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インプラント治療の歯がない期間を知ろう!対応方法や注意点を解説

2023年11月3日

こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。

インプラント治療の説明

インプラント治療において、歯がない期間はどれくらいなのか、気にされている方も多いでしょう。審美面での不安から、治療を受けることをためらっている方もいるかもしれません。

今回は、インプラント治療で歯がない期間について解説します。歯がない期間の対応方法や注意点もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

インプラント治療の流れ

インプラント治療の流れのイメージ

インプラントの治療過程で発生する「歯がない期間」について理解しておくと、治療がよりスムーズに進行します。インプラント治療の基本的な流れと、歯がない期間について具体的に確認しましょう。

インプラント治療のプロセスは、主に以下の7つのステップで成り立ちます。

①カウンセリング

まずは、カウンセリングを行います。インプラントに関する疑問や不安に感じている点を質問するとよいでしょう。

カウンセリングでは、インプラント治療とほかの治療法の違いや、それぞれのメリット・デメリットを説明するのが一般的です。不安な点を解消しておくと、実際の治療もスムーズに進むでしょう。

無料でカウンセリングを実施している歯科医院もありますので、関心がある場合は受診してみるとよいでしょう。

②精密検査

精密検査では、インプラント治療に必要な資料を集め、治療の可否を判断します。治療が可能な場合は、治療期間や費用を立案します。

虫歯や歯周病の有無を確認し、レントゲン写真、CT写真、口内写真、歯型の採取を行うのが一般的です。立案された治療計画を理解し納得できたら、インプラント治療を開始します。

③虫歯・歯周病治療

インプラント治療前に虫歯や歯周病がある場合、先に虫歯や歯周病の治療を行います。特に、歯周病はインプラント周囲炎のリスクを高めるため、完治させてからインプラント治療を開始するケースが多いです。

④インプラント1次オペ

虫歯・歯周病の治療後、インプラント手術を実施します。歯茎を切開し、顎の骨に穴をあけてインプラント体を埋め込む手術です。

手術方法は、口内環境や顎の骨の状態に応じて選択されます。1回法では、インプラント体と被せ物を結合するアバットメントを同時に装着します。2回法は、インプラント体を埋め込んだあと、歯茎を縫合して結合を待ち、結合したらアバットメントを装着する方法です。

骨造成術を同時に行った場合は、2回法が選択されることがあります。

⑤待機期間(歯のない期間)

インプラント体と顎の骨が結合するには時間がかかります。一般的に2〜6か月が目安です。

待機期間中は、仮歯や入れ歯を使用するのが一般的です。

⑥インプラント2次オペ

インプラント体と顎の骨が結合したら、歯茎を切開し、アバットメントを装着します。比較的短時間で終了するので、体への負担は少ないです。

⑦被せ物の型取り・装着

手術後、状態が安定したら被せ物の型取りを行います。歯科医師・歯科技工士が連携して、セラミックなどを用いた被せ物を作成します。

歯の色や形など、細かい部分まで周りの天然歯に馴染むように作成されるでしょう。自然な見た目で審美性の高い仕上がりを実現します。

被せ物が完成したら、口内に装着して見た目や噛み合わせなどの最終確認を行います。歯の色味など気になる点がある場合は、装着前に伝えましょう。問題がなければ被せ物を入れて、インプラント治療は完了です。

インプラント治療中に歯がない期間はある?

歯がない女性

インプラント手術には1回法と2回法が存在し、いずれの方法を選んでも一時的に歯がない状態になります。

しかし、即時荷重インプラントと呼ばれる特殊な術式もあります。即時荷重インプラントでは、外科手術と被せ物の装着を同日に行うため、歯がない期間がありません。

ただし、即時荷重インプラントが適応可能な症例は限定されており、一定期間歯がない状態になることが多いです。

インプラント治療中に歯がない期間はどれくらい?

インプラント治療中に歯がない期間を書き込む

インプラント治療では、インプラント体が顎の骨にしっかりと結合することが重要です。しっかりと結合するによって噛む機能が回復します。

結合を待つ待機期間中に歯がない状態が生じますが、2〜6か月程度です。待機期間は顎の骨の状態によって異なり、骨の幅や深さ、硬さなどが整っている場合は短くなることが多いです。

しかし、手術時に骨造成術を行う必要がある場合は、待機期間が長くなることもあります。

歯がない期間はどのように対応する?

仮歯のイメージ

インプラント治療中に歯がない期間は、仮歯や入れ歯を使って過ごすのが一般的です。仮歯は隣の歯に接着剤で固定します。審美性を維持すると同時に、隣接する歯の移動を防止し、発音の安定と歯茎の保護を行うのです。

仮歯は噛む力を完全に回復させるためのものではないので、安定性に欠けることがあります。場合によっては外れることがあるでしょう。

仮歯が外れた場合は、速やかに歯科医院を受診して再装着してもらいましょう。そのまま放置すると、細菌感染のリスクがあるほか、隣の歯が移動する恐れがあります。

インプラント治療で仮歯や入れ歯にトラブルが起きた際は、早めに歯科医院を受診しましょう。

歯がない期間中の注意点

歯がない期間中の注意点

仮歯・入れ歯の期間中は、どのような点に注意して過ごせばよいのでしょうか。以下、インプラント治療で歯がない期間の注意点を解説します。

仮歯の注意点

インプラントで歯がない期間を仮歯で過ごす場合、以下の3点に注意しましょう。

・強い力をかけすぎない

・ブラッシングをしっかり行う

・外れた場合は歯科医院を受診する

それぞれ解説します。

強い力をかけすぎない

インプラント治療中の仮歯は、主に機能回復ではなく、審美性を保ち患部を保護するために用いられます。強い力が加わると外れやすいため、噛む力に注意し、硬い食べ物は避けましょう。

慢性的に患部に強い力がかかると、インプラント体と顎の骨の結合を阻害する原因になります。

ブラッシングをしっかり行う

仮歯の周囲を清潔に保つためには、丁寧なブラッシングが重要です。仮歯は表面が粗い樹脂製のことが多く、汚れが付着しやすいです。細菌感染のリスクを防ぐためにも、しっかりと磨く必要があります。

ただし、過度なブラッシングで患部に刺激を与えることも、歯茎を傷付ける原因になります。歯のない期間中は、歯科医師・歯科衛生士の指導のもと適切なブラッシング方法を学んでください。

外れた場合は歯科医院を受診する

仮歯が外れた場合は、迅速に歯科医院を受診して再装着してもらいましょう。仮歯が外れたまま放置すると、隣接する歯の移動や細菌感染のリスクが生じ、インプラント治療に悪影響を与えかねません。

インプラント治療をスムーズに進めるためにも、トラブルが起きた際は速やかに歯科医院に相談し、適切な処置を受けることが大切です。

入れ歯の注意点

インプラント治療中の歯がない期間に入れ歯を使用する場合は、以下の2つに注意して過ごしましょう。

・お手入れをしっかり行う

・痛みや違和感を放置しない

それぞれ解説します。

お手入れをしっかり行う

取り外し可能な入れ歯を使用する際は、適切な自己管理が求められます。食後は、入れ歯と歯茎の間に食べかすが残ることがあるので、必ず取り外して清掃してください。

入れ歯を清潔に保たないと、不衛生な状態が続き、患部が細菌に感染するリスクが高まります。インプラント体と顎の骨の結合に悪影響を及ぼす可能性があるため、食後は入れ歯を外して洗浄しましょう。

就寝時には取り外すなど、取り扱いのルールをしっかりと守ることが大切です。

痛みや違和感を放置しない

入れ歯を使用していると、強く当たる部分に痛みや違和感が出る場合があります。痛みや違和感を放置すると患部に刺激を与えるため注意が必要です。

痛みや違和感がある場合は、無理に使用せず歯科医院を受診しましょう。確認してもらい、必要であれば調整してもらうことが重要です。

適切な処置を行うことで、快適な使用感を取り戻し、患部の健康を守ることができます。

まとめ

インプラント治療

インプラント治療中の歯のない期間は、通常2〜6か月程度です。歯がない期間は、仮歯や入れ歯を使用することで審美性は維持されます。

仮歯や入れ歯は見た目だけでなく、隣接する歯の位置を保持し、発音の問題を防ぎ、患部への刺激を減らす役割も果たします。万が一、仮歯や入れ歯にトラブルが生じた場合は、速やかに歯科医院を受診して確認してもらうことが大切です。

インプラント治療は、一人ひとりの口内状態によって治療計画が異なります。インプラントに興味はあるけれど、歯がない期間がどれくらいなのか気になる方は、歯科医院を受診して確認しましょう。

インプラント治療を検討されている方は、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。

インプラント治療の3つのリスクと回避方法を詳しく解説!

