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インプラント治療の3つのリスクと回避方法を詳しく解説!

2023年10月20日

こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。

リスクと書かれた木のブロック

インプラントは、欠損した歯を取り戻すための治療方法として広く知られています。

しかし「インプラントって具体的にどのような治療法なの?」「インプラント治療にリスクはあるの?」などの疑問を持っている方も少なくないでしょう。

今回は、インプラント治療の特徴やリスク、リスクを最小限にする方法を解説します。ぜひ最後までご覧ください。

インプラント治療とは?

インプラント治療の説明

インプラントとは、欠損した歯の代わりに、顎の骨に人工歯根を埋め込み、人工歯を取り付ける治療法を指します。ブリッジや入れ歯と同じく、失った歯を補うために行われる治療です。

インプラント治療の大きな特徴として、実際の歯根を模した人工歯根を骨に組み込むことで、自然な感触や噛み心地を実現できる点が挙げられます。ブリッジや入れ歯と大きく異なるメリットでしょう。

インプラント治療のメリット

インプラント治療には、さまざまなメリットがあります。3つのメリットをご紹介します。

自然に会話・食事ができる

インプラント治療は、人工歯根を顎の骨に固定することで、天然歯のようにしっかりと噛めることが最大の特徴です。そのため、インプラントを使用した歯は、見た目だけでなく機能性においても天然歯に非常に近いです。まるで自分の歯のような使用感を得られるでしょう。

違和感なく会話や食事をできるので、より快適な生活を追求したい方には、インプラント治療は非常に適した選択肢といえます。

審美性に優れた歯が手に入る

インプラント治療では、セラミックやジルコニアを用いた人工歯が主に使用されます。天然歯の色や質感に非常に近いため、見た目が自然で美しいです。セラミックやジルコニアは耐久性や耐摩耗性にも優れているため、長期間の使用にも適しています。

一方、入れ歯の場合は、笑った際に金具が目立つなどのデメリットがあります。

自然な見た目を重視する方や、日常生活での違和感を最小限に抑えたい方は、インプラント治療を選択するケースが増えているのです。

天然歯への影響が少ない

インプラント治療の場合は隣接する歯にダメージや負担を与えることなく、歯の欠損部分だけを治療することが可能です。

ブリッジを使用する場合、隣接する健全な歯を削って支えとして使用する必要があるため、土台となる歯には一定の負担がかかります。入れ歯も継続的に使用すると、顎の骨や歯茎を圧迫する可能性があります。

インプラントの場合は周りの歯を支えにすることなく独立して治療できるため、健全な歯に負担をかけることがありません。長期間の快適な使用を期待する場合、インプラント治療が推奨されることが多いです。

インプラント治療の3つのリスク

インプラント治療のリスクイメージ

メリットの多いインプラント治療ですが、リスクもあります。インプラント治療の3つのリスクを確認しましょう。

歯周病菌への感染リスク

口内環境が悪い状態が続くと、インプラント周囲の歯肉に炎症が起きます。症状が進行すると、インプラントを固定している骨が破壊されます。

骨が減少すると、インプラントの安定性が失われ、最終的にはインプラントが抜け落ちる可能性があるのです。一度骨が溶けた場合、骨移植を行うなどして骨の量を増やし、再びインプラントを安定させる必要があります。

インプラントが抜け落ちるリスク

インプラントが抜け落ちる、顎の骨を突き抜けるなどの症例があります。主な原因は、骨の密度や量が足りないことです。

骨の健康状態を正確に把握できていない状態でインプラントを行うと、問題が生じるリスクがあります。

金属アレルギーが起きるリスク

インプラント治療には、金属アレルギーのリスクが伴います。金属アレルギーは、金属が汗と反応してイオン化した際に発生することが多いです。

金属がアレルギーを引き起こすわけではありません。インプラントには、主にチタンという金属が使用されています。チタンはイオン化しにくいため、アレルギーのリスクは低いといわれています。

