Yearly Archives: 2020

インプラント治療【フラップレス手術法】

2020年10月21日

10月になってだんだん寒くなってきて、秋本番という感じがします。

秋と言えば、読書の秋、食欲の秋など、いろいろな秋がありますが、
みなさんは、どうお過ごしでしょうか。

本日は、インプラント手術の中の「フラップレス手術」についてお話します。

フラップレス手術とは、別名「無切開手術法」ともいわれております。

従来のインプラント手術法は、インプラントを埋入する部位の歯肉を切開、剥離します。
そして、インプラント体を埋め込んで、切開した部位を縫合するという方法です。

最近では、CTなどによって、骨の厚み、骨質など、しっかり診断できるようになりました。
これによって、歯肉を切開、剥離しないで行う「フラップレス手術」を行うこともあります。

ただ、この方法は、骨量の豊富な症例には適応できますが、骨量が少ない方には適用できません。

【フラップレス手術の長所】
(1)患者さんへの負担が少ない(歯肉の切開・剥離を行わないため)
(2)術式が簡単
(3)手術時間が短い

当院では、5割ほどの方が、この「フラップレス手術法」でインプラント治療を行っています。

また、術後の痛みや腫れも少ないため、治療回数も少なくなります。

インプラント手術法には、いろいろな手法があります。
インプラント治療を行う場合は、CTでしっかりと診断し、
その方に適した術式を選択する必要があります。

少しずつではありますが、インプラント治療も年々変化しています。

インプラント治療に興味のある方は、お気軽にご相談ください。

院長 山根

抜歯即時のインプラント法

2020年10月13日

10月になってだいぶん秋らしい季節になってきたように思います。
体調には十分気を付けていきたいと思います。

先日、インプラント治療を行いました。
その中で抜歯を行い、その後すぐにインプラントを埋入を行った症例がありました。
本日は抜歯即時インプラント法についてお話しします。

通常インプラント治療は抜歯してから3ヶ月~6ヶ月など待って、歯肉や歯槽骨の回復を待ってから行いますが、抜歯即時インプラント法は抜歯した日にインプラントを埋入する手術法のことを言います。

抜歯埋入法利点
・抜歯とインプラント手術を同時に行うので、手術回数が少なく患者さんの負担が少ない
・治療期間が短い
・抜歯後すぐにインプラントを埋入するので、歯茎を切開したり剥離したりすることが少ないので、治療後の痛みが少なく済む

抜歯埋入法欠点
・歯周病が進行している人や骨の量があまりない方は適応外です
・抜歯窩の感染が綺麗に取り除いていない場合、インプラント体そのものが感染源になる(感染リスクが高い)

抜歯即時インプラント法は、患者さんへの負担が少なくなる一方、どんな患者さんにも適応出来る手術ではありません。
特に骨量が少ない人や歯周病の著しい人には対応できません。
インプラント手術は、だんだん進歩しています。
ただ適応症例かですが、しっかりと診断を行わないと失敗につながります。
インプラント治療においては、診査、診断が重要です。
もし、インプラントに興味のある方は気軽にご相談ください。

院長 山根

6歳臼歯の特徴と予防

2020年10月10日

10月になってだいぶん寒くなってきました。
風邪を引かないよう注意したいと思います。

本日は6歳臼歯についてお話します。

6歳臼歯は、5歳から8歳ぐらいに乳歯の奥に生えてくる永久歯です。
上下左右に1本ずつ計4本生えてきます。
6歳臼歯は永久歯の中で最も嚙む力が強く、食べ物を嚙み砕くのに重要な歯です。
この歯が抜けてしまうと歯並びや噛み合わせが悪くなり、思うように食べ物を噛み砕くことが出来なくなります。
また、上下の歯の正しい噛み合わせを決める重要な歯です。
ただ気をつけなければならないことは、生え始めの6歳臼歯は虫歯になりやすいです。