2023年10月20日

こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。

リスクと書かれた木のブロック

インプラントは、欠損した歯を取り戻すための治療方法として広く知られています。

しかし「インプラントって具体的にどのような治療法なの?」「インプラント治療にリスクはあるの?」などの疑問を持っている方も少なくないでしょう。

今回は、インプラント治療の特徴やリスク、リスクを最小限にする方法を解説します。ぜひ最後までご覧ください。

インプラント治療とは?

インプラント治療の説明

インプラントとは、欠損した歯の代わりに、顎の骨に人工歯根を埋め込み、人工歯を取り付ける治療法を指します。ブリッジや入れ歯と同じく、失った歯を補うために行われる治療です。

インプラント治療の大きな特徴として、実際の歯根を模した人工歯根を骨に組み込むことで、自然な感触や噛み心地を実現できる点が挙げられます。ブリッジや入れ歯と大きく異なるメリットでしょう。

インプラント治療のメリット

インプラント治療には、さまざまなメリットがあります。3つのメリットをご紹介します。

自然に会話・食事ができる

インプラント治療は、人工歯根を顎の骨に固定することで、天然歯のようにしっかりと噛めることが最大の特徴です。そのため、インプラントを使用した歯は、見た目だけでなく機能性においても天然歯に非常に近いです。まるで自分の歯のような使用感を得られるでしょう。

違和感なく会話や食事をできるので、より快適な生活を追求したい方には、インプラント治療は非常に適した選択肢といえます。

審美性に優れた歯が手に入る

インプラント治療では、セラミックやジルコニアを用いた人工歯が主に使用されます。天然歯の色や質感に非常に近いため、見た目が自然で美しいです。セラミックやジルコニアは耐久性や耐摩耗性にも優れているため、長期間の使用にも適しています。

一方、入れ歯の場合は、笑った際に金具が目立つなどのデメリットがあります。

自然な見た目を重視する方や、日常生活での違和感を最小限に抑えたい方は、インプラント治療を選択するケースが増えているのです。

天然歯への影響が少ない

インプラント治療の場合は隣接する歯にダメージや負担を与えることなく、歯の欠損部分だけを治療することが可能です。

ブリッジを使用する場合、隣接する健全な歯を削って支えとして使用する必要があるため、土台となる歯には一定の負担がかかります。入れ歯も継続的に使用すると、顎の骨や歯茎を圧迫する可能性があります。

インプラントの場合は周りの歯を支えにすることなく独立して治療できるため、健全な歯に負担をかけることがありません。長期間の快適な使用を期待する場合、インプラント治療が推奨されることが多いです。

インプラント治療の3つのリスク

インプラント治療のリスクイメージ

メリットの多いインプラント治療ですが、リスクもあります。インプラント治療の3つのリスクを確認しましょう。

歯周病菌への感染リスク

口内環境が悪い状態が続くと、インプラント周囲の歯肉に炎症が起きます。症状が進行すると、インプラントを固定している骨が破壊されます。

骨が減少すると、インプラントの安定性が失われ、最終的にはインプラントが抜け落ちる可能性があるのです。一度骨が溶けた場合、骨移植を行うなどして骨の量を増やし、再びインプラントを安定させる必要があります。

インプラントが抜け落ちるリスク

インプラントが抜け落ちる、顎の骨を突き抜けるなどの症例があります。主な原因は、骨の密度や量が足りないことです。

骨の健康状態を正確に把握できていない状態でインプラントを行うと、問題が生じるリスクがあります。

金属アレルギーが起きるリスク

インプラント治療には、金属アレルギーのリスクが伴います。金属アレルギーは、金属が汗と反応してイオン化した際に発生することが多いです。

金属がアレルギーを引き起こすわけではありません。インプラントには、主にチタンという金属が使用されています。チタンはイオン化しにくいため、アレルギーのリスクは低いといわれています。

しかし、まれにチタンアレルギーの方もいるため、治療を受ける前にアレルギーリスクを考慮することが大切です。

インプラント治療のリスクを回避するための方法

インプラント治療の説明

インプラント治療のリスクを回避するための方法をご紹介します。

日々の口腔ケアを丁寧に行う

歯周病を発症すると、インプラントを固定している顎の骨が失われるリスクが高まります。そのため、日常の口腔ケアが非常に重要です。

食後の歯磨きを欠かさず行い、清潔な口内環境を保ちましょう。

しかし、歯周病の予防には歯磨きだけでは不十分です。定期的なメンテナンスとして医療機関を受診し、入念にケアしてもらってください。

事前に骨の状態を把握する

骨密度や骨量が不足している状態でインプラントを埋入すると、インプラントが抜け落ちるリスクがあります。施術前には、骨の健康状態をしっかりと確認しましょう。

通常、レントゲン検査や歯科用CTでの検査が行われます。

事前にパッチテストを受ける

チタンアレルギーを持つ人がインプラント治療を受けると、アレルギー反応がでることがあります。治療前に、ご自身がチタンに対してアレルギーがないかを確認することが重要です。

アレルギーがないか確認する方法として、パッチテストが行われます。

インプラント治療が向かない人

待ったのポーズをする女性医師

人によっては、インプラント治療が向いていない場合があります。

インプラントが向かない人の特徴は、以下のとおりです。ご自身にインプラントが向いているのかを判断する際の参考にしてください。

骨粗鬆症の人

骨粗鬆症の人は、骨密度が低いです。骨密度が低い状態でインプラント治療を受けると、インプラントが抜け落ちる、骨を突き抜けるなどのトラブルが起きる可能性があります。

そのため、骨粗鬆症の人には、インプラント治療は行えないでしょう。

糖尿病の人

糖尿病の人は血糖値が高くなる傾向があり、傷の治りが遅くなることが知られています。そのため、インプラント治療は避けたほうがいいでしょう。

ただし、血糖値をコントロールできている場合は、医師や歯科医師と相談したうえで治療を検討できます。

顎の骨が弱くなっている人

歯周病によって骨が溶けている人や、歯が欠損している期間が長かったことで骨が吸収されて弱くなっている人は、直接的なインプラントの埋入が難しい場合があります。

骨の量を増やし厚みを持たる骨造成手術を行えば、インプラント治療を受けられることもありますが、手術の際は体に大きな負担がかかるでしょう。歯科医師とよく相談し、骨造成手術を行うのか、インプラント治療を断念するのかを決める必要があります。

セルフケアができない人

インプラントの治療後、口腔内のケアが不十分だと、炎症のリスクが増加します。インプラントを支える顎の骨が溶けるかもしれないので、セルフケアができない人にはインプラント治療は向いていません。

禁煙できない人

禁煙できない人は、インプラント治療は向いていません。タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる効果があり、治療部位への血流が低下するためです。傷の治りが遅くなり、インプラントの成功率が下がる可能性があります。

喫煙は免疫系に悪影響を与え、感染リスクが増加します。インプラント周囲の炎症や感染を引き起こす可能性が高まるでしょう。

また、インプラントが骨としっかりと結合するためには、良好な血流と健康な組織が必要です。喫煙すると血流が低下し、歯茎などの健康にも悪影響を与えます。そのため、インプラント治療を希望するのであれば喫煙の習慣を改善する必要があるでしょう。

まとめ

歯科衛生士

インプラント治療には多くのメリットがあり、天然歯に近い見た目や噛み心地を得られます。

しかし、治療にはリスクも伴います。リスクをしっかりと理解したうえで、治療を受けることが重要です。リスクを知らずに治療を受けると、問題の初期症状に気づけず、深刻な症状を引き起こす可能性があるでしょう。

また、インプラント治療が適していない方もいらっしゃいます。例えば、骨粗鬆症や糖尿病の方などは、治療の適応を慎重に検討する必要があるでしょう。

インプラント治療のメリットだけでなくリスクも考慮し、最適な判断を下すことが大切です。

インプラント治療を検討されている方は、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。

保険が適用される白い歯はある?それぞれの特徴やメリットを解説!

