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横向きに生えた親知らずは抜歯が必要?抜き方と流れも

こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。

横向きに生えた親知らずを抜いたイメージ

親知らずは10代後半から20代にかけて生えてくることが多い歯です。親知らずが横向きに生えていると診断され、不安を感じた経験のある方も多いのではないでしょうか。

横向きに生えた親知らずは、そのまま放置すると痛みや腫れ、さらには隣の歯への悪影響など、さまざまなトラブルを引き起こす可能性があります。特に、親知らずの生え方や状態によっては、抜歯が必要になることもあります。

しかし、抜歯に対する不安や疑問から、決断を先延ばしにしてしまうケースも少なくありません。

今回は、親知らずが横向きに生える原因から、抜歯の必要性、具体的な抜歯の流れ、さらには術後の注意点まで、詳しく解説します。

親知らずが横向きに生える原因

横向きに生えた親知らずのイメージ

親知らずが真っすぐに生えず、横向きや斜めに生えてくるのにはいくつかの要因があります。ここでは、主な原因について詳しく見ていきましょう。

顎の骨のスペース不足

現代人の顎は、昔に比べて食生活の変化などにより小さくなっている傾向があります。そのため、親知らずが生えるための十分なスペースが確保できず、結果的に横向きに生えてしまうことがあるのです。

特に、親知らずは最後に生えてくる永久歯であるため、ほかの歯がすでに並んでいる状態ではスペースに余裕がなくなり、自然と斜めや横向きになってしまうのです。

隣の歯との位置関係

親知らずの前にある第二大臼歯との距離や角度が悪いと、まっすぐに生えることが難しくなります。特に、第二大臼歯が少し後方に傾いている場合、親知らずがその隣に真っすぐ生えるためのスペースがなくなり、斜めに押し出されるようにして生えてくることがあるのです。

このような位置関係が悪い場合、親知らずが第二大臼歯にぶつかるようなかたちで生える水平埋伏歯(すいへいまいふくし)になることもあります。これにより、歯並びや噛み合わせにも影響を及ぼす可能性があります。

横向きに生えた親知らずは抜歯が必要?

横向きに生えた親知らずは抜歯が必要か考える女性

横向きに生えた親知らずがあっても、必ずしもすぐに抜歯が必要とは限りません。

しかし、いくつかのケースでは抜歯を推奨されることがあります。ここでは、主な4つの判断ポイントを解説します。

隣の歯に影響を及ぼす可能性がある場合

親知らずが斜めや横向きに生えてくると、その前にある第二大臼歯を圧迫することがあります。この圧力により、隣の歯の歯根が溶けたり、歯並びが乱れたりすることがあります。

さらに、歯の根元に嚢胞(のうほう)と呼ばれる袋状の病変ができる場合もあり、これが周囲の骨や歯に悪影響を与えることもあります。

こうしたリスクがあると診断された場合、将来的なトラブルを未然に防ぐために抜歯が推奨されます。

虫歯や歯周病のリスクが高い場合

横向きに生えた親知らずには歯ブラシが届きにくく、日常の歯みがきでは汚れが残りやすくなります。そのため、食べかすやプラークが残った状態が続くと、虫歯や歯周病を引き起こすリスクが非常に高くなります。

特に問題となるのは、親知らずだけでなく、その手前にある第二大臼歯まで虫歯や歯周病の影響を受けてしまうケースです。これにより、本来健康だった歯を失うリスクも高まります。

そのため、リスクが高いと判断された場合は、将来的なトラブルを避けるためにも抜歯が勧められます。

噛み合わせに影響を与える場合

親知らずが横向きに生えると、上下の歯の噛み合わせにズレが生じることがあります。例えば、下の親知らずが横向きに生えている場合、上の親知らずが過剰に伸びてきたり、逆に接触がないことで咀嚼に支障が出たりすることがあります。

このような噛み合わせの不調によって、顎関節症を引き起こすリスクも高まり、日常生活にも支障をきたす可能性があります。そのため、噛み合わせへの影響が認められる場合には、抜歯が必要と判断されることがあるのです。

痛みや腫れを繰り返す場合

親知らずの周囲に細菌がたまりやすい状態が続くと、炎症を起こしやすくなります。これにより、歯ぐきが腫れたり、強い痛みを感じたりすることがあります。

このような症状を繰り返す場合は、抜歯によって根本的な原因を取り除くことが推奨されます。また、放置すると感染が広がり、重症化する恐れもあるため、早期の判断が重要です。

横向きに生えた親知らずの抜き方と流れ

横向きに生えた親知らずを抜くために歯科医に診察してもらう患者

親知らずの抜歯は、ほかの歯とは異なる手順で行われます。特に横向きに生えたケースでは、外科的な処置が必要となることが多いため、事前の準備から術後の経過観察まで、しっかりと把握しておくことが大切です。

診察と検査

まずは歯科医院での診察とレントゲン、またはCT撮影によって親知らずの位置や角度、周囲の骨や神経との関係を確認します。この段階で抜歯が必要かどうかの判断も行われます。

神経との距離が近い場合は、より慎重な対応が求められるため、大学病院などでの処置が案内されることもあります。

抜歯

局所麻酔を行い、歯ぐきを切開して親知らずを露出させます。場合によっては、歯を分割して取り出す必要があります。歯科医師が専用の器具を用いて慎重に抜歯を進めていきます。処置時間は30分から1時間程度が一般的です。

縫合と止血

抜歯後は出血を止めるためにガーゼをしっかり噛み、必要に応じて傷口を縫合します。縫合糸は1週間から10日ほどで抜糸しますが、歯科医院によっては溶ける糸が使用されることもあります。止血を確実に行うことが術後のトラブル予防につながります。

術後の処置と説明

術後には痛み止めや抗生物質が処方されます。また、腫れや内出血が起こることもあるため、冷やすタイミングや注意事項などについて丁寧な説明が行われます。術後1〜2日は安静に過ごすことが推奨されます。

経過観察

抜歯後は、歯ぐきの治癒状態や感染の有無を確認するために、数日から1週間後に再診を行います。特に異常がない場合でも、経過を見守ることが大切です。腫れや痛みが長引く場合は、早めに歯科医師に相談しましょう。

親知らずを抜いたあとの注意点

親知らずを抜いたあとの注意点を説明するイメージ

抜歯後の過ごし方によって、傷口の回復や感染リスクに大きな差が出ます。以下のような注意点をしっかり守ることで、より安全に術後を過ごすことができます。

止血をしっかり行う

抜歯直後は、ガーゼを30分〜1時間ほど噛み続けて止血を行います。出血が続く場合は、清潔なガーゼを再度噛み、安静に過ごしましょう。うがいや強く口をゆすぐ行為は、かさぶたが剥がれて出血する可能性があるため控えることが大切です。

激しい運動を控える

術後1〜2日は血行が良くなることで出血しやすくなるため、激しい運動や入浴は避けましょう。また、過度なストレスや睡眠不足も回復を妨げるため、できるだけ安静に過ごすことが望ましいです。

食事は柔らかいものを選ぶ

傷口に刺激を与えないために、術後数日はおかゆやスープ、ゼリーなどの柔らかい食事を選びましょう。硬い食べ物や熱すぎるもの、刺激物は避けるようにしてください。反対側の歯で噛むなどの工夫も必要です。

口腔内を清潔に保つ

抜歯後は口腔内を清潔な状態に保つことが非常に重要です。歯ブラシは傷口に触れないように注意しながら、ほかの部分は通常通り磨きましょう。うがい薬が処方されている場合は、指示通りに使用してください。

痛みや腫れへの対処を行う

痛み止めは、歯科医師の指示に従って適切に服用しましょう。腫れは冷やすことで軽減されることがありますが、冷やしすぎには注意が必要です。また、強い痛みや熱が出る場合は細菌感染を起こしている可能性があるため、早めに歯科医院を受診しましょう。

まとめ

横向きに生えた親知らずを抜いて笑顔の男性

横向きに生えた親知らずは、見た目にはわかりにくくても、口腔内の健康に大きな影響を及ぼす可能性があります。原因は顎のスペース不足や生活習慣、歯の位置関係などさまざまであり、それぞれのケースに応じた対応が求められます。

抜歯が必要かどうかは、痛みや腫れ、虫歯リスク、隣の歯への影響などの要因をもとに、歯科医師が総合的に判断します。親知らずの生え方に不安を感じている方は、まずは歯科医院で診断を受け、早めに適切な対応をすることが健康な口腔環境を守る第一歩となります。

親知らずを抜くべきかお悩みの方は、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院は、痛みに配慮した優しい治療を心がけて診療を行っています。むし歯・歯周病治療だけでなく、矯正治療や小児歯科、インプラント治療など、幅広い診療に力を入れています。

ホームページはこちら予約・お問い合わせも受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。公式Instagramも更新しておりますので、ぜひチェックしてみてください。

歯石・歯垢(プラーク)の違い

こんにちは。鳥取市東町にある「山根歯科医院」です。

皆さんは、歯科医院に行かれると「口の中に歯垢や歯石がついていますね 。しっかりと歯磨きをして歯垢や歯石を除去しましょう。」と言われた経験はありませんか?