理由は、
➀乳歯の一番奥に生えてくるので気が付きにくい
➁乳歯の奥に生えてくるため、歯みがきがしにくい
➂6歳臼歯は噛み合わせの溝が深いので食べ物がたまりやすい
➃生えてすぐの歯はとても歯の質が弱く、虫歯になりやすい
(歯の表面は生えてから2年くらいかけて強くなる)
以上のことが挙げられます。

5歳から8歳ぐらいの子どもの場合、本人のケアだけでは6歳臼歯を虫歯から予防することは困難だと思います。
ぜひ保護者の方が協力して、仕上げ磨きをしてください。
当院では、ブラッシング指導やフッ素塗布、溝が深い場合はシーラントなど行い虫歯の予防をしています。
何かあればいつでもご相談ください。

院長 山根

象牙質知覚過敏症について

2020年10月3日

今年も10月になり、さと3ヶ月になりました。
皆さんはどうお過ごしでしょうか。

当院では、知覚過敏で歯がしみるということで来院される患者さんが増えてきています。
本日は知覚過敏についてお話しします。

知覚過敏の大きな症状として、
➀冷たいものがしみる
➁甘いものを食べるとしみる
➂歯ブラシをしているとしみる
などが挙げられます。

治療法として、
➀正しいブラッシング法を行う
ブラッシングを行うとき、強い力で磨くとくさび状欠損が出来てしまい、知覚過敏が起こります。なのでブラシ圧は弱くして磨くことが良いと思います。
➁知覚過敏症予防歯磨き粉を使う
知覚過敏予防の歯磨き粉には硝酸カリウムという薬用成分が含有し、その成分によって歯の表面に膜を張り、知覚過敏を軽減させることができます。
➂フッ素やコーティング剤の塗布
➃レーザーを当てる
レーザーを当てることによって、歯の神経に対して安静にする作用がありますので、知覚過敏症にはかなり効果が期待できます。
知覚過敏症は軽い症状の場合は上記の方法で治りますが、重症化すると抜髄(歯髄処置)をしなければなりません。
知覚過敏症も軽症なうちに治療を行う必要があります。
何か気になることがあればいつでもご相談ください。

院長 山根

妊娠と歯周病の関係

2020年9月28日

9月ももう少しで終わります。
だいぶん涼しくなり、秋の気配が感じさせる日々が続いています。

妊娠中の歯周病についてお話します。
当院には妊婦の方がたまに来院されます。
その多くは歯ブラシ中に歯茎から出血が出るけど大丈夫ですか?と質問されます。
一般的に妊娠中の方は歯肉炎や歯周病になりやすいです。
その原因は大きく分けて2つの原因があります。

一つ目は妊娠するとつわりになる方がいます。
つわりになると口の中に歯ブラシを入れて、ブラッシングを丁寧に行うことが困難になります。
そのためプラークが口腔内の中に多く残り、歯周炎を起こしてしまいます。
また、つわりにより食生活のバランスが悪くなり、食物残渣が口腔内に残ることによって歯周病が起こりやすくなります。

二つ目はホルモンバランスの変化です。
妊娠中はエストロゲンという女性ホルモンが増えてきます。
エストロゲンは歯周病の原因菌の増殖を促し、歯周病を悪化させてしまいます。
ですから、妊娠中は歯周病になる方が多いです。

当院では、妊娠中の方への歯周病予防として3つのことを勧めています。
・体調の良いときに歯を磨く
 歯ブラシが入れにくいときは子ども用の小さめな歯ブラシを使うと良いかもしれません。
・ガムを噛む
 キシリトールの含むガムを嚙むことによって唾液の分泌が促され、歯周病予防になります。
・定期的に歯科医院で歯石除去(スケーリング)を行う
 特に歯みがきが辛い場合はなかなかプラークを除去することができないため、機械的にプラークを除去することによって、歯周病予防することができます。
その他、口腔内において気になることがあれば、気軽に相談してください。