2023年8月25日

こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。

机に置かれた歯の模型と歯科用器具

保険が適用される白い歯は、コンポジットレジン・硬質レジン前装冠・CAD/CAM冠の3種類です。それぞれ材質が異なるため、メリット・デメリットに違いがあります。

今回は、保険が適用される白い歯のそれぞれの特徴やメリットなどを解説します。

保険が適用される白い歯はある?

顎に手を当てて考える女性

近年、保険が適用される白い被せ物の歯は、適用範囲が広がっています。以前は、下顎の6番目の歯に限って、特例として白い被せ物が保険適用されていました。

しかし、2020年4月からは、特例が上顎の6番目の歯にも拡大されました。

6番目の歯で白い被せ物を入れる条件は、7番目の歯が上下左右4本すべて残っていることです。ほかにも噛み合わせに関する条件などがありますが、具体的には診察を受けないと分からないため、歯科医師に相談するとよいでしょう。

また、金属アレルギーのある患者さまは条件を問わず、白い歯を選ぶことができます。金属アレルギーが原因で白い歯を入れる際は、金属アレルギーを証明する診断書が必要です。

保険が適用される白い歯の種類

歯科医院で治療を受ける女性

保険が適用される白い歯は主に3つあります。それぞれの特徴やメリット・デメリット、費用について解説します。

コンポジットレジン

コンポジットレジン(CR)は、セラミック粒子と合成樹脂を混ぜ合わせた白いプラスチック素材です。ペースト状で用意され歯に合わせて成形したあと、特殊な光を照射して固めます。

さまざまな歯の形状に合わせて修復でき、天然歯に近い見た目を再現することが可能です。

<コンポジットレジンのメリット・デメリット・費用>

メリット ・歯に直接のせて固められるため、型取りしなくてよい
・歯を削る量が少ないので患者さまの負担が少ない
・天然歯に近い色調なので自然な見た目に仕上がる
・直接詰めることができるので治療期間が短くなる
デメリット ・使用期間が長くなると変色する可能性がある
・強度が低い
・深い虫歯や大きい虫歯、強い力が加わる奥歯の修復には向かない
費用 約1,000~2,000円

硬質レジン前装冠

硬質レジン前装冠は、金属のフレームにレジンという白いプラスチック樹脂を張り付けて作られる白い歯です。主に前歯の修復に使用され、保険が適用されます。金属部分には、銀歯と同じパラジウム合金が使用されます。

<硬質レジン前装冠のメリット・デメリット・費用>

メリット ・表面に白い樹脂が使用されているため、自然に美しく仕上がる
・内部に金属フレームを持つため強度が高い
・強い噛み合わせにも耐えられる
デメリット ・金属アレルギーのリスクがある
・長期間使用すると変色する可能性がある
・奥歯への使用は保険適用外になる
費用 約8,000円

CAD/CAM冠

CAD/CAM冠は、歯の形状をスキャンしてコンピュータにデータとして入力し、データをもとにハイブリットセラミックのブロックを機械で削り出される歯です。歯科技工士が介在せず、すべての工程をコンピュータが行うため、コストや治療期間の短縮が可能となります。

<CAD/CAM冠のメリット・デメリット・費用>

メリット ・白い色調で自然に仕上がる
・金属アレルギーのリスクがない
・天然の歯の硬さに近いため隣接する歯へのダメージが少ない
・プラスチックの歯よりも汚れにくい
デメリット ・セラミックや金属に比べると強度が劣る
・歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は破損のリスクがある
・接着が難しいため安定性が劣る
費用 約6,000円

保険適用外の白い歯とは何が違う?

二つのチェックボックスを比較して悩む男性

保険が適用される白い歯と保険適用外の白い歯には、さまざまな違いが存在します。詳しく解説します。

材質が違う

保険が適用される人工歯は、使用できる材料を自由に選択できません。代表的な保険適用内の人工歯の材質として、銀歯で知られる歯科用合金やレジンが挙げられます。近年では、プラスチックとセラミックを組み合わせたCAD/CAM冠も、保険適用の範囲に含まれるようになりました。

保険が適用される詰め物や被せ物は、自由診療で使われる高品質な材料と比較すると、素材の性質上、耐久性に劣ることが多いです。時間が経つと劣化しやすく、定期的に交換や修理が必要となるでしょう。

保険が適用される治療は、経済的な負担が軽くなる一方、使用する材料の特性から定期的なメンテナンスや交換が求められます。治療方法を選択する際は、長期的な視点でのメリット・デメリットをしっかりと理解して歯科医師と相談して決定しましょう。

保険適用外では高度な治療を受けられる

健康保険を利用することで、患者さまは治療費の全額を負担することなく、歯科治療を受けることができます。具体的には、治療費の大部分が保険料でカバーされ、患者さまの負担は通常3割です。年齢や所得によっては、1割や2割の負担になることもあるでしょう。

しかし、保険料の総額には上限があります。上限のなかで多くの人々の医療費をまかなう必要があるため、必然的に取り扱える治療や材料にも限界が生じます。

例えば、セラミックやジルコニアセラミックは、非常に高品質で美しく、耐久性にも優れています。

しかし、先進的な材料や技術はコストが高くなるため、健康保険の範囲内での提供が難しく、保険適用外の治療となります。

最先端の治療や高品質な材料を希望する場合、保険適用外の自由診療を選択しなくてはいけません。治療費は全額自己負担となるため、費用や治療の内容について十分に理解し、歯科医師としっかり相談して選択しましょう。

保険適用外の白い歯は種類が豊富にある

自由診療を選択することの最も大きな魅力は、治療方法や材料の多様性にあります。保険診療の場合、取り扱うことができる治療法や材料は保険の範囲内で定められています。範囲外のものを使用することは許されません。

しかし、自由診療では、患者さまのニーズや希望、お悩みに合わせて、最新の技術や材料を取り入れた治療を受けることが可能です。前歯の白い被せ物を例に挙げると、自由診療で使用される材料は、耐久性や見た目の美しさに優れています。

保険適用外の治療では、治療の満足度をより高めることが可能です。治療の過程や結果について患者さま自身が前向きに選択することができるため、治療内容に対する納得感も高まるでしょう。

まとめ

鏡で歯並びを見て笑う女性

保険が適用される白い歯は、コンポジットレジン・硬質レジン前装冠・CAD/CAM冠の3種類です。今回は、それぞれの特徴や費用を解説しました。

保険が適用されるので費用は抑えられますが、耐久性や強度はセラミックやジルコニアなどの自由診療の白い歯に比べて劣ります。特に、奥歯などの強い衝撃が加わる部分に保険適用の白い歯を使用した場合、破損するリスクが高まります。再治療を繰り返すことで、治療費の総額が増大する可能性や歯の寿命を縮める可能性があるでしょう。

保険適用外の白い歯は治療費がかかりますが、審美性や耐久性が高いなどのメリットがあります。繰り返し治療を受ける可能性を低減できるため、長期的に考えるとコストパフォーマンスがよいといえるでしょう。

安さだけを基準にするのではなく、長期的な視点で考えて、メリットの大きい治療方法を選んでください。自由診療の白い歯は種類が豊富にあるため、検討する場合は歯科医師と相談しましょう。保険適用、保険適用外を問わず、自分に合った治療を選択してください。

保険が適用される白い歯の治療を検討されている方は、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。

インプラントの骨造成手術の費用はどれくらい?保険は適用される?

2023年8月4日

こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。

歯の模型を使って説明する女性歯科医師

インプラントの外科手術で行うことがある「骨造成」という治療を聞いたことがあるでしょうか。

骨造成は、インプラント治療を受ける方全員が行うものではありません。顎の骨が痩せている・小さい・薄いなどの理由で、現状のままではインプラントの外科手術が難しい方に行う、骨を増やす手術が骨造成です。骨造成手術の術式は多くあり、術式によって費用が大きく異なります。

今回は、インプラントの骨造成手術について解説します。

インプラントの骨造成手術とは?

