こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。
保険が適用される白い歯は、コンポジットレジン・硬質レジン前装冠・CAD/CAM冠の3種類です。それぞれ材質が異なるため、メリット・デメリットに違いがあります。
今回は、保険が適用される白い歯のそれぞれの特徴やメリットなどを解説します。
保険が適用される白い歯はある?
近年、保険が適用される白い被せ物の歯は、適用範囲が広がっています。以前は、下顎の6番目の歯に限って、特例として白い被せ物が保険適用されていました。
しかし、2020年4月からは、特例が上顎の6番目の歯にも拡大されました。
6番目の歯で白い被せ物を入れる条件は、7番目の歯が上下左右4本すべて残っていることです。ほかにも噛み合わせに関する条件などがありますが、具体的には診察を受けないと分からないため、歯科医師に相談するとよいでしょう。
また、金属アレルギーのある患者さまは条件を問わず、白い歯を選ぶことができます。金属アレルギーが原因で白い歯を入れる際は、金属アレルギーを証明する診断書が必要です。
保険が適用される白い歯の種類
保険が適用される白い歯は主に3つあります。それぞれの特徴やメリット・デメリット、費用について解説します。
コンポジットレジン
コンポジットレジン(CR)は、セラミック粒子と合成樹脂を混ぜ合わせた白いプラスチック素材です。ペースト状で用意され歯に合わせて成形したあと、特殊な光を照射して固めます。
さまざまな歯の形状に合わせて修復でき、天然歯に近い見た目を再現することが可能です。
<コンポジットレジンのメリット・デメリット・費用>
メリット | ・歯に直接のせて固められるため、型取りしなくてよい ・歯を削る量が少ないので患者さまの負担が少ない ・天然歯に近い色調なので自然な見た目に仕上がる ・直接詰めることができるので治療期間が短くなる |
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デメリット | ・使用期間が長くなると変色する可能性がある ・強度が低い ・深い虫歯や大きい虫歯、強い力が加わる奥歯の修復には向かない |
費用 | 約1,000~2,000円 |
硬質レジン前装冠
硬質レジン前装冠は、金属のフレームにレジンという白いプラスチック樹脂を張り付けて作られる白い歯です。主に前歯の修復に使用され、保険が適用されます。金属部分には、銀歯と同じパラジウム合金が使用されます。
<硬質レジン前装冠のメリット・デメリット・費用>
メリット | ・表面に白い樹脂が使用されているため、自然に美しく仕上がる ・内部に金属フレームを持つため強度が高い ・強い噛み合わせにも耐えられる |
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デメリット | ・金属アレルギーのリスクがある ・長期間使用すると変色する可能性がある ・奥歯への使用は保険適用外になる |
費用 | 約8,000円 |
CAD/CAM冠
CAD/CAM冠は、歯の形状をスキャンしてコンピュータにデータとして入力し、データをもとにハイブリットセラミックのブロックを機械で削り出される歯です。歯科技工士が介在せず、すべての工程をコンピュータが行うため、コストや治療期間の短縮が可能となります。
<CAD/CAM冠のメリット・デメリット・費用>
メリット | ・白い色調で自然に仕上がる ・金属アレルギーのリスクがない ・天然の歯の硬さに近いため隣接する歯へのダメージが少ない ・プラスチックの歯よりも汚れにくい |
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デメリット | ・セラミックや金属に比べると強度が劣る ・歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は破損のリスクがある ・接着が難しいため安定性が劣る |
費用 | 約6,000円 |
保険適用外の白い歯とは何が違う?
保険が適用される白い歯と保険適用外の白い歯には、さまざまな違いが存在します。詳しく解説します。
材質が違う
保険が適用される人工歯は、使用できる材料を自由に選択できません。代表的な保険適用内の人工歯の材質として、銀歯で知られる歯科用合金やレジンが挙げられます。近年では、プラスチックとセラミックを組み合わせたCAD/CAM冠も、保険適用の範囲に含まれるようになりました。
保険が適用される詰め物や被せ物は、自由診療で使われる高品質な材料と比較すると、素材の性質上、耐久性に劣ることが多いです。時間が経つと劣化しやすく、定期的に交換や修理が必要となるでしょう。
保険が適用される治療は、経済的な負担が軽くなる一方、使用する材料の特性から定期的なメンテナンスや交換が求められます。治療方法を選択する際は、長期的な視点でのメリット・デメリットをしっかりと理解して歯科医師と相談して決定しましょう。
保険適用外では高度な治療を受けられる
健康保険を利用することで、患者さまは治療費の全額を負担することなく、歯科治療を受けることができます。具体的には、治療費の大部分が保険料でカバーされ、患者さまの負担は通常3割です。年齢や所得によっては、1割や2割の負担になることもあるでしょう。
しかし、保険料の総額には上限があります。上限のなかで多くの人々の医療費をまかなう必要があるため、必然的に取り扱える治療や材料にも限界が生じます。
例えば、セラミックやジルコニアセラミックは、非常に高品質で美しく、耐久性にも優れています。
しかし、先進的な材料や技術はコストが高くなるため、健康保険の範囲内での提供が難しく、保険適用外の治療となります。
最先端の治療や高品質な材料を希望する場合、保険適用外の自由診療を選択しなくてはいけません。治療費は全額自己負担となるため、費用や治療の内容について十分に理解し、歯科医師としっかり相談して選択しましょう。
保険適用外の白い歯は種類が豊富にある
自由診療を選択することの最も大きな魅力は、治療方法や材料の多様性にあります。保険診療の場合、取り扱うことができる治療法や材料は保険の範囲内で定められています。範囲外のものを使用することは許されません。
しかし、自由診療では、患者さまのニーズや希望、お悩みに合わせて、最新の技術や材料を取り入れた治療を受けることが可能です。前歯の白い被せ物を例に挙げると、自由診療で使用される材料は、耐久性や見た目の美しさに優れています。
保険適用外の治療では、治療の満足度をより高めることが可能です。治療の過程や結果について患者さま自身が前向きに選択することができるため、治療内容に対する納得感も高まるでしょう。
まとめ
保険が適用される白い歯は、コンポジットレジン・硬質レジン前装冠・CAD/CAM冠の3種類です。今回は、それぞれの特徴や費用を解説しました。
保険が適用されるので費用は抑えられますが、耐久性や強度はセラミックやジルコニアなどの自由診療の白い歯に比べて劣ります。特に、奥歯などの強い衝撃が加わる部分に保険適用の白い歯を使用した場合、破損するリスクが高まります。再治療を繰り返すことで、治療費の総額が増大する可能性や歯の寿命を縮める可能性があるでしょう。
保険適用外の白い歯は治療費がかかりますが、審美性や耐久性が高いなどのメリットがあります。繰り返し治療を受ける可能性を低減できるため、長期的に考えるとコストパフォーマンスがよいといえるでしょう。
安さだけを基準にするのではなく、長期的な視点で考えて、メリットの大きい治療方法を選んでください。自由診療の白い歯は種類が豊富にあるため、検討する場合は歯科医師と相談しましょう。保険適用、保険適用外を問わず、自分に合った治療を選択してください。
保険が適用される白い歯の治療を検討されている方は、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。