歯周病の予防と早期発見の重要性を説明する歯科医

患者様に歯石や歯垢について聞いてみると、歯石と歯垢を正確に理解している人が少なく、中には同じようなものと考えている方もいらっしゃいます。歯石や歯垢は口の中の健康には悪影響を及ぼすことはありますが、成分、形成過程、除去の方法なども大きな違いがあります。

歯垢(プラーク)の成分

歯垢は、別名プラークとも呼ばれています。歯垢は歯の表面に付着する柔らかい粘着性の細菌の塊です。成分としては、食物残渣+細菌+細胞の残骸+唾液由来のタンパク質などが主成分です。

歯周病菌のイメージ

歯垢(プラーク)の形成過程

食べ物の残りや唾液成分に細菌が付着することによって、歯垢が形成されます。形成は、数時間で始まり、24~48時間で成熟した状態になります。これが、歯周病や虫歯の原因となる細菌の温床となります。私はよく、「細菌のマンション 」という表現を使います。細菌にとって非常に居心地が良い場所になります。1日歯を磨かないと歯の表面がぬるぬるするのは、歯垢が歯を覆っていることが原因です。初め、見た目は白色をしていますが 時間が経つと だんだん黄白色に変わり、付着範囲も大きくなっていきます。この歯垢は、水や洗口剤でうがいをしても、なかなか除去することは困難です。歯垢を除去するには、適切な歯磨きが必要となってきます。また、歯垢は付着場所によって「歯肉縁上プラーク」と「歯肉縁下プラーク」とに分けられます。

歯肉縁上プラーク

歯肉縁上プラークとは、歯茎より上に付着した歯垢のことです。歯と歯茎の境目あたりに付着することが多いので、鏡で見ると気づくこともあると思います。歯と歯茎の境目などにたまったプラークは、歯周病や虫歯の原因となります。

歯肉縁下プラーク

歯肉縁下プラークとは、歯茎より下に付着したプラークのことです。歯周ポケットの内部に付着しているため、鏡で見ても目視することは難しいです。歯肉縁下プラークは、歯周病が進行してできる歯周ポケットの内部に付着するため、このプラークは歯周病の進行に大きな関係があります。また、歯肉縁下 プラークが長期間 残っていると、歯を支えている骨(歯槽骨)が溶けて、歯が動揺し場合によっては、歯が抜けてしまう原因になります。

バイオフィルムと歯垢(プラーク)

以前は、歯垢のことをプラークと呼んでいました。ただ、最近では、歯垢とバイオフィルムは同じものと考えられています。バイオフィルムは微生物が集合してできたヌルヌルとした膜のことです。歯に付着する歯垢(プラーク)がこれにあたります。

歯肉縁上プラークの除去

歯肉縁上プラークの除去には、毎日の適切な歯磨き、歯間ブラシやデンタルフロスなど歯間清掃補助器具の使用が大切です。それに加えて定期的に歯科医院を受診し、スケーリング や PMTCを行っていただくことが重要です。

歯肉縁下プラークの除去

歯肉縁下プラークの除去においては、毎日の口腔ケアだけでは限界があり、完全に除去することは困難です。歯肉縁下プラークの除去においては、歯科医院での専門的な治療が不可欠になってきます。歯科医院での主な治療法としては以下のことがあげられます。

スケーリング(歯石除去)

超音波スケーラーを使用し、歯肉縁下の歯垢(プラーク)をしっかりと除去していきます。

超音波スケーラー
超音波スケーラーで歯石除去

歯石について

歯石は、歯垢(プラーク)が石灰化して硬くなったものを言います。歯石は、歯垢の中の最近の代謝産物で唾液中のカルシウムやリン酸が結合することによって形成されます。

歯石ができる過程

歯石の形成には、時間がかかります。歯垢は、一般的に24時間~72時間ぐらいで石灰化が始まるとされています。石灰化が進むと、柔らかい状態から硬い歯石になっていきます。一般的には 、プラーク形成から歯石に変化するまでには、2日~14日程度かかると言われています。歯石ができると歯磨きでは除去が困難になり、歯科医院での専用器具(スケーラー)で除去しなければなりません。

歯石の成分

歯石には、有機成分と無機成分の2つからできています。

有機成分

細菌の残骸 、バイオフィルムのマトリクス、唾液タンパク質などがあげられます。

無機成分

カルシウムとリン酸が結晶化してできた沈着物などが主成分です。歯石の付着部位における分類では、歯肉縁上歯石と歯肉縁下歯石の2種類があります。

スケーリング(歯石除去)

超音波スケーラーを使用し、歯肉縁下の歯垢(プラーク)をしっかりと除去していきます。

歯肉縁上歯石

歯肉縁上歯石とは、歯茎の上にある歯石のことです。歯肉縁上歯石の特徴は、白っぽい色または、黄白色をしています。また 歯肉縁下歯石に比べて 柔らかく形成されるのが早いことが特徴です。

歯肉縁下歯石

歯肉縁下歯石は、歯と歯茎の間の溝の中にでき、黒褐色をしています。 血液成分などともも結合しているため歯肉縁上歯石に比べて硬く除去しにくいのが特徴です。歯石は、一度形成されると日常 歯磨きでは除去することは困難です。歯科医院で専門的な クリーニングが必要となってきます。

口の中の健康への影響

歯垢(プラーク)は、虫歯や歯周病の直接的な原因となります。歯垢(プラーク)内にある細菌が酸を産生することにより虫歯が発生したり、歯の周りの歯肉組織に炎症を起こし、歯周病を引き起こすことになります。

それに対して歯石の場合は、生きた細菌を含まないため、直接的な病原性は低いとされています。ただ、歯石の表面は粗造なので、新しい歯垢が付着しやすく、虫歯や歯周病になるリスクが向上します。つまり、歯石の存在は歯垢(プラーク)が付着しやすくなり、結果として歯周病の進行が促進されることになるわけです。

まとめ

歯垢(プラーク)と歯石では、どちらもお口の中の健康に悪影響を及ぼす原因となります。その成分や性質、治療法においては、大きな違いがあります。歯垢(プラーク)は、毎日の適切なケアで除去することが可能ですが、歯石は歯科医院での専門的なケア(スケーリングなど)が必要となってきます。当院では、口腔内のケアや虫歯・歯周病予防などにおいて、日常の適切なセルフケアと定期的なプロフェッショナルケア(スケーリング やPMTC )の2つの仕組み 組み合わせにより、お口の中の健康を維持することが可能になると考えています。この2つの取り組みを継続的に行い、長期的に口腔内の健康を維持していただきたいと思います。

お口の中の健康を維持のためにも、気になる点がございましたら、鳥取市東町にある山根歯科医院にご相談ください。

当院は、痛みに配慮した優しい治療を心がけて診療を行っています。むし歯・歯周病治療だけでなく、矯正治療や小児歯科、インプラント治療など、幅広い診療に力を入れています。

山根歯科医院 鳥取市 東町 虫歯 歯周病 ホワイトニング 矯正 インプラント

ホームページはこちら予約・お問い合わせも受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。

矯正治療後に後戻りが起こる原因と予防法!歯並びをキープするために大切なこと

こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。

矯正治療後に後戻りが起こるのを予防するためのリテーナー

矯正治療を終えた後「せっかく治療したのに、歯が元に戻ってきた気がする」とお悩みの方もいるかもしれません。矯正治療完了時の整った歯並びが完全に安定するまでには、ある程度の時間がかかります。

この記事では、後戻りが起こる原因や予防法、安定するまでの期間などについて解説します。

後戻りとは

マウスピース矯正を終えアライナーを外し後戻りがおこる様子

後戻りとは、矯正治療によって整えた歯並びが、時間の経過とともに再び乱れる現象を指します。矯正治療直後の歯周組織は安定しておらず、元の位置に戻ろうとする力が働くためです。

歯は顎の骨に埋まっていて、歯根膜という組織を介して支えられています。この膜が圧縮されたり伸ばされたりすることで、顎の骨の吸収と再生が起きて、歯が移動していきます。そのため、矯正が終わった直後は、歯を支える組織がまだ新しい位置に適応しきれていないため、元の位置に戻ろうとする力が働きます。

これは自然な現象であり、どのような矯正治療を行った後でも、どのような方でも後戻りのリスクがあります。後戻りした場合でも、程度には個人差がありますが、後戻りを予防することが非常に重要です。

矯正治療後に後戻りが起こる主な原因

矯正治療後に後戻りが起こる主な原因イメージ

上述したとおり、矯正治療で整えた歯並びが、時間の経過とともに乱れてくる現象を後戻りと呼びます。ここでは、後戻りが発生する主な原因を確認しましょう。

保定装置(リテーナー)の不適切な使用

保定装置(リテーナー)は、矯正後の歯を安定させるために必要不可欠なアイテムです。

しかし、保定装置の使用を怠ると、矯正によって整えられた歯列が再び崩れるリスクが高まります。特に、治療直後の期間は、歯周組織が安定しておらず、後戻りしやすい状態にあるため、歯科医師の指示に従って確実に装着することが大切です。

装置を外している時間が長かったり、自己判断で使用を中断したりすると、後戻りが進行する恐れがあります。装置の適切な使用は、矯正治療の成功を長期的に支える重要な要素といえるでしょう。

舌や口周りの悪習癖

以下のような口周りの癖や習慣も、後戻りの原因になります。

  • 舌で歯を押す癖(舌癖)
  • 口呼吸
  • 頬杖
  • うつぶせ寝や横向き寝

もともとは歯並びが悪くないお子さまでも、舌で歯を押す癖があると歯並びが悪くなっていくことがあります。

また、鼻呼吸ができずに口呼吸が習慣化すると、口が常に開いた状態になるため、口周りの筋肉のバランスが崩れます。その結果、頬や唇の筋肉のバランスが悪化すれば歯に不自然な力が加わり、後戻りを起こす原因になるでしょう。

成長期の顎の変化

小児矯正や混合歯列期の治療では、顎の成長が治療結果に大きく関わります。顎の成長とともに歯列が変動するため、この影響で歯並びが乱れるケースもあります。

歯周病や加齢による歯の動き

加齢とともに歯ぐきや骨の状態が変化し、歯が少しずつ動くことがあります。特に、歯周病が影響すると、歯槽骨が減って歯の安定性が損なわれやすくなり、後戻りが起きやすくなります。つまり、矯正治療後に歯周病のケアを怠ると、歯並びが崩れる原因になります。

親知らずの影響

上下の親知らずが生えてくると、前方に押し出されて歯並びが乱れることがあります。親知らずに歯列が圧迫され、歯が後戻りすることがあるのです。

そのため、矯正治療を受ける前に親知らずの有無をチェックすることが大切です。矯正治療後に親知らずが萌出して影響を及ぼすのを防ぐために、親知らずの抜歯を検討することもあるでしょう。

矯正治療後に後戻りを起こさないために今できること

矯正治療後に後戻りを起こさないためにリテーナーを装着する女性

ここからは、後戻りを防ぐために今できることをご紹介します。

保定装置を正しく使用する

最大の対策は、保定装置を正しく使用することです。医師の指示に従って、適切に使用を続けましょう。自己判断で使用を中断したり、装着時間を短縮したりしないことが重要です。

取り外せる保定装置の場合、治療終了直後は1日20時間以上の装着が求められますが、徐々に夜間のみの使用に移行するケースが多いです。

舌や口周りの悪習癖を改善する

舌で歯を押す癖や口呼吸などの習慣は、矯正治療後の歯列に大きな負担をかけます。舌の位置を正しい場所に保ち、口周りの筋肉が歯に余計な力をかけないようするために、日頃から姿勢や舌の位置を確認してみましょう。