顎に手を当てて考える女性

インプラントを埋め込む外科手術を行う際には、顎の骨の厚みが必要です。

しかし、加齢や骨格の問題で、顎の骨の厚みや量が不足している方もいらっしゃるでしょう。顎の骨が不足していると、インプラント体を埋め込んだ際に、歯肉からはみ出る、顎の骨を突き抜けるなどのトラブルが起きる可能性があります。

顎の骨の量や厚みが足りない場合、骨造成手術を行います。骨造成手術とは、骨が不足している部分に骨や骨補填材を充填し、土台を作ることです。

骨造成を行うことで、インプラントを埋め込む際に起きやすいトラブルを未然に防ぐことができます。安心してインプラントを装着できるでしょう。

インプラントの骨造成手術の種類

歯科医院で治療を受ける女性

骨造成手術にはさまざまな種類・術式があります。ご自身の顎の骨の状態や骨格、既往歴などを考慮して、歯科医師と相談して術式を選択します。

インプラントの骨造成手術の種類をご紹介しましょう。

ソケットリフト法

ソケットリフト法は、上顎洞挙上術とよばれる術式のひとつです。顎の骨の高さが5mm以上ある方に適応されます。

インプラントを埋め込む方向から骨補填剤(人工材料)を注入し、骨の再生を試む方法です。インプラント手術を安全に行えるまで顎の骨が再生するには、4か月以上かかります。

サイナスリフト法

サイナスリフト法は、上顎洞挙上術のひとつです。ソケットリフト法との違いは、顎の骨の高さが5mmを満たさない場合に適応されます。

ソケットリフト法よりも多くの骨を再生させる必要があるため、歯肉切開を行って骨補填剤を注入する (骨を再生させる)スペースを作ります。インプラントを埋め込む方向ではなく、側面からアプローチしたり切開したりする場合があるため、ソケットリフト法より身体的な負担が大きい術式といえます。

遊離骨移植

遊離骨移植は、患者さまの骨を採取して不足している部分に移植する方法です。移植と聞くと拒絶反応が起こるイメージがあるかもしれませんが、自家骨移植であるため、拒絶反応の可能性は低いです。

骨が生着までに半年程度かかります。

GBR法

GBR法はインプラント体を埋入した際に、骨が不足している部分に自家骨や骨補填剤を注入し、メンブレンとよばれる人工膜を被せて、骨の形成を誘導する術式です。

GBR法の最大の特徴は、インプラントを埋め込む手術と同時に施行できる点です。そのため、治療期間が大幅に延びることがありません。

ソケットプリザベーション

ソケットプリザベーションは、抜歯後の骨の吸収を防ぐために行う術式です。抜歯した際、根幹にあいた穴に骨補填剤を入れて骨を再生させます。

遅くても10か月程度経過すれば骨が形成されるので、インプラントを埋め込むことが可能です。

インプラントの骨造成手術のメリット・デメリット

MERIT DEMERITと書かれたノート

骨造成が必要であるかは、顎の骨の量で決まります。骨造成手術を行うことに不安のある方は、手術を受けることによるメリットとデメリットを理解しましょう。

骨造成手術を行うメリット

骨造成手術を行うメリットは、以下のとおりです。

安全にインプラント治療を受けられる

インプラント体を埋め込む顎の骨が少ないと、安定性が保たれません。薄い顎の骨をインプラント体が突き破るなどのトラブルも起こります。骨造成を行うことで、トラブルが起きるリスクを最小限に抑えて安全に治療を受けられるでしょう。

歯肉の審美性が高くなる

美しい歯肉を手に入れるには、顎の骨が整っていなければなりません。骨造成によって顎の骨を整えると、周囲の歯肉がきれいになります。

インプラント自体の寿命が長くなる

土台である顎の骨を補強してからインプラント体を埋め込むことで、インプラントの劣化による脱落や動揺などのトラブルが起きにくくなります。

骨造成手術を行うデメリット

骨造成手術を行うデメリットは、以下のとおりです。

治療期間が長引く

インプラント手術と骨造成手術を同時に行える場合、極端に治療期間が延びることはありません。

しかし、骨造成手術を別で行わなければならない場合、顎の骨が再生し定着するまでに半年〜1年ほどの期間が必要です。顎の骨が再生してからインプラント手術を行うので、治療期間が大幅に延びるでしょう。

痛みや腫れが生じる

骨造成も外科的手術であり、痛みや腫れ、感染症などのリスクはゼロではありません。患部を清潔に保つ、鎮痛剤を飲むなどして対応する必要があるでしょう。

治療にかかる合計の費用が増大する

顎の骨の量や厚みが十分にあって骨造成手術が必要でない方と比較すると、治療にかかる費用が多くなります。費用をできるだけ抑えたいと考えている方にとってはデメリットといえるでしょう。

インプラントの骨造成手術の費用はどれくらい?

机に置かれた植物と電卓

骨造成の術式別に、それぞれの費用相場をご紹介します。

<骨造成手術の費用相場>

術式 費用
ソケットリフト法 30,000〜100,000円
サイナスリフト法 150,000〜350,000円
遊離自家骨移植術 50,000〜300,000円
GBR法 30,000〜150,000円
ソケットプリザベーション 50,000〜150,000円

自由診療では歯科医院が独自に金額を設定することができます。ご紹介する相場と大きく異なる場合もあるので、実際の料金は治療する歯科医院に問い合わせてください。

インプラントの骨造成手術は保険が適用される?

資料を見ながら電卓を使う女性いし

インプラント治療は自由診療なので、保険は適用されません。インプラント治療の一部として扱われる骨造成手術も、保険は適用されないのです。

しかし、骨造成は医療費控除の対象になるため、希望する方は申請することができます。医療費控除とは、1年間に基準を超えた医療費を支払った場合、所得税や住民税の控除が受けられる制度です。

まとまった費用を捻出することが困難な場合は、デンタルローンや医療機関独自の分割制度を利用する方法もあるでしょう。

また、先天的・後天的な理由で顎の骨の大部分が欠損している方は、インプラント治療が保険が適用される場合があります。非常に限定的であり、歯科医師の配置基準などを満たした医療機関で手術を受ける必要があるため、インプラント治療はほとんどすべての症例で自由診療だと考えてよいでしょう。

インプラントの骨造成手術後の注意点

黄色い背景に浮かぶ黄色の!マーク

インプラントの骨造成手術は、入院せずに外来で手術を行う場合が多いです。手術が終わった当日に帰宅できますが、生活の制限がまったくないわけではありません。

骨造成手術後の注意点は、以下のとおりです。

・術後数日間は浴槽につからない

・激しい運動を控える

・術後数日間は、柔らかいものを食べる

・かための歯ブラシなどを避ける

血行がよくなりすぎると、疼痛や出血の原因となります。術後数日間は浴槽にはつからず、入浴はシャワーで行いましょう。血行を促進するため、激しい運動も控えてください。

手術した部位で硬いものを食べることも避けましょう。手術後の食事には、卵豆腐やおかゆなど柔らかい食べ物が適しています。

また、口腔内を清潔に保つことは大切ですが、患部を刺激することはやめてください。かための歯ブラシで歯を磨くと傷口が広がる可能性があります。患部が治癒するまでは、やわらかめの歯ブラシを使用するなど、刺激しないようにしてください。

まとめ

インプラントを入れて笑う男性

今回は、インプラントの骨造成手術について解説しました。

インプラント治療や骨造成手術の費用は、決して安いとはいえません。骨造成手術は術式によって費用が大きく変わります。術式を選択するのは主に歯科医師ですが、医師とのカウンセリングでは、費用についても相談するとよいでしょう。高額だからと諦めるのではなく、医療費控除やデンタルローン、クレジットカードの分割払いなど、支払い方法も検討してください。

インプラント治療や骨造成を検討されている方は、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。

歯の被せ物の種類と選び方、治療の流れを解説!

