こんにちは。鳥取市東町にある山根歯科医院です。
ドライマウスと言えば、まず何が頭に浮かびますか?
患者様からは、「口が乾く」といった症状が思い浮かぶのではないでしょうか。
実は、ドライマウスは口腔内トラブルの中で、口腔内の健康に大きな影響を与える疾患です。本日は、ドライマウスの原因と対処法についてお話しします。

ドライマウスは、医学的に「口腔乾燥症」と言われていて、唾液分泌量が正常より低下し、口の中が異常に乾燥状態になることです。唾液は、単なる 水分ではなく自浄作用、抗菌作用、消化作用など多くの機能を担っています。唾液の分泌量が低下すると、これらの機能が低下し様々な口腔内のトラブルが発生することになります。
ドライマウスの原因
🦷加齢
加齢は、ドライマウスの最も一般的な原因の一つです。加齢により唾液腺の機能が低下し、唾液の分泌量が減少することが主な原因です。特に、65歳以上の高齢者になると唾液の分泌量の減少は、顕著に現れてきます。

🦷薬の副作用
抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、降圧薬、 鎮痛薬などの多くの薬の服用で、唾液の分泌量が減少してきます。
🦷全身疾患
シェーグレン症候群、糖尿病、パーキンソン病などによって、唾液の分泌量が特に減少してきます。特にシェーグレン症候群は、自己免疫疾患であり涙腺や唾液腺が炎症を起こし、ドライマウスを引き起こします。糖尿病においては、体内の水分が不足し、脱水状態になることで唾液の分泌量が減ることがあります。糖尿病疾患においては、血糖コントロールが不良な患者様ほど、ドライマウスの症状が重度になる傾向があります。
🦷精神的要因 (ストレスなど)
ストレスはドライマウスに密接な関係にあります。唾液の分泌は、自律神経で調節されています。ストレスは、自律神経系に影響を与えます。どういうことかというと、リラックス時には、副交感神経が優位に働き、サラサラした唾液を出すようになります。逆にストレス時には、交感神経が優位に働き粘っぽい唾液を出すようになり、唾液の分泌量も減少します。ストレスが強いと粘つく唾液で量が減るため口の中の乾燥を感じやすくなります。

🦷喫煙とアルコール
喫煙やアルコールも、ドライマウスの原因となります。まず、喫煙をするとニコチンが血管収縮させ唾液腺への血流を減らします。その結果、 唾液の分泌量が減少し、ドライマウスの状態になりやすくなります。次に、アルコールとドライマウスの関係ですが、アルコールには、利尿作用があります。アルコールを飲むと利尿作用によって体内の水分が失われやすく、血液量が減少します。その結果、唾液の分泌量の低下を招いてしまいます。

🦷口呼吸
口呼吸の習慣は、直接的に口腔内の水分蒸発させ 、ライマウスの原因となります。分かりやすく言いえば、口呼吸をしていると乾いた空気が、そのまま口腔内に入り、口の中の粘膜が乾燥し唾液が蒸発した状態になります。鼻呼吸が望ましいですが、鼻の疾患や アレルギー性鼻炎などのように鼻呼吸が困難な場合は、自然と口呼吸が増加しドライマウスになりやすくなります。

ドライマウスの可能性のチェック
ドライマウスのセリフチェックについてお話しします。
次の項目で当てはまる場合は、ドライマウスの可能性を考えなければなりません。
・口の中がよく乾く
・ 今週が気になる
・パサパサした食べ物が食べにくい
・ 水分がないと食事がしにくい
・口の中がヒリヒリする
・喉がよく乾く
・ 口内炎が頻繁にできる
以上の項目に2~3個ぐらい当てはまるものがあれば 、ドライマウスの可能性が高くなります。
ドライマウスの対処法
ドライマウスの基本的な対処法として、生活習慣の改善があげられます。十分な水分摂取が基本的な方法です。こまめに水分を摂取することが大切です。
🦷よく噛んで食べる
ドライマウスの方は、口の中の水分が少ないため、食べ物が飲み込みにくいことがあります。そして、あまり噛まずに食べることができるものを選ぶ傾向にあります。柔らかいものばかり食べていると、しっかりと噛むことが少なくなり、唾液の分泌量の低下につながってしまいます。唾液の分泌量を促進するためには、よく噛んで食べること、そして時として、噛み応えのある食べ物を摂取することが大切です。また食事の際には、適度な水分も摂取しながら食事を楽しみましょう。
🦷口呼吸の改善
口呼吸が原因により、ドライマウスになっている方は、口呼吸の改善をしなければなりません。呼吸を改善するには、鼻呼吸を意識しなければなりません。気づいた時は、口を閉じて鼻呼吸をするように心がけてください。
~口呼吸の改善のための方法~
①あいうえお べ体操
口を大きく開け、舌や口の周りの筋肉を鍛えることが大切です。このことによって口呼吸の改善に役立ちます。

