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保険が適用される白い歯はある?それぞれの特徴やメリットを解説!

2023年8月25日

こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。

机に置かれた歯の模型と歯科用器具

保険が適用される白い歯は、コンポジットレジン・硬質レジン前装冠・CAD/CAM冠の3種類です。それぞれ材質が異なるため、メリット・デメリットに違いがあります。

今回は、保険が適用される白い歯のそれぞれの特徴やメリットなどを解説します。

保険が適用される白い歯はある?

顎に手を当てて考える女性

近年、保険が適用される白い被せ物の歯は、適用範囲が広がっています。以前は、下顎の6番目の歯に限って、特例として白い被せ物が保険適用されていました。

しかし、2020年4月からは、特例が上顎の6番目の歯にも拡大されました。

6番目の歯で白い被せ物を入れる条件は、7番目の歯が上下左右4本すべて残っていることです。ほかにも噛み合わせに関する条件などがありますが、具体的には診察を受けないと分からないため、歯科医師に相談するとよいでしょう。

また、金属アレルギーのある患者さまは条件を問わず、白い歯を選ぶことができます。金属アレルギーが原因で白い歯を入れる際は、金属アレルギーを証明する診断書が必要です。

保険が適用される白い歯の種類

歯科医院で治療を受ける女性

保険が適用される白い歯は主に3つあります。それぞれの特徴やメリット・デメリット、費用について解説します。

コンポジットレジン

コンポジットレジン(CR)は、セラミック粒子と合成樹脂を混ぜ合わせた白いプラスチック素材です。ペースト状で用意され歯に合わせて成形したあと、特殊な光を照射して固めます。

さまざまな歯の形状に合わせて修復でき、天然歯に近い見た目を再現することが可能です。

<コンポジットレジンのメリット・デメリット・費用>

メリット ・歯に直接のせて固められるため、型取りしなくてよい
・歯を削る量が少ないので患者さまの負担が少ない
・天然歯に近い色調なので自然な見た目に仕上がる
・直接詰めることができるので治療期間が短くなる
デメリット ・使用期間が長くなると変色する可能性がある
・強度が低い
・深い虫歯や大きい虫歯、強い力が加わる奥歯の修復には向かない
費用 約1,000~2,000円

硬質レジン前装冠

硬質レジン前装冠は、金属のフレームにレジンという白いプラスチック樹脂を張り付けて作られる白い歯です。主に前歯の修復に使用され、保険が適用されます。金属部分には、銀歯と同じパラジウム合金が使用されます。

<硬質レジン前装冠のメリット・デメリット・費用>

メリット ・表面に白い樹脂が使用されているため、自然に美しく仕上がる
・内部に金属フレームを持つため強度が高い
・強い噛み合わせにも耐えられる
デメリット ・金属アレルギーのリスクがある
・長期間使用すると変色する可能性がある
・奥歯への使用は保険適用外になる
費用 約8,000円

CAD/CAM冠

CAD/CAM冠は、歯の形状をスキャンしてコンピュータにデータとして入力し、データをもとにハイブリットセラミックのブロックを機械で削り出される歯です。歯科技工士が介在せず、すべての工程をコンピュータが行うため、コストや治療期間の短縮が可能となります。

<CAD/CAM冠のメリット・デメリット・費用>

メリット ・白い色調で自然に仕上がる
・金属アレルギーのリスクがない
・天然の歯の硬さに近いため隣接する歯へのダメージが少ない
・プラスチックの歯よりも汚れにくい
デメリット ・セラミックや金属に比べると強度が劣る
・歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は破損のリスクがある
・接着が難しいため安定性が劣る
費用 約6,000円

保険適用外の白い歯とは何が違う?

二つのチェックボックスを比較して悩む男性

保険が適用される白い歯と保険適用外の白い歯には、さまざまな違いが存在します。詳しく解説します。

材質が違う

保険が適用される人工歯は、使用できる材料を自由に選択できません。代表的な保険適用内の人工歯の材質として、銀歯で知られる歯科用合金やレジンが挙げられます。近年では、プラスチックとセラミックを組み合わせたCAD/CAM冠も、保険適用の範囲に含まれるようになりました。

保険が適用される詰め物や被せ物は、自由診療で使われる高品質な材料と比較すると、素材の性質上、耐久性に劣ることが多いです。時間が経つと劣化しやすく、定期的に交換や修理が必要となるでしょう。