心配な方は、歯科医師によるチェックを受けて、口周りの筋肉を鍛えるトレーニングなども取り入れると良いでしょう。

定期的に歯科検診を受ける

一見問題がなさそうに見えても、矯正治療後の歯列は非常に不安定です。わずかな力でも歯が移動して、後戻りにつながるかもしれません。

後戻りのリスクを早期に発見するためには、定期的に歯科医院で検診を受けることが大切です。歯科医師や歯科衛生士によるチェックで、リテーナーの適合状態や歯並びの微細な変化を把握できます。問題が見つかっても、早期に簡単な調整や処置を行うことで、大がかりな治療を避けられます。

3ヶ月〜半年に1回の頻度で通院し、小さな変化も見逃さないようにしましょう。

親知らずの管理を行う

矯正治療後に親知らずが萌出すると、歯列を後ろから押して後戻りを引き起こす可能性があります。矯正治療前に親知らずが見つかり、特に斜めや横向きに生えている場合は、事前に抜歯を検討することが一般的です。

治療後に親知らずの萌出が予測される場合は、定期的にレントゲン検査を受けて適切に対応していきましょう。

後戻りを起こしたときの対処法

後戻りを起こし歯科医院を受診する女性

後戻りを起こしたときの対処法としては、以下が挙げられます。

  • 歯科医院で状態をチェックする
  • 再保定で改善する
  • 再矯正で歯並びを整え直す

後戻りの程度によって対応方法は異なるため、クリニックで相談して歯科医師の指示に従うことが大切です。

歯科医院で状態をチェックする

後戻りに気づいたら、まずは歯科医院で歯並びの状態を診てもらうことが重要です。後戻りの程度によっては、再度取り外し式の保定装置を装着するだけで歯列を安定させられることもあるでしょう。

一方で、後戻りが進んでいる場合や噛み合わせが崩れている場合は、再矯正が必要になるケースもあります。気づいたときが最も対処しやすいタイミングですので、歯科医師に相談してみましょう。

再保定で改善する

取り外し可能な保定装置の場合、歯列に合っていないだけの可能性もあるかもしれません。必ずしも後戻りを起こしているわけではないため、保定装置を作り直したり調整したりすれば、後戻りした歯並びを改善できることがあります。

また、固定式のリテーナーの場合、ワイヤーを調整したり新たにリテーナーを作り直したりすることで、後戻りを改善できる可能性があります。なお、軽度の不正咬合であれば、保定期間の延長や使用時間の延長だけで改善できる場合もあります。

再矯正で歯並びを整え直す

後戻りが進んでおりリテーナーの装着が困難な場合は、再矯正が必要になる可能性があるでしょう。前歯が大きく重なっている、すき間が広がっているなど、見た目や噛み合わせに明らかな影響が出ているケースでは、再矯正による治療が検討されます。

最初の治療の時よりも期間や費用を抑えられるケースが多いですが、歯科医師に相談してみましょう。

まとめ

矯正治療を終え歯列が整った笑顔の女性

矯正治療は一度で完結するものではなく、治療後のケアが何より重要になります。歯は一度動いたらその位置に固定されるわけではなく、生活習慣や身体の変化によって再び動き出すこともあるためです。

特に、保定装置の使用を怠ったり舌癖や口呼吸などの習慣があったりすると、後戻りが起こりやすくなります。また、成長期の子どもは顎の発達に伴って歯列が変動することがあるため、大人の歯並びと同じように安定するわけではありません。

後戻りを防ぐためには、保定装置を正しく使用することが大切です。

矯正治療を検討されている方は、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院は、痛みに配慮した優しい治療を心がけて診療を行っています。むし歯・歯周病治療だけでなく、矯正治療や小児歯科、インプラント治療など、幅広い診療に力を入れています。

ホームページはこちら予約・お問い合わせも受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。公式Instagramも更新しておりますので、ぜひチェックしてみてください。

インビザライン矯正の種類と特徴について

こんにちは。 鳥取市東町にある「山根歯科医院」です。

近年、矯正治療において、急速に普及しているのがマウスピース矯正です。

マウスピース矯正をしている女性

マウスピース矯正には、いくつか種類があります。代表的なものとして、インビザライン、キレイライン、アソアライナー、クリアコレクトなどがあります。当院では、インビザラインを採用しています。

そのインビザラインにも、

インビザライン Go・インビザライン GO plus

インビザライン・ファースト

インビザライン・コンプリヘンシブ

インビザライン・モデレート

インビザライン・ライト

の5種類があります。実は、それぞれにおいて特徴があり、適応となる年齢やお口の中の状況によって治療方法が変化します。

インビザラインの種類

インビザラインのイメージ

🦷インビザライン・コンプリヘンシブ

もっとも一般的なインビザラインは、コンプリヘンシブと呼ばれます。治療の制限が最も少なく、成人の全顎矯正に使用されます。コンプリヘンシブは、出っ歯や反対咬合、叢生、上顎前突など、ほとんどの症例に対応することができます。理由として、前歯部から臼歯部まで歯を動かすことができます。第1小臼歯の抜歯症例でも、対応できるマウスピース矯正です。ただ、治療日数、期間が長くなること、治療費がほかのインビザラインの治療よりも高くなりやすいといえます。

🦷インビザラインGoインビザラインGO plus

インビザラインGoは、前歯部~小臼歯のみを動かす「部分矯正」です。適応症例としては、軽度な叢生、出っ歯、1歯のみの反対咬合などが挙げられます。ただ、最近では、インビザラインGoplusが注目されています。インビザラインGoplusは、第1大臼歯まで歯を動かすことができるので、適応症例がかなり広がっています。

🦷インビザライン・ファースト

インビザライン・ファーストは、乳歯と永久歯が混在する6~10歳までの子供を対象としたマウスピース矯正です。顎の成長を促しながら歯並びを整えていくことを目的としています。ただ、従来のワイヤー矯正のように段階ごとに治療を分けることができないので、治療期間が短縮になる可能性があります。また、インビザライン・ファーストには、大きなデメリットがあります。1つめは、乳歯が抜けるとマウスピースが合わなくなってしまいます。そうなると、マウスピースを再作製のために、来院してもらい、再スキャンしなければなりません。2つめは、ワイヤー矯正よりも治療費が高額になる可能性が高いということです。3つめは、マウスピースの管理が必要なことです。子供を育てるには、食事など様々な場面はありますが、そこにマウスピースの管理が必要となると、保護者の負担が増えると思います。紛失すると、マウスピースを再作製するためにも、再スキャンが必要になります。

🦷インビザライン・モデレート

インビザライン・モデレートは、軽度から中等度の歯列不正を対象としたマウスピース矯正です。片顎26枚(上下顎52枚)までのマウスピースを使用し、比較的短期間で治療ができる方法です。治療期間は、6~18か月程度です。抜歯が必要なケースは、コンプリヘンシブが適用症例となります。

🦷インビザライン・ライト

インビザライン・ライトは、軽度な歯列不正を改善する方法です。使用できるマウスピースは、最大14枚と制限されています。治療期間も比較的短く、3~6か月程度です。適応症例としては、軽度な叢生、正中離開などがあげられます。

🦷インビザライン矯正のまとめ

ここまでご紹介した種類を、インビザライン・ファーストを除き、難易度の低い順に示すと、以下のとおり順になります。

インビザライン・ライト

インビザラインGo

インビザライン・GoPlus

インビザライン・モデレート

インビザライン・コンプリヘンシブ

マウスピース矯正の基本的な流れ

マウスピース矯正では、コンピュータ技術を用い、治療計画を立て、製作される一連のマウスピースを使用しています。

当院では、まず最初に患者様の口腔内を簡易スキャンし、3Dデジタルモデルを作ります。そして、3Dシミュレーションをし、現在の状態と治療後の口腔内の状態を見ていただきます。治療のビフォー・アフターを確認し、見比べることができます。

iTero 鳥取市 歯医者
iTero
鳥取市 歯医者 矯正 インビザ

その後、精密なスキャンを行い、最終的な歯列になるまで、歯の移動過程を3Dのシミュレーションで見ていただくことができます。どの歯にアタッチメント(歯の表面に直接接着する、歯と同じ色の小さな突起物)がついているか、どの部分にIPR(歯を動かすためのスペースが不足している場合に、歯と歯の間をわずかに削ってスペースを作る方法)を入れるのかをご説明し、納得いただいてから治療を開始します。この時点で、マウスピースの交換枚数もはっきりしますので、だいたいの治療期間がおおよそわかることになります。

それぞれの方法の治療期間の目安は、以下の通りです。

インビザライン・ライト(3~6か月)

インビザラインGo(6~9か月)

インビザライン・GoPlus(6~12か月)

インビザライン・モデレート(6~18か月)

インビザライン・コンプリヘンシブ(1.5~3年)

難易度が上がるにつれ、治療期間が長くなりやすい傾向があることに間違いありません。

机に置かれたカレンダーとファイル

マウスピース矯正の一般的なメリット・デメリット

以前は、マウスピース矯正といえば、適応症例が限られていましたが、最近ではシステムの技術革新によって、適応症例の拡大とともに、治療精度の向上にもつながっています。

メリット

審美的で目立ちにくい

マウスピース矯正の最大メリットは、優れた審美性にあると思います。透明なマウスピースを使用しているので、装着しても、ほとんど気づかれにくいです。そのため、日常生活において、接客業や人前に出る仕事でも気づかれにくいというメリットがあります。以前のワイヤー矯正では、笑顔を見せると、ワイヤーが見えてしまい、心理的負担がかかる人もいましたが、マウスピース矯正では、そのような心理的負担は大きく軽減されます。

取り外しができる

食事、歯磨きの時に自由に取り外しができることです。以前のワイヤー矯正では、硬いものや粘着性の高い食品は避ける必要がありました。しかし、マウスピース矯正では、取り外して飲食できるため、食事制限がほとんどありません。また、歯磨きをするときも取り外しが可能なため、しっかりとプラークコントロールを行うことができるため、口腔衛生を良好に保つことができます。

