こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。

近年、歯に関する意識の高まりとともに予防歯科という言葉を耳にする機会が増えてきました。従来の歯科治療といえば、虫歯や歯周病になったあとに治療することが一般的でしたが、現在では「なる前に防ぐ」という考え方が注目されています。
特に、予防歯科にかかる費用については多くの人が気になる部分でしょう。保険が適用されるのか、どのくらいの費用がかかるのか、自費診療と比べてどう違うのかなど、疑問を持つ方は少なくありません。
実際のところ、予防歯科は長期的に見れば費用対効果の高い取り組みといえます。
今回は、予防歯科の費用や具体的な内容などについて詳しく解説します。
目次
予防歯科とは

予防歯科とは、虫歯や歯周病といった口腔内のトラブルを未然に防ぐための歯科医療のことを指します。
従来の歯科治療は悪くなった歯を治すことが中心でしたが、予防歯科は悪くならないようにすることを目的としています。そのため、歯が痛くなってから歯科医院に行くのではなく、定期的に検診やクリーニングを受けることが基本となります。
具体的な予防歯科の取り組みには、歯科衛生士によるプロフェッショナルケアや、患者さん自身が行うホームケアの指導が含まれます。また、フッ素塗布やシーラントによって歯質を強化し、虫歯を予防する方法も効果的です。
さらに、予防歯科は単に口腔内の健康を守るだけではなく、全身の健康にも良い影響を与えるとされています。歯周病が糖尿病や心疾患などと関係していることが明らかになっており、定期的な予防歯科の受診は生活習慣病のリスク軽減にもつながります。
つまり、予防歯科は健康寿命を延ばし、生活の質を高めるための重要な医療といえるでしょう。
予防歯科の費用

予防歯科にかかる費用は保険診療と自費診療の2つに大きく分けられます。費用の違いを理解することで、自分に合った予防の方法を選びやすくなります。
保険診療での予防歯科
保険診療の範囲内で受けられるのは基本的なケアが中心です。例えば、歯科検診や歯石除去(スケーリング)、歯周ポケットの測定、ブラッシング指導などが該当します。
これらは国の医療保険制度によって一部が負担されるため、自己負担は軽く、1回あたり3,000円から5,000円程度です。特に定期的に受診する場合でも、家計に大きな負担を与えることは少ないのが特徴です。
ただし、保険診療の範囲は病気の治療に限られているため、より専門的で審美的な予防ケアは対象外となります。あくまで最低限の健康を守るための処置が中心であり、美しさや快適さを重視するケアは含まれません。
自費診療での予防歯科
自費診療で行う予防歯科は、保険診療ではカバーできない高度で専門的なケアを受けられるのが特徴です。
代表的なものには、PMTC(プロによる徹底したクリーニング)、エアフローによる着色除去などがあります。これらは見た目の美しさや快適さも重視されており、口腔内を健康的かつ清潔に保つ効果が高いとされています。
費用の目安としては、1回あたり3,000円から1万円程度が一般的で、施術内容や歯科医院の方針によって差があります。また、定期的に通院する場合は年間で数万円の出費となることもあります。
ただし、将来的に虫歯や歯周病の治療にかかる高額な費用や歯を失うリスクを減らせることを考えると、長期的な投資としては有効です。
自費診療の予防歯科を選ぶメリットは、患者さん一人ひとりに合わせたオーダーメイドのケアを受けられる点です。歯並びや生活習慣に合わせたアドバイスや処置を受けられるため、より高いレベルで口腔内の健康維持を目指すことができます。
予防歯科で行う内容

予防歯科では、虫歯や歯周病を防ぐために以下のことを行います。
歯石やプラークの除去
歯科医院で最も一般的に行われる予防処置が、スケーリングによる歯石やプラークの除去です。歯ブラシでは取りきれない歯石は、細菌の温床となり虫歯や歯周病を悪化させます。
定期的に歯科医院で専用器具を使って取り除いてもらうことで、口腔内の環境を清潔に保つことができます。
PMTC
PMTCとは、歯科衛生士が専用の機械を用いて行う専門的な歯のクリーニングで、歯の表面を丁寧に磨き上げます。これにより、バイオフィルムや着色汚れを除去でき、虫歯予防だけでなく見た目の美しさも保てます。痛みが少なくリラックスして受けられる点も特徴です。
フッ素塗布とシーラント
フッ素塗布は、歯の再石灰化を促進して歯質を強化し、虫歯の発生を抑える方法です。また、シーラントは奥歯の溝を樹脂で埋める処置で、特に子どもの虫歯予防に効果的です。大人でも歯質の弱い部分や虫歯になりやすい箇所に応用できます。
セルフケアの指導
虫歯や歯周病を予防するためには、歯科医院で処置を受けるだけでなく、自宅での適切なケアが欠かせません。歯磨きの方法や歯間ブラシ・デンタルフロスの正しい使い方を学ぶことで、毎日の習慣が虫歯や歯周病の予防につながります。
歯科医院で受ける指導と実践を組み合わせることが、長期的な健康維持のポイントです。
予防歯科のメリット