院長 山根

CAD/CAM冠

2020年9月19日

最近気温が下がり、だいぶん過ごしやすくなってきました。

本日はCAD/CAM冠についてお話します。
CAD/CAM冠は数年前から医療保険の適用になりました。
2014年から上下顎の小臼歯、最近では上下顎の第一大臼歯が条件付きで保険適用になりました。
それまでは臼歯と言えば銀歯(FCK)で、白い冠に希望する場合は保険外の冠にしなければなりませんでした。
では、CAD/CAM冠とは一体どういう冠なのでしょうか。
簡単に説明すると、コンピュータでデザインし、コンピュータを使用して制作する冠です。
なので銀歯(FCK)と比べて精密に出来ています。

CAD/CAM冠の利点
➀歯に類似した白色の冠なので審美的に良い
➁金属を使用していないのでアレルギーが起こりにくい
➂コンピュータで作製するので精密である

CAD/CAM冠の欠点
➀銀歯と比べて強度が弱い
➁長い時間が経つと変色が起こり、黄ばんでくる

などが挙げられます。
ただずいぶん前になりますが、当院では小臼歯においてどうしても保険適用内で白い冠にしてほしいと言われたとき、ジャケット冠を使用したことがあります。
ジャケット冠に比べると、かなり強度が増して破折しにくいように思います。
最近では患者さんがCAD/CAM冠を希望するケースが多くなりました。
ただ、歯の食いしばりや歯ぎしりをする患者さんは破折する可能性が高いので、銀歯をお勧めします。
精密で強度もあり、審美的にも良い冠を希望する場合は保険外の冠(ジルコニア)が良いと思います。

院長 山根

口内炎

2020年9月11日

最近暑い日が続きますが、朝方と夕方からはだいぶん涼しくなり過ごしやすくなりました。

本日は口内炎についてお話します。

口内炎とは、口腔内の口唇、頬、舌の粘膜に起こる炎症です。
【原因】
➀義歯の不適合
➁歯ブラシによる傷
➂栄養不足
➃生活習慣の乱れ
などが挙げられます。

【予防法】
➀義歯が不具合ある場合、早めに義歯の調整する
➁歯ブラシによる傷であれば、正しいブラッシング法をマスターする。
また、歯ブラシにおいては自分に合った歯ブラシの大きさを使用します。
➂➃に関しては体調管理(規則正しい生活、バランスのよい食事をする)に気を付ける必要があります。
また、胃の調子が悪い場合も口内炎は起こります。
口内炎ができた場合は、胃に負担をかけない消化の良い食事をすることが良いと思います。

【治療法】
当院では、抗炎症作用のある外用薬(塗り薬)を処方します。
口内炎の部位に直接に塗って、炎症を抑制する塗り薬です。
その他にレーザー治療を行って口内炎になっている部位の消毒、殺菌を行います。
口内炎も自然に治るケースもありますが、痛みが強くなったり、なかなか治らない場合は気軽に相談ください。

院長 山根

歯周病の治療法

2020年9月5日

9月に入っても暑い日が続いています。
今年もあと4ヶ月足らずです。
体調に気を付けて頑張っていきたいと思います。

本日歯がグラグラして物が食べれないという患者さんが来院されました。
動揺度3で、重度な歯周病にかかっている患者さんでした。
レントゲン撮影すると歯槽骨の3/4ほど吸収していました。
すぐに患者さんへ説明し、抜歯を行いました。

本日は歯周病の治療法についてお話します。

歯周病には大きく軽度・中等度・重度の3つに分けられます。
【軽度の場合】
・TBI(ブラッシング指導)
 歯の表面についたプラークをしっかりとブラッシングで取り除けば歯周病は治ってきます。
・歯石除去
 歯石とは、プラークが石灰化したものですが、歯石はブラッシングでは除去出来ませんので歯科医院で機械的除去します。

