こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。
歯科医院で行うホワイトニングは「オフィスホワイトニング」「ホームホワイトニング」「デュアルホワイトニング」の3種類に分けられます。なかでも、歯科医院で行うオフィスホワイトニングはどのような治療法なのだろうと気になっている方も多いのではないでしょうか。
今回は、オフィスホワイトニングのメリット・デメリット、治療の流れや費用相場など解説します。オフィスホワイトニングに興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
オフィスホワイトニングとは
オフィスホワイトニングは、歯科医院で歯科医師や歯科衛生士などの有資格者に施術してもらうホワイトニング法です。
オフィスホワイトニングは、過酸化水素を使用して歯を漂白します。過酸化水素には、歯の着色を漂白する作用と、エナメル質の表面構造を変えて光の乱反射を起こす作用があります。歯の表面で光の乱反射が起こると、象牙質の黄ばみが透けにくくなるため歯が白くみえるのです。
過酸化水素は漂白作用が高いため、1回の施術で効果を実感しやすいホワイトニング法です。理想の白さに達していない場合は3〜6回程度通院して納得のいく白さにしていきます。
オフィスホワイトニングのメリット・デメリット
オフィスホワイトニングでは、どのようなメリット・デメリットがあるのか理解したうえで実施すれば後悔なく治療できるでしょう。以下、オフィスホワイトニングのメリット・デメリットを解説します。
オフィスホワイトニングのメリット
オフィスホワイトニングにはどのようなメリットがあるでしょうか。オフィスホワイトニングの3つのメリットは、以下のとおりです。
・即効性がある
・トラブルが起きにくい
・自己管理の必要がない
以下、それぞれ解説します。
即効性がある
オフィスホワイトニングは、歯科医師・歯科衛生士しか扱うことができない高濃度薬剤を使用します。そのため、1回の施術で歯のトーンがあがり白くなったと実感できるケースが多いです。個人差がありますが、1〜3回ほどで多くの方が効果を感じる即効性のある治療法です。
ホームホワイトニングは、白さを実感するまでに2週間ほどの期間がかかるといわれています。オフィスホワイトニングは、早く歯を白くしたい方にとって大きなメリットといえるでしょう。
トラブルが起きにくい
オフィスホワイトニングは、歯科医師・歯科衛生士がお口の中を確認しながら施術します。セルフホワイトニングやホームホワイトニングで起こりがちな「色ムラ」が起こりにくく、仕上がりが美しい点が大きなメリットです。
また、施術中に歯や歯茎がしみる場合や痛む場合もすぐに対応してもらえるため、安心してホワイトニングができるでしょう。
自己管理の必要がない
歯科医院で取り扱うホワイトニングには「オフィスホワイトニング」と、処方されたホワイトニング薬剤をご自宅で使用する「ホームホワイトニング」があります。
ホームホワイトニングは、ご自宅で好きなタイミングでできるメリットがありますが、自己管理が必要です。1日2時間ほどの装着やマウスピースの手入れなどに手間がかかるため、面倒に感じる方もいらっしゃるでしょう。
一方、オフィスホワイトニングは、歯科医院で施術するためエステのような感覚でホワイトニングができるメリットがあります。
オフィスホワイトニングのデメリット
オフィスホワイトニングの施術を受ける際は、デメリットも理解したうえで受けるのがよいでしょう。オフィスホワイトニングの4つのデメリットは、以下のとおりです。
・費用が高額である
・奥歯の施術ができない
・後戻りしやすい
・知覚過敏が起こりやすい
以下、それぞれ解説します。
費用が高額である
オフィスホワイトニングは保険適用外の自由診療のため、費用は自己負担です。ホワイトニングの費用は、使用する薬剤のメーカーや歯科医院によって異なります。トラブルを回避するためにも、どのような料金形態なのか事前に確認しましょう。
奥歯の施術ができない
オフィスホワイトニングは、ホワイトニング薬剤を塗布し、光を照射して歯を白くします。高濃度の薬剤を使用するため、歯茎や粘膜に薬剤が触れると炎症するリスクが高いです。
また、施術中は光があたるように器具を入れて行いますが、奥歯まで光が届かないため、オフィスホワイトニングの多くは上下の犬歯〜犬歯までを目安としています。
後戻りしやすい
ホワイトニングは、一度行えば永久に白い歯が手に入るわけではありません。個人差がありますが必ず「後戻り」が起こります。なかでも、オフィスホワイトニングは即効性があるものの後戻りしやすいことが特徴です。