②鼻炎の治療
鼻炎が原因で口呼吸になっている場合があります。そのような時は、耳鼻咽喉科を受診し鼻炎の治療を行ってください。

③口腔筋機能治療(MFT)
このMFTは、歯科医院で受けることができます。MFTは、舌や口の周りの筋肉が正しい動きをするトレーニング法です 口呼吸の改善に役立ちます。
④歯列矯正
出っ歯や開口などの歯列補正が原因で、口呼吸になっている場合があります。このような場合は、矯正治療が必要となってきます。ドライマウスの原因となりますので、口呼吸の改善はとても大切です。

🦷喫煙や過度な飲酒を控える
喫煙はドライマウスの原因になります。できれば禁煙をおすすめしますが、困難な場合は少しずつ禁煙の心がけをしていき改善につながればと思います。そこで、タバコの代わりにガムを噛むことをおすすめします。特にキシリトールガムは、フッ素が含有し虫歯予防にもなります。また、ガムを噛むことで唾液の分泌量が促進され、ドライマウスの予防につながります。是非、お試しください。 また、過度な飲酒は、唾液の分泌量の低下につながります。他の飲み物に少し置き換えるようにしてください。

🦷ストレスをためない
ストレスは、唾液の減少につながります。日頃からストレスを発散させていくことが大切です。そのために規則正しい生活を行いましょう。 十分な睡眠をとり、時には自分の趣味に没頭するなどいいかもしれません。

🦷唾液腺マッサージをする
唾液腺マッサージは、ドライマウスの症状を緩和するために、唾液の分泌を促進する有効なセルフ方法です。唾液腺のマッサージ方法には、3つ 方法があります。
①耳下腺マッサージ
②顎下腺 マッサージ
③舌下腺マッサージ

この 唾液腺をマッサージすることで、唾液腺の分泌を促進することが期待できます。当院では、ドライマウスと判断した場合、唾液腺マッサージを指導しています。強く押しすぎると逆効果になることがあります。 一度、歯科医院で指導を受けることをおすすめします。
🦷口の保湿 ケア用品の使用
ドライマウスの対策 グッズとして、色々な種類の保湿剤がドラッグストアや歯科医院で販売されています。当院でも マウスウォッシュタイプ 、ジェルタイプを販売しています。

まとめ
ドライマウスになると唾液の分泌の低下により、虫歯や歯周病や口臭のリスクが高くなり、さらに高齢者になると食べ物が飲み込みにくくなります。接種障害や嚥下障害を起こし、重症化すると誤嚥性肺炎のリスクも高くなります。ドライマウスは、ただ口が乾くと言った問題ではなく、色々な全身トラブルを起こす原因となります。日頃から、ドライマウスの予防を考えていかなければなりません。ドライマウスは、「口呼吸を減らす」「ストレスを溜めないよ 規則正しい生活を送る」「 水分をこまめにとる」「 よく噛んで食事をする」といったことで改善する可能性があります。それでも良くならない場合は、歯科医院や、かかりつけのクリニックを受診してください。

ドライマウスでお悩みの方は、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、痛みに配慮した優しい治療を心がけて診療を行っています。むし歯・歯周病治療だけでなく、矯正治療や小児歯科、インプラント治療、医療ホワイトニングなど、幅広い診療に力を入れています。