保険が適用される治療は、経済的な負担が軽くなる一方、使用する材料の特性から定期的なメンテナンスや交換が求められます。治療方法を選択する際は、長期的な視点でのメリット・デメリットをしっかりと理解して歯科医師と相談して決定しましょう。

保険適用外では高度な治療を受けられる

健康保険を利用することで、患者さまは治療費の全額を負担することなく、歯科治療を受けることができます。具体的には、治療費の大部分が保険料でカバーされ、患者さまの負担は通常3割です。年齢や所得によっては、1割や2割の負担になることもあるでしょう。

しかし、保険料の総額には上限があります。上限のなかで多くの人々の医療費をまかなう必要があるため、必然的に取り扱える治療や材料にも限界が生じます。

例えば、セラミックやジルコニアセラミックは、非常に高品質で美しく、耐久性にも優れています。

しかし、先進的な材料や技術はコストが高くなるため、健康保険の範囲内での提供が難しく、保険適用外の治療となります。

最先端の治療や高品質な材料を希望する場合、保険適用外の自由診療を選択しなくてはいけません。治療費は全額自己負担となるため、費用や治療の内容について十分に理解し、歯科医師としっかり相談して選択しましょう。

保険適用外の白い歯は種類が豊富にある

自由診療を選択することの最も大きな魅力は、治療方法や材料の多様性にあります。保険診療の場合、取り扱うことができる治療法や材料は保険の範囲内で定められています。範囲外のものを使用することは許されません。

しかし、自由診療では、患者さまのニーズや希望、お悩みに合わせて、最新の技術や材料を取り入れた治療を受けることが可能です。前歯の白い被せ物を例に挙げると、自由診療で使用される材料は、耐久性や見た目の美しさに優れています。

保険適用外の治療では、治療の満足度をより高めることが可能です。治療の過程や結果について患者さま自身が前向きに選択することができるため、治療内容に対する納得感も高まるでしょう。

まとめ

鏡で歯並びを見て笑う女性

保険が適用される白い歯は、コンポジットレジン・硬質レジン前装冠・CAD/CAM冠の3種類です。今回は、それぞれの特徴や費用を解説しました。

保険が適用されるので費用は抑えられますが、耐久性や強度はセラミックやジルコニアなどの自由診療の白い歯に比べて劣ります。特に、奥歯などの強い衝撃が加わる部分に保険適用の白い歯を使用した場合、破損するリスクが高まります。再治療を繰り返すことで、治療費の総額が増大する可能性や歯の寿命を縮める可能性があるでしょう。

保険適用外の白い歯は治療費がかかりますが、審美性や耐久性が高いなどのメリットがあります。繰り返し治療を受ける可能性を低減できるため、長期的に考えるとコストパフォーマンスがよいといえるでしょう。

安さだけを基準にするのではなく、長期的な視点で考えて、メリットの大きい治療方法を選んでください。自由診療の白い歯は種類が豊富にあるため、検討する場合は歯科医師と相談しましょう。保険適用、保険適用外を問わず、自分に合った治療を選択してください。

保険が適用される白い歯の治療を検討されている方は、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。

歯の被せ物の種類と選び方、治療の流れを解説!

2023年7月28日

こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。

歯科治療で被せ物をしている歯

歯の被せ物の種類は、主に金属・プラスチック・セラミックに分けられます。それぞれの素材を組み合わせた被せ物も存在するため、選択に迷う方もいるでしょう。

今回は、歯の被せ物の種類と選び方、治療の流れを解説します。

歯の被せ物とは

顎に手を当てて考える女性

歯の被せ物とは、一般的にクラウンともよばれ、一部や全体が欠損した歯を修復するための治療法の一つです。具体的には、虫歯による大きな欠損、歯の割れや折れ、歯周病による歯根の露出など、歯の形状を回復するために被せるものを指します。

被せ物には、金属や陶器(セラミック)、金属と陶器を組み合わせたメタルボンド、最近では金属を使用しないオールセラミックやジルコニアなどの素材が用いられています。素材は、欠損の程度や被せる部位、患者さまの噛み合わせの状態、経済的な要素などによって選択されるでしょう。

被せ物による治療は、歯を長期間保護し、見た目の美しさを保つために重要な方法です。

しかし、被せ物が必要となるほど歯が損傷する前に、定期的な検診と口腔ケアに努め予防することが理想的です。

歯の被せ物の種類

歯の模型を持って患者に説明する女性

歯の被せ物には多くの種類が存在します。それぞれの特徴や費用相場は、以下のとおりです。

硬質レジンジャケット冠

硬質レジンジャケット冠は、硬質レジンとよばれる歯科用のプラスチック材料で作られる歯の被せ物です。硬質レジンは自然な見た目から広く使用されていましたが、ほかの被せ物に比べて強度に欠けるため、近年ではあまり使用されません。