2023年7月28日

こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。

歯科治療で被せ物をしている歯

歯の被せ物の種類は、主に金属・プラスチック・セラミックに分けられます。それぞれの素材を組み合わせた被せ物も存在するため、選択に迷う方もいるでしょう。

今回は、歯の被せ物の種類と選び方、治療の流れを解説します。

歯の被せ物とは

顎に手を当てて考える女性

歯の被せ物とは、一般的にクラウンともよばれ、一部や全体が欠損した歯を修復するための治療法の一つです。具体的には、虫歯による大きな欠損、歯の割れや折れ、歯周病による歯根の露出など、歯の形状を回復するために被せるものを指します。

被せ物には、金属や陶器(セラミック)、金属と陶器を組み合わせたメタルボンド、最近では金属を使用しないオールセラミックやジルコニアなどの素材が用いられています。素材は、欠損の程度や被せる部位、患者さまの噛み合わせの状態、経済的な要素などによって選択されるでしょう。

被せ物による治療は、歯を長期間保護し、見た目の美しさを保つために重要な方法です。

しかし、被せ物が必要となるほど歯が損傷する前に、定期的な検診と口腔ケアに努め予防することが理想的です。

歯の被せ物の種類

歯の模型を持って患者に説明する女性

歯の被せ物には多くの種類が存在します。それぞれの特徴や費用相場は、以下のとおりです。

硬質レジンジャケット冠

硬質レジンジャケット冠は、硬質レジンとよばれる歯科用のプラスチック材料で作られる歯の被せ物です。硬質レジンは自然な見た目から広く使用されていましたが、ほかの被せ物に比べて強度に欠けるため、近年ではあまり使用されません。

<硬質レジンジャケット冠のメリット・デメリット・費用>

メリット ・費用が安い
・金属アレルギーの心配がない
デメリット ・すり減りやすい
・歯垢が付着しやすく二次虫歯のリスクが高い
・変色しやすい
・奥歯は保険が適用されない
費用 約3,000~5,000円

硬質レジン前装冠

硬質レジン前装冠は、金銀パラジウム合金などの金属の上に白いレジン(歯科用プラスチック)を貼り付けた歯の被せ物です。前歯の被せ物として保険適用で広く用いられています。

<硬質レジン前装冠のメリット・デメリット・費用>

メリット ・費用が安い
デメリット ・金属アレルギーのリスクがある
・歯や歯茎が変色するリスクがある
・奥歯は保険が適用されない
費用 約5,000~8,000円

銀歯

銀歯は、金銀パラジウム合金やニッケルクロム合金などの金属で作られるのが一般的です。前から6番目以降の歯は保険が適用されます。

<銀歯のメリット・デメリット・費用>

メリット ・強度が非常に高い
・費用が安い
デメリット ・見栄えが悪い
・金属アレルギーのリスクがある
・歯や歯茎や変色する可能性がある
費用 約5,000~15,000円

オールセラミック

オールセラミックは、すべてがセラミック素材で作られた歯の被せ物です。見た目の美しさや自然さを重視する方にとって、理想的な選択でしょう。透明感があり、自然の歯と変わらない質感や色味を再現できることが大きな特徴です。

<オールセラミックのメリット・デメリット・費用>

メリット ・金属アレルギーの心配がない
・生体適合性が高い
・耐久性が高いため長期間使用できる
デメリット ・歯の削る量が多い
・製作に高度な技術が必要になる
・衝撃に弱く奥歯には向かない
費用 約80,000~220,000円

メタルボンド

金属の上にセラミックを貼り付けたものが、メタルボンドです。自然で美しい見た目なので、審美性を重視する方に適しています。

<メタルボンドのメリット・デメリット・費用>

メリット ・変色のリスクが低い
・強度が高くほとんどの歯に使用できる
デメリット ・金属アレルギーのリスクがある
・歯や歯茎の変色リスクが高い
・色や質感がオールセラミックに劣る
・加齢などで歯茎が痩せると、歯と歯茎の間から金属が見える
費用 約80,000〜150,000円

ジルコニアセラミック

ジルコニアセラミックは、内部にジルコニアを使用し、外側にセラミックを付けた被せ物です。金属を一切使用しないため、金属アレルギーや歯・歯茎の変色などのリスクを軽減できます。また、強度が高いため、奥歯の被せ物やブリッジとしても使用可能です。

ジルコニアの大きな特徴はマスキング効果で、土台に金属を使った場合でも色が透けません。セラミックのみの被せ物よりも自然に美しく仕上がります。

<ジルコニアセラミックのメリット・デメリット・費用>

メリット ・自然で透明感のある白さに仕上がる
・割れにくい
・金属アレルギーの心配がない
デメリット ・歯の削る量が多い
・セラミック部分が割れることがある
費用 約130,000〜180,000円

ゴールド

ゴールドは、金合金や、金にプラチナを加えた白金加金などの生体親和性の高い貴金属で作られた被せ物です。銀歯と比べると色が明るいため、あまり目立ちません。白くはないため、一定の存在感はあります。金合金よりも白金加金のほうが、色調や適合性がよいとされています。

<ゴールドのメリット・デメリット・費用>

メリット ・強度が高くどの歯にも使用できる
・適合性がよく二次虫歯になりにくい
・金属アレルギーのリスクが低い
デメリット ・目立つ
費用 約120,000~150,000円

歯の被せ物の選び方

体の横を指さして笑う女性

歯の被せ物を選ぶ際は、4つの基準を参考にするとよいでしょう。

審美性

「人工歯を入れていることを気づかれたくない」「見た目にこだわりたい」という方には、セラミック系の人工歯は理想的な選択といえるでしょう。セラミック系の人工歯は自由診療なので、費用が高額です。

オールセラミックの人工歯は、色調などの再現性に優れ、自然の歯に最も近い見た目を再現できます。

しかし、耐久性が劣るので注意が必要です。特に噛みしめが強い奥歯に使用する場合、長期間の使用には向きません。

見た目の美しさと耐久性をバランスよく求めるのであれば、ジルコニアセラミックやメタルボンドを検討するとよいでしょう。ジルコニアセラミックは見た目が美しく強度もあるため、奥歯の被せ物にも適しています。

メタルボンドは、金属の強度とセラミックの美しさを兼ね備えた被せ物です。被せ物の裏側に金属が見える可能性がある点には注意してください。

耐久性

耐久性が高いということは、長期間安心して使用できるということです。修復の頻度が減るため、経済的な負担も減るでしょう。

耐久性が高い素材として挙げられるのが、ジルコニアセラミックとゴールドです。ジルコニアセラミックは人工ダイヤモンドを使用した素材で強度が非常に高く、奥歯の被せ物にも使用できます。

ゴールドは金合金を使用した素材で生体親和性が高く、耐久性にも優れています。特に強度が求められる場合や、長期間の使用が見込まれる場合に適しているでしょう。色が金色なため、審美性には優れません。

金属アレルギーのリスク

金属アレルギーは、身体が金属に対して過敏な反応を示し、炎症や発疹などの症状を引き起こす疾患です。歯科治療で使用される金属の種類は多いので、特にアレルギーがある方は、被せ物の素材選びに注意が必要です。

ゴールドは、生体親和性が高く、アレルギー反応が起こりにくいとされていますが、すべての方がアレルギーを発症しないとは限りません。金属アレルギーは突然発症することもあるので、現状アレルギーがないから今後も症状が出ないわけではありません。

金属アレルギーからくるトラブルを避けるには、金属を一切使用しないセラミック系の被せ物などを選びましょう。

予算

予算が限られている場合やとにかく費用を抑えたい方は、保険適用の銀歯(金銀パラジウム合金)や硬質レジンの人工歯を選ぶとよいでしょう。銀歯などは一般的に保険適用なので、1本あたり数千円程度です。自由診療の人工歯に比べて費用を抑えられます。

しかし、安価な被せ物は、材質や強度、アレルギー性などに一定のデメリットが存在します。レジンは強度が低く、長期的な使用には向いていません。金銀パラジウム合金は、金属アレルギーを引き起こす可能性があるなどの問題があります。

予算だけでなく、材質の特性やご自身の生活習慣、健康状態などを考慮して、適切な被せ物を選ぶことが重要です。

歯の被せ物治療の流れ

歯科医院で治療を受ける女性患者

歯の被せ物治療の流れは、以下のとおりです。

通常は数回の通院が必要で、被せ物の作成には1週間程度かかります。全体の治療期間は1か月程度と考えるとよいでしょう。

虫歯除去・根管治療

まずは虫歯部分を取り除き、必要であれば根管治療を行います。根管治療は、感染した歯の内部組織、歯髄の清掃・除去を行う処置のことです。

根管充填

根管治療を行った場合、消毒した根管内に薬の詰め物をします。細菌の侵入と増殖を防ぎ、歯の根部を補強するのです。

土台(コア)作り

歯髄を除去した歯は強度が落ちるため、しっかりとした土台を作ります。補強することで、被せ物が外れにくくなるでしょう。

型取り・色合わせ

シリコーンゴムやアルジネートなどの印象材を使って歯の型を取り、歯科技工士が被せ物を作成します。白い素材を選択した場合は、自然な見た目を保つために周囲の歯と色を合わせるのが一般的です。

被せ物の装着

完成した被せ物を実際に装着します。噛み合わせや装着感を確認し、問題がなければ接着剤で固定して治療は完了です。

まとめ

歯科医院で治療を受ける女性患者

歯の被せ物には金属・プラスチック・セラミックなど、さまざまな種類が存在します。それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なり、費用にも大きな差があります。被せ物を選ぶ際は、審美性・耐久性・金属アレルギーのリスク・予算を考慮しましょう。金属アレルギーがある方は、金属を使用した被せ物は向きません。見た目にこだわりたい方は、セラミック素材が選択肢に挙がるでしょう。

被せ物のなかには安価なものもありますが、デメリットも多いです。安さだけで判断せず、長期的な視点で考えて自身に適したものを選びましょう。どの素材を選択するべきかわからない方は、歯科医師に相談してください。

歯に被せ物をすることを検討されている方は、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。

奥歯をインプラントにするメリット・デメリット、注意点を解説!