ここでは、予防歯科のメリットについて解説します。
将来的な医療費の削減
予防歯科に定期的に通うことで、虫歯や歯周病を初期段階で発見・対処できれば、大掛かりな治療が必要になることを避けられます。結果として、高額になりがちな治療費を抑えることができ、長期的に見れば家計への負担軽減につながります。
見た目と口臭の改善
PMTCやクリーニングによって歯の着色や汚れが落ち、口元の見た目が明るく清潔に保てます。また、歯石やプラークを除去することで口臭の原因も減り、人とのコミュニケーションに自信を持てるようになります。
痛みや不快感を避けられる
歯の治療は痛みや不快感を伴うことが少なくありません。
しかし、予防歯科に通うことで、虫歯を予防できれば、歯を削ったり抜いたりするリスクを大幅に減らすことができ、快適な生活を維持できます。小さなケアを積み重ねることで、大きな不快感を避けられる点は大きなメリットです。
全身の健康維持に役立つ
近年の研究では、歯周病が糖尿病や心臓病、脳梗塞などの全身疾患と深く関わっていることが明らかになっています。予防歯科で口腔内を健康に保つことは、全身の病気予防にも直結します。単なる歯のケアにとどまらず、健康寿命を延ばす重要な取り組みといえるでしょう。
予防歯科のデメリット

予防歯科のデメリットは、以下のとおりです。
費用の負担がかかる場合がある
予防歯科は長期的に見れば治療費の削減につながりますが、短期的には定期的な通院による費用負担が生じます。特に自費診療のクリーニングを選ぶと、1回あたり3,000円〜1万円程度の費用がかかり、年間を通してみると数万円になることもあります。
通院の手間と時間
予防歯科は、虫歯や歯周病の早期発見や予防に効果的ですが、定期的な通院が必要になります。一般的には3〜6か月に1回の頻度で歯科医院へ通うことが推奨されており、忙しい人にとっては時間の確保が難しいと感じることがあります。
また、子どもや高齢者の場合は家族の付き添いが必要となることもあり、負担に感じるケースがあります。
痛みや違和感を伴う場合がある
予防処置自体は基本的に痛みが少ないものですが、歯石の除去や歯周ポケットの清掃では軽い痛みやしみる感覚が出ることがあります。特に歯肉が炎症を起こしている場合には、不快感を覚えることがあります。
必ずしもトラブルを完全に防げるわけではない
予防歯科を続けても、生活習慣や体質によって虫歯や歯周病が発生する可能性はゼロではありません。予防はあくまでリスクを減らすものであり、完全に病気を防げる保証はない点を理解しておく必要があります。
予防歯科に通う頻度

予防歯科の効果を高めるためには、定期的な通院が欠かせません。一般的には3〜6か月に1回の受診が推奨されており、この間隔であれば歯石の付着や歯周病の進行を抑えやすくなります。
虫歯や歯周病のリスクが高い人は1〜2か月に1回、セルフケアがしっかりできている人は半年に1回といったように、個々の状況に応じて頻度を調整します。
子どもや高齢者は特にリスクが高いため、より短い間隔での受診が望ましいとされています。子どもは歯の生え変わりの時期に虫歯になりやすく、高齢者は歯周病や根面う蝕のリスクが高まるためです。
妊娠中の女性もホルモンバランスの変化で歯周病にかかりやすいため、予防歯科を積極的に利用することが大切です。
まとめ

予防歯科は、虫歯や歯周病になってから治療するのではなく、未然に防ぐための大切な取り組みです。定期検診やクリーニングを通じて口腔内を清潔に保つことで、長期的に健康な歯を維持することができます。
費用面では、保険診療を利用すれば安価に基本的なケアが受けられ、自費診療を選べばより高度で快適な予防処置を受けることも可能です。
また、予防歯科には経済的なメリットだけでなく、痛みや不快感を避けられる点や見た目の改善、さらには全身の健康維持にまでつながるという大きな利点があります。
歯科医院での専門的なケアと自宅でのセルフケアを両立させることで、将来的に治療にかかる時間や費用を減らし、快適で健康的な生活を送ることができるでしょう。
お口の健康を守りたいとお考えの方は、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、痛みに配慮した優しい治療を心がけて診療を行っています。むし歯・歯周病治療だけでなく、矯正治療や小児歯科、インプラント治療など、幅広い診療に力を入れています。