一方、ホームホワイトニングは、濃度の低い薬剤で時間をかけて白くしていくため、後戻りが緩やかだといわれています。
知覚過敏が起こりやすい
オフィスホワイトニングは、高濃度薬剤を使用するため施術中や施術後に知覚過敏の症状がでやすいといわれています。
しかし、時間の経過とともに症状はやわらいでいくケースが一般的です。我慢できないほどの症状が出た場合は、鎮痛剤や知覚過敏用のコーティング材を塗布して様子をみます。ふだんから知覚過敏の症状がある方は注意が必要です。
オフィスホワイトニングができない方
オフィスホワイトニングの治療を希望しても、なかには治療ができない方もいます。オフィスホワイトニングができない方は、以下のとおりです。
・虫歯・歯周病・歯にひび割れのある方
・知覚過敏症状がある方
・妊娠中・授乳中の方
・光線アレルギーの方
・無カタラーゼ症の方
以下、それぞれ解説します。
虫歯・歯周病・歯にひび割れのある方
虫歯で歯に穴があいている、歯にひびが入っている、歯周病が進行しているなどの症状がある方は、治療が完了するまでホワイトニングができません。虫歯や歯にひび割れがあると、神経の通る象牙質までホワイトニング薬剤の刺激が伝わるリスクがあります。
また、歯周病が進行している方も歯の根の部分が露出している場合、刺激に対して敏感になりやすいため注意が必要です。適切な治療を受けて、ホワイトニングの施術中にトラブルが起きにくい口内環境に整えてから治療します。
知覚過敏の症状がある方
歯の表面にあるエナメル質にひび割れや摩耗があると、ホワイトニング薬剤の刺激が象牙質に直接伝わるため、しみたり痛みがでたりするリスクがあります。
特に、オフィスホワイトニングは、ほかのホワイトニング方法と比較して薬剤の濃度が高いため、知覚過敏の症状がでやすいです。ふだんから知覚過敏の症状がある方は、オフィスホワイトニングはさけた方がよいでしょう。
妊娠中・授乳中の方
妊娠中・授乳中の方は、ホワイトニング薬剤の成分が胎児や乳児に悪影響を及ぼす可能性があるため、基本的にホワイトニングができません。
しかし、具体的に胎児や乳児にどのような影響があるのか判明していないのが現状です。だからといって安全に行える根拠もないため、ホワイトニングはひかえるよう謳っている歯科医院が多いのが実情です。
光線アレルギーの方
光線アレルギーは、紫外線などの光に反応して赤み・かゆみなどの炎症があらわれます。光線アレルギーの方は、オフィスホワイトニングで使用する光に反応してアレルギー反応が起きるリスクが高いです。
リスク回避のために、オフィスホワイトニングの施術は行わない歯科医院が多いです。光線アレルギーの方でホワイトニングをご希望であれば、光を使用しないホームホワイトニングを選択しましょう。
無カタラーゼ症の方
無カタラーゼ症は、過酸化水素を体内で分解するカタラーゼとよばれる酵素がつくられない疾患です。
オフィスホワイトニングは高濃度の過酸化水素を使用するため、無カタラーゼ症の方は過酸化水素を分解できず、お口の中が荒れるリスクや壊死を起こすリスクがあります。そのため、無カタラーゼ症の方は過酸化水素が使われているホワイトニングは禁忌とされています。
オフィスホワイトニングの施術の流れ
オフィスホワイトニングがどのような流れで治療が進んでいくのか理解しておけば、施術の際の不安や緊張をやわらげることができるでしょう。オフィスホワイトニングの治療の流れは、以下のとおりです。
①カウンセリング
はじめにカウンセリングを行います。口内の確認とホワイトニングの施術方法や流れ、得られる効果・費用などの説明を受けます。また、現在の歯のお悩みや求める歯の白さ、予算などもあわせて聞かれるケースが多いです。
トラブルを回避するためにも、カウンセリングの際は、不安に思っていることやお悩みなど、ご自身の意見をしっかり伝えましょう。満足できる仕上がりを得るには、歯科医師・歯科衛生士との理想像の共有が必要不可欠です。治療計画に納得できたらオフィスホワイトニングを行います。
②お口の中の確認
オフィスホワイトニングの施術が決まったら、虫歯・歯周病の確認と現在の歯の色の記録をとります。虫歯や歯周病が見つかったら先に治療を行ってホワイトニングに支障のない口内環境に整えていきます。
また、どれくらい歯の色が変化したのか確認できるように、事前に写真を撮影し、歯の色の記録をとることが一般的です。
③クリーニング
オフィスホワイトニングは、歯の表面に薬剤を塗布して歯を白くしていきます。ホワイトニング効果を得るためには、歯の表面に薬剤をしっかり浸透させる必要があります。