鳥取 歯医者 マウスピース

痛みや違和感が少ない

ワイヤー矯正では、ブラケットやワイヤーが頬粘膜と擦れて、傷(口内炎)になることがあります。特にワイヤーが破損すると、よく傷(口内炎)ができます。しかし、マウスピース矯正では、このような問題は、ほとんど起こりません。また、マウスピース矯正では、ワイヤー矯正に比べ、歯に加わる力も弱いです。このため、ワイヤー矯正に比べ、強い痛みが起こりにくい特徴がありますが、2~3日後には、痛みをほとんど感じにくくなります。

治療計画の可視化

マウスピース矯正治療では、治療開始前にコンピューターシュミレーションにより、最終の歯列のイメージ(シュミレーション)が、されることが多く治療の見通しが立てやすいです。これは、3Dシュミレーション技術により、治療前と治療後の状態をイメージすることができます。また、口腔内の精密スキャン分析することによって、各段階で歯がどのように移動するかをシュミレーションすることができます。このことは、患者様へのモチベーション向上にも大きく役立っています。

メリット

①本人の装着協力

マウスピース矯正は、1日20~22時間の装着が推奨されます。装着時間が短いと計画通りに歯が移動せず。治療期間も延びる可能性があります。

マウスピースの装着時間イメージ

②マウスピースの紛失や破折のリスク

取り外し可能なため、ケースに入れ忘れて紛失してしまうことがあります。紛失や、破損した場合は、マウスピースを再度作製する必要があり、追加費用がかかったり、矯正治療期間が延びてしまうことがあります。

③費用が高価

矯正治療の場合、自由診療となるため、費用は高価になりますが、ワイヤー矯正に比べて、マウスピース矯正の治療費は、やや高めになることが多いです。その辺りは、担当歯科医師とご相談していただきたいと思います。

費用 歯科

~マウスピース矯正の注意事項~

🦷セルフクリーニング

マウスピース矯正では、マウスピースの適切な維持管理が大切です。食後に歯磨きをしないでマウスピースを装着したままだと、むし歯や歯周病になるリスクが向上してきます。食後は、歯磨きをすることはもちろんのこと、マウスピースの洗浄も大切です。洗浄には、専用クリーナーでしっかりと清掃してからの装着をおすすめしています。

まとめ

マウスピース矯正は、「見た目」「取り外し」「清掃性」などの日常生活への適合性が高いとても魅力的な矯正治療法です。しかし、患者様ご自身の協力度に強く依存するところが多いのが特徴です。治療をご検討する際は、担当の歯科医師による診断を受け、自分自身の症例の適応性や治療計画、費用などをしっかりと確認することが、とても重要です。

鳥取市 歯医者 検診 山根歯科医院

気になる症状や、ご質問がございましたら、鳥取市東町にある山根歯科医院にご相談ください。

当院は、痛みに配慮した優しい治療を心がけて診療を行っています。むし歯・歯周病治療だけでなく、矯正治療や小児歯科、インプラント治療など、幅広い診療に力を入れています。

ホームページはこちら予約・お問い合わせも受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。

歯周病を放置するとどうなるの?リスクと進行を防ぐ方法

こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。

歯周病のイメージ

歯周病は、日本人の多くが悩まされている身近な病気です。歯ぐきの腫れや出血、口臭などの軽微な症状から始まり、気づかないうちに歯を支える組織が破壊されていきます。

歯磨きのときに少し血が出るだけと放置してしまいがちですが、その放置が取り返しのつかない結果を招くこともあります。さらに近年の研究では、歯周病が口の中だけの問題ではなく、全身の健康とも深く関わっていることが明らかになってきました。

今回は、歯周病を放置するとどのような影響があるのか解説します。歯周病の進行を抑えるために大切なこともご紹介しますので、歯周病の症状にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

歯周病とは

歯周病になるメカニズムのイメージ

歯周病とは、歯と歯ぐきの境目にある歯周ポケットと呼ばれる部分に細菌がたまり、歯ぐきや歯を支える骨に炎症を起こす病気です。歯周病の初期段階を歯肉炎といい、歯ぐきの腫れや出血が見られますが、進行すると歯周炎となり、歯を支える組織が破壊されていきます。

この病気の怖い点は、初期には痛みなどの症状がほとんどなく、気づいたときにはかなり進行しているケースが多いことです。また、成人の多くが歯周病にかかっていると言われており、40歳以上では約8割が歯周病を患っているというデータもあります。

つまり、誰もが発症するリスクを持っている病気なのです。

歯周病の原因

歯周病の主な原因は、歯の表面にたまる歯垢(プラーク)です。歯垢には多くの細菌が含まれており、これが歯と歯ぐきの隙間に侵入すると、歯ぐきが炎症を起こし始めます。炎症が深部にまで及ぶと、歯を支える骨や結合組織が破壊されていきます。

また、歯磨き不足や不適切なブラッシング習慣、喫煙、ストレス、栄養の偏り、口呼吸、さらには糖尿病などの全身疾患も、歯周病の進行を助長する要因とされています。これらのリスク要因を理解し、生活習慣を見直すことが歯周病予防の第一歩です。

歯周病を放置するリスク

歯周病を放置するリスクを説明するイメージ

歯周病を、たかが歯ぐきの腫れと軽く考えて放置すると、思いもよらぬ健康被害につながることがあります。ここでは、歯周病を放置するとどのようなリスクがあるのか解説します。

歯を失うリスクが高まる

歯周病を放置すると、最終的には歯が抜けてしまうことがあります。歯周病は歯を支える骨や歯根膜などの組織を破壊していく病気です。そのため、進行すればするほど歯の土台が弱まり、歯がグラグラしはじめ、やがて自然に抜けてしまうことがあるのです。

日本人が歯を失う原因の第1位は虫歯ではなく、実は歯周病です。特に40代以降は歯周病が原因での歯の喪失が増えてきます。

一度失った歯は元に戻らず、入れ歯やインプラントといった補綴治療が必要になります。これらの治療には費用も時間もかかるため、歯周病の症状があるときは、早期に治療を受けることが重要なのです。

口臭が悪化する

歯周病は、強い口臭の原因となることがあります。歯周病菌が作り出すガスには、腐敗臭に似た独特のニオイがあり、これは自分では気づきにくいものです。さらに、歯周ポケットにたまった膿や血液が悪臭を放ち、慢性的な口臭となって現れます。

口臭は、単なるエチケットの問題にとどまりません。職場や家庭、友人関係など、対人関係に影響を与えることもあり、精神的なストレスや自信の喪失につながるケースもあります。口臭を根本的に改善するためには、原因である歯周病の治療を受けることが重要なのです。

全身疾患を引き起こすリスクが高まる

歯周病を放置すると、全身の健康に悪影響を及ぼすことが近年の研究で明らかになっています。歯周病菌が血流に乗って全身を巡ると、さまざまな病気を引き起こすリスクが高まるのです。

代表的なものとしては、糖尿病、心疾患、脳卒中、誤嚥性肺炎、さらには認知症や早産・低体重児出産との関連も指摘されています。特に糖尿病とは相互に悪影響を及ぼす関係があり、歯周病があると血糖コントロールが難しくなることもあります。

つまり、歯周病は単なる口の病気ではなく、全身の健康を左右する重要な要因なのです。

生活の質(QOL)が低下する

歯周病を放置して歯を失ったり、噛む機能が低下したりすると、日常生活にさまざまな支障が出てきます。例えば、食べたいものが食べられない、発音が不明瞭になる、外見に自信が持てなくなるなど、生活の質(QOL)が低下します。

また、食事がうまく摂れないことで栄養状態が悪化し、体力や免疫力の低下につながることもあります。歯周病を防ぐことは、健康寿命を延ばし、いきいきとした生活を送るためにも非常に重要なのです。

歯周病の進行を防ぐ方法

歯周病の進行を防ぐために正しい方法で歯をみがく女性

歯周病のリスクを軽減するには、日頃からの予防と早期発見・早期治療が何よりも大切です。ここでは、歯周病の進行を防ぐ方法について解説します。

正しい方法で歯磨きを行う

毎日の歯磨きは、歯周病予防の基本です。

しかし、自己流の磨き方では歯周病の原因である歯垢を十分に除去できず、逆に歯ぐきを傷つけてしまうこともあります。重要なのは、歯と歯ぐきの境目を意識して丁寧に磨くこと、そして時間をかけてすべての歯を磨くことです。

加えて、デンタルフロスや歯間ブラシを併用することで、歯ブラシだけでは届かない部分の汚れもしっかり取り除くことができます。うまく歯磨きができているか不安な場合には、歯科医院でブラッシング指導を受けるのもよいでしょう。

食生活を見直す

糖分の多い食品や柔らかいものばかりを食べていると、歯垢がたまりやすくなり、歯周病のリスクが高まります。野菜や果物など繊維質の多い食べ物を取り入れることで、自然な歯の清掃効果が得られます。

また、栄養バランスの取れた食事は、歯ぐきや歯を支える組織の健康維持に役立ちます。特にビタミンCやカルシウムを意識的に摂ることが勧められます。食生活の改善は、全身の健康にも良い影響を与えるため、歯周病予防と併せて取り入れたい習慣です。

禁煙する

喫煙は、歯周病の大きなリスクファクターのひとつです。たばこに含まれるニコチンや有害物質が血流を悪化させ、歯ぐきの免疫力を低下させることで、細菌感染が進行しやすくなります。

さらに、喫煙者は歯周病の治療効果が現れにくいことも知られており、非喫煙者と比べて歯を失うリスクが高くなります。歯と歯ぐきの健康を守るためには、禁煙は非常に効果的かつ必要な選択肢です。

定期的に歯科検診を受ける

歯周病の初期段階では自覚症状が少ないため、気づかぬうちに進行することが多いです。定期的に歯科医院で検診を受けていれば、万が一、歯周病の兆候があっても早期発見につながります。

また、歯科医院では歯ぐきの状態を確認してもらえるだけでなく、専門的な歯のクリーニングも受けられます。ご家庭でのケアでは落としきれない歯石やバイオフィルムを除去してもらえるため、歯周病の予防につながります。

さらに、検診時には、磨き残しのチェックや正しいブラッシングの指導を受けることも可能です。自分ではしっかり磨けているつもりでも、意外と磨き残しが多いことに気づかされるケースも少なくありません。

