こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。
インプラント治療において、歯がない期間はどれくらいなのか、気にされている方も多いでしょう。審美面での不安から、治療を受けることをためらっている方もいるかもしれません。
今回は、インプラント治療で歯がない期間について解説します。歯がない期間の対応方法や注意点もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
インプラント治療の流れ
インプラントの治療過程で発生する「歯がない期間」について理解しておくと、治療がよりスムーズに進行します。インプラント治療の基本的な流れと、歯がない期間について具体的に確認しましょう。
インプラント治療のプロセスは、主に以下の7つのステップで成り立ちます。
①カウンセリング
まずは、カウンセリングを行います。インプラントに関する疑問や不安に感じている点を質問するとよいでしょう。
カウンセリングでは、インプラント治療とほかの治療法の違いや、それぞれのメリット・デメリットを説明するのが一般的です。不安な点を解消しておくと、実際の治療もスムーズに進むでしょう。
無料でカウンセリングを実施している歯科医院もありますので、関心がある場合は受診してみるとよいでしょう。
②精密検査
精密検査では、インプラント治療に必要な資料を集め、治療の可否を判断します。治療が可能な場合は、治療期間や費用を立案します。
虫歯や歯周病の有無を確認し、レントゲン写真、CT写真、口内写真、歯型の採取を行うのが一般的です。立案された治療計画を理解し納得できたら、インプラント治療を開始します。
③虫歯・歯周病治療
インプラント治療前に虫歯や歯周病がある場合、先に虫歯や歯周病の治療を行います。特に、歯周病はインプラント周囲炎のリスクを高めるため、完治させてからインプラント治療を開始するケースが多いです。
④インプラント1次オペ
虫歯・歯周病の治療後、インプラント手術を実施します。歯茎を切開し、顎の骨に穴をあけてインプラント体を埋め込む手術です。
手術方法は、口内環境や顎の骨の状態に応じて選択されます。1回法では、インプラント体と被せ物を結合するアバットメントを同時に装着します。2回法は、インプラント体を埋め込んだあと、歯茎を縫合して結合を待ち、結合したらアバットメントを装着する方法です。
骨造成術を同時に行った場合は、2回法が選択されることがあります。
⑤待機期間(歯のない期間)
インプラント体と顎の骨が結合するには時間がかかります。一般的に2〜6か月が目安です。
待機期間中は、仮歯や入れ歯を使用するのが一般的です。
⑥インプラント2次オペ
インプラント体と顎の骨が結合したら、歯茎を切開し、アバットメントを装着します。比較的短時間で終了するので、体への負担は少ないです。
⑦被せ物の型取り・装着
手術後、状態が安定したら被せ物の型取りを行います。歯科医師・歯科技工士が連携して、セラミックなどを用いた被せ物を作成します。
歯の色や形など、細かい部分まで周りの天然歯に馴染むように作成されるでしょう。自然な見た目で審美性の高い仕上がりを実現します。
被せ物が完成したら、口内に装着して見た目や噛み合わせなどの最終確認を行います。歯の色味など気になる点がある場合は、装着前に伝えましょう。問題がなければ被せ物を入れて、インプラント治療は完了です。
インプラント治療中に歯がない期間はある?
インプラント手術には1回法と2回法が存在し、いずれの方法を選んでも一時的に歯がない状態になります。
しかし、即時荷重インプラントと呼ばれる特殊な術式もあります。即時荷重インプラントでは、外科手術と被せ物の装着を同日に行うため、歯がない期間がありません。
ただし、即時荷重インプラントが適応可能な症例は限定されており、一定期間歯がない状態になることが多いです。
インプラント治療中に歯がない期間はどれくらい?
インプラント治療では、インプラント体が顎の骨にしっかりと結合することが重要です。しっかりと結合するによって噛む機能が回復します。
結合を待つ待機期間中に歯がない状態が生じますが、2〜6か月程度です。待機期間は顎の骨の状態によって異なり、骨の幅や深さ、硬さなどが整っている場合は短くなることが多いです。
しかし、手術時に骨造成術を行う必要がある場合は、待機期間が長くなることもあります。
歯がない期間はどのように対応する?