【中等度の場合】
・ルートプレーニング
 麻酔して歯茎の奥にある歯石を取り除き、根面を滑沢する治療です。
・歯周外科
 歯肉を剥離し、歯根の部分についた縁下歯石をしっかりと除去する治療です。

【重度の場合】
・歯周外科
・歯肉療法
・抜糸
 ほとんどの場合、抜歯のケースが多いですが、場合によって歯肉療法(根管治療)と歯周治療を併用して治療することもあります。
もちろん中等度、重度の場合でもブラッシング指導や歯石除去は併用して行わなければなりません。
歯周病は軽度の場合に治療をしていれば抜歯することなく、健康な歯茎になりますので、やはり定期的なスケーリング、TBIはしなければなりませんね。

院長 山根

インプラント法(サイナスリフト)

2020年8月31日

鳥取は猛暑日の毎日で水分はこまめに取るようにしています。
体調には気を付けてください。
さて、本日で8月も終わりです。
今年もあっという間に8ヶ月が過ぎていき、早いなあと感じます。

先日インプラントのオペを行いました。
部位は右上臼歯部でサイナスリフトという特殊な術式を使用し、インプラント手術を行いました。
本日はサイナスリフトについてお話します。

サイナスリフト法はインプラント手術において、上顎骨が十分にない場合に使用します。
上顎骨があまりない状態で通常のインプラント術を行うとインプラント体が上顎洞底を突き破り、上顎洞炎を引き起こしたり、最悪の場合インプラント体が上顎洞の迷入してしまいます。
またインプラント体を維持する骨が少ないためインプラント体を埋入してもすぐに動揺し、抜けてしまいます。
そのような場合にサイナスリフト法を使用します。
サイナスリフト法とは、上顎の臼歯部あたりの骨が薄い場合、上顎洞底部に骨再生を施す最先端治療です。
前回ソケットリフト法についてもお話ししましたが、サイナスリフトとソケットリフトを比較してみます。

ソケットリフト:歯槽骨から上顎洞底まで距離5~8㎜
サイナスリフト:歯槽骨から上顎洞底まで距離1~5㎜

患者さんの負担
ソケットリフト:少ない
サイナスリフト:大きい

治療期間
ソケットリフト:3~4ヶ月
サイナスリフト:4~6ヶ月

ソケットリフトもサイナスリフトの上顎洞挙上術ですが、上顎骨の骨の量がどの程度かによって術式が変わります。
最近ではインプラントの適応症例は拡大しています。
インプラントに興味のある方は気軽に相談してください。

院長 山根

歯間清掃器具

2020年8月28日

8月のお盆頃から暑い日が続いています。
今年は9月まで例年よりも気温が高いという予報が出ています。
しっかりと水分補給し、体調には気を付けなければなりません。

当院では一般治療はもちろんのこと予防歯科(メンテナンス)にも力を入れております。
少し前にブラッシング法についてお話ししましたが、当院では歯ブラシと併用して患者さんに勧めている清掃器具は糸ようじ・デンタルフロス・歯間ブラシです。
ほとんどの方は歯ブラシは毎日行っていると思いますが、糸ようじ・デンタルフロス・歯間ブラシを使用している方は少しのように感じます。
これらの清掃器具は歯と歯の間のプラークを除去するのに効果的です。
歯ブラシでもある程度は除去できるのですが完全ではありません。
歯と歯の間は歯ブラシの毛先が届きにくく、虫歯の好発部位でもあります。
また肉眼では分かりにくいため気づかないうちに進行して、痛みが出て神経処置をすることもあります。
プラークがつきやすいことが歯周病にもなりやすいのでぜひ使用してみてください。
使い方が難しい場合は当院でしっかり指導しています。
歯ブラシと歯間清掃器具を併用して、虫歯や歯周病を予防し、いつまでも自分の歯で食べたいですね。

□糸ようじ

□歯間ブラシ

□デンタルフロス

院長 山根