こうしたプロによるサポートが、歯周病の進行を防ぎ、長く健康な歯を保つことにつながります。

まとめ

歯周病を治療して元気にジョギングを楽しむ男女

歯周病は、放置すれば歯を失うだけでなく、全身疾患の悪化や生活の質の低下といった深刻な影響をもたらす病気です。

初期段階では症状が軽く、つい軽視しがちですが、放置することで静かに確実に進行していきます。歯ぐきの腫れや出血、口臭などのサインを見逃さず、早めに対処することが何より大切です。

また、歯周病を予防するためには、日々の正しいブラッシング、バランスの取れた食生活、禁煙、そして定期的な歯科検診が不可欠です。これらを習慣化することで、歯だけでなく全身の健康維持にもつながります。

歯周病は自分自身の意識と行動でコントロールできる病気です。放置せず、今日からできることを始めて、将来の健康を守りましょう。

歯周病の症状にお悩みの方は、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院は、痛みに配慮した優しい治療を心がけて診療を行っています。むし歯・歯周病治療だけでなく、矯正治療や小児歯科、インプラント治療など、幅広い診療に力を入れています。

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矯正治療を行う適切な時期について

こんにちは。

鳥取市東町にある「山根歯科医院」です。

当院では、矯正治療において、いつごろから始めるのが適切なのかという質問を患者様から受けることがあります。実は、矯正治療の始める時期は、治療法、不正咬合の経過、咬み合わせや年齢などによって、大きく変わってきます。

本日は、矯正治療を始める適切な時期についてお話しします。

まず、結論を先に言いますと、始める時期は、一人一人違います。年齢や歯の生え変わりの状態、骨格の成長、咬合の問題など、様々な問題を考慮したうえで矯正治療の始める適切な時期を決めなければなりません。

年齢別の矯正治療の特徴、検査や治療の流れなどについて、わかりやすくお話ししたいと思います。

噛み合わせの治療法であるマウスピースとワイヤー矯正の器具を手に持った歯科医のイメージ

年齢別の矯正治療の特徴と検査や治療の流れ

🦷乳歯列期(3~6歳頃)

この時期の矯正治療は、「初期治療」と呼ばれ、積極的な矯正装置(ワイヤーやアライナー)は装着せず、指しゃぶりや舌癖などの習癖の改善により、正常な顎の成長発育ができるようにコントロールし、将来の本格的な治療の負担軽減を目的とした治療です。特に、悪習癖があると、歯列不正、咬合異常が起こる原因となります。悪習癖がある場合は、永久歯が萌出する前(6歳ごろ)までに改善することをお勧めします。

歯医者で歯並びなどお口の状態を確認してもらう女の子

🦷混合歯列期(6~12歳頃)

混合歯列期は、永久歯の生え変わりが始まる時期です。この時期に行う矯正治療を「第Ⅰ期治療」と呼びます。この時期の治療(第Ⅰ期治療)の目的は、顎の成長を誘導し、永久歯が正しい位置に生えるようにし、いわば、将来的に本格的な矯正治療がスムーズに進むようにする土台作りといえます。具体的な目的として、永久歯萌出のためのスペース確保、骨格的な問題の早期改善などが挙げられます。

プレオルソで矯正できる症例として歯並びの乱れた子供

当院で使用する代表的な矯正装置には、次のものが挙げられます。

クワッドヘリックス(顎の拡大装置)

矯正

ヘッドギア(上顎の骨の成長抑制し出っ歯の改善装置)

舌癖防止装置

舌側弧線装置

🦷中学生(12~15歳頃)の矯正治療

このころになると、すべての永久歯が萌出し、本格的な矯正治療に最適な時期とされています。まだ骨の成長が止まっていない中学生の時期には、骨格の成長を取り入れ、成長に合わせた治療を取り入れることがあります。そして、顎の発育誘導を図りながら、美しい永久歯の歯並びを手に入れられる矯正治療において、とても素晴らしいタイミングになることが多いです。

「矯正治療は、早いうちに治療を開始しないといけない」と思われている方もいらっしゃいます。もちろん、小児の時期から開始したほうが良いケースもあります。ただ、多くの場合、安定した永久歯列を完成するためには、すべての永久歯が生えそろってから矯正治療を開始するのが望ましいケースもあります。12~15歳ごろになると、ほとんどの歯が生えそろっています。このため、本格的な矯正治療に最適な時期とされています。

🦷高校生(16~18歳頃)の矯正治療

高校生の時期は、中学生の時期同様、矯正治療を始める時期として最適な時期といえます。高校生になると、学校生活における年間スケジュールが決まっているため、通院計画が立てやすいという点があります。矯正治療中は、毎月1回程度、矯正装置の調整のため、通院する必要があります。年間のスケジュールが分かっていると、予定が分かっていると、通院の計画が立てやすいというメリットがあります。

小さな子供とは違い、治療を希望された高校生の場合、本人の協力が得やすいというメリットがあります。その反面、考慮しなければならない点もあります。それは、受験勉強などにおける配慮です。矯正装置をつけたら、「痛みや違和感があり、勉強ができない」ということは、ほとんどありません。ただ、歯を動かすため、ワイヤー調整をした場合は、少し痛みが出ることがあります。多くの場合は、3~4日後には、ほとんど痛みはなくなります。また、マウスピース矯正の場合は、ワイヤー矯正よりもさらに弱い力で歯を動かすことになるので、ほとんど痛みはありません。ただ、定期テストや模擬テストの日に通院をするかどうか、日程の調整は考慮したほうがいいかもしれません。

インビザラインとワイヤー矯正の比較をしている人

中学生、高校生から始める矯正治療を「第Ⅱ期治療」と呼びます。矯正治療において、大きく2つの治療方法があります。ワイヤー矯正とマウスピース矯正です。

ワイヤー矯正ですきっ歯が改善している子ども

(ワイヤー矯正)

(マウスピース矯正)

🦷18歳以降の矯正治療

18歳以上の矯正治療は、「成人矯正」と呼ばれる、大人の矯正治療を指します。厳密にいうと、成人矯正は、永久歯がすべて生えそろった後の矯正治療を指します。中高生で永久歯が全部生えそろった後の矯正治療であれば、大人の矯正治療といえます。大人になったら、矯正治療は行えないと考えていらっしゃる方がよくいますが、大人になってから、40~50代の方でも矯正治療を行うことができます。虫歯があるから、差し歯があるからといって、諦める必要はありません。ただ、矯正治療を行う前に、虫歯の治療をしっかりと行う必要があります。また、差し歯がある方もでも大丈夫ですので、安心して矯正治療を受けることができます。

🦷矯正治療を開始するタイミングの判断基準

まず、子供の矯正治療においては、保護者さんの理解と協力が必要となってきます。年齢別にチェックポイントがあります。

~6歳以下の子供に対してのチェックポイント~

反対咬合になっていないかどうか

悪習癖があるかどうか 例)指しゃぶり

口呼吸しているかどうか

~6~8歳の子供に対してのチェックポイント~

6歳臼歯の萌出状態

前歯部の萌出状態とその位置

咬み合わせの状態 例)過蓋咬合、開咬になっていないか

歯の大きさと顎の大きさのバランス

ゴムかけをするときの注意点をチェックするイメージ

以上のことをチェックしていきます。

第Ⅰ期治療と第Ⅱ期治療

矯正治療には、Ⅰ期治療とⅡ期治療があります。

Ⅰ期治療では、骨の成長に合わせて顎のバランスの広さを整える治療で、7~12歳ごろまで行う治療です。

大人の矯正で、第1小臼歯を抜歯して矯正治療を行うことがよくあります。これは、歯の大きさと顎の大きさのバランスが取れず(歯の大きさが大きく、顎が小さい)、歯がでこぼこに生えた状態(叢生:そうせい)になったときに行います。第1小臼歯を抜歯する理由は、歯を正常にかみ合わせできる位置に移動させるスペースを作るためです。ただ、Ⅰ期治療で顎の成長を誘導し、永久歯がきちんと生えてくるスペースが確保できれば、抜歯する必要がなくなり、成人矯正をスムーズにおこなうことができます。

また、指しゃぶり、口呼吸などの悪習癖のある方は、Ⅰ期治療で改善していきます。そして、Ⅱ期に移行していきます。まれに、Ⅰ期治療のみで、矯正治療が終了する場合があります。ただ、多くの場合は、Ⅱ期治療に移行します。

まとめ

矯正治療を始める時期、歯列不正の状況によっては、大きく変わります。多くの場合、永久歯が完全に生え揃う中学生の頃から始めるケースが理想的とされていますが、永久歯の生え方や位置、悪習癖(指しゃぶり、舌突出壁 )などがある場合は、早期の治療が必要なケースもあります。もちろん、成人になってからで十分対応できるケースもあります。大切なことは、歯列不正が早期に発見された場合は、早めに歯科医院を受診し相談することです。そして歯科医師と相談し、適切な時期に治療を開始することがいいと思います。必ずしも早期に矯正治療をしなければならないということではありません 。また、40~60代の方でも矯正治療を始めることができます。治療内容をしっかりと理解し、納得してから治療を始めてもらいたいと思います。

笑顔で歯を見せ指さす親子

歯科矯正治療をお考えでしたら、鳥取市東町にある山根歯科医院にご相談ください。

当院は、痛みに配慮した優しい治療を心がけて診療を行っています。むし歯・歯周病治療だけでなく、矯正治療や小児歯科、インプラント治療など、幅広い診療に力を入れています。

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マウスピース矯正で出っ歯を治せる?費用・治療期間も解説

こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。

マウスピース矯正の装置とケース

出っ歯に悩む方は多く、見た目のコンプレックスだけでなく、噛み合わせや発音、口腔内の健康にも影響を与えることがあります。

近年では、透明なマウスピースを使用したマウスピース矯正が注目を集めています。特に、見た目を気にせず矯正できる点や、通院負担が少ないことから、大人の矯正治療として人気が高まっています。

今回は、マウスピース矯正で出っ歯は治せるのか解説します。マウスピースを選択するメリットやデメリット、費用、治療期間についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

出っ歯とは

出っ歯かもと鏡でチェックする男性

出っ歯とは、上の前歯が下の前歯よりも大きく前方に突き出ている状態を指します。歯科用語では上顎前突(じょうがくぜんとつ)と呼ばれ、骨格的な要因や歯並びのバランス、生活習慣などさまざまな原因で起こります。

