こんにちは。鳥取市東町にある「山根歯科医院」です。
冬になると気候や感染症の増加などが重なって、口腔内のトラブルが起こりやすくなります。よく言われるのが、口臭です。口臭は自分自身では気付きにくいものですが、仕事中やプライベートでの会話など、周囲の人に不快感を与えてしまうことがあります。

口臭は、冬の寒い時期に起こりやすく、口腔内疾患の症状の1つに挙げられます。本日は、口臭の原因となる冬に起こりやすい口腔内疾患とその予防についてお話しします。
ドライマウス(口腔内乾燥症)
冬になると、暖房の効いた室内で過ごすことが多くなります。暖房が効いた室内は、思っている以上に口の中が乾燥しやすく、ドライマウスになってしまうリスクが高まります。また、インフルエンザや風邪、鼻炎を起こりやすくなるため、鼻呼吸が困難になり、口呼吸になりがちです。口呼吸を長時間行うと、口の中が乾燥し、ドライマウス(口腔乾燥症)になってしまいます。ドライマウスになってしまうと、唾液の分泌量が減少します。唾液が減ることで細菌が増殖しやすい環境に変化し、その結果、虫歯、歯周病になりやすくなります。また、ドライマウスは、口臭の大きな原因となります。
【症状】
代表的な症状は、次のものがあります。
・口の中がねばつく
・飲み込みにくい
・味覚の変化
・舌のひび割れ

【予防方法】
こまめに水分を取る
ドライマウスになると、唾液の分泌量が減少して口の中が乾燥しやすくなります。冬は、夏に比べて口の中の渇きを感じにくくなると思いますが、冬でも意識して、こまめに水分を摂取することが大切です。一度に大量の水を飲むのではなく、少しずつ、こまめに水分を摂ることが大切です。

室内に加湿器を設置する
湿度の目安は、40~60%が良いでしょう。

鼻呼吸を意識する
できるだけ、鼻で呼吸をするように意識しましょう。鼻づまりがある場合は、耳鼻咽喉科を受診し、適切な処置を受けてください。
口腔保湿剤や唾液分泌を促すガムの利用
口腔保湿剤で乾燥を予防することができます。また、ガムをかむことで唾液の分泌を促します。ガムはキシリトール配合のものを選ぶのが良いでしょう。乾燥を防ぐことで、虫歯、歯周病などのリスクも軽減されます。

唾液腺マッサージの実施
唾液腺マッサージは、唾液の分泌を促すために、唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)を刺激する方法です。口の中が渇いていると感じる方は、唾液腺マッサージをしてみてください。

【唾液腺マッサージの効果】
①口の中の自浄作用の促進される(口臭予防)
②口周りの筋肉の緊張がほぐれ、口が開きやすくなる
③唾液が分泌されることで食べやすくなる、飲み込みやすくなる
④会話がしやすくなる

ドライマウスによる虫歯・歯周病のリスク
冬になると、風邪やインフルエンザの影響で、全身の免疫力が落ちてしまうことがあります。そして、免疫力の低下は、歯周病の悪化を招くことがあります。また、暖房器具などを使用するようになると、室内が乾燥してしまいます。唾液の分泌量が減少し、口の中も乾燥してしまうと、口腔内細菌が増殖しやすくなり、虫歯になりやすくなります。

【予防方法】
正しい歯磨き
虫歯や歯周病予防の基本は、やはり正しく歯磨きをすることです。朝食後、昼食後、就寝前の1日3回を目安に、必ず磨くようにしてください。特に、寝る前の歯磨きは、とても重要です。寝ているときは、唾液の分泌量が減少するため、1日の中で口腔内細菌が最も増殖しやすい時間帯といえます。汚れや磨き残しが残っていると、虫歯になる、虫歯が進行するリスクが高くなります。丁寧な歯磨きを心掛け、歯と歯の間には、デンタルフロスや歯間ブラシを利用し、口の中を清潔に保つようにしてください。

マウスウォッシュ(洗口液)の使用
歯磨き後にマウスウォッシュ(洗口液)を使用は、相乗効果が期待できます。口の中を除菌し、虫歯や歯周病の予防にも役立ちます。

口内炎
口内炎が1番起こりやすいといわれている季節は、冬です。口内炎の原因には、いくつか挙げられます。
【口内炎の原因】
空気の乾燥
冬になると暖房の使用により、室内の湿度が下がり、口腔粘膜が乾燥しやすくなります。そうなると、唾液の役割である粘膜のバリア機能が低下し、傷つきやすくなります。
唾液の分泌量が減少
唾液の分泌量低下に伴い、口の中の自浄作用や抗菌作用が低下し、口内炎ができやすくなります。
風邪・インフルエンザなどによる免疫力の低下
風邪やインフルエンザなどの感染症による免疫力の低下が、口内炎の原因となることがあります。

冬に多い口内炎の種類
①アフタ性口内炎
最も一般的で、口内炎の中で1番多い種類です。
<特徴>
口の中の粘膜にできる、境界線がはっきりとした小さい潰瘍で、表面が白色~黄色の膜で覆われ、周りか赤くなります。1~2週間程度で自然治癒することが多いです。
<好発部位>
頬・舌・唇の内側や歯ぐきなどです。
②ヘルペス性口内炎
ヘルペスウィルスの感染によっておこる口内炎のことです。
<特徴>
強い痛みがあり、赤くはれることがあり、ピリピリ、チクチクといった前兆がみられることがあります。疲労、ストレス、風邪で再発しやすく、寒さが原因になることもあり、特に冬は注意が必要です。
<好発部位>
唇やその周囲にできることが多いです。
③カンジダ性口内炎
口腔カンジダ症とも呼ばれる感染症です。
<特徴>
粘膜に白い苔状のようなものが付着しています。痛みはほとんどありませんが、まれに炎症が起こることで痛みを伴うなど、症状が変化することがあります。免疫力の低下に伴い、口の中にあるカビ(真菌)の一種であるカンジダが過剰に増えて発症するため、風邪やインフルエンザで抗生剤を服用する機会が増える冬の時期は、影響を受けやすいといえます。
<好発部位>
舌や頬
④象牙質知覚過敏症
冬になると、知覚過敏の症状を感じる方が増加する傾向にあります。
【原因】
気温の変化による刺激
冬になると、冷たい空気や冷たい飲み物により、歯が急激に冷やされることが多くなり刺激を受けやすくなります。
血行不良
冬になって気温が下がると血流が滞りがちになり、歯ぐきの健康に影響を及ぼしてしまうことがあります。

【予防方法】
・知覚過敏抑制の歯磨き粉を使用する
・うがいは、ぬるま湯で行う
・口の中が乾燥しないよう、こまめに水分を摂取する
・唾液の分泌量の促進や減らないように、キシリトール入りのガムを噛む
まとめ
冬になると起こりやすい口腔内疾患について、お話をしました。しかし、適切な予防をすることで、お口のトラブルを未然に防ぐことができます。日常の適切な歯磨きはもちろんのこと、こまめな水分補給、室内を適切な湿度に保つ、唾液の分泌を促す工夫や、規則正しい食生活などを行うことで口の中の健康を維持することができます。今年も、もうすぐ冬の到来です。頑張って健康を維持していきましょう。

何か気になることがございましたら、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、痛みに配慮した優しい治療を心がけて診療を行っています。むし歯・歯周病治療だけでなく、矯正治療や小児歯科、インプラント治療、医療ホワイトニングなど、幅広い診療に力を入れています。