<硬質レジンジャケット冠のメリット・デメリット・費用>

メリット ・費用が安い
・金属アレルギーの心配がない
デメリット ・すり減りやすい
・歯垢が付着しやすく二次虫歯のリスクが高い
・変色しやすい
・奥歯は保険が適用されない
費用 約3,000~5,000円

硬質レジン前装冠

硬質レジン前装冠は、金銀パラジウム合金などの金属の上に白いレジン(歯科用プラスチック)を貼り付けた歯の被せ物です。前歯の被せ物として保険適用で広く用いられています。

<硬質レジン前装冠のメリット・デメリット・費用>

メリット ・費用が安い
デメリット ・金属アレルギーのリスクがある
・歯や歯茎が変色するリスクがある
・奥歯は保険が適用されない
費用 約5,000~8,000円

銀歯

銀歯は、金銀パラジウム合金やニッケルクロム合金などの金属で作られるのが一般的です。前から6番目以降の歯は保険が適用されます。

<銀歯のメリット・デメリット・費用>

メリット ・強度が非常に高い
・費用が安い
デメリット ・見栄えが悪い
・金属アレルギーのリスクがある
・歯や歯茎や変色する可能性がある
費用 約5,000~15,000円

オールセラミック

オールセラミックは、すべてがセラミック素材で作られた歯の被せ物です。見た目の美しさや自然さを重視する方にとって、理想的な選択でしょう。透明感があり、自然の歯と変わらない質感や色味を再現できることが大きな特徴です。

<オールセラミックのメリット・デメリット・費用>

メリット ・金属アレルギーの心配がない
・生体適合性が高い
・耐久性が高いため長期間使用できる
デメリット ・歯の削る量が多い
・製作に高度な技術が必要になる
・衝撃に弱く奥歯には向かない
費用 約80,000~220,000円

メタルボンド

金属の上にセラミックを貼り付けたものが、メタルボンドです。自然で美しい見た目なので、審美性を重視する方に適しています。

<メタルボンドのメリット・デメリット・費用>

メリット ・変色のリスクが低い
・強度が高くほとんどの歯に使用できる
デメリット ・金属アレルギーのリスクがある
・歯や歯茎の変色リスクが高い
・色や質感がオールセラミックに劣る
・加齢などで歯茎が痩せると、歯と歯茎の間から金属が見える
費用 約80,000〜150,000円

ジルコニアセラミック

ジルコニアセラミックは、内部にジルコニアを使用し、外側にセラミックを付けた被せ物です。金属を一切使用しないため、金属アレルギーや歯・歯茎の変色などのリスクを軽減できます。また、強度が高いため、奥歯の被せ物やブリッジとしても使用可能です。

ジルコニアの大きな特徴はマスキング効果で、土台に金属を使った場合でも色が透けません。セラミックのみの被せ物よりも自然に美しく仕上がります。

<ジルコニアセラミックのメリット・デメリット・費用>

メリット ・自然で透明感のある白さに仕上がる
・割れにくい
・金属アレルギーの心配がない
デメリット ・歯の削る量が多い
・セラミック部分が割れることがある
費用 約130,000〜180,000円

ゴールド

ゴールドは、金合金や、金にプラチナを加えた白金加金などの生体親和性の高い貴金属で作られた被せ物です。銀歯と比べると色が明るいため、あまり目立ちません。白くはないため、一定の存在感はあります。金合金よりも白金加金のほうが、色調や適合性がよいとされています。

<ゴールドのメリット・デメリット・費用>

メリット ・強度が高くどの歯にも使用できる
・適合性がよく二次虫歯になりにくい
・金属アレルギーのリスクが低い
デメリット ・目立つ
費用 約120,000~150,000円

歯の被せ物の選び方

体の横を指さして笑う女性

歯の被せ物を選ぶ際は、4つの基準を参考にするとよいでしょう。

審美性

「人工歯を入れていることを気づかれたくない」「見た目にこだわりたい」という方には、セラミック系の人工歯は理想的な選択といえるでしょう。セラミック系の人工歯は自由診療なので、費用が高額です。