出っ歯は単に見た目の問題ではなく、噛み合わせや発音、さらには顎の関節や全身のバランスにも影響を及ぼすことがあります。上顎が前方に出ている場合や、下顎が後退している場合、または歯だけが前に傾いている場合など、原因は人によって異なります。

また、指しゃぶりや口呼吸、舌で歯を押す癖など、日常的な習慣も出っ歯を悪化させる要因となります。そのため、出っ歯を改善するには、見た目を整えるだけでなく、根本的な原因を見極めたうえで治療を行うことが重要です。

出っ歯を放置するリスク

出っ歯を放置するリスクのイメージ

出っ歯をそのままにしておくと、見た目だけでなく、口腔内や全身の健康にもさまざまな悪影響を及ぼします。以下では、出っ歯を放置することで起こりやすい代表的なリスクを解説します。

虫歯や歯周病のリスクが高まる

出っ歯の状態では口を閉じにくくなるため、口呼吸が習慣化して唾液の分泌量が減少することがあります。唾液には口腔内の細菌を洗い流す自浄作用があるため、唾液が減ると虫歯や歯周病のリスクが高まるのです。

また、前歯が前方に突出していることで歯並びが乱れていると、歯ブラシが届きにくい部分が多くなって清掃性が悪くなります。正しくブラッシングができなければ、プラークが残って虫歯・歯周病のリスクを高めるのです。

口呼吸によって全身に悪影響を及ぼす

出っ歯の方は、口が閉じにくいために無意識のうちに口呼吸になってしまうことがあります。口呼吸は口腔内を乾燥させ、細菌の繁殖を促すだけでなく、風邪やアレルギー、睡眠の質の低下など全身の健康にも悪影響を及ぼします。

さらに、成長期の子どもの場合は、顎の発育や顔の形にも影響し、将来的に骨格的な不正咬合を悪化させる可能性があります。

外傷のリスクが高まる

前歯が前に出ていると、転倒やスポーツ時の衝撃を受けやすく、歯が欠けたり折れたりする危険性が高くなります。特にお子さんの場合、成長期に外傷を受けると永久歯や歯根の形成にも影響が出ることがあります。

矯正治療で歯並びを整えることで、見た目の改善だけでなく、こうした外傷リスクの軽減にもつながります。

発音や滑舌に影響を及ぼす

出っ歯の場合、上下の前歯の間に隙間ができ、そこから空気が漏れると、さ行やた行などが発音しにくくなることがあります。特に人と話す機会が多い方や接客業の方にとって、発音の不明瞭さは大きなストレスとなります。

歯並びを整えることで舌の動きが自然になり、発音も改善されることが多く見られます。

マウスピース矯正で出っ歯は治せる?

マウスピース矯正で出っ歯は治せるのか疑問に思う女性

歯の傾きが原因の軽度〜中等度の出っ歯であれば、マウスピース矯正で十分に改善が可能です。歯を後方に移動させることで、見た目のバランスが整い、横顔の印象も自然に変わります。

ただし、上顎の骨自体が前方に出ている骨格性の出っ歯や、抜歯を伴うような重度の症例では、マウスピース単独では対応が難しい場合もあります。その際は、ワイヤー矯正や外科的処置を検討することがあります。

マウスピース矯正が自分に合っているかを判断するためには、歯科医院での精密な検査と診断が欠かせません。

マウスピース矯正で出っ歯を治すメリット

マウスピース矯正で出っ歯を治すメリットのイメージ

マウスピース矯正には多くの利点があり、見た目や快適さの面で従来の矯正よりも優れた点が多くあります。以下では代表的なメリットをご紹介します。

装置が目立ちにくい

マウスピース矯正の最大の魅力は、装置が透明で目立ちにくいことです。人と話す機会が多い方や仕事上見た目を気にする方でも、周囲に気づかれずに矯正が進められます。

結婚式や写真撮影などのイベント時にも取り外すことができるため、生活への影響を最小限に抑えられます。

取り外しができて清潔に保ちやすい

治療に使用するマウスピースは自分で取り外しができます。装置を外すことができるため、普段通りに食事ができるのはもちろん、食べかすが装置に挟まる心配もありません。また、装置を外した状態で歯磨きができるため、虫歯や歯周病のリスクを軽減しやすいです。

痛みが少ない・口内に傷ができにくい

ワイヤー矯正では、金属のワイヤーやブラケットが口腔内に当たって傷ができたり、装置を調整したときに強い痛みを感じたりすることがあります。

一方、マウスピース矯正では、装置が柔らかい樹脂で作られているため、口内の粘膜が傷つく心配がほとんどありません。また、マウスピースを装着・交換しながら歯を徐々に動かしていくため、痛みが少ない点も魅力です。

通院回数が少ない

マウスピース矯正では、あらかじめ治療計画に基づいたマウスピースを複数枚作成し、一定期間ごとに自分で交換して治療を進めます。そのため、従来の矯正治療に比べて通院回数が少なく、忙しい方でも続けやすい点が魅力です。

マウスピース矯正で出っ歯を治すデメリット

マウスピース矯正で出っ歯を治すデメリットのイメージ

マウスピース矯正は多くの利点を持つ一方で、デメリットも存在します。以下でくわしく解説していきます。

自己管理が求められる

マウスピース矯正で使用する装置は、1日20〜22時間装着する必要があります。取り外しができる利便性がある一方で、装着時間の管理ができないと、予定通りに歯を動かすことができません。自分で装着・管理を徹底できるかどうかが、治療成功の鍵となります。

すべての症例に対応できるわけではない

マウスピース矯正は、軽度から中等度の出っ歯には有効ですが、骨格的なずれが大きい場合や抜歯が必要なケースなどでは対応が難しいことがあります。複雑な症例では、ワイヤー矯正や外科的治療を検討する場合もあります。

マウスピース矯正で出っ歯を治す場合の期間

マウスピース矯正で出っ歯を治す場合の期間のイメージ

治療期間は個人の口腔内の状態によって異なりますが、一般的には1年半から2年程度かかるといわれています。軽度から中程度の出っ歯や歯のずれであれば、1年以内に改善が見込めるケースもあります。

一方、重度の不正咬合や歯並びの乱れが大きい場合は、2年以上かかることもあります。治療期間中はマウスピースを1日20〜22時間装着することが大切です。

装着時間を守らないと、計画どおりに歯を動かすことができないため、治療期間が長引く可能性があります。また、定期的な通院が必要で、患者さまの協力度合いや生活習慣なども治療期間に影響を与えます。

マウスピース矯正で出っ歯を治す場合にかかる費用

マウスピース矯正で出っ歯を治す場合にかかる費用のイメージ

マウスピース矯正の費用は、治療範囲などによって異なりますが、一般的には80万〜120万円程度が相場です。部分的な矯正であれば40万〜60万円程度で行える場合もあります。

また、マウスピース矯正は自由診療のため、歯科医院によって価格設定が異なります。この費用とは別に、精密検査の費用や通院の際にかかる調整料などが必要になるケースもあるため、事前に確認しておくことが重要です。

まとめ

旅行を楽しむ女性

出っ歯は見た目だけでなく、虫歯や歯周病、発音、呼吸などにも影響を及ぼす問題です。マウスピース矯正は、装置が透明で目立ちにくく、快適に矯正ができるという大きなメリットがあり、多くの方に選ばれています。

一方で、自己管理が必要であり、すべての症例に対応できるわけではない点には注意が必要です。

出っ歯の原因や状態は人それぞれ異なるため、まずは歯科医師による精密な診断を受け、自分に合った治療法を選択することが大切です。

マウスピース矯正を検討されている方は、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院は、痛みに配慮した優しい治療を心がけて診療を行っています。むし歯・歯周病治療だけでなく、矯正治療や小児歯科、インプラント治療など、幅広い診療に力を入れています。

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大人の歯並びと歯列矯正

こんにちは。

鳥取市東町にある『山根歯科医院』です。

近年、歯列矯正について皆さんの意識が高まっています。歯並びの問題は、多くの人にとって見た目だけでなく、口腔の健康にも影響を与える重要な要素です。特に成人においては、歯並びの不正が、様々な健康問題を引き起こすことがあります。歯列矯正は、これらの問題を解決するための効果的な方法ですが、大人が矯正治療を受ける際には、いくつかの特有の考慮点があります。本日は、大人の歯並びの問題、矯正治療の必要性、治療法、そして大人が矯正を受ける際の利点と課題について詳しく解説します。

鳥取市 歯医者 歯並び

大人の歯並びの問題

歯並びの不正は、遺伝や環境要因、習慣など様々な要因によって引き起こされます。成人に見られる代表的な歯並びの問題には、以下のようなものがあります。

鳥取市 歯医者 顎の痛み 矯正

1. 不正咬合

上下の歯が正しく噛み合わない状態です。これには、前歯が出ている「出っ歯」や、後歯が噛み合わない「受け口」などがあります。

2. 歯の間隔

歯と歯の間に空間が空いている場合(すきっ歯)や、逆に歯が重なっている場合(叢生)があります。これらは見た目だけでなく、歯磨きが難しくなり、虫歯や歯周病のリスクを高めます。

3. 歯の傾き

歯が、正常な位置から傾いたり、捻じれたりすることがあります。これは咀嚼機能に影響を与え、食事の際に不便を感じることがあります。

鳥取市 歯医者 矯正

大人の歯列矯正の必要性

鳥取市 歯医者 矯正

成人になってから歯列矯正を考える理由は様々ですが、主なものは以下の通りです。

1. 健康の改善

歯並びが不正な場合、噛み合わせが悪く、食べ物がうまく噛めなかったり、顎関節に負担がかかったりします。矯正によって噛み合わせを改善することで、これらの問題が解消されます。

2. 見た目の改善

美しい笑顔を手に入れることで、自信が持てるようになります。見た目の改善は、社会的な場面でもプラスに働くことがあります。

3. 口腔衛生の向上

歯並びが整うことで、歯磨きがしやすくなり、歯周病や虫歯のリスクが低減します。

4. 顎の健康維持

長期間の不正咬合が続くと、顎関節に負担がかかり、顎関節症を引き起こすことがあります。矯正治療によってこれを予防することができます。

鳥取市 歯医者 歯並び

歯列矯正の治療法

成人の矯正治療には、いくつかの治療法があります。それぞれの方法には特徴があり、患者の状態やニーズに応じて選ばれます。

1. 従来型の矯正器具(メタルブラケット)

