能性があります。歯周病は「サイレントキラー」とも呼ばれるように、痛みが出ないまま進行するため、治療中断による悪化に気づかないことがあります。歯周病は歯を支える骨を溶かし、最終的に歯を失う原因となります。
🦷歯周病の進行・・・治療を中断すると、歯周病菌が増殖し、歯周組織の炎症が悪化します。
🦷 歯の支えとなる骨の破壊・・・ 歯周病菌が骨を溶かすことで、歯がグラグラし、最終的に抜歯が必要になることがあります。
🦷全身の健康への影響・・・歯周病は、心臓病、脳卒中、糖尿病などの全身疾患のリスクを高めることが知られています。
🦷 再治療の必要性:・・・治療を中断後、再度治療を受ける場合、より複雑な治療が必要になる可能性があります。

まとめ
歯科治療を中断すると、様々なリスクがあることを覚えておきましょう。痛みがなくなったからといって、安易に治療を中断せず、最後まで治療を続けることが大切です。
治療が終了したので定期検診
歯の治療が終わった後、定期検診を受けることは、口腔内の健康を維持し、虫歯や歯周病などの早期発見・治療に繋がる重要なステップです。一般的には、3ヶ月から6ヶ月に1回のペースで受けられる事をおすすめします。
治療が終了しても歯医者の定期検診を怠ると、虫歯や歯周病の悪化、再発リスクが高まります。早期発見・治療のため、定期検診は継続するようにしましょう。

定期検診を怠ることによるリスク
・虫歯や歯周病の悪化 治療が終わったからといって安心せず、定期的に検診を受けることで、早期に虫歯や歯周病を発見し、重症化を防ぐことができます。
・再発リスク 治療後に定期検診を受けないと、再び虫歯や歯周病になるリスクが高まります。
・歯並びや噛み合わせの後戻り 矯正治療後に定期検診を受けないと、せっかく整えた歯並びや噛み合わせが元に戻る可能性があります。
・インプラントの寿命短縮 インプラント治療後も定期検診を受けないと、インプラントの寿命が短くなる可能性があります。
・口腔内の他の疾患 定期検診では、虫歯や歯周病だけでなく、他の口腔内の疾患も早期発見できる可能性があります。
様々な事情により治療の途中で中断された場合、気まずさを感じて再通院しづらいこともあると思います。
カウンセリングで正直な気持ちを伝える
当院では、トリートメントコーディネーター(TC)によるカウンセリングも行っております。患者様と歯科医師との間の架け橋となり、患者様の心理的なサポートを行い、安心して治療を受けられる環境を作るよう努めております。 恐怖心や不安な気持ち、歯科医師には言いにくい事もご相談ください。

また治療中、しばらく来院できない期間がある場合は、患者様のスケジュールに合わせてできる限り柔軟に対応しています。治療内容を変更したり、今後の治療計画を提案したりすることができますのでご相談ください。
当院は、基本的に患者様の状態を理解し、適切な治療や指導を行うことを目指しています。治療を中断してしまった方は勇気を出して可能な限り早めに受診し、治療を再開していただきますようお願いします。

何か気になる点がございましたら、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、痛みに配慮した優しい治療を心がけて診療を行っています。むし歯・歯周病治療だけでなく、矯正治療や小児歯科、インプラント治療など、幅広い診療に力を入れています。