2023年7月21日

こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。

机に置かれたインプラントの模型

奥歯をインプラントにすると、しっかりとした噛み心地が実現し、噛み合わせのバランスが整います。

しかし、治療後は「インプラント周囲炎」という感染症に注意しなければなりません。

今回は、奥歯をインプラントにするメリット・デメリット、注意点を解説します。

奥歯にはどのような役割がある?

奥歯を確認するために口を大きく開ける女性

奥歯は、食べ物を口に含んで噛む際に、欠かせない役割を担っています。食べ物を細かくすり潰す作業です。上下左右に存在する第一大臼歯から第三大臼歯までの計12本の歯が、奥歯として食べ物を細かくすり潰す役割を果たしています。

特に、第一大臼歯は、噛む力が歯の中で最も強いとされ、食べ物を噛む際に非常に重要な役割を果たしています。また、噛み合わせの高さは第一大臼歯によって決まるため、第一大臼歯が欠損すると噛み合わせ全体が崩れてしまいます。食べ物をきちんと噛むためには、第一大臼歯の存在が欠かせません。

12歳前後に生える第二大臼歯は、斜めに生える、第一大臼歯にぶつかるなど、正常に生えてこない割合が高い歯です。一般的に「親知らず」とよばれる第三大臼歯は、歯茎に埋まったまま生えてこない人や、最近では歯そのものがない人も存在します。

奥歯をインプラントにするメリット・デメリット

Merit  Demeritと書かれた札が机の上にある

奥歯をインプラントにする場合、痛みや違和感が少ないため今までどおりに食事が楽しめる、噛み合わせがよくなるなどのメリットがあるでしょう。

一方、インプラント周囲炎というインプラント特有の感染症になるリスクがあります。

奥歯をインプラントにするメリット

奥歯をインプラントにするメリットは、以下のとおりです。

ほかの歯を傷つけるリスクが低い

インプラントは、ほかの健康な歯にダメージを与えず、歯の機能を取り戻すことができます。

歯の機能を回復させるほかの方法として、ブリッジがあります。

しかし、ブリッジは器具を支えるために、両端の健康な歯を削らなければなりません。さらに、削られた歯は虫歯になりやすいです。最悪の場合、削った歯が抜けるほどの問題に発展することもあります。ブリッジ治療を受けたすべての方の歯が抜けるわけではありませんが、健康な歯を傷つけることは、口腔内の環境を整えるために避けたいと思う方が多いでしょう。

対して、インプラントは、周囲の健康な歯を傷つけることがないため、リスクを最小限に抑えて歯の機能を回復することが可能です。

顎の骨の吸収を防げる

インプラントは、顎の骨に直接埋め込んで固定されます。そのため、食べ物を噛む力はインプラントから顎の骨に直接伝わります。顎の骨に刺激が与えられることで骨の丈夫さを維持し、吸収(骨の量が減少する現象)を防ぐのです。

入れ歯やブリッジなどほかの治療法では、噛む力が直接顎の骨に伝わりません。顎の骨は適切な刺激を受けられず、徐々に吸収されて弱くなります。

審美性が高い

ブリッジや入れ歯を使用している場合、固定するための金具やバネが見えることから、人前で笑うことを控える方も少なくありません。

インプラントの場合、金属部分が見えにくいため、自然な見た目を保つことができます。周囲の目を気にせず笑うことができることは大きなメリットといえるでしょう。人工歯にはセラミックやジルコニアなど、審美性の高い素材を使用するため自然な歯の色を再現できます。ほかの天然の歯と変わらない見た目を実現することが可能です。

今までどおり食事を楽しめる

入れ歯は安定性が劣るため、しっかりと噛むことが難しくなります。

インプラントは、顎の骨に固定されているため、ずれることなく安定した噛み心地を実現します。強い力を加えても破損するリスクが低く、安心して食事を楽しめるでしょう。また、自然な噛む感覚を得られるため、食材本来の味や食感をより深く感じることが可能です。ブリッジや入れ歯でも感じられますが、インプラントと比べると満足度が低下するでしょう。

発音に影響を与えにくい

歯が欠損した場合、欠損したすき間から空気が漏れることで発音に影響を与えます。特に、イ段の発音が難しいと感じる方が多いです。入れ歯やブリッジの場合、会話中に義歯がずれる、義歯と歯茎の間にすき間が生じるなど、発音がスムーズに行えなくなることがあります。

インプラントは、顎の骨にしっかり固定されているため、基本的にずれることはありません。すき間ができないので、発音に影響を与えにくいのです。

痛みや違和感が少ない

インプラントは、直接顎の骨に固定されるため、器具と歯茎の間にすき間ができません。そのため、ずれにくく、痛みや違和感もほとんどないです。

一方、入れ歯やブリッジは、適合がよくない場合や食べ物などが挟まった場合、痛みや違和感をおぼえることがあります。器具がずれやすい場合や適合状況がよくない場合は、新たに作り直す必要があるでしょう。

インプラントの場合、一度治療が完了すれば、日常生活で痛みや違和感をおぼえることはほとんどありません。痛みを感じた場合、上部構造とインプラント体を結びつける部分(アバットメント)が緩んでいることが多いため、歯科医院ですぐに調整が可能です。

噛み合わせのバランスがよくなる

ブリッジや入れ歯の場合、高さの調整が自由にできないため、ぐらつくことがあります。歯がぐらついた状態が持続すると、噛み合う歯が破損する恐れがあり、治療の効果を損なう可能性があります。

インプラントの場合、治療時に精密に噛み合わせのバランスを調整可能です。噛み合わせが悪くなることはほとんどなく、インプラントがぐらつく事態も極めて稀です。また、定期的なメンテナンスを行うことで、噛み合わせがずれるリスクを下げられます。万が一、違和感やぐらつきがある場合も、すぐに歯科医師に相談できるでしょう。

奥歯をインプラントにするデメリット

奥歯をインプラントにするデメリットは、以下のとおりです。

費用が高額になる

インプラント治療は、原則自費診療となるため、医療費の3割負担は適用されません。

1本のインプラントにかかる費用はおおよそ300,000〜400,000円ですが、全額を自己負担しなければなりません。奥歯のインプラントの費用相場も同様で、インプラントを必要とする本数が増えれば治療費も増大します。

治療費を抑えるためにブリッジと併用するケースもありますが、最低でも1本分の費用はかかるでしょう。

治療費用の支払いを分割するローンを組むことも可能ですが、最終的には金利分を含めた全額を支払う必要があります。トータルの費用負担をできるだけ抑えたい場合、治療後に一括で支払うのがよいでしょう。

治療期間が長い

インプラントを骨に埋め込む手術後から骨とインプラントがしっかりと結合するまでは、最短でも3か月以上必要です。骨が不足していて骨造成が必要になるケースでは、治療期間は半年〜1年と、さらに長くなるでしょう。

インプラントの治療期間は、入れ歯やブリッジと比較すると非常に長いです。治療を受ける歯が奥歯でも前歯でも治療期間は変わりませんが、上顎か下顎かでは変わります。一般的に、上顎のほうが治療期間が長くなる傾向にあります。上顎の骨には空洞が存在し、骨が薄くなりやすいため治療が困難になることが原因です。