金属製のブラケットとワイヤーを使用して歯を動かす方法です。一般的に治療期間が長くなることがあります。

鳥取市 歯医者 矯正

2. セラミックブラケット

メタルブラケットの代わりに、目立たないセラミック製のブラケットを使用します。見た目が改善されるため、大人に人気があります。

鳥取 歯医者 矯正

3. マウスピース矯正    (※当院では現在、インビザラインGo・インビザラインGo Pulsを取り扱っております)

透明なマウスピースを使用して歯を動かす方法です。装着していることがほとんど分からず、取り外しが可能なため、食事や歯磨きがしやすいですが、複雑な症例には対応しきれないこともあります。

鳥取市 歯医者 矯正

インビザラインGoのイメージ

4. 舌側矯正(リンガル矯正) (※当院では舌側矯正は行っておりません) 

歯の裏側にブラケットを装着する方法です。見えにくいため、外見を気にする方に向いていますが、装置に慣れるまで違和感を感じることがあります。

5. 補助的な治療

歯の移動を早めるために、抜歯や顎の手術が必要になることがあります。これらの治療は、矯正治療と併用することがあります。

大人の矯正治療の利点と課題

大人が矯正治療を受けることには、いくつかの利点と課題があります。

《利点》

☆ 自己改善

矯正治療を通じて自分の笑顔や健康を改善できることは、大きなモチベーションになります。

☆経験からのアドバイス

大人は、子供よりも自分の体についてよく理解しているため、治療に対する意識が高く、協力的な姿勢が取れることが多いです。

☆成長期の終了

成人は成長が終わっているため、矯正治療の結果が安定しやすいです。

《課題》

☆治療期間

成人の矯正治療は、成長期の子供よりも時間がかかることがあります。これは、骨の密度が高くなり、歯が動きにくくなるためです。

☆費用

大人の矯正治療は、一般的に治療費が高くなることがあります。また、保険が適応されない場合が多いです。

☆ 見た目と生活の変化

矯正装置の使用は、見た目に影響を与えるだけでなく、食事や発音にも一時的な不便を感じることがあります。

☆ 歯の健康維持

矯正治療中は、特に口腔衛生に注意が必要です。ブラケットやワイヤーに食べ物が挟まりやすく、歯磨きが難しくなるためです。

まとめ

鳥取市 歯医者 歯並び

大人の歯並びの問題と歯列矯正には、見た目や健康の改善に加え、治療に伴う様々な利点と課題があります。治療方法や期間、費用については、歯科医師と相談し、最適なプランを立てることが重要です。歯列矯正は、時間と努力が必要ですが、矯正治療を受けることで、笑顔や自信を手に入れると同時に、口腔の健康を維持することができます。

歯山根歯科医院では、痛みに配慮した優しい治療を心がけて診療を行っています。嚙み合わせ・歯並び・歯科矯正はもちろん、むし歯や歯周病治療だけでなく、小児歯科、インプラント治療など幅広い診療に力を入れています。

ホームページはこちら予約・お問い合わせも受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。

根管治療の目的と必要性

こんにちは。鳥取市東町にある「山根歯科医院」です。

歯の中には、歯髄と呼ばれる神経や血管が通っている部分があります。虫歯が進行して、この歯髄にまで細菌が入り込んで、歯髄が炎症をしてしまうこと(歯髄炎)があります。歯髄炎になると、激しい痛みが起こってきます。

また、そのまま放置していると、歯の中の歯髄が腐敗して、歯の根の先に膿がたまり、歯ぐきが腫れることがあります。これは、歯の根の先端部分に発生する病気です。歯の根の先端を「根尖(こんせん)と呼び、その周辺に炎症が起こる口腔疾患で、「根尖病巣」というものがあります。このような口腔疾患が発生すると、必要となるのが根管治療です。

根管治療を行う目的

根管治療は、痛んだ歯髄を除去し、根管を消毒し、根管に詰め物をして、再度感染を防ぐことを目的としています。また、本来であれば、抜歯をしなければならない歯でも、場合によっては、根管治療を行うことで歯を保存できることがあります。

根管治療 鳥取市 歯医者
根管治療

根管治療を行わず放置するとどうなるか

歯髄炎になっていても、治療をせずに放置すると、どんどん感染が広がってしまいます。始めは冷たいもの、温かいものにしみるといった症状ですが、だんだん強い痛みが出るようになり、噛んだ時に痛みが出で、物が噛めないないとか、根の先に膿がたまることで、根尖病巣ができてしまい、歯ぐきが腫れたりすることが起こります。この根尖病巣は、レントゲンなどで見ると黒く写り確認できます。さらに放置すると、根尖病巣が大きくなり、結果として抜歯になるリスクが高くなります。

インプラント治療のリスクイメージ

根管治療のメリット・デメリット

根管治療のメリット

歯の虫歯が進行して、歯の神経に炎症が起こると、根管治療が必要になってきます。根管治療のメリットは、歯の根管を消毒し、炎症を抑制し、痛みをなくすことにあります。もう1つのメリットは、抜歯をしないで、歯を保存することができることです。

根管治療後は型取りを行い、セラミッククラウン、ジルコニアクラウンなどの被せ物を装着するようになります。装着することによって噛む機能を回復し、自分自身の歯を残すことができます。歯を抜歯してしまうと、一生元には戻りません。歯が痛むたびに、なんでも抜歯して痛みをなくすことは容易にできます。しかし、抜歯をすることで失うものも大きいです。歯を保存するためには、根管治療はとても大切です。

根管治療のデメリット

では、根管治療のデメリットはあるのでしょうか。歯を保存するために必要な治療なので、メリットしか頭に浮かばないかもしれません。しかし、根管治療にも、デメリットがあります。

🦷歯がもろくなる

根管治療の最大のデメリットは、歯がもろくなることです。根管治療を行うと、歯髄(歯の神経)を取り除きます。歯髄には、神経だけでなく血管も通っており、歯に栄養を与える役目を果たしています。歯髄を除去することは、歯に栄養分を与えることができなくなってしまいます。栄養分が不足していると歯は脆弱になり、硬い物を噛むと歯が割れたりするリスクが高くなります。そうなると、歯の寿命が短くなってしまうことになります。

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🦷痛みなどを感じにくくなるので、異常を自覚しにくい

歯の歯髄(歯の神経)を取ってしまうと、痛みを感じることが少なる分、知覚を失ってしまいます。知覚を失うということは、異常を感じることが少なくなります。例えば、歯の内部で虫歯になっていても、知覚を感じないため(失っているため)、自覚症状を感じることが少ないです。なので、気が付くと被せ物のなかで虫歯が大きく広がり、場合によって、抜歯になるケースも少なくありません。

抜歯のイメージ

🦷治療の回数が多い

小さな虫歯の治療だと、1~2回で治療が終了します。しかし、根管治療は、そう簡単にはいきません。根管治療の場合、根管内がきれいになり、炎症がなくなるまで治療をしなければならないので、場合によっては根管治療だけで数回かかることがあります。

机に置かれたカレンダーとファイル

このように、根管治療には、メリットとデメリットがあります。歯の治療において、できるだけ根管治療をしないで治療することが大切ですが、歯髄炎など、かなり虫歯が進行しているケースは、根管治療が必要となってきます。

根管治療の流れ

問診・視診・レントゲン撮影(パノラマ・CT)

根管治療を行う上で、まず、最初に行うことは患者様と問診を行います。そして、患者様の主訴をお聞きします。そして、歯科用レントゲン撮影(パノラマ・CT)や視診を行うことで、原因となる歯を特定します。

歯の切削

抜髄の時は、麻酔処置を行ってから歯を切削しますが、感染根管の時は、麻酔なしで行うことがあります。抜髄か感染根管の判断は、レントゲン撮影や視診で判断します。感染根管の場合、レントゲンでは、歯根の先に黒い影が写ります。その他、電気診などを使用し、電気歯髄診断器を利用した電気診察を行い、歯髄の生死を確認するようにします。そして、歯を切削し、根管口を明示します。

歯髄の除去

感染した歯髄を専用の器具で除去していきます。

根管の消毒・洗浄

根管内を薬剤で洗浄、消毒を行っていきます。この過程を何回か繰り返します。抜髄と感染根管を比較すると、根管内の消毒、洗浄の回数は、感染根管のほうが多くかかります。

根管充填

根管内が清潔になったら、ガッタパーチャという材料で根管を充填します。

保存処置、補綴処置

根管充填が完了したら、歯の上部を詰め物にしたり、被せ物で修復していきます。

当院の根管治療の特徴

当院では、できるだけ抜髄しないように努めています。なぜなら、失活歯(根管治療を行った歯)になってしまうと、生活歯(神経が残っている歯)に比べて歯の寿命は短くなってしまうからです。それは、失活歯は、歯が脆弱になり、歯が破折・破損のリスク、また、虫歯の再発などのリスクが高くなります。当院では、できるだけ再発を防ぐための工夫を行っています。

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できるだけ根尖部まで根充剤を入れる

根管内であまりお薬が入っていないと、何年か経て細菌感染を起こすリスクリスクが高くなります。できるだけ根管内にしっかりとお薬を入れて、再感染防止に努めています。

歯科用根管拡大器の利用 

以前は、ファイルと呼ばれる手用器具で根管治療を行っていましたが、現在では、スマートプラスで効率よく、根管拡大、歯髄除去を行っています。

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スマートプラス

歯髄炎・感染根管の予防方法

歯髄炎や感染根管の予防には、まずは、虫歯を作らないことが第一にあげられます。歯髄炎、感染根管は、虫歯の放置によるものが多いです。日常における適切な歯磨き、定期的歯科検診によって、虫歯の早期発見、早期治療を可能にすることが大切です。食生活の改善もとても大事です。間食の回数、一日の糖分の摂取量を考えることが大切です。その他には、規則正しい生活をストレス解消に努めることも大切です。

まとめ

根管治療が必要なケースは、歯髄炎になっている場合や、さらに虫歯が進行して感染根管になり、根の先に炎症が起こっている(根尖病巣)場合です。これらの原因としては、虫歯の進行度や咬合性外傷などが考えられます。ただ、どの原因で初期段階では、根管治療を必要としないことが多いです。定期的に歯科検診を受けていただくことで、早期発見が可能になり、根管治療をしなくてもよいケースが多くなります。そして重要なのは予防です。日常の適切な歯磨きや食生活改善などを考慮して、いつまでも歯の健康を維持していただきたいと思います。