インプラント治療中に歯がない期間は、仮歯や入れ歯を使って過ごすのが一般的です。仮歯は隣の歯に接着剤で固定します。審美性を維持すると同時に、隣接する歯の移動を防止し、発音の安定と歯茎の保護を行うのです。
仮歯は噛む力を完全に回復させるためのものではないので、安定性に欠けることがあります。場合によっては外れることがあるでしょう。
仮歯が外れた場合は、速やかに歯科医院を受診して再装着してもらいましょう。そのまま放置すると、細菌感染のリスクがあるほか、隣の歯が移動する恐れがあります。
インプラント治療で仮歯や入れ歯にトラブルが起きた際は、早めに歯科医院を受診しましょう。
歯がない期間中の注意点
仮歯・入れ歯の期間中は、どのような点に注意して過ごせばよいのでしょうか。以下、インプラント治療で歯がない期間の注意点を解説します。
仮歯の注意点
インプラントで歯がない期間を仮歯で過ごす場合、以下の3点に注意しましょう。
・強い力をかけすぎない
・ブラッシングをしっかり行う
・外れた場合は歯科医院を受診する
それぞれ解説します。
強い力をかけすぎない
インプラント治療中の仮歯は、主に機能回復ではなく、審美性を保ち患部を保護するために用いられます。強い力が加わると外れやすいため、噛む力に注意し、硬い食べ物は避けましょう。
慢性的に患部に強い力がかかると、インプラント体と顎の骨の結合を阻害する原因になります。
ブラッシングをしっかり行う
仮歯の周囲を清潔に保つためには、丁寧なブラッシングが重要です。仮歯は表面が粗い樹脂製のことが多く、汚れが付着しやすいです。細菌感染のリスクを防ぐためにも、しっかりと磨く必要があります。
ただし、過度なブラッシングで患部に刺激を与えることも、歯茎を傷付ける原因になります。歯のない期間中は、歯科医師・歯科衛生士の指導のもと適切なブラッシング方法を学んでください。
外れた場合は歯科医院を受診する
仮歯が外れた場合は、迅速に歯科医院を受診して再装着してもらいましょう。仮歯が外れたまま放置すると、隣接する歯の移動や細菌感染のリスクが生じ、インプラント治療に悪影響を与えかねません。
インプラント治療をスムーズに進めるためにも、トラブルが起きた際は速やかに歯科医院に相談し、適切な処置を受けることが大切です。
入れ歯の注意点
インプラント治療中の歯がない期間に入れ歯を使用する場合は、以下の2つに注意して過ごしましょう。
・お手入れをしっかり行う
・痛みや違和感を放置しない
それぞれ解説します。
お手入れをしっかり行う
取り外し可能な入れ歯を使用する際は、適切な自己管理が求められます。食後は、入れ歯と歯茎の間に食べかすが残ることがあるので、必ず取り外して清掃してください。
入れ歯を清潔に保たないと、不衛生な状態が続き、患部が細菌に感染するリスクが高まります。インプラント体と顎の骨の結合に悪影響を及ぼす可能性があるため、食後は入れ歯を外して洗浄しましょう。
就寝時には取り外すなど、取り扱いのルールをしっかりと守ることが大切です。
痛みや違和感を放置しない
入れ歯を使用していると、強く当たる部分に痛みや違和感が出る場合があります。痛みや違和感を放置すると患部に刺激を与えるため注意が必要です。
痛みや違和感がある場合は、無理に使用せず歯科医院を受診しましょう。確認してもらい、必要であれば調整してもらうことが重要です。
適切な処置を行うことで、快適な使用感を取り戻し、患部の健康を守ることができます。
まとめ
インプラント治療中の歯のない期間は、通常2〜6か月程度です。歯がない期間は、仮歯や入れ歯を使用することで審美性は維持されます。
仮歯や入れ歯は見た目だけでなく、隣接する歯の位置を保持し、発音の問題を防ぎ、患部への刺激を減らす役割も果たします。万が一、仮歯や入れ歯にトラブルが生じた場合は、速やかに歯科医院を受診して確認してもらうことが大切です。
インプラント治療は、一人ひとりの口内状態によって治療計画が異なります。インプラントに興味はあるけれど、歯がない期間がどれくらいなのか気になる方は、歯科医院を受診して確認しましょう。
インプラント治療を検討されている方は、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。