骨量が足りない場合は骨造成が必要になる

インプラント治療は、顎の骨に直接インプラント体を埋め込む治療法なので、十分な骨量と骨密度が必要です。顎の骨の厚みや深さ、密度が不足している場合、インプラント治療を行う前に骨造成とよばれる手術を行い、骨量を増やす必要があります。

骨造成の方法は患者さまの状態や要望により変わりますが、代表的な治療法には「サイナスリフト」「GBR法」「骨移植」などがあります。

ただし、骨造成治療を受けたあと、すぐにインプラント治療を開始できるわけではありません。治療後の経過を見守る時間が必要です。特に、奥歯は力がかかりやすく、顎の骨が不足しているとインプラント治療が困難になります。そのため、骨量不足と診断された場合は、骨造成治療を受けることが重要です。

インプラント周囲炎のリスクがある

インプラント周囲炎とは、何らかの原因で歯周病菌がインプラントと歯茎の間に侵入し、炎症を起こす病気です。奥歯のインプラントでも、インプラント周囲炎のリスクがあります。

インプラント周囲炎になると最悪の場合、インプラントが脱落するだけでなく、周囲の健康な歯にも影響を及ぼし、歯を失う可能性もあるでしょう。定期的なメンテナンスを受けることで、適切な処置を受けることができ、インプラント周囲炎の進行を防ぐことが可能です。

手術時は歯周病菌が患部に入り込まないよう最大限に配慮されますが、100%防ぐことはできないため、治療後には入念な口腔ケアと定期メンテナンスが必須といえます。

治療後も定期的なメンテナンスが必要

前述したように、インプラント治療後も定期的なメンテナンスが必要です。奥歯に限らず、すべてのインプラント治療においてメンテナンスは重要といえるでしょう。定期的にメンテナンスを受けないと、インプラント周囲炎などの予期せぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。

メンテナンスのためには時間を確保し、歯科医院に足を運ぶ必要があるので、面倒に感じる方もいます。メンテナンスを怠り、インプラントに異常が生じるケースも実際にあります。

インプラントは非常に高額ですが、適切なケアを行っていれば、10~15年以上と長持ちする人工歯です。費用や時間を無駄にしないためにも、3~6か月に1回は歯科医院を受診しましょう。

奥歯のインプラント治療を受けるときの注意点

机に置かれた!マークの木のブロック

インプラントは、入れ歯やブリッジとは異なり、外科手術が必要な治療法で、最新の設備と高度な技術が必要です。失敗を防ぐには歯科医院選びが重要といえます。

信頼できる歯科医師を探す

前述したように、インプラント治療は一般的な歯科治療とは異なり、外科手術を伴う高度な治療です。治療について丁寧に説明し、患者さまの質問にもきちんと答えてくれる歯科医師を選ぶことが重要といえるでしょう。

また、何を使ってどのように治療を行うのか、事前説明を丁寧に行ってくれることも大切です。治療に関する情報が不明瞭な歯科医師の治療を受けることは、避けてください。

治療の成功には歯科医師の知識と経験も重要です。治療の実績が多いほど、さまざまな症例に対応する能力があると考えられます。そのため、歯科医師の治療実績を確認しましょう。

年間でどのくらいの治療を行っているか、どのような治療を行ったかなどの情報をホームページに掲載している歯科医院も多いです。治療を受ける前に、情報をしっかりと確認し、信頼できる歯科医師を見つけてください。

設備や環境が整っているか確認する

インプラント治療を行う前には、顎の骨の中にある神経や血管の位置を正確に把握することが大切です。

口腔内の状況を正確に把握するには、CTスキャンなどの高度な検査設備が必要です。顎の骨には多くの神経や血管が走っており、損傷すると大きな問題を引き起こす可能性があるため、CTによる詳細な検査が重要といえるでしょう。

また、衛生管理も重要な要素です。インプラントの手術は、衛生管理が不十分な状況下では細菌感染のリスクが高まります。衛生環境が十分に確保された施設で治療を受けることが望ましいでしょう。

健康管理を徹底する

インプラント治療は、手術の性質上、合併症や偶発症を引き起こし、骨との結合や治癒過程を妨げるリスクが存在します。手術前に可能な限りリスク要因を取り除き、治療の安全性を確保するために健康管理を行いましょう。全身疾患である糖尿病や心疾患、骨粗鬆症、貧血などは、特に注意してください。

また、喫煙は、インプラントの治療成果に大きな影響を及ぼします。喫煙は、インプラントと骨の結合を妨げ、インプラント周囲炎の原因となり得ます。喫煙は治療成功率を大きく低下させるので、インプラント治療を受ける前に医師と相談し、計画的に禁煙しましょう。

まとめ

インプラントの模型を持って説明する人

奥歯をインプラントにするメリットは、噛み心地がよく痛みや不快感が少ないことが挙げられます。奥歯は噛み合わせにも影響を与える箇所です。インプラントを顎の骨にしっかりと固定することで、噛み合わせのバランスもよくなるでしょう。

インプラント治療を受ける際の注意点として、信頼できる歯科医院を選ぶことが挙げられます。事前にホームページなどで設備や環境、医師の経歴などを確認しましょう。

インプラントを検討されている方は、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。

インプラント治療のデメリットと注意点!治療を受けられない人とは?

2023年7月7日

こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。

インプラントの模型を使って患者に説明する

インプラント治療の主なデメリットとして、費用が高額であることや、治療期間が長いことが挙げられます。治療後は、インプラント周囲炎という感染症のリスクがあることも忘れてはいけません。

今回は、インプラント治療のデメリットや注意点、治療を受けられない人を解説します。

インプラント治療とは

顎に手を当てて考える白い服の女性

インプラント治療とは、歯を失った部分の顎の骨に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工歯を取り付ける治療法です。

歯を失った部分にインプラントを設置するので、自然な見た目と噛み心地を再現でき、食事や話すなどの日常的な動作を自然に行うことができるようになります。

インプラントは、チタンやジルコニアなどの生体適合性の高い素材で作られます。顎の骨と結合しやすく、体内での拒絶反応を最小限に抑えることが可能です。

インプラント治療は、大きく2段階に分かれます。まず、顎の骨にインプラント体を埋め込む手術が行われ、数か月間インプラント体と顎の骨が結合するのを待ちます。結合を確認したあと、人工歯を取り付ける手術が行われるのです。

インプラント治療のメリット・デメリット

黄色い背景に置かれたMERITとDEMERITの札

インプラント治療は自然な見た目と噛み心地を実現できる一方で、費用が高額であることや治療期間が長いことが主なデメリットとして挙げられます。

インプラント治療のメリット

インプラント治療のメリットは、以下のとおりです。

自然な見た目が手に入る

インプラント治療は、見た目が自然で美しいメリットがあります。

入れ歯やブリッジで失った歯を補うと、色味が不自然になる、笑ったときに金具が見えるなどのデメリットがありますが、インプラント治療では、人工歯にセラミックやジルコニアなどの材料が使われることが多いです。天然の歯とほとんど変わらない、自然で美しい歯を手に入れることができます。

噛み心地がよい

入れ歯の場合、安定性が劣るため、違和感をおぼえる方や食べ物が入れ歯に挟まって不快感をおぼえる方がいます。違和感や不快感が原因で、しっかりと噛めないという悩みを抱える人も少なくありません。

インプラント治療では、人工歯根を顎の骨に直接埋め込むので、高い安定性を実現します。違和感や不快感が少ないため、自然な歯と同じような感覚で噛むことが可能です。

インプラント体の材料として多く用いられるチタンは、骨と結合しやすく耐久性に優れています。インプラントが骨にしっかりと固定されるため、強く噛む力にも耐えられるのです。

ほかの歯を傷つけるリスクが低い

ブリッジや入れ歯では、失った歯を補うために周囲の健康な歯を削って土台を作る必要があります。健康な歯に負担をかけることに抵抗を感じる人も多いでしょう。

インプラント治療では、ほかの健康な歯に影響を与えることなく治療を受けられます。周囲の健康な歯を保護しつつ、安定した噛み心地と自然な見た目を得られるのです。

骨が瘦せることを防止できる

歯を失った部分の顎の骨には、噛む際の刺激が伝わりません。そのため、骨が次第に痩せて、萎縮します。骨が痩せるのは、特に入れ歯治療を行った場合に多いです。

インプラント治療では、歯を失った部分の顎の骨に直接インプラント体を埋め込むので、咀嚼時の刺激が骨に伝わります。天然の歯が存在したときと同様の力が骨に伝わるため、骨が痩せることを防げるのです。