しかし、まれにチタンアレルギーの方もいるため、治療を受ける前にアレルギーリスクを考慮することが大切です。

インプラント治療のリスクを回避するための方法

インプラント治療の説明

インプラント治療のリスクを回避するための方法をご紹介します。

日々の口腔ケアを丁寧に行う

歯周病を発症すると、インプラントを固定している顎の骨が失われるリスクが高まります。そのため、日常の口腔ケアが非常に重要です。

食後の歯磨きを欠かさず行い、清潔な口内環境を保ちましょう。

しかし、歯周病の予防には歯磨きだけでは不十分です。定期的なメンテナンスとして医療機関を受診し、入念にケアしてもらってください。

事前に骨の状態を把握する

骨密度や骨量が不足している状態でインプラントを埋入すると、インプラントが抜け落ちるリスクがあります。施術前には、骨の健康状態をしっかりと確認しましょう。

通常、レントゲン検査や歯科用CTでの検査が行われます。

事前にパッチテストを受ける

チタンアレルギーを持つ人がインプラント治療を受けると、アレルギー反応がでることがあります。治療前に、ご自身がチタンに対してアレルギーがないかを確認することが重要です。

アレルギーがないか確認する方法として、パッチテストが行われます。

インプラント治療が向かない人

待ったのポーズをする女性医師

人によっては、インプラント治療が向いていない場合があります。

インプラントが向かない人の特徴は、以下のとおりです。ご自身にインプラントが向いているのかを判断する際の参考にしてください。

骨粗鬆症の人

骨粗鬆症の人は、骨密度が低いです。骨密度が低い状態でインプラント治療を受けると、インプラントが抜け落ちる、骨を突き抜けるなどのトラブルが起きる可能性があります。

そのため、骨粗鬆症の人には、インプラント治療は行えないでしょう。

糖尿病の人

糖尿病の人は血糖値が高くなる傾向があり、傷の治りが遅くなることが知られています。そのため、インプラント治療は避けたほうがいいでしょう。

ただし、血糖値をコントロールできている場合は、医師や歯科医師と相談したうえで治療を検討できます。

顎の骨が弱くなっている人

歯周病によって骨が溶けている人や、歯が欠損している期間が長かったことで骨が吸収されて弱くなっている人は、直接的なインプラントの埋入が難しい場合があります。

骨の量を増やし厚みを持たる骨造成手術を行えば、インプラント治療を受けられることもありますが、手術の際は体に大きな負担がかかるでしょう。歯科医師とよく相談し、骨造成手術を行うのか、インプラント治療を断念するのかを決める必要があります。

セルフケアができない人

インプラントの治療後、口腔内のケアが不十分だと、炎症のリスクが増加します。インプラントを支える顎の骨が溶けるかもしれないので、セルフケアができない人にはインプラント治療は向いていません。

禁煙できない人

禁煙できない人は、インプラント治療は向いていません。タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる効果があり、治療部位への血流が低下するためです。傷の治りが遅くなり、インプラントの成功率が下がる可能性があります。

喫煙は免疫系に悪影響を与え、感染リスクが増加します。インプラント周囲の炎症や感染を引き起こす可能性が高まるでしょう。

また、インプラントが骨としっかりと結合するためには、良好な血流と健康な組織が必要です。喫煙すると血流が低下し、歯茎などの健康にも悪影響を与えます。そのため、インプラント治療を希望するのであれば喫煙の習慣を改善する必要があるでしょう。

まとめ

歯科衛生士

インプラント治療には多くのメリットがあり、天然歯に近い見た目や噛み心地を得られます。

しかし、治療にはリスクも伴います。リスクをしっかりと理解したうえで、治療を受けることが重要です。リスクを知らずに治療を受けると、問題の初期症状に気づけず、深刻な症状を引き起こす可能性があるでしょう。

また、インプラント治療が適していない方もいらっしゃいます。例えば、骨粗鬆症や糖尿病の方などは、治療の適応を慎重に検討する必要があるでしょう。

インプラント治療のメリットだけでなくリスクも考慮し、最適な判断を下すことが大切です。

インプラント治療を検討されている方は、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。

インプラント手術中・手術後の痛みは?手術後の過ごし方と対処法!