オールセラミックの人工歯は、色調などの再現性に優れ、自然の歯に最も近い見た目を再現できます。

しかし、耐久性が劣るので注意が必要です。特に噛みしめが強い奥歯に使用する場合、長期間の使用には向きません。

見た目の美しさと耐久性をバランスよく求めるのであれば、ジルコニアセラミックやメタルボンドを検討するとよいでしょう。ジルコニアセラミックは見た目が美しく強度もあるため、奥歯の被せ物にも適しています。

メタルボンドは、金属の強度とセラミックの美しさを兼ね備えた被せ物です。被せ物の裏側に金属が見える可能性がある点には注意してください。

耐久性

耐久性が高いということは、長期間安心して使用できるということです。修復の頻度が減るため、経済的な負担も減るでしょう。

耐久性が高い素材として挙げられるのが、ジルコニアセラミックとゴールドです。ジルコニアセラミックは人工ダイヤモンドを使用した素材で強度が非常に高く、奥歯の被せ物にも使用できます。

ゴールドは金合金を使用した素材で生体親和性が高く、耐久性にも優れています。特に強度が求められる場合や、長期間の使用が見込まれる場合に適しているでしょう。色が金色なため、審美性には優れません。

金属アレルギーのリスク

金属アレルギーは、身体が金属に対して過敏な反応を示し、炎症や発疹などの症状を引き起こす疾患です。歯科治療で使用される金属の種類は多いので、特にアレルギーがある方は、被せ物の素材選びに注意が必要です。

ゴールドは、生体親和性が高く、アレルギー反応が起こりにくいとされていますが、すべての方がアレルギーを発症しないとは限りません。金属アレルギーは突然発症することもあるので、現状アレルギーがないから今後も症状が出ないわけではありません。

金属アレルギーからくるトラブルを避けるには、金属を一切使用しないセラミック系の被せ物などを選びましょう。

予算

予算が限られている場合やとにかく費用を抑えたい方は、保険適用の銀歯(金銀パラジウム合金)や硬質レジンの人工歯を選ぶとよいでしょう。銀歯などは一般的に保険適用なので、1本あたり数千円程度です。自由診療の人工歯に比べて費用を抑えられます。

しかし、安価な被せ物は、材質や強度、アレルギー性などに一定のデメリットが存在します。レジンは強度が低く、長期的な使用には向いていません。金銀パラジウム合金は、金属アレルギーを引き起こす可能性があるなどの問題があります。

予算だけでなく、材質の特性やご自身の生活習慣、健康状態などを考慮して、適切な被せ物を選ぶことが重要です。

歯の被せ物治療の流れ

歯科医院で治療を受ける女性患者

歯の被せ物治療の流れは、以下のとおりです。

通常は数回の通院が必要で、被せ物の作成には1週間程度かかります。全体の治療期間は1か月程度と考えるとよいでしょう。

虫歯除去・根管治療

まずは虫歯部分を取り除き、必要であれば根管治療を行います。根管治療は、感染した歯の内部組織、歯髄の清掃・除去を行う処置のことです。

根管充填

根管治療を行った場合、消毒した根管内に薬の詰め物をします。細菌の侵入と増殖を防ぎ、歯の根部を補強するのです。

土台(コア)作り

歯髄を除去した歯は強度が落ちるため、しっかりとした土台を作ります。補強することで、被せ物が外れにくくなるでしょう。

型取り・色合わせ

シリコーンゴムやアルジネートなどの印象材を使って歯の型を取り、歯科技工士が被せ物を作成します。白い素材を選択した場合は、自然な見た目を保つために周囲の歯と色を合わせるのが一般的です。

被せ物の装着

完成した被せ物を実際に装着します。噛み合わせや装着感を確認し、問題がなければ接着剤で固定して治療は完了です。

まとめ

歯科医院で治療を受ける女性患者

歯の被せ物には金属・プラスチック・セラミックなど、さまざまな種類が存在します。それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なり、費用にも大きな差があります。被せ物を選ぶ際は、審美性・耐久性・金属アレルギーのリスク・予算を考慮しましょう。金属アレルギーがある方は、金属を使用した被せ物は向きません。見た目にこだわりたい方は、セラミック素材が選択肢に挙がるでしょう。

被せ物のなかには安価なものもありますが、デメリットも多いです。安さだけで判断せず、長期的な視点で考えて自身に適したものを選びましょう。どの素材を選択するべきかわからない方は、歯科医師に相談してください。

歯に被せ物をすることを検討されている方は、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。