インプラント治療のデメリット

インプラント治療のデメリットは、以下のとおりです。

費用が高額になる

一般的に、インプラント治療は保険が適用されないため自費治療となります。保険適用内のほかの歯科治療と比較すると、治療費が高額になるでしょう。インプラント治療の費用相場は、1本あたり300,000〜400,000円程度です。

また、インプラント治療は人工歯を装着すれば終わるわけではありません。長期的にインプラントを維持するためには、定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスでは、インプラント周囲の組織の健康状態を確認し、口腔内のクリーニングなどを行います。

治療後の通院の際にかかる費用は、治療費とは別で必要です。初期治療費だけでなく、継続的な治療費も考慮しなければなりません。

治療期間が長い

通常の歯科治療と比較して、インプラント治療は多くの時間と通院回数を必要とします。カウンセリングや手術、経過観察など、少なくとも5回以上の通院が必要でしょう。

治療期間は口腔内の状態によって異なりますが、平均的に6か月程度かかるとされています。インプラント治療の成功率を高めるには、埋入したインプラント体を顎の骨としっかり結合させなければなりません。インプラント体と顎の骨が結合するまでには、少なくとも3か月程度の時間が必要といわれています。

身体への負担が大きい

インプラント治療は、歯茎を切開して顎の骨に穴をあける外科手術が必要です。麻酔によって手術時の痛みは軽減されますが、手術の負担がないわけではありません。

持病を抱えている人や薬を服用している人、妊娠中の人は、手術や術後の回復過程に影響を及ぼす可能性があります。インプラント治療は、入れ歯などの歯科治療と違い、誰でも受けられるわけではないのです。持病や服用中の薬などは、治療前に必ず歯科医師に申告しましょう。

治療後もメンテナンスが必要である

インプラントが正しく機能し続けるには、治療終了後も定期的に歯科医師によるチェックやメンテナンスを受ける必要があります。インプラントの定着状態、人工歯の状態、噛み合わせの具合などを確認し、必要に応じて調整や処置を行うでしょう。

治療後の通院は、3~6か月に1回の頻度で受けることが推奨されています。インプラントだけでなく、全体的な口腔の健康を維持するためにも、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けましょう。

インプラント治療のリスク

机の上にRISKの木の文字を並べる手元

インプラント治療には、上顎洞にインプラントが落ちたり神経を傷つけたりすることで、痺れや麻痺が生じるなどのリスクがあります。手術に関するリスクは、事前のCTでしっかりと位置関係を確認することで防ぐことが可能です。

上顎洞へのインプラント体の落下

上顎のインプラント治療において起こりうるリスクです。

上顎洞は、口腔の上部に存在する空洞のことを指します。上顎は特に骨が薄い方が多く、インプラント体が上顎洞へ落ちるリスクがあるのです。

CTスキャンを用いて骨の厚みや骨質を詳細に理解し、安全に埋入できる位置を確定することで、インプラント体が上顎洞へ落下するリスクを大幅に低減できるでしょう。

口元の麻痺や痺れ

神経損傷は、下顎のインプラント治療において起こりうるリスクです。

下顎には、大きな神経がある下顎管が通っています。インプラントを埋め込む際に神経に触れると、唇や舌、歯茎などに一時的な麻痺や痺れを引き起こす可能性があります。

神経損傷のリスクを減らすには、CTスキャンを用いて下顎管の正確な位置を把握することが重要です。

インプラントの脱落

インプラントの脱落は、顎の骨とインプラントの結合が不十分な場合や感染症が起きた場合に発生します。

喫煙習慣のある患者さまや口腔内の清掃が不十分な患者さまは、感染リスクが高く、インプラントの脱落の一因となります。また、歯科医院での手術の際に滅菌処理などの衛生管理が不十分な場合、手術時の感染リスクが高まり、インプラントが抜け落ちるリスクが高まるでしょう。

治療前に禁煙し、口腔ケアの指導を受けることで、インプラントが脱落するリスクを低減できます。衛生管理を徹底している歯科医院を選ぶことも重要です。

金属アレルギーの発症

インプラント治療には、金属アレルギーのリスクが伴います。

インプラントの人工歯根に使用されるチタンは、人工関節などでも広く用いられている素材です。チタンは、生体親和性が高く、一般的にはアレルギー反応を起こしにくいとされています。

しかし、近年の研究ではチタンが金属アレルギーの原因となる可能性が指摘されています。インプラントによる金属アレルギーを予防するには、事前にチタンに対するアレルギーがないか、パッチテストを受けるとよいでしょう。

インプラント周囲炎の発症

インプラント治療後は、インプラントの歯周病といわれるインプラント周囲炎を発症するリスクがあります。人工歯根の周りの顎の骨が溶ける病気で、進行するとインプラントの除去が必要です。

インプラント周囲炎を経験する患者さまは、治療前から歯周病を抱えている可能性が高いです。歯周病は、日々の口腔ケアが不適切なことが原因で発症することが多いので、口腔ケアの方法を見直しましょう。インプラント治療を受ける場合は、適切な歯磨きと3~6か月に一度の歯科検診を受けることが重要です。

インプラント治療を受けられない人

体の前でばつ印を作る女性

インプラント治療は、歯根膜が失われるため感染症にかかりやすくなります。口腔ケアが適切に行えない人や定期的に通院できない人は、治療を控えたほうがよいでしょう。

強い歯ぎしりや食いしばりがある人

歯ぎしりや食いしばりは、インプラントに過度の負担をかけます。人工歯の破損やインプラントの脱落につながるかもしれません。

禁煙できない人

喫煙は、口腔内の血流を悪化させ治癒能力を低下させます。インプラントが顎の骨に結合するのを妨げ、インプラントの失敗につながる可能性があります。

歯磨きやメンテナンスなどを適切に行えない人

インプラントは、定期的なメンテナンスが必要です。歯磨きやクリーニングを怠ると、インプラント周囲炎のリスクが高まり、インプラントが脱落する可能性があるのです。

重度の糖尿病がある人

糖尿病は、身体の治癒能力を低下させ、感染症のリスクを高めます。インプラントが骨に適切に結合するのを妨げ、インプラント治療の成功率を低下させるおそれがあるでしょう。

骨粗鬆症の人

骨粗鬆症は、骨の質と密度が低下する病気です。骨量が不十分な場合、インプラントをしっかりと固定することが難しい可能性があります。

インプラント治療を受ける際の注意点

机の上に置かれた!マークが書かれた木のブロック

インプラント治療を受ける際の注意点は、以下のとおりです。

・手術前日は十分な睡眠をとる

・鎮静法で手術を受ける場合、帰宅時に車両の運転を避ける

・手術当日は強いうがいをしない

・抗生物質は指示どおりに飲み切る

・上顎の手術後は強く鼻をかまない

・喫煙を控える

・手術後は飲酒や激しい運動、入浴を避ける

・手術部位を舌や指で触らない

・食事の際に治療を行った部分で噛まない

・インプラント治療後は定期的にメンテナンスを受ける

・帰宅後に異常を感じた場合は、すぐに歯科医院に連絡する

上記を守ることで、インプラント治療のリスクを最小限に抑えることができるでしょう。

まとめ

インプラントを入れた歯を見せて笑う女性の口元

インプラント治療の主なデメリットは、費用が高額であり、治療期間が長いことです。また、インプラント治療後は、歯根膜が失われるため感染症にかかりやすいです。

治療後は歯磨きを丁寧に行いましょう。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロスを使って、歯と歯の間もきれいに清掃してください。さらに、歯科医院でクリーニングを受けることも重要です。歯科医院で実施されるクリーニングは、専用の器具を使って通常の歯磨きでは落とせない汚れも除去します。クリーニングだけでなく、インプラントや口腔内の状態もチェックしてくれるので、異常があった際も早期発見・治療が可能です。

インプラントは、適切に管理すれば10~15年以上と非常に長持ちする人工歯です。デメリットやリスクを理解し、治療後の定期的に通院が可能な人は、検討してみてはいかがでしょうか。

インプラント治療を検討されている方は、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。