2023年9月19日

こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。

インプラントの模型を使って説明する女性

インプラントは、高い機能性と審美性を兼ね備えているため非常に人気の治療法です。

しかし、歯茎の切開など外科手術が必要となり、痛みや腫れが伴います。インプラント治療を検討する際、手術の痛みに不安を覚える方も少なくないでしょう。

今回は、インプラント手術における痛みや術後の過ごし方、痛みの対処法について詳しく解説します。インプラント治療を受けようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

インプラント手術中は痛みを感じる?

インプラント手術を行う女性医師

インプラント手術では、手術前に局所麻酔を行います。手術の最中に痛みを感じることはありません。

ただし、局所麻酔はインプラントを埋入する部位のみに麻酔が効いている状態です。意識はある状態なので、機械音や骨を削るときの振動は感じられます。不安や恐怖感が増大する可能性はあるでしょう。

不安や緊張は、急な血圧の上昇やショック状態を引き起こすリスクがあります。手術中の体調の変化が起こりやすい方の特徴は、以下のとおりです。

・歯科治療への不安が強い方

・過去に歯科治療中に具合が悪くなったことのある方

・ふだんから血圧が高い方

上記のような方は、事前に歯科医師に相談しましょう。

痛みやストレスを軽減する方法

痛みへの不安が強い方は、事前に歯科医師に相談することで対応してもらえます。

麻酔の注射に対して、苦手意識や恐怖感を抱く方もいるでしょう。できるだけ細い針を使用する、麻酔薬を常温にするなど、麻酔注入時の痛みを軽減する方法があります。

歯科治療への不安が強い方の場合、鎮静剤を使用することがあるでしょう。寝付く前のようなウトウトした状態で治療を受けられるため、不安や緊張を軽減できます。

鎮静剤は静脈内に入れるため、全身管理が必要です。すべての歯科医院で対応できるわけではないので、あらかじめ確認しましょう。

インプラント手術後に痛み・腫れはある?

歯の痛みを耐えて顎を抑える女性

インプラント手術では、歯茎を切開して顎の骨を削るため、術後に痛みや腫れが生じます。痛みの程度は個人差があるものの、術後4~5日程度で落ち着く場合が多いです。

麻酔が切れた頃から痛み始め、徐々に回復するのが一般的です。術後は処方された痛み止めを服用して、痛みをコントロールしましょう。

手術した部分の腫れは、早い人なら2~3日程度で落ち着きます。長くても1~2週間で落ち着くでしょう。痛みが悪化する場合や、長く続く場合は何らかの問題が起きている可能性があるので、歯科医師に相談しましょう。

手術による内出血で、顔の一部が紫色になることがあります。次第に治るので、基本的には心配いりません。

インプラント手術後に痛み・腫れが出やすいケースは、以下のとおりです。

・インプラントの埋入本数が多い

・埋入と同時に骨移植を行った

・埋入と同時に歯茎の移植を行った

・抜歯直後にインプラントの埋入を行った

大きく腫れて、本当に落ち着くのか不安になることもあるかもしれません。特に問題がなければ腫れは徐々に引いていくので、過度に心配する必要はないでしょう。

術後、時間が経過してから痛みが出ることもある

術後の痛みは徐々に落ち着くのが一般的ですが、あとから痛み出すケースがあります。

人工歯を入れてから痛む

インプラントの上部構造(人工歯)を入れてから、痛むことがあります。噛み合わせの高さや隣の歯に干渉していることで痛む場合が多いです。

人工歯のサイズや高さを調整することで、改善できるでしょう。

術後数年経ってから痛む

術後数年経ってから、インプラント部分が痛むことがあります。インプラント周囲炎になっている可能性が高いです。

インプラント周囲炎とは、インプラントを支える歯周組織が炎症を起こしている状態を指します。インプラントの歯周病ともいわれます。

インプラントは天然歯に比べて抵抗力が低いため、術後の定期的なメンテナンスや丁寧なセルフケアを怠ると、リスクが高まるでしょう。軽度の場合は歯科医院で歯周病の治療を受ければ改善できます。重度の場合は、インプラントを残すことが難しくなるかもしれません。

インプラント手術後はどのように過ごす?