しかし、歯垢(プラーク)や歯石、着色汚れが歯の表面に付着した状態だと薬剤の浸透が妨げられ、十分なホワイトニング効果を得ることができません。ホワイトニングの施術前に、歯の表面をクリーニングすることで、十分なホワイトニング効果を得ることが期待できます。
④ホワイトニング
歯のクリーニングが完了したらホワイトニングを開始します。ホワイトニングの流れは、以下のとおりです。
歯茎の保護
ホワイトニング薬剤は高濃度であるため、歯茎や粘膜に触れてしまうと炎症を起こすリスクが高いです。歯茎などの粘膜に薬剤が触れないように保護します。
ホワイトニング薬剤の塗布
歯の表面にホワイトニング薬剤を塗布します。
光を照射
薬剤が塗布できたら光をあててホワイトニングします。数分の照射ですが光があたる部分は熱くなるため、唇などに違和感があれば必ず歯科医師・歯科衛生士に伝えましょう。
薬剤の除去
光の照射が終わったらホワイトニング薬剤を除去します。
使用する薬剤によって異なりますが、上記の流れを1〜3回ほど繰り返してホワイトニングします。
⑤ホワイトニング完了
ホワイトニングが完了したら、最後に歯の色の記録をとって、施術前の歯の色味との差を確認します。希望する白さに到達していない場合は、追加でホワイトニングするか検討する必要があるでしょう。
オフィスホワイトニングの効果の持続期間
オフィスホワイトニングの効果の持続期間は、3~6か月ほどです。1〜3回の施術で歯が白くなる即効性はありますが、後戻りも早い特徴があります。ホワイトニング効果を長く持続させるためには、定期的な再ホワイトニングが必要です。
オフィスホワイトニング施術後の注意点
オフィスホワイトニングの施術後は注意すべきことがあります。ホワイトニング施術後の3つの注意点は、以下のとおりです。
・知覚過敏がでやすくなる
・色の濃い飲食物・イソフラボンを含むものをひかえる
・喫煙はひかえる
以下、それぞれ解説します。
知覚過敏の症状がでやすくなる
オフィスホワイトニング直後は、歯の表面を保護しているペリクルとよばれる保護膜がはがれた状態となります。ペリクルがはがれた状態の歯の表面は刺激に弱くなるため、一時的に知覚過敏の症状がでやすいリスクがあります。
症状が出た場合は、痛み止めを服用したり知覚過敏用歯磨き粉やフッ素入り歯磨き粉を使用したりすることで様子をみましょう。知覚過敏の症状が続く場合は、歯科医院でコーティング剤を塗布してもらうことも可能です。
色の濃い飲食物・イソフラボンを含むものをひかえる
オフィスホワイトニング直後は、ホワイトニング薬剤の影響で歯が乾燥した状態となるため、着色しやすい環境にあります。そのため、オフィスホワイトニング後48時間は、色の濃い飲食物やイソフラボンを含むものはひかえましょう。
どのような食事がよいのかわからない場合は、色の薄い食事をとるように心がけてください。やむを得ない事情で色の濃い飲食物やイソフラボンを摂取してしまった場合は、すぐにお口をゆすぐことで歯の表面に残らないように対処することが大切です。
喫煙はひかえる
上述したとおり、オフィスホワイトニング後48時間は、着色しやすい状態です。ホワイトニング後に喫煙すると、タバコの成分のひとつであるタールの影響で歯が黄色く着色してしまいます。
禁煙が難しい場合は、喫煙後はすみやかに歯磨きやお口をゆすいで対処しましょう。紙タバコはタールの量が多いため、加熱式のタバコに変えるとヤニの影響をおさえることが期待できます。
オフィスホワイトニングの費用
オフィスホワイトニングの費用相場は10,000〜70,000円です。審美治療は保険適用外の自由治療で、費用は高額といえます。
歯科医院によって価格が異なることはもちろん、使用されるホワイトニング薬剤のメーカーや機械によって価格は変動します。複数回の施術で割安になるように設定している歯科医院もあるため、施術を受ける前に確認するのがよいでしょう。
まとめ
オフィスホワイトニングは、歯科医院を受診して歯科医師・歯科衛生士に施術してもらうホワイトニング方法です。歯科医院を受診すればホワイトニングを行ってもらえるため、自己管理が必要なく白い歯を手に入れられます。高濃度の過酸化水素を使用するため、即効性があり1〜3回の施術で効果を実感できるでしょう。
ただし、即効性があるものの、ホワイトニングの持続期間が3〜6か月と短いデメリットがあります。また、オフィスホワイトニング後は、知覚過敏や着色が付きやすい状態となります。刺激の強い食べ物や色の濃い飲食物、喫煙はひかえるように心がけることが大切です。
オフィスホワイトニングを検討されている方は、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。