お口の健康を守りたいとお考えの方は、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院は、痛みに配慮した優しい治療を心がけて診療を行っています。むし歯・歯周病治療だけでなく、矯正治療や小児歯科、インプラント治療、医療ホワイトニングなど、幅広い診療に力を入れています。

ホームページはこちら予約・お問い合わせも受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。

予防歯科の費用相場|保険・自費の違いも解説

こんにちは。鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」です。

予防歯科の費用イメージ

近年、歯に関する意識の高まりとともに予防歯科という言葉を耳にする機会が増えてきました。従来の歯科治療といえば、虫歯や歯周病になったあとに治療することが一般的でしたが、現在では「なる前に防ぐ」という考え方が注目されています。

特に、予防歯科にかかる費用については多くの人が気になる部分でしょう。保険が適用されるのか、どのくらいの費用がかかるのか、自費診療と比べてどう違うのかなど、疑問を持つ方は少なくありません。

実際のところ、予防歯科は長期的に見れば費用対効果の高い取り組みといえます。

今回は、予防歯科の費用や具体的な内容などについて詳しく解説します。

予防歯科とは

予防歯科の説明をする歯科医師

予防歯科とは、虫歯や歯周病といった口腔内のトラブルを未然に防ぐための歯科医療のことを指します。

従来の歯科治療は悪くなった歯を治すことが中心でしたが、予防歯科は悪くならないようにすることを目的としています。そのため、歯が痛くなってから歯科医院に行くのではなく、定期的に検診やクリーニングを受けることが基本となります。

具体的な予防歯科の取り組みには、歯科衛生士によるプロフェッショナルケアや、患者さん自身が行うホームケアの指導が含まれます。また、フッ素塗布やシーラントによって歯質を強化し、虫歯を予防する方法も効果的です。

さらに、予防歯科は単に口腔内の健康を守るだけではなく、全身の健康にも良い影響を与えるとされています。歯周病が糖尿病や心疾患などと関係していることが明らかになっており、定期的な予防歯科の受診は生活習慣病のリスク軽減にもつながります。

つまり、予防歯科は健康寿命を延ばし、生活の質を高めるための重要な医療といえるでしょう。

予防歯科の費用

予防歯科の費用イメージ

予防歯科にかかる費用は保険診療と自費診療の2つに大きく分けられます。費用の違いを理解することで、自分に合った予防の方法を選びやすくなります。

保険診療での予防歯科

保険診療の範囲内で受けられるのは基本的なケアが中心です。例えば、歯科検診や歯石除去(スケーリング)、歯周ポケットの測定、ブラッシング指導などが該当します。

これらは国の医療保険制度によって一部が負担されるため、自己負担は軽く、1回あたり3,000円から5,000円程度です。特に定期的に受診する場合でも、家計に大きな負担を与えることは少ないのが特徴です。

ただし、保険診療の範囲は病気の治療に限られているため、より専門的で審美的な予防ケアは対象外となります。あくまで最低限の健康を守るための処置が中心であり、美しさや快適さを重視するケアは含まれません。

自費診療での予防歯科

自費診療で行う予防歯科は、保険診療ではカバーできない高度で専門的なケアを受けられるのが特徴です。

代表的なものには、PMTC(プロによる徹底したクリーニング)、エアフローによる着色除去などがあります。これらは見た目の美しさや快適さも重視されており、口腔内を健康的かつ清潔に保つ効果が高いとされています。

費用の目安としては、1回あたり3,000円から1万円程度が一般的で、施術内容や歯科医院の方針によって差があります。また、定期的に通院する場合は年間で数万円の出費となることもあります。

ただし、将来的に虫歯や歯周病の治療にかかる高額な費用や歯を失うリスクを減らせることを考えると、長期的な投資としては有効です。

自費診療の予防歯科を選ぶメリットは、患者さん一人ひとりに合わせたオーダーメイドのケアを受けられる点です。歯並びや生活習慣に合わせたアドバイスや処置を受けられるため、より高いレベルで口腔内の健康維持を目指すことができます。

予防歯科で行う内容

予防歯科で行うクリーニングの様子

予防歯科では、虫歯や歯周病を防ぐために以下のことを行います。

歯石やプラークの除去

歯科医院で最も一般的に行われる予防処置が、スケーリングによる歯石やプラークの除去です。歯ブラシでは取りきれない歯石は、細菌の温床となり虫歯や歯周病を悪化させます。

定期的に歯科医院で専用器具を使って取り除いてもらうことで、口腔内の環境を清潔に保つことができます。

PMTC

PMTCとは、歯科衛生士が専用の機械を用いて行う専門的な歯のクリーニングで、歯の表面を丁寧に磨き上げます。これにより、バイオフィルムや着色汚れを除去でき、虫歯予防だけでなく見た目の美しさも保てます。痛みが少なくリラックスして受けられる点も特徴です。

フッ素塗布とシーラント

フッ素塗布は、歯の再石灰化を促進して歯質を強化し、虫歯の発生を抑える方法です。また、シーラントは奥歯の溝を樹脂で埋める処置で、特に子どもの虫歯予防に効果的です。大人でも歯質の弱い部分や虫歯になりやすい箇所に応用できます。

セルフケアの指導

虫歯や歯周病を予防するためには、歯科医院で処置を受けるだけでなく、自宅での適切なケアが欠かせません。歯磨きの方法や歯間ブラシ・デンタルフロスの正しい使い方を学ぶことで、毎日の習慣が虫歯や歯周病の予防につながります。

歯科医院で受ける指導と実践を組み合わせることが、長期的な健康維持のポイントです。

予防歯科のメリット

予防歯科のメリットイメージ

ここでは、予防歯科のメリットについて解説します。

将来的な医療費の削減

予防歯科に定期的に通うことで、虫歯や歯周病を初期段階で発見・対処できれば、大掛かりな治療が必要になることを避けられます。結果として、高額になりがちな治療費を抑えることができ、長期的に見れば家計への負担軽減につながります。

見た目と口臭の改善

PMTCやクリーニングによって歯の着色や汚れが落ち、口元の見た目が明るく清潔に保てます。また、歯石やプラークを除去することで口臭の原因も減り、人とのコミュニケーションに自信を持てるようになります。

痛みや不快感を避けられる

歯の治療は痛みや不快感を伴うことが少なくありません。

しかし、予防歯科に通うことで、虫歯を予防できれば、歯を削ったり抜いたりするリスクを大幅に減らすことができ、快適な生活を維持できます。小さなケアを積み重ねることで、大きな不快感を避けられる点は大きなメリットです。

全身の健康維持に役立つ

近年の研究では、歯周病が糖尿病や心臓病、脳梗塞などの全身疾患と深く関わっていることが明らかになっています。予防歯科で口腔内を健康に保つことは、全身の病気予防にも直結します。単なる歯のケアにとどまらず、健康寿命を延ばす重要な取り組みといえるでしょう。

予防歯科のデメリット

予防歯科のデメリットイメージ

予防歯科のデメリットは、以下のとおりです。

費用の負担がかかる場合がある

予防歯科は長期的に見れば治療費の削減につながりますが、短期的には定期的な通院による費用負担が生じます。特に自費診療のクリーニングを選ぶと、1回あたり3,000円〜1万円程度の費用がかかり、年間を通してみると数万円になることもあります。

通院の手間と時間

予防歯科は、虫歯や歯周病の早期発見や予防に効果的ですが、定期的な通院が必要になります。一般的には3〜6か月に1回の頻度で歯科医院へ通うことが推奨されており、忙しい人にとっては時間の確保が難しいと感じることがあります。

また、子どもや高齢者の場合は家族の付き添いが必要となることもあり、負担に感じるケースがあります。

痛みや違和感を伴う場合がある

予防処置自体は基本的に痛みが少ないものですが、歯石の除去や歯周ポケットの清掃では軽い痛みやしみる感覚が出ることがあります。特に歯肉が炎症を起こしている場合には、不快感を覚えることがあります。

必ずしもトラブルを完全に防げるわけではない

予防歯科を続けても、生活習慣や体質によって虫歯や歯周病が発生する可能性はゼロではありません。予防はあくまでリスクを減らすものであり、完全に病気を防げる保証はない点を理解しておく必要があります。

予防歯科に通う頻度

予防歯科に通う頻度イメージ

予防歯科の効果を高めるためには、定期的な通院が欠かせません。一般的には3〜6か月に1回の受診が推奨されており、この間隔であれば歯石の付着や歯周病の進行を抑えやすくなります。

虫歯や歯周病のリスクが高い人は1〜2か月に1回、セルフケアがしっかりできている人は半年に1回といったように、個々の状況に応じて頻度を調整します。

子どもや高齢者は特にリスクが高いため、より短い間隔での受診が望ましいとされています。子どもは歯の生え変わりの時期に虫歯になりやすく、高齢者は歯周病や根面う蝕のリスクが高まるためです。

妊娠中の女性もホルモンバランスの変化で歯周病にかかりやすいため、予防歯科を積極的に利用することが大切です。

まとめ

予防歯科で歯が美しくなり笑顔を見せる女性

予防歯科は、虫歯や歯周病になってから治療するのではなく、未然に防ぐための大切な取り組みです。定期検診やクリーニングを通じて口腔内を清潔に保つことで、長期的に健康な歯を維持することができます。

費用面では、保険診療を利用すれば安価に基本的なケアが受けられ、自費診療を選べばより高度で快適な予防処置を受けることも可能です。

また、予防歯科には経済的なメリットだけでなく、痛みや不快感を避けられる点や見た目の改善、さらには全身の健康維持にまでつながるという大きな利点があります。

歯科医院での専門的なケアと自宅でのセルフケアを両立させることで、将来的に治療にかかる時間や費用を減らし、快適で健康的な生活を送ることができるでしょう。

お口の健康を守りたいとお考えの方は、鳥取市東町にある歯医者「山根歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院は、痛みに配慮した優しい治療を心がけて診療を行っています。むし歯・歯周病治療だけでなく、矯正治療や小児歯科、インプラント治療など、幅広い診療に力を入れています。

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