治療後に鏡で自分の歯を確認する女性

インプラント手術後の過ごし方は、以下のとおりです。

薬を指示どおりに服用する

術後は、痛み止めと抗生物質(化膿止め)が処方されます。それぞれ歯科医師の指示どおりに服用しましょう。

特に抗生物質は、術後の傷の治りに影響します。必ず指示どおりに飲み切ってください。

血行がよくなる行為を控える

血行がよくなると、出血や痛みの原因になります。術後は、激しい運動や飲酒を控えましょう。血行がよくなると傷の治りが遅くなり、インプラントと骨の結合が遅くなることにもつながります。

術後2~3日は湯船に浸からずシャワーで済ませる、術後1週間程度は激しい運動と飲酒を控えるなど、注意して過ごさなければいけません。

手術した部分で噛まない

術後1か月は、手術した部分とは反対側の歯で噛みましょう。インプラントと骨が結合するには1か月程度かかるため、この間に不必要な負荷をかけないことが大切です。

セルフケアを徹底する

口内が不潔になると、手術部位が細菌感染を起こす可能性があります。細菌に感染すると、インプラントがうまく結合できないでしょう。

手術部位を直接歯ブラシで磨くのは避けたほうがよいですが、ほかの歯はしっかりと磨いてください。フロスや歯間ブラシなども併用して、清潔に保ちましょう。

喫煙しない

喫煙は、インプラントの成功を妨げる大きな原因になります。可能であれば、術後は禁煙しましょう。

喫煙すると血行が悪くなるため、傷の治りが遅くなります。化膿する、インプラントと骨がうまく結合しないなど、トラブルにつながるかもしれません。

インプラント手術後の痛み・腫れへの対処法

歯科医院でタブレットを用いて説明する男性

インプラント手術後の痛み・腫れへの対処法は、以下のとおりです。

安静に過ごす

インプラントの手術後は、口内をケガしたような状態です。まずは、安静に過ごしましょう。

激しい運動や熱い湯船に浸かる、飲酒するなど、血行をよくする行為は避けてください。痛みや出血を悪化させる可能性があります。

患部を冷やす

腫れがひどい場合、頬から冷やすことが有効です。氷などを使って冷やしすぎるのは、傷の治りを悪くするので避けてください。冷えピタや、水で濡らしたタオルで冷やしましょう。

腫れは傷が治る過程で発生する正常な反応なので、過度に心配する必要はありません。

歯科医師に相談する

痛みや腫れが強い・長引くときは、歯科医師に相談しましょう。手術部位の感染や、ほかの歯の影響で痛む・腫れる症状が出ている可能性があります。

抜糸後も痛みが続く場合や、痛み止めを飲んでも我慢できないほどの痛みがある場合、術後24時間以上出血が止まらない場合などは、何らかの問題が起きているかもしれません。早急に対応する必要があるので、歯科医院を受診して相談してください。

まとめ

レントゲン写真を指して説明する男性歯科医師

インプラントの手術中は、麻酔が効いているためほとんど痛みを感じません。術後1週間程度は、痛みや腫れがあるでしょう。

痛みや腫れは、薬の服用である程度コントロールできます。術後は激しい運動や飲酒を控えるなど、気をつけて過ごしましょう。

インプラント治療に伴う痛みが心配な方は、あらかじめ歯科医師に相談してください。細い針で麻酔を行う、鎮静剤を使用するなど、適切に対応してもらえます。

インプラント治療